著者
木村 明人
出版者
金沢大学
雑誌
高校教育研究 (ISSN:02875233)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.37-40, 1999-10

教員養成審議会の審議を中軸として教員の養成・採用・現職教員の研修といった制度的改革が審議,一部施行されはじめている。来年度からの新指導要領への移行措置施行,二年間の移行措置を経て平成14年度から小中学校における新指導要領施行と学校週五日制施行,平成15年度から高等学校の新指導要領施行(学年進行)という情勢のなかで,教員養成と学校の教育現場の接点としての教育実習を事実に基づいて見直しておきたい。そのため,実習生指導における私の指導事実の報告を記述しながら,私自身の原点洗い直しの作業ともしたいというのが本稿の趣旨である。なお,次の諸条件は前提のうえご理解いただきたい。約一ヵ月前のオリエンテーション時に,教科書や副教材の配布,実習担当時間割りなどは指示し,指導案用紙等も配布済みである。以下の記録は実習第一日目以降の指導内容である。
著者
上田 望
出版者
金沢大学
雑誌
金沢大学中国語学中国文学教室紀要 (ISSN:13423975)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.69-97, 2003-03-30
著者
趙 菁
出版者
金沢大学
雑誌
言語文化論叢 (ISSN:13427172)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.169-186, 2008-03-31
著者
西本 陽一
出版者
金沢大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

本研究は、「周縁性」を中心テーマとして、社会的な周縁におかれた少数者集団が、自らが経験してきた歴史・社会的な苦境の中で、何を感じ、何を希望として抱いているかという問題の解明を目指すものである。具体的には、東南アジア大陸部北部から中国西南端にかけての山岳地帯に暮す少数民族ラフを対象として、歴史的・社会的な周縁化の過程の中で、彼らの間で起こってきた伝統宗教の改革・復興運動およびキリスト教への改宗に焦点を当てる。特に、「周縁性」の経験および「周縁性」への応答としての宗教変容や宗教運動についての、ラフ自身による語りの実証的な記録と分析とによって、その社会的な経験を彼/彼女らの視点にできるだけ近づいて理解しようとするものである。このような研究目的をもつ本研究は、(1)東南アジア大陸部山地における諸民族の政治・経済・文化的権力関係の歴史研究、(2)ラフの宗教復興・改革運動の研究、(3)村人自身の語りによる「周縁性」の経験の研究の3つの部分から構成される。このうち平成20年度には特に、(2)と(3)について研究を進めた。平成20年8月から9月にかけて、中国雲南省およびタイ国チェンマイ市にて現地調査をおこなった。研究最終年度にあたる平成20年度には、論文と学術発表を積極的におこない、成果の発表にも努めた。平成20年度末には、3年間の研究成果の報告書である『平成18年度〜20年度科学研究費補助金萌芽研究(課題番号:18652077)研究成果報告書「周縁性の経験-少数民族ラフの宗教変容と語り-」、研究代表者:西本陽一』(2009年3月31日、全302ページ、DVD付)を刊行した。
著者
岩坂 泰信 TROCHKINE Dmitri
出版者
金沢大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

東アジア起源の鉱物粒子、いわゆる黄砂の性状を調べる目的で2004年の3月と10月に直接観測を行った。いずれの観測においても、気球搭載の自動インパクター集塵装置(AIS)を使用したことにより黄砂発生源地域(敦煌市、中国)上空、特に自由対流圏高度に存在する大気中粒子状物質(大気エアロゾル)の採集に成功してる。このAISは大気エアロゾルをサイズ別に採集できる2段式インパクターを3個装備可能で、高度別に試料を得られるのが特徴である。これと並行し、同様の技術で地上における大気エアロゾルの採集も行った。また、AIS放球後短時間のうちに同じく気球搭載の光散乱式粒子個数濃度測定器(OPC)を打ち上げ、どの高度にどの大きさの粒子が卓越しているのか、という粒子の分布状態も調べられた。黄砂が大陸内部で発生した後、長距離輸送される過程でどのような変質をうけるのか、この問題解明には、発生源と風下地域の両地点での比較が必要である。汚染物質と黄砂の関連を調べる目的で、東アジア有数の都市域である北京市内においても係留気球を用いた観測を行っている。各地点で採集された大気エアロゾル試料は後にエネルギー分散型X線分析器(堀場、EMAX-500)搭載の走査型電子顕微鏡(日立、S-3000N)により粒子個々に観察、分析された。その結果、発生源地域上空、自由対流圏で採集された(より長距離輸送に寄与すると思われる)黄砂の粒子表面は季節を問わず「きれい」な状態にあったことがわかった。一方、風下地域で採集された黄砂の粒子表面には硫酸塩等の存在が確認されている。黄砂に含まれる硫黄の含有量が母体となる黄砂の組成、採集時の相対湿度などに依存していたことから、風下における硫酸塩の存在は粒子表面で起きる不均一反応によりSO_2が酸化され、生成した結果であると指摘した。以上の結果は学術雑誌に投稿準備中である。
著者
杉本 卓洲 西川 麦子 島 岩 鹿野 勝彦
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

