著者
中村 雄彦 中村 元一
出版者
科学評論社
雑誌
アレルギ-科 (ISSN:13417584)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.368-373, 2005-10
著者
渡部 真志 二宮 怜子 近藤 総一 鴨川 賢二 冨田 仁美 藤原 聡 奥田 文悟 岡本 憲省
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
2020

<p><b> 要旨:</b>症例は41 歳男性.習慣的に行っていた頸部回旋直後に後頸部痛を自覚した後,ふらつき,呂律困難,右半身の脱力が順に出現した.意識はJCS 1 で,右同名半盲,構音障害,右片麻痺,左上下肢の運動失調がみられた.頭部MRI,DWI で左小脳と左視床内側に急性期脳梗塞を認めた.頭頸部MRA ならびに造影CT にて右椎骨動脈解離による動脈原性塞栓症と診断した.脳血管撮影では左回旋位で右椎骨動脈の血流の途絶がみられた.撮影中,右頸部回旋時に後頸部痛を生じた.左椎骨動脈に狭窄性変化と右回旋位で血流の途絶を認めた.検査後から一過性の浮動感が出現した.翌日の頭部MRA にて新たに左椎骨動脈解離を認めたため,両側椎骨動脈解離によるbow hunter 症候群(BHS)と診断した.抗血小板剤内服と頸部硬性カラー装着にてBHS に関連する症状は速やかに改善した.頭蓋頸椎移行部における椎骨動脈解離を疑って脳血管撮影を行う際には,頸部回旋により新たな動脈解離を来す恐れがあることに最大限の注意を払うべきと考える.</p>
著者
逸見 久美
出版者
実践女子大学
巻号頁・発行日
1977

博士論文
著者
三好 彰 中山 明峰 程 雷 殷 敏 時 海波 陳 智斌 鮑 永生 魯 春林 白川 太郎
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4Supplement2, pp.S147-S152, 2003-09-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
22

近年の日本におけるスギ花粉症などのアレルギー疾患増加が、回虫など寄生虫の減少に起因しているとの仮説に対して、実際の疫学調査の結果と文献による考察を行った。疫学調査の結果からは、寄生虫感染例でもスクラッチテストに陽性反応を示す症例の存在することが分かり、むしろ感染例の方が非感染例よりも陽性率の高いことすらあることが示唆された。文献的にも、この仮説を裏付け得るだけの論文は見当たらず、仮説は根拠に乏しいものと判断された。アレルギー疾患の増加が、寄生虫感染の減少に起因しているとはいえない。
著者
西村 真紀
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.900-904, 2020-07-15

教育学部を卒業して7年間、私は中高教員だった。化学を教えていた。しかし“冒険家の私”は、30歳を目前に医学部に学士入学、家庭医の道を邁進してきた。診療所や大学、学会で家庭医教育に従事し、なかでも「ウィメンズヘルス」に注力、また「女性医師」の働きやすい環境づくりにも取り組んできた。私のキャリアの概略を表1に示した。
著者
片桐 真弓
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.137-148, 2016-03-31 (Released:2019-07-05)

本稿では,子育て中の母親への面接調査を下に,父親の子育ての質的特徴について明らかにした。父親には何よりもまず職業人としての扶養役割があるという前提はあるが,それでも扶養役割だけでなく,いくつかの親役割を果たし,子育てに関わっていないということはなかった。しかし,その内容を見ると,子どもの身の回りの世話のようにほぼ毎日決まった時間に行うことが求められるものは母親が担っており,父親の子育ては限られたなかで行われていた。イクメンをブームで終わらせないためには,長時間労働の働き方の見直し,教育が課題として上げられる。
著者
増野 雄一 三好 麻希 田頭 勝之 髙石 義浩
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48100251, 2013

