著者
藤井 聡 高須 豊
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.473-478, 2006
被引用文献数
1

現代日本社会においては、人々が自動車の否定的側面を考慮することなく、自動車免許取得の意思決定をしていると考えられる。こうした認識のもとに実施された自動車利用に関する客観的情報を自動車免許非保有者に対して提供するコミュニケーション実験より、客観的情報提供には長期的な効果が存在することが実証的に確認されている。本研究では、東京、京都に住む自動車免許を保有していない大学1年生を対象として、自動車利用のコストやリスクなどについての情報提供を行う同様のコミュニケーション実験を実施することにより、前述の情報提供の効果を追試し、その普遍性を検討した。また、人々が入手する情報の非対称性について検討した。
著者
輪島 幸治 林 正樹 古川 利博
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.17, pp.85-88, 2013-03-08

個人によるCGの制作が活発になってきている.MMD (MikuMikuDance)と呼ばれるCGムービー制作ツールは,コンテンツキャラクターのCGを有志が制作することで有名である.MMDで制作された動画はキャラクターのファンの間で人気が高く,動画を制作したいユーザは多い.しかし操作が難解なため専門的な能力を持たないユーザが動画を制作するツールとしては敷居が高い.一方,動画制作の手法にT2V (Text-to-Vision)という専門的な能力を持たなくとも動画を制作可能なメディア変換技術が提案されている.そこでT2VによるCGオブジェクトの再利用を検討する.T2VによるMMD向けCGオブジェクトの再利用が可能となることで,ユーザの容易な動画作成を可能とし,コンテンツ共有サイトのさらなる発展が期待できる.本稿ではT2VとMMDによるそれぞれのCGオブジェクトの形式比較を行い,T2Vを用いた描画検証を行う.そして今後T2VアプリケーションにてMMD向けCGオブジェクトを再利用する際の課題を明らかにする.
著者
朝比奈 わかな 岡田 成美 岩本 尚也 増田 太郎 福里 司 森島 繁生
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.23, pp.1-6, 2015-02-23

近年,3DCG 制作ツール (MikuMikuDance 等) の普及により,楽曲に合わせて CG キャラクタを踊らせる動画作品が増加傾向にある.このようなダンス動画においてキャラクタの表情は作品全体の印象に大きく影響する.例えば,楽曲やダンスモーションの印象と全く異なる印象の表情を付与した場合,その動画は違和感のある作品となってしまう.また,楽曲の印象が一定でも,ダンスモーションの激しさの度合いやキャラクタの姿勢などによって,印象が大きく左右される場合がある.そのため,作品の印象を決定する要素として,楽曲の印象だけでなく,ダンスモーションの情報も考慮する必要がある.そこで我々は,ダンス動画の印象についての主観評価実験に基づき,音響特徴量とモーション特徴量を用いて重回帰分析を行うことで,ダンスモーションにシンクロした楽曲印象推定を可能にした.
著者
玉田 亨 岡下 慎太郎 橋本 和哉 荒川 博之 本田 領 神原 敏之 川本 達雄
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学 (ISSN:00306150)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.274-278, 2004-12-25
被引用文献数
2

我々は顎変形症患者の性別による性格傾向を調査するため,本研究を行った.資料として1999〜2002年に本学附属病院矯正歯科を受診した(1)男性の顎変形症患者19名(平均年齢22.17歳,18〜27歳)(2)女性の顎変形症患者27名(平均年齢23.72歳,18〜39歳)を用いた.方法として,MINI自動心理診断システムver6.0(学芸図書出版)を用い,臨床尺度について比較検討を行った.男性の顎変形症患者群において有意水準p<0.05でHy(ヒステリー),Pd(精神病質的逸脱),Pa(妄想症)の尺度で有意に高得点を示した.女性の顎変形症患者群において有意な高得点を示す尺度はなかった.以上の結果,顎変形症患者の男性群は女性群と比較して,身体表現性障害や精神的障害の可能性が多いことが示唆された.
著者
石村 大輔
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.73-76, 2013-01-01