南アジアの宗教文化の展開および構造の大きな特性は、その多様性、複合性にある。それを総合的・包括的に解明し把握するためには、学際的な共同研究を行なうのが最も有効な手段であろう。しかもそれは、種々の観点からのアプローチがなされるべきである。本研究では、南アジアの宗教文化の解明に、聖と賎という新たな視点から光を照射する試みを行なった。一般の宗教研究においては、聖と俗、日常性と非日常性、特にインドの宗教社会にあっては、浄と不浄という相対概念、枠組みのもとに、そのあいだの関わり、交錯・葛藤が究明されるのであるが、本研究では特に賎の問題を追求した。これは従来見逃されてきた視点であり、本研究の意義として評価されよう。また、従来の南アジアの宗教文化の共同研究は、総じて仏教かヒンドゥー教に限られていた観がある。そこで本研究では、両宗教の外に部族宗教、イスラーム教の社会構造や文化複合の究明を加えて共同作業を行なった。その方法としては、インド学・仏教学の文献を用いての通時的・歴史的研究と、文化人類学・社会人類学の現地調査に基づく共時的研究との両面を交差させ相補しながら、学際的な共同研究を目指した。一般にインドの特に古典的文献は誇張と極端的表現に富み、どこまで実態を伝えているのか疑問を生じさせるものが少なくない。その史実性を解明するには、考古学的資料の参酌を初めとして種々の方法があろうが、現地調査とそのデータの記録である民族誌、宗教誌と、それらの分析および研究の成果を援用することは、きわめて有効な手段の一つである。また逆に、実地調査による研究成果についても、インドのような伝統的・尚古的社会にあっては、歴史的視野を抜きにしては単に皮相的な現状報告に止まるものとなろう。本研究では、こうした通時的および共時的研究の両面から、南アジアの宗教文化のなかの、特に仏教、ヒンドウー教、部族宗教、イスラーム教における聖のなかに現われた賎、賎のなかに現われた聖、聖から賎へ、賎から聖へといった聖と賎との浸透・交錯関係、そのメカニズム、下降・上昇の転化および作用のダイナミズム等を明らかにすることを目的として研究を進め、その研究のための資料の収集とともに、然るべき成果をおさめた。そして、以下のようなその成果の一部を含む成果報告書を刊行した。杉本卓洲「仏塔と菩薩に見る賎」、島岩「ゴーエンカーとヴイパッサナー瞑想法」、島岩「サンガラクシタとユーロ・ブディズムの成立」、鹿野勝彦「シェルパと職能カースト:南アジア周辺部の非ヒンドウー社会におけるジャート(カースト・民族集団)間関係についての一考察」、西川麦子「バングラデシュ農村の物乞、フォキールをめぐる聖と俗」。
著者
谷重 豊季
出版者
金沢大学
雑誌
金沢大学文学部地理学報告 (ISSN:0289789X)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.81-95, 1997-03-18

