著者
笠井 憲雪 打越 綾子 越本 知大 加隈 良枝
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

我が国では動物実験について実施者側から一般市民への情報発信が極めて少なく、このため一般市民の動物実験への理解が乏しいと考えられる。そこで本研究では動物実験について広く社会に受け入れられる発信方法について研究し、試行し、その基盤の構築について提言する。具体的には次の4つのサブテーマを目的とする。1. 一般市民の動物実験に関する意識調査の実施と継続調査の基盤確立、2. 高校生物教育の動物を用いた学習の適切な支援方法の提言と支援組織の構築、3. インターネットによる動物実験情報発信基盤の構築、4. 動物実験に関する情報発信における倫理に関する研究。
著者
上西 智子
出版者
東北大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究の目的は、健康経営を実践している企業が、従業員に対して行っている健康づくりの取組で得られた成果をもとに、新たなビジネス領域へ事業展開するプロセスを明らかにすることである。具体的には、健康経営を実践している企業が、従業員や一般消費者の健康づくりの世界にどのように入り込んで健康づくりに資するのか、またどのような健康文脈を形成し、その価値を共創し展開させているのか、インタビュー調査を通してそのプロセスを実証的に明らかにする。
著者
高橋 征三 藤原 正子 高橋 信行 竹内 和久
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

腎臓病患者の血中のビオチン(ビタミンH)濃度を測定したところ、健常者より高値であることを見出した。腎臓機能の低下した患者はビオチンだけでなくその代謝物を尿に排泄できずに血中に蓄積していることを意味している。この代謝物はビタミンとしての活性がないだけでなく、元のビオチンの活性を妨げることが言われている。腎臓病患者にとって慢性的な代謝物の蓄積は、病態を進行させるなど深刻な影響を与える。そこで活性のある元のビオチンと活性のなくなったビオチン代謝物を区別して測定する方法を開発した。さらにNMR(磁気共鳴)法を用いて慢性患者に特有の代謝を解明することにより、治療への道を拓きたい。
著者
森田 果 井深 陽子 日引 聡 尾野 嘉邦
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

法学における実証分析の近時の国際的な潮流は,実験によって収集されたデータを利用して実証分析を行うことに移りつつある。実験を行うことで,ランダム化比較対照実験を実現することができ,因果関係を正しく判別することができるからである。しかるに,日本の法学からの実験データを利用した実証分析の国際的な発信はほとんどなされておらず,国際的な実証法学への日本からの貢献は非常に低調である。そこで本研究は,COVID-19の下でも低コストで実施可能なオンライン実験を実施していくことで,消費者法・医事法・環境法の分野を中心に実験データに基づいた実証法学の日本からの国際的な貢献を実現することを目指す。
著者
茂木 謙之介
出版者
東北大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、戦後から現代の天皇・皇族・皇室の表象について、特にポップカルチャーにおけるイメージを中心的に検討し、その様相を明らかにすることを目的とする。特に2010年代以降、ポップカルチャーにおける天皇表象の数は増加傾向をたどっている。これらは時に皇室に関するオカルト的想像力を喚起し、また時に同時代の歴史認識問題を浮き彫りにするものであり、現在の皇室をめぐる状況を考察する上で欠かすことのできない。本研究では特に昭和天皇と皇族女子の表象を中心的に検討し、同時代の主要メディアや絵画・映画・文学における天皇・皇族・皇室表象と比較を試み、それらを通して従来の近現代天皇制研究を刷新する。
著者
外山 喬士
出版者
東北大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

メチル水銀は魚介類の摂取を介して人体に蓄積し、中枢神経障害を惹起するが、その機構は不明である。最近申請者はメチル水銀を投与したマウスの大脳皮質において、脳内の免疫担当細胞であるミクログリアを活性化している可能性を見出した。これまで、活性化したミクログリアは 炎症性サイトカイン類の過剰産生を介して神経細胞死を誘導することで;、様々な神経疾患の発症に関わる可能性が示唆されている。そこで本研究では、1. メチル水銀による神経傷害へのミクログリア活性化の関与と、2. メチル水銀によるミクログリア活性化を介した神経傷害機構について解明を目指す。
著者
手島 邦夫
出版者
東北大学
巻号頁・発行日
2002

博士論文
著者
河村 和徳 三船 毅 篠澤 和久 堤 英敬 小川 芳樹 窪 俊一 善教 将大 湯淺 墾道 菊地 朗 和田 裕一 坂田 邦子 長野 明子 岡田 陽介 小林 哲郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

東日本大震災では多くの被災者が生じ、彼らの多くは政治弱者となった。本研究は、彼らの視点から電子民主主義の可能性について検討を行った。とりわけ、彼らの投票参加を容易にする電子投票・インターネット投票について注目した。福島県民意識調査の結果から、回答者の多くは電子投票・インターネット投票に肯定的であることが明らかとなった。しかし、選管事務局職員は、こうしたICTを活用した取り組みに難色を示す傾向が見られた。ICTを利用した投票参加システムを整備するにあたっては、彼らが持つ懸念を払拭する必要があることが肝要であり、財源の担保に加えシステムの信頼を高める努力が必要であることが明らかになった。
著者
川井 健
出版者
東北大学
巻号頁・発行日
1962

