著者
鈴木 寛之
出版者
金沢大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

許しと感謝のエクササイズは、ネガティブな出来事や自身の弱さ等に「ゆるします」や「ありがとう」と唱えることで,それらをありのままに受け入れ、さらにポジティブな面を見出し、最終的には些細で当たり前な出来事(目が見えること、家族がいること等)への気づきを通してより前向きな捉え方を身に着けていくことを目指すものである。うつ病16名を含む23名の患者を無作為比較試験を行った結果、BDI-II、自己受容感、日本版寛容性尺度、反応スタイル尺度の問題への直面化および日本版-外傷後成長尺度は、介入により有意に改善することが明らかとなり、本プログラムはうつ病を主とした患者に対して有用であると考えられた。
著者
當摩 哲也 SHAHIDUZZAMAN MD 宮寺 哲彦 大平 圭介
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

太陽電池のさらなる世界的普及を考えると、高性能化と低コスト化に並び重要なのは長寿命化である。本研究では、エネルギー変換効率20%以上を発現するペロブスカイト太陽電池において、大気下での長寿命化技術の構築に取り組む。本研究では、①長寿命ペロブスカイト材料の探索とその劣化メカニズムの解明、②ペロブスカイト層にダメージを与えないCat-CVDによるドープしたSi層のETLとHTL層の開発を推進する。さらに、①と②を組み合わせた③劣化因子をすべて排除した極長寿命ペロブスカイト太陽電池の実現(Si太陽電池同等レベル目標)を本研究で達成する。
著者
吉田 栄人
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ハマダラカ唾液腺特異的プロモーターを用いて、唾液腺にワクチン抗原を発現させることに成功した。作製した遺伝子組換え蚊(TG)の口吻から組換えタンパクが放出される様子観察することに成功した。また、抗マラリア抗体を唾液成分として発現するTGを作製し、この蚊はマラリア原虫の伝播能が著しく阻害されることを証明した。
著者
井町 智彦 Imachi Tomohiko
出版者
金沢大学
雑誌
博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査結果の要旨/金沢大学大学院自然科学研究科
巻号頁・発行日
vol.平成14年9月, pp.489-495, 2002-09-01

取得学位:博士(工学),学位授与番号:博甲第511号,学位授与年月日:平成14年3月22日,学位授与年:2002

2 0 0 0 OA 優生学と倫理

著者
野村 真理
出版者
金沢大学
雑誌
講義録・研究者になりたい人のための倫理--先端科学を中心に
巻号頁・発行日
pp.53-58, 2006-12-01

金沢大学経済学部
著者
村松 正道 喜多村 晃一 若江 亨祥 小浦 美樹 島津 美幸 Que Lusheng Li Yingfang Mohiuddin Md Liu Guangyan Monjurul Ahasan Wang Zhe
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、免疫系の効果分子APOBECとヒト腫瘍ウイルスの代表であるパピローマウイルス(HPV)やB型肝炎ウイルス(HBV)との関係性を調べた。その結果、APOBECはHPVの粒子形成プロセスに干渉し、感染性を低下させ、あるいはウイルスDNAに変異を作る事が明らかになった。またAPOBECがHBVのウイルスRNAを破壊する活性を持つ事がわかった。これらの研究により、免疫系の持つHBVやHPVに対する感染防御力の一つにAPOBECという宿主酵素群が関与する可能性が浮上し、その機構の一旦が明らかになった。
著者
杉本 直俊 紫藤 治
出版者
金沢大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

近年、気温の上昇により熱中症発病者が急増し、特に熱中症高齢者の増加が特記される。熱中症予防の基本は暑さに身体を慣らす、つまり暑熱順化である。しかし暑熱順化の分子機構はほとんど解明されていないのが現状である。本研究では暑熱順化の分子機構の解明を試みた。暑熱順化により(1)シャペロンタンパク質であるHeat Shock Proteinsが増加した、(2)低酸素刺激にも耐性が獲得された、(3)温度センサーであるTRPV1が減少した。以上が、これまでに判明した暑熱順化の分子生物学的な解析結果である。本成果により、熱中症予防への応用が少なからず可能性が高まったと思われる。
著者
北野 慎一
出版者
金沢大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