In recent years, studies on the spatial structures of medieval manor villages have been accumulated. These studies show us that the medieval rural landscapes are still in existence. That is why the author attempted to look for the medievals at Nashiha-go-Minamikata in Nuta-no-sho where comparatively many historical documents have remained. First of all, the author made a basemap by pasting the modern land register maps together, and took hearing of koaza (koaza means the narrowest place name) and yago (yago means a name of each family) ,and moreover confirmed the place names in the historical documents on the basemap. Some results are summarized as follows : 1) Although many place names which come from myosyus (myoshu means the farmer who holds paddy fields) can be found in the medieval documents, there are no more than about 17 in the field. 2) Each myo (myo means the territory which a myosyu possesses) occupies almost the entire small vally. These myos, come together by twos and threes. 3) A Myo is composed of several paddy fields, plowed fields, and farms by the slash and burn methods,etc. It seems to form the concentric circle whose centre is a myosyu's house. 4) Although several Jori type place names are found in a historical document of the 13th century, the author could not find the lots in conformity with Jori-system at the area. The important problem with which we are confronted is to investigate the hidden histrical facts behind the geographical distribution.
著者
平松 良浩 山本 真行 古本 宗充 石原 吉明 藤田 和央
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

豪州ウーメラ砂漠にてアレイ観測を行い、「はやぶさ」地球帰還時のインフラサウンド及び地震記録、光学観測記録を取得し、それらの解析により衝撃波の励起位置を推定した。観測結果に基づく励起位置での推定大気圧は、従来の理論値と2倍程度のずれがあり、理論の仮定に問題があることが明らかとなった。大気圧変動と地動との伝達関数を定義し、大気-地表面カップリング過程の定量化を行った。
著者
村本 健一郎 播磨屋 敏生 久保 守 藤田 政之 椎名 徹
出版者
金沢大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
2000

雲の中で成長した雪結晶は自分の重みで落下が始まり,雲粒の中を落下していく途中で雲粒が雪結晶に付着して種々の形に成長するが,落下速度は遅いので,すぐに空間密度が高まり互いに接触する割合が高く,しかも枝の構造が機械的にからみやすいため,いくつもの結晶の合体した雪片となる.この雪片同士が衝突併合には,雪片輪郭線の複雑さや落下運動の不規則さが関与していることが報告されているが,実際に雪片同士が衝突した瞬間の映像は捉えられていない.また,雪片が複雑な運動を伴って落下する理由も十分には解明されていない.本研究では,できるだけ自然に近い状態で落下中の雪片の映像を録画するシステムを製作し,次にそれらの映像を画像処理技術を使って定量化し,降雪現象の物理的特性を定量的に解明するシステムを開発することを目的として以下の実験を行った.(I)降雪雪片撮影システムの開発できるだけ自然現象に近い状態で落下中の雪片を観測するために4m(縦)×5m(横)×13m(高さ)の観測塔内で,地面に対して水平方向に1台,および鉛直方向に4台のCCDカメラを設置し,降雪雪片の落下中の運動を2方向から同時に撮影するシステムを開発した.(I)降雪観測と解析実際に、降雪中の切片を5台のカメラで撮影した.撮影した画像から降雪雪片の形状と3次元的な落下運動軌跡を求めた.
著者
海野 進
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

オマーンオフィオライトのシート状岩脈群の石基鉱物粒径の層序変化をもとに拡大軸直下における上部地殻の温度構造を推定した。マグマのリキダスを1150℃,シート状岩脈群最上部の平均温度を100℃と仮定すると,母岩温度は噴出岩層/シート状岩脈群境界からの深さ570mで180℃,990m で最高温度670℃,シート状岩脈群/上部ガブロ境界で530℃であった。また,シート状岩脈群下部330m の地温勾配は最大1.7℃/m と推定された。
著者
植田 邦彦 綿野 泰行 伊藤 元己 長谷部 光泰 藤井 紀行 朝川 毅守
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

前々・前年度収集した植物資料の集団遺伝学的・分子系統学的解析を進めた。本年度の現地調査は次のように計画され,実行された。前年度の結果よりグンネラ属等がアンデス沿いに分化していった過程の解析に最適であることが判明したので,さらに詳細に資料収集を行った。また,同様にグンネラほど集団密度が高くないにしろ分布範囲が広く,解析に適した,ユキノシタ属の1種,カタバミ属の1種,フウロ属の1種等も重点対象種とした。すなわち結果として,チリ,ボリビア,エクアドル,アルゼンチン,そして同種が著しい隔離分布を示しているとされるニュージーランドとタスマニア(オーストラリア)において,さまざまな地域より集団サンプリングを行った。グンネラにおいては1集団より30個体以上からのサンプリングを基本として合計50集団以上から資料を収集することが出来,他の種類については可能な限り多数の個体と集団よりサンプリングを試みた。いずれの地域も交通手段はレンタカーしか無いために多人数での調査は困難なため,調査班を3班に分け,さらに南米域の植物に詳しい者と植物採集に長けた者との2名を研究協力者として参加を要請し,調査班を構成した。本年度収集品は前々・前年度の収集品と合わせ,集団遺伝学的・分子系統学的解析を行っているところである。
著者
石渡 明
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