博士論文
著者
花村 昌樹 寺杣 友秀 木村 健一郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

複素n次元空間の半代数的集合の上で,極をもつ微分形式の積分の理論を厳密に定式化し, 収束のための幾何的な条件を与えた.また複素解析におけるCauchyの積分公式を高次元の場合に拡張した公式を与え,それを証明した.DG圏の一般化としてquasi DG圏の概念が代表者により提出されていたが,その基礎理論を構築し,とくにquasi DG圏から三角圏を構成する方法を与えた.それを用いて,任意の代数多様体上の混合モティーフ層の三角圏を構成した.混合Tateモティーフの三角圏と代数的サイクルのbar複体上のcomoduleのアーベル圏との関係を研究した.
著者
千葉 聡 平野 尚浩 森井 悠太 Prozorova Larisa 鈴木 崇規
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

小笠原諸島の陸貝化石の年代測定から、最終氷期以降、カタマイマイなどが形態的、生態的に区別のできるタイプに分化したことが示された。琉球列島の喜界島などでも同時代の化石を解析した結果、同じような変化のパターンは見られず、小笠原での急速な分化は、その放散と関係していると考えられる。一方、本土と琉球列島の近縁現生種について、系統推定とニッチ利用を調べた結果、いずれにも形態とニッチ利用の関係が示すパターンに共通性が認められたが、急速な放散はカタマイマイに限られた。島では競争によるニッチ分化が放散の要因と考えられるのに対し、本土の種分化では地理的隔離の他は、捕食-被食の効果が認められた。
著者
岩城 円花
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2021-04-28

本研究は、閉鎖会社かつ家族企業において、離婚時および相続時に家族企業特有の問題によって発生する、過半数を占める株主からの少数株主への弾圧を防ぐ方法を明確化し、すべての株主の合理的な期待を保護するための閉鎖会社を中心に捉える会社法体制を確立することを目的とする。閉鎖会社かつ家族企業が抱える特有の問題が離婚時および相続時に多く発生していることから、日本とアメリカの会社法のみならず家族法を比較するアプローチを取り、少数株主の弾圧の解決策を模索する。
著者
鈴木 誠 鎌形 清人 最上 譲二
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

がん抑制機能をもつp53蛋白質は、2重らせんDNA(dsDNA)上を拡散運動し標的配列と強く結合する。本研究ではDNA結合蛋白質とDNAとの結合と探索メカニズム解明に向けて、dsDNAの周りのHMW層の量をbuffer種等で制御したときのp53とdsDNA結合定数測定への影響を実験と計算で調べ、さらに1分子測定によるdsDNA上のp53の1次元拡散係数に及ぼすハイパーモバイル水(HMW)の効果について明らかにする。
著者
小谷 元子 大西 立顕 内藤 久資 高見 誠一 一木 輝久 古田 幹雄 青柳 岳司 下川 航也 橋本 幸士
出版者
東北大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2017-06-30

本領域は、数学と物質・材料科学の連携により、「次世代物質探索のための離散幾何解析学」を創成することを目指すものである。原子・分子のようなミクロ構造やナノ粒子などのメゾ構造(これらを階層的ネットワークと理解)と、物質・材料のマクロな性質つまり物性・機能の関係を幾何学的に記述し解析することで、物質のミクロ・メゾ構造とマクロな物性・機能の関係を解明し(順問題)、求められる物性・機能を持つミクロ・メゾ構造の予見(逆問題)、更に構造を生成する動的構造形成の制御(最適化・制御)を行うことを目指し数理モデルの構築、シミュレーションと理論による検証を踏まえた最適構造の提案とそれに基づく物質合成を計画している。総括班は、このような異分野融合研究を効率よく行うための議論の場の提供、チュートリアル的な勉強会の企画・運営、領域全体に資する国際研究集会の運営、成果発信のためのニュースレターの発行などを行った。また、研究班でカバーできない研究課題を分析し、新手法の提案・提起に柔軟に対応するため公募計画を策定し、領域会議において計画研究、および公募研究の間の情報交換と議論を行った。異なる分野、班の間をつなぐためのインターフェースとなる若手研究者を配置した。彼らは領域内の項目間の融合を促進するための勉強会やワークショップの企画、ニュースレターの作成を行うとともに、彼ら自身も連携研究を行い、論文および国際研究集会等において成果を発表した。公募研究をより有効に連結させ相乗効果を上げるために、チームを超えた連携研究を奨励するための連携研究支援を行い論文として発表することができた。領域代表者は特に本領域研究に関していくつかの重要な国際会議でプレナリー講演やサーベイ講演を行い、領域の確立に向けて情報発信を積極的に行った。
著者
藤村 幹 冨永 悌二 新妻 邦泰 麦倉 俊司 坂田 洋之
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

もやもや病は小児や若年成人に多い原因不明の脳血管障害であり、基礎病態として病的異常血管網発達あるいは代償的な側副血行路を含めた血管新生能を内在する特有の疾患である。本研究は、もやもや病における内因性多能性幹細胞に着目し、血行再建術後の血管新生における多能性幹細胞の役割について検証する。さらに、もやもや病に対して日常診療で汎用されている抗血小板剤シロスタゾールを用いて内因性幹細胞由来の血管新生を誘導することにより血行再建術の効果を促進するという新しい試みである。細胞移植という手段によらず間接血行再建術からの血管新生を誘導する手法の開発により、もやもや病の治療成績の飛躍的な向上が期待できる。