今日,CO2削減と省エネルギー,環境保全への関心が高まっている。このような中,レンゴーグループでは,地球環境の保全に配慮した経営を実践することが,企業の持続的発展に不可欠であるとの認識に立ち,グループをあげて環境保全活動に継続的に取り組んでいる。<BR>レンゴー利根川事業所では,バイオマス焼却設備(ボイラ)を導入した。これまでの既設ロータリーキルン焼却設備では,産業廃棄物燃焼による廃熱回収は行っておらず,エネルギーが有効利用されていなかった。バイオマス焼却設備(ボイラ)では,蒸気でエネルギー回収できるようになった。これにより自家発電用ボイラのLNG燃料を削減でき,CO2の排出量を大きく削減できた。<BR>また,ロータリーキルンでは製紙汚泥ならびに排水汚泥を処理していたが,事業所内で発生する全量を処理しきれず,弊社八潮工場(埼玉県)や処理業者へ処理を委託していた。しかしバイオマス焼却設備(ボイラ)導入後は,事業所で発生する産業廃棄物(可燃物)の全量焼却処理をできるようになった。<BR>この結果,産業廃棄物量は,飛灰・焼却灰の排出量については増加したものの,廃棄物全体量は削減できた。<BR>バイオマス焼却設備(ボイラ)の導入から約半年程経過し,現在順調に稼働している。今後はさらに安定運転に励んでいく所存である。
著者
石村 大輔
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.73-76, 2013 (Released:2014-01-01)

今日,CO2削減と省エネルギー,環境保全への関心が高まっている。このような中,レンゴーグループでは,地球環境の保全に配慮した経営を実践することが,企業の持続的発展に不可欠であるとの認識に立ち,グループをあげて環境保全活動に継続的に取り組んでいる。レンゴー利根川事業所では,バイオマス焼却設備(ボイラ)を導入した。これまでの既設ロータリーキルン焼却設備では,産業廃棄物燃焼による廃熱回収は行っておらず,エネルギーが有効利用されていなかった。バイオマス焼却設備(ボイラ)では,蒸気でエネルギー回収できるようになった。これにより自家発電用ボイラのLNG燃料を削減でき,CO2の排出量を大きく削減できた。また,ロータリーキルンでは製紙汚泥ならびに排水汚泥を処理していたが,事業所内で発生する全量を処理しきれず,弊社八潮工場(埼玉県)や処理業者へ処理を委託していた。しかしバイオマス焼却設備(ボイラ)導入後は,事業所で発生する産業廃棄物(可燃物)の全量焼却処理をできるようになった。この結果,産業廃棄物量は,飛灰・焼却灰の排出量については増加したものの,廃棄物全体量は削減できた。バイオマス焼却設備(ボイラ)の導入から約半年程経過し,現在順調に稼働している。今後はさらに安定運転に励んでいく所存である。
著者
大島 千佳 原田 千聡 町島 希美絵 安田 清 中山 功一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

認知症者の記憶障害を支援する機器として,最近はスマートフォンが活用される.しかし,携帯することを忘れてしまう人や,嫌がる人も多い.そこで,犬にスマートフォンを担がせ,主人のタスク(服薬など)時刻にアラームが鳴ると,主人のもとへ駆けつけるように訓練した.健常者を対象としたケーススタディについて報告する.
著者
勝沼 聡
出版者
総合文化研究科
巻号頁・発行日
2013-05-23

学位の種別: 論文博士
著者
石塚豊芥子作
巻号頁・発行日
1848

1 0 0 0 歌舞伎年表

著者
伊原敏郎著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1956
著者
自笑作
出版者
八文字屋八左衞門板
巻号頁・発行日
1743
著者
役者評判記研究會編
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1987
著者
今田 晃一 木村 慶大 青木 務
出版者
文教大学
雑誌
教育研究所紀要 (ISSN:09189122)
巻号頁・発行日
no.14, pp.47-55, 2005

学習指導要領においても博学連携が求められている。博物館はモノを媒体とした教育機関であり、その展示資料は教育メディアである。学習者が博学連携の展示資料をどのような観点で評価しているかを明らかにすることは、博物館独自の学びのよさを学校教育に生かすための知見を得ることにつながると考え、調査を行った。結果、博物館、特にハンズ・オンにおける展示資料について中学生は、博物館の意図する視点とともに材料・触感性の観点からも評価していることがわかった。また博物館の学びに対して、モノに触れながらの観察を通して「モノとそのモノが使われている状況に思いを馳せる」という博物館独自の学びのイメージを適切にもっていることが明らかになった。
著者
竹中 克行
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.24-24, 2010