この研究では,既に国際学術誌に論文公表済みの多くの成果があった.Koizumi & Ishiwatari(2006)では丹波帯の付加体緑色岩が,ナップ基底部にまとまって産するものとメランジュ中にバラバラに産するものとの間で化学組成の多様性に大きな違いがあり,前者が海台,後者が通常の海洋底に由来すると結論した.Ichiyama et al.(2006)は丹波帯小浜地域の付加体緑色岩から,これまで日本ではほとんど報告がなかった,大規模火成岩区(LIP)に特徴的な鉄ピクライトを報告し,その成因を論じた.Ichiyama et al.(2007)は丹波帯の同じ緑色岩体から,顕生代では初めての大型スピニフェックス組織を示す玄武岩を報告し,同様の岩石を産するコラ半島ペチェンガ地域の原生代前期火山岩やズピニフェックス組織の再現実験結果と比較しながらその成因と地質学的意義を論じた.Ichiyama et al.(2008)は基底部緑色岩をTi含有量によって3種類に区分し,スーパープルームによるマグマ活動の一般的な時間的変化と対応づけてペルム紀海洋下におけるそれらの形成過程を論じた.このほか,この研究課題に関連する研究成果として,Ishiwatari et al.(2006)では小笠原前弧の母島海山にアダカイト質火山岩が産することを報告し,他の火山岩,斑れい岩,超苦鉄質岩の分布や岩石学的性質を検討して,太平洋プレート上の小笠原海台の沈み込みに関連してブロック状に隆起した前弧オフィオライト衝上岩体であるとするモデルを提出した.柳田ほか(2007)はマリアナ海溝南部の島弧側斜面からドレッジされた超苦鉄質岩を研究し,海洋底では初のMgカミングトン閃石を報告するとともに,原岩の鉱物化学組成や平衡温度,そして変成作用の特徴などから,この地域では前弧から背弧に至るマントル断面が,それらを横断するように形成された新しい海溝斜面に露出している可能性を示唆した.また,Ishiwatari et al.(2007)は世界的にも例の少ないざくろ石斑れい岩-超苦鉄質岩体をロシア北東部から報告した.
著者
中山 晶一朗
出版者
金沢大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

周知の通り交通混雑・交通渋滞は都市部における大きな社会問題となっている.交通混雑は単に所要時間が増加するのみならず,その信頼性が著しく低下することも問題である.所要時間がはっきりとは分からないことは,時間通りに到着することが出来ず遅刻に至ることになり,また,遅刻を回避するためには出発時刻を早めなければならず,様々な時間的,経済的,精神的損失を生み出すことになる.これまで交通工学では,時間信頼性を考慮しない交通量配分モデル(交通ネットワーク均衡モデル)が既に提案され,実用化に至っている.既往のモデルでも交通システムでの旅行時間を算出することは可能である.しかし,それらでは旅行時間の確率分布を取り扱うことは出来ず,単に一つの値としての旅行時間を算出するのみである.したがって,それらの既往のモデルでは先に述べた時間信頼性を考慮することはできない.昨年度では,時間信頼性を考慮した均衡モデルの基本的均衡概念について明らかにし,道路利用者の経路選択が不確実なため(確率的であるため)に道路ネットワークの状態が確率変動する場合の確率的均衡モデルを構築した.しかし,旅行時間や交通量の変動の原因は経路選択の不確実性のもならず,交通需要が確率的に変動することも重要である.本年度は,昨年度のモデルを拡張し,交通需要が不確実に変動するとともに経路選択が確率的に行われる場合のモデルを構築した.また,モデルを金沢都市圏道路ネットワークに適用するためのデータ整備も行った.
著者
川西 琢也 福浦 清 花木 啓祐 林 良茂
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