漁業・漁村の多面的機能を発揮していると思われる日本国内の事例をピックアップし、一般市民の方が景観に対して持つ様々なイメージに基づいて、その類型化を試みた。空間的特性、歴史文化的特性から4類型が可能であることが明らかとなった。その類型から特に歴史文化的特性を持つ事例(岐阜長良川鵜飼)をピックアップし、経済評価を試みた。伝統漁法が創出するレクリエーション効果(価値)が確認された。
著者
新田 哲夫
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、石川県白峰方言の共時的な記述を行うことを主たる目的とし、方言語彙の資料の整備を行うことを目指した。また、白峰方言は、日本語史の観点から見ても重要な方言であるため、中央語との関わりに注目しながら、次の調査研究を行った。1.形容詞語幹の長母音の記述と変化の研究白峰方言の形容詞は、ターキャ(高い)、サービ(寒い)など語幹に長母音をもっている。これらの形容詞活用の形態とアクセントを記述した。また、この現象は、新潟県北部・中部、長野県秋山郷、島根県隠岐地方、大分県国東半島付近、高知市、和歌山県西南部にみられる。これらのうち、大部分がすでに先年度、新田によって調査が行われたが、まだ未調査の和歌山県田辺市において調査を行い、これらの現象を確認し、その記述を行った。これまでの調査を含めて導かれる結論は次のとおりである。(a)これらの長母音は、「独立語基>ウ音便の融合母音をもつ語基>その他の語基」の順に多く現れ、出現に包含関係が見られる。(b)これらの長母音は短母音より歴史的に古く、語内部の後続の融合母音が出現する環境で保たれる傾向にあった。(c)長母音のかわりに、促音・撥音が現れる方言があるが、これらも長母音から発生したものである。2.民話・自然談話などの録音資料のテキスト研究当方言で語られる民話の採取を行い、テキストを作成した。また、『NHK全国方言資料』の白峰の部分の改訂と注釈を行った。3.基礎語彙調査当方言の基礎語彙の調査を行った。「天候・気象」、「動物」の分野について形態・意味・用法について記述を行った。4.アクセント資料の作成当方言の動詞、形容詞について、アクセント資料を作成した。
著者
渥美 聡孝 Atsumi Toshiyuki
出版者
金沢大学
雑誌
博士論文本文Full
巻号頁・発行日
2016-03-22

博士論文本文Full 以下に掲載:Journal of Traditional Medicines 30(3) pp.124-131 2013. 和漢医薬学会. 共著者:Toshiyuki Atsumi, Akiho Iwashita, Isao Ohtsuka, Nobuko Kakiuchi, Yohei Sasaki, Masayuki Mikage, Kazuo Toriizuka
著者
長尾 誠也 山本 政儀 福士 圭介 桐島 陽 井上 睦夫 富原 聖一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

2011年3月11日に発生した福島原発事故により環境中に放出された放射性核種の陸域と沿岸域での影響評価を行うために、主に福島県浜通りを調査地域に設定し、沈着した放射性セシウムの河川流域から沿岸域への二次的な移行動態を調べた。2011年5月から2014年12月までの観測結果では、河川水中の放射性セシウムの放射能濃度は、降雨時に一時的に増加するが、平水時には時間の経過とともに指数関数的に減少した。また、2011年度には、粒子態に含まれる放射性セシウムの存在割合が、それ以降の観測試料に比べて20~30ポイント低く、放射性セシウムの河川への流出挙動が事故初期時とそれ以降では異なることが明らかとなった。
著者
國生 龍平
出版者
金沢大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