【はじめに、目的】 加賀谷は、「足部アーチ機能の働きをする長腓骨筋(以下PL)は、母趾内転筋(以下AH)斜頭の深層を通るため、AH斜頭の伸展性低下はPLの滑動性を低下させる」と述べているが、AH伸張の効果に関する報告は少ない。我々は、第47回日本理学療法学術大会においてAH伸張が変形性膝関節症を有する患者(以下膝OA群)の転倒予防に効果的であることを報告した。今回の研究の目的は、健常成人を対象としたAH伸張の即時効果を検証するとともに、膝OA群を対象としたAH伸張の即時効果と比較検討することにある。【方法】 対象は、下肢に機能障害を認めない健常成人23名(男性10名、女性13名、平均年齢30.7±4.9歳)の利き足(以下、健常群)とし、AHの伸張を行った。AH伸張は膝OA群と同様に、加賀谷が提唱する「両手で第1趾および第5趾の中足骨から趾節部を把持し、上下に揺する感じで開排伸張する」方法を2分間行った。また、膝OA群は、第47回日本理学療法学術大会で報告した32名(男性6名、女性26名、平均年齢78.2±4.6歳)とした。 評価項目は、運動能力テストとしてSide Hop Test(以下SHT)・片脚幅跳び、バランス能力テストとして重心動揺計(アニマ社製グラビコーダGS-10による総軌跡長・外周面積・矩形面積)・Functional Reach Test(以下FRT)、足部の評価として足アーチ高率・足趾の開排自動運動時の足趾末梢部横幅(以下、末梢幅)・MP関節部横幅(以下、MP幅)をノギスにて測定し、AH伸張前後を比較分析した。また、健常群と膝OA群における同一評価項目であるFRT、末梢幅、MP幅については、AH伸張後の値をAH伸張前の値で除して100を積した変化率とし、両群間を比較分析した。 統計処理は、統計解析ソフトSPSS PASW Statictics17を使用した。健常群の分析については、対応のあるt検定およびWilcoxonの符号付順位和検定を用い、両群の比較については二元配置分散分析を用いた。また、分析に用いた測定値の検者内信頼性については、級内相関係数ICC(1,1)により検討し、危険率5%未満を有意水準とした。【倫理的配慮、説明と同意】 対象者にはヘルシンキ宣言に基づき、本研究の趣旨を十分に説明した後、署名にて同意を得た。【結果】 今回、分析に用いた測定値の検者内信頼性は、ICCが0.81~0.97と良好な再現性を示した。健常群においてAH伸張後に有意差(p<0.05)を認めた項目は、SHT(介入前:8.7±1.4秒→介入後:8.2±1.4秒)、総軌跡長(43.1±9.7cm→37.0±8.8cm)、FRT(37.9±5.0cm→39.6±4.1cm)、末梢幅(95.3±12.6mm→97.9±12.4mm)、MP幅(86.5±7.1mm→87.6±7.8mm)であった。また、二元配置分散分析により両群を比較した結果、末梢幅およびMP幅は、両群ともAH伸張により有意な増大(p<0.05)を示したが、交互作用は認めなかった。FRTは、両群ともAHの伸張により有意な増大(p<0.05)を示した。また、両群におけるAH伸張後のFRTを比較した結果、膝OA群は健常群に比べ有意に高値(p<0.05)を示し、さらに交互作用を認めた(F値=7.47 p<0.05)。【考察】 本研究では健常群に対しAH伸張を行った結果、SHT、総軌跡長、FRT、末梢幅、MP幅に改善を認めた。吉田らは、「SHTにおいて、表面筋電計を用いてPLを計測した結果70-120%MVCの高い筋活動を示し、外側方向の接地期で最大となる筋活動パターンが得られた。」と報告しており、今回、SHT において改善を認めたのは、AH伸張によりPLが賦活した可能性が考えられる。また、総軌跡長、FRTの改善においてもPLの賦活化により、足関節の外反、底屈の運動調節機能が向上し、バランス能力が改善したものと推察される。両群の末梢幅、MP幅の増大に関しては、AH伸張によりAHの柔軟性が増加したものと考える。 両群の比較分析の結果、AH伸張後のFRTにおいて膝OA群は健常群に比べ有意に高値を示した。膝OA群の足部機能は健常群より低下していることが考えられ、機能低下した足部に対するAH伸張の効果がより顕著に認められたものと推察される。さらに健常群では、AH伸張によりFRTおよびSHTの改善がみとめられたことから、運動開始前にAH伸張を行うことにより即時的なパフォーマンス向上に繋がる可能性が示唆された。 今後は、他の運動器疾患に対するAH伸張の即時効果・長期効果についても検証していきたい。【理学療法学研究としての意義】 今回、健常群に対してAH伸張を行ったことにより運動機能、バランス能力等に即時効果があることが示唆された。また、膝OA群および健常群の年齢は22~86歳であり、AH伸張は幅広い年代に効果的であることが示唆された。