I.遺産都市タラゴナ タラゴナは,スペイン北東部カタルーニャ自治州の地中海に面する都市である.州都バルセロナの南西約85kmに位置し,人口は13万8千人(2008年),内陸側に近接するレウスともにカタルーニャ第2の都市圏をなしている.タラゴナには,フランコ体制期(1939~1975年)に開発された大規模石油化学コンビナートとともに,スペイン5指に入る国指定管理港湾があり,これらが地域の産業・雇用にとって重要な基盤を提供している. 他方,郊外中心で進められた産業地区・住宅開発とは裏腹に,歴史地区にあたる面積約18haの上手地区は,長期にわたって行政の施策から置き去りにされ,著しい生活環境の悪化を経験した.本報告が注目するのは,1980年代に始まる歴史地区再生に向けた動き,なかでも歴史文化遺産に与えられた意味である. 古代ローマの属州の都,タラコを起源とするタラゴナには,きわめて豊富な考古遺跡が残されている.とくに上手地区は,神殿・属州フォルム・競技場の3大要素がおりなす古代タラコの中枢部を継承する空間である.考古遺跡には,博物館ないしオープンスペースの一部を構成するものもあるが,現実には,大部分が地下に眠ったままか,後世の建造物の礎石や壁の一部をなしている. このような考古遺跡の特性は,遺産保護をめぐるタラゴナの都市政治に複雑な問題を提起している.報告では,(1)考古遺跡を中心とする歴史地区の遺産化,(2)遺産保護が生活環境整備に与える制約,という主に2つの側面から考察する.II.歴史地区の遺産化 1993年に制定されたカタルーニャ文化遺産法のもとで,タラゴナは,市全域にわたって考古学遺産の指定を受けた.とくに上手地区に関しては,中世以降の建造物を含めて,全域が歴史的建造物群とされ,さらに,文化財の個別指定を受けている地区内の建造物は約100件にのぼる.国から文化政策に関する権限を移譲されたカタルーニャ自治州によって,独自の地域・歴史認識を背景にもつ遺産政策が始まったのはこの頃である.2000年,タラゴナ古代ローマ遺跡群はUNESCO世界遺産に登録され,上手地区だけでも,属州フォルム・競技場と市壁の3件が登録対象となった. 現在のカタルーニャ自治州の遺産保護政策では,考古学遺産に指定されているエリア内で建物の建替え・大規模改修を行うさいには,開発者の負担で発掘調査を実施しなければならない.調査の結果,学術的・文化的価値のある遺跡が発見された場合は,開発者に対して保存の義務が課せられる.遺跡調査・保護にかかわる制度的要請ゆえに開発に一定のブレーキがかかるなかで,博物館,市民センター,文書館など,行政自らが上手地区の建物を活用する事例は着実に増えてきた.また,民間投資の面でも,デベロッパーが採算性を見込んだ不動産が,賃貸アパートメントなどの形で選択的に更新されている.考古遺跡の存在に注目し,これを一種の付加価値として積極的に活用する事業者も現れた.III.遺産保護と生活環境整備 他方,1985年,都市計画マスタープランの下位計画に位置づけられる上手地区特別計画が策定され,減築とオープンスペース創出を基本とする,行政による地区の生活環境整備が始まった.注意すべきは,居住者向けの生活環境整備に対して,先述の遺産保護政策が,建造物取壊しなどをめぐって,しばしば矛盾する力を加えているという点である.古代遺跡に限らず,中世以降の建造物も含む歴史地区の建造環境全体を保護しようとする自治州の遺産保護政策が,市主体の都市計画への制約要因としてのしかかっているからである. とはいえ,遺産保護と生活環境整備を単純な対立関係でとらえることはできない.実際,生活環境の改善に主眼をおく都市計画においても,遺跡への眺望を重視した広場の改修や古代都市の構造に合わせたカラー舗装など,訪問者の視線を強く意識した事業は少なくない.また,それらの公共事業を引き金として,民間投資による都市空間の化粧直しも進んでいる. 更新された賃貸アパートメントに住む若い専門職・教員,オープン工房に市民を集める職人・アーティスト,毎年台詞を変えながら大祭りの人気の出し物となっている「婦人と老人の踊り」など,上手地区の新しいダイナミズムを示す局面はけっして少なくない.そうした動きには,文化行政が創り出す大きな遺産の物語だけでなく,都市の顔たる歴史地区にさまざまな蓄積された価値を見いだす,よりミクロな市民の視点が深くかかわっている.