バキュロウイルスに感染したチョウ目昆虫の幼虫は異常な徘徊行動を呈する。この現象はウイルスによる利己的な宿主操作であると考えられている。これまでの研究から、バキュロウイルスは宿主の脳に感染することで直接的に行動中枢を操作していることが示唆されたが、その直接的な証拠はいまだ得られていない。そこで本研究課題は、ウイルスゲノムをターゲットにしたCRISPR/Cas9システムとGal4/UASによる遺伝子発現誘導システムを組み合わせることで、宿主行動操作における脳感染の重要性を実証し、行動操作に重要な脳領域を絞り込むことを目標とする。初年度であるH30年度は、実験材料である遺伝子組換えカイコおよびバキュロウイルスの作出に注力した。まず、5xUASの制御下でCas9遺伝子を、カイコU6プロモーターの制御下でウイルスの必須遺伝子をターゲットにしたsgRNAを発現するドナーベクターを作出した。このドナーベクターを用いてpiggyBacトランスポゼースによる遺伝子組換えを行うため、当該ベクターをカイコ卵にインジェクションした。一方、当初利用予定であったエンハンサートラップGal4系統が本実験の目的に足る発現パターンを示さないことが判明したため、現在TAL-PITCh法により中枢神経系解析用のGal4系統を作出中である。また、脳におけるウイルス感染領域の変化をイメージング解析するため、感染ステージ特異的にGFPやmCherryなどの蛍光タンパク質を発現する組換えバキュロウイルスを作製中である。
著者
少作 隆子
出版者
金沢大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2003

<目的>内因性カンナビノイドは、脳の様々な領域において逆行性シグナルとして働いている。シナプス後ニューロンから放出され、それがシナプス前終末に存在するカンナビノイド受容体を活性化し、神経伝達物質の放出を抑制する。また、シナプス可塑性の誘導にも関与していることが報告されている。本研究では、培養海馬ニューロンを用い、内因性カンナビノイドの放出メカニズムについて詳しく検討した。<方法>ラットおよびマウスの海馬ニューロンを単離培養し、ニューロン・ペアよりIPSCを記録し、IPSCの振幅の変化を指標にしてシナプス後ニューロンからの内因性カンナビノイドの放出量を測定した。また、phospholipase C(PLC)産物であるジアシルグリセロールにより活性化されるTRPC6チャネルを強制発現させ、生きた細胞1個のPLC活性をリアルタイムでモニターした。<結果および考察>(1)Gq共役型受容体(group I代謝型グルタミン酸受容体など)の活性化と脱分極が同時に起こると内因性カンナビノイドが多量に放出された。(2)受容体活性化による内因性カンナビノイドの放出はPLCβ1欠損マウスでは消失していた。(3)受容体活性化により引き起こされる内因性カンナビノイドの放出は、細胞内Ca^<2+>濃度に強く依存していた。(4)TRPC6電流を指標としてPLCβ1活性を調べたところ、受容体を介するPLCβ1の活性化が細胞内Ca^<2+>濃度に強く依存し、また、脱分極によるCa^<2+>濃度上昇により著しく増強されることが示された。以上より、内因性カンナビノイドの合成・放出の律速酵素と考えられるPLCβ1が、生理的範囲において強いCa^<2+>依存性を示すため、細胞内Ca^<2+>濃度上昇と受容体活性化が同時に起こると強く活性化され、多量のカンナビノイドが放出されると考えられた。
著者
森下 昌紀 早川 貴之 菅野 孝史 山岸 正和 岩瀬 順一 川越 謙一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

素数と結び目の類似性に基づき,数論と3次元トポロジーの関連について,研究し,学術論文5篇,論説2篇を著した。具体的な研究成果の概要は以下に述べる通りである。1)絡み目群と分岐条件付き,Galois群の類似に基づき,結び目と素数の類似性を論じた。特に,Alexander加群とMilnor不変量の数論的類似物を求めた。2)絡み目の巡回分岐被覆について,数体の種の理論の類似を求めた。3)3次元多様体の被覆について,数体の単項化定理の類似を求めた。4)素数たちに対するMilnor不変量の類似物のGaloisコホモロジーのMassey積による解釈を与えた。またMilnor不変量の巡回不変性らの性質を示した。5)岩澤主予想と、Alexander多項式の力学系のゼータ関数による解釈の類似性,Langlcends対応と場の量子論の類似について考察した。上記の研究に関して、次の国際,シンポジウム,学会で研究発表を行った。・数論の国際シンポジウム(2001年,9月,都立大),・代数学シンポジウム(2002年,8月,室蘭工大),・米国数学会年会(2003年1月,ボルチモア),・日韓結び目理論シンポジウム(2003年2月東大),・日米数学研究所コンファレンス(2003年3月,ジョンズホプキンス大,ボルチモア),日米数学研究所のコンファレンスでは,組織委員も務めた。