本研究は,土壌浸透水からの硝酸態窒素を直接除去する技術の開発を目指すものである。土壌に,その場の浸透水量とほぼ等しい飽和透水係数をもった土壌(低透水性土壌層と呼ぶ)を設置し,その下層に硫黄等の電子供与体を投入しておくと,水が浸透した場合に,低透水性土壌層の水分飽和度が上昇し,酸素拡散が抑制される。開発上の一番の難点は低透水性土壌層をどのように調整するかという点にあったが,試行錯誤の結果,砂とシルト土壌を混合することにより,0.01md^<-1>〜0.lmd^<-1>程度の浸透水量に対応できることが明らかになった。低透水性土壌層として,宇ノ気産の砂と平均粒子径(メーカー値)0.01mmのシルトを3:1に混合したものを用い,内径0.15m,高さ0.8mのカラムを2本用意し,1本には低透水性土壌層と硫黄と中和剤である炭酸カルシウムを投入し,もう一本には,硫黄と炭酸カルシウムのみを投入,供給水量0.025,0.05,0.1md^<-1>で硝酸カリウムを添加して約20mg-Nl^1とした水道水を供給したところ,それぞれ79%,84%,94%の窒素除去率が得られた。このように,本研究で開発を目指していた方法についてはフィージビリティが示され,なおかつ,その最も重要なポイントである低透水性土壌層について,現場の代表的浸透水量に等しい飽和透水係数をもつ土壌を用いればよいこと,さらには,そのような土壌層を得るため,粒子径の異なる士壌を混合すればよいことなどが明らかとなった。また,土壌水流,酸素拡散に関するモデルを作成し,現場におけるパラメーターが得られれば,流量と酸素供給抑制効果との関係が計算できることを明らかにした。今後,実際の場への適用に関しては,流量変動にいかに対応するか,また,さらに低流量の場合にいかに窒素除去を行うかが課題となるが,まずは当面の目的をほぼ達成したと考えられる。
著者
三浦 香苗 太田 亨 深川 美帆
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

学生によるビデオ会議(日本語使用)を,タイ,トルコ,豪州の協定校と,1 対1及び多地点同時通信で行った。その結果(1)1対1の方が多地点より議論が円滑であった。(2)会議のturn数を日:豪,日:タイ,日:トルコで比較すると,日:豪が有意に多かった。(3)「結婚」「職業」などは異文化会議を進めやすいトピックである。(4)国によっては,サブトピックより更に下位の話題が活発に出た以上の結果の原因が文化差か,グループの傾向か等は未だ特定できない。
著者
持井 康孝 古畑 徹 志村 恵 東田 雅博 古市 大輔 弁納 才一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は、日本全国の高等教育機関等に分散所蔵されている「青島旧蔵書籍」の全体像を調査・復元し、それを通して青島におけるドイツ租界の文化情況や中国人との接触情況、並びにドイツの対中国文化政策を明らかにすること、それらドイツ租界における情況を上海等におけるイギリス租界の情況と比較することにより、新旧帝国主義国家の対中国文化接触のあり方、並びにそれに対応する中国側のあり方の相違を明らかにすることの二点である。青島ドイツ租界に原蔵され、その後青島守備軍による接収を経て、日本の各高等教育機関に配分された「青島旧蔵書籍」に関しては、以下の作業を行なった。1)日本全国の高等教育機関等に現蔵される当該書籍や配分関連文書の逐件調査を行なった。2)その調査をふまえ、各冊ごとの書誌データ、青島における原蔵状況、守備軍による配分状況、現蔵機関における所蔵状況についての各種データを整理し、「青島旧蔵書籍」を各機関に配分したその計画リストの上に、その逐件調査によって得られた調査データを加えた新規データベースを作成した。青島ドイツ租界・上海租界におけるそれぞれの文化接触や文化政策についての比較検討を試みる「独・英の対中国文化接触」の研究に関しては、以下の作業を行なった。1)青島ドイツ租界・上海租界に関する記載を含むマイクロフィルム資料を収集・整理した。2)その資料の電子データ化を経て抽出した、租界内部やその周辺地域での文化・社会・経済政策に関連するデータ、並びに、青島及びその周辺地域の歴史やイギリスの対中国政策史に関わる中国側諸文献の分析を行なった。上記の調査・分析から得られたそれぞれの研究成果をまとめて、研究成果報告書として作成・公表した。
著者
内田 洋
出版者
金沢大学
雑誌
金沢大学文学部論集. 文学科篇 (ISSN:02856530)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.91-115, 1992-03-19