著者
瀬戸 寿一 矢野 桂司
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.259-274, 2012-05-01 (Released:2017-10-07)
参考文献数
47

本稿は京都の景観計画への活用を目的とした調査において,市民調査員に良好と判断された通り景観の特徴を考察するものである.その際に(1)京町家GISデータを用いて「良好な通り景観」の選定に関わる景観要素を定量分析した.また(2)市民調査員や居住者が「良好な通り景観」をどのような意識に基づき選定したかについて,発話などの資料を用いて定性的に検討した.その結果,(1)定量分析では,「良好な通り景観」が既存の景観保全地区以外にも,日常生活を印象づける長屋建ての多い通りなどで選定された.(2)定性分析では,当該地域の居住者にとって,伝統的な外観意匠を残す京町家を中心とする,過去と現在とであまり変化の見られない景観に高い関心を持つことが明らかとなった.以上の結果から,市民参加型調査で選定された「良好な通り景観」の情報を景観計画に活用するには,定量分析のみならず,市民の景観に対する意識に関する定性分析も必要であることが示唆された.
著者
漆原 和子 喜納 宏之 新垣 和夫 佐々木 正和 ミオトケ フランツ-ディーター
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤地理 (ISSN:0454241X)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.33-47, 1997-03

日本における石灰岩片の溶食率の地域差,経年変化を知るために北海道から南大東島まで7地点において,その測定を行った。この報告は,南大東島における溶食率の経年変化と,土壌中のCO_2濃度の経年変化について考察を試みたものである。1年ごとの溶食率は降水量の大な1993年に最大であった。一方,1994年は夏高温で水不足量(WD)が大であったが,水過剰量(WS)も大で溶食率は小さくなった。しかし1995年は,年降水量が少なく,かつ水不足量が大であり,空中,A_3層位,B_2層位ともに溶食率は最小であった。WDが少ない1993年には土壌中のCO_2濃度は高く,B_2層位の石灰岩片の溶食率も大であった。1994年には土壌中のCO_2濃度は低く,B_2層位の溶食率も低い。WDが大きく土壌が乾燥した1995年にはA_3,B_2層位ともに溶食率も最小であった。CO_2濃度の変化は1993年の一雨ごとの観測結果から,一定量を越える雨の後3〜4日で極大を示し,乾燥した時期が長びくと,CO_2濃度は低下することがわかった。土壌中の湿度は,有機物の分解を促進し,バクテリアの活動,根の活動を活発化させることに大きく寄与していると思われる。一方,畑の耕運による作土の孔隙率が大きいときには,生産されたCO_2は空中に放出されていて,Ap層位ではCO_2濃度は低い。
著者
内務省警保局 編
出版者
内務省警保局
巻号頁・発行日
vol.昭和4年, 1935

5 0 0 0 OA 救民妙薬

著者
穂積甫庵
出版者
茨城多左衛門
巻号頁・発行日
1693

9 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1952年01月22日, 1952-01-22
著者
佐藤 純 稲垣 秀晃 楠井 まゆ 戸田 真弓
出版者
愛知医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

臨床実験:天気の悪化で疼痛の増強を示す天気痛被験者に対して、40hPa分の低気圧暴露を行うと痛みの増強と交感神経興奮,さらに鼓膜温を上昇させた.2015年3月~2018年6月に当科外来を受診した天気痛患者53名について問診調査を行った.受診患者は女性が多く,痛みに加えて,不安・抑うつはそれほど高くないが,破局化思考が高い傾向にあった。動物実験:野性型マウスに-40 hPa分の低気圧暴露を行うと,上前庭神経核におけるc-fos陽性細胞数(すなわち神経細胞の興奮)が有意に増加することが明らかとなり,半規管あるいは球形嚢に気圧を感知する部位が存在することが示唆された.

7 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1952年02月29日, 1952-02-29

6 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1952年03月05日, 1952-03-05

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1952年03月18日, 1952-03-18

4 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1952年03月25日, 1952-03-25

3 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1952年04月04日, 1952-04-04

3 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1952年04月14日, 1952-04-14
著者
関村 正悟
出版者
日本財務管理学会
雑誌
年報財務管理研究 (ISSN:09171738)
巻号頁・発行日
no.20, pp.38-45, 2009

リーマン破綻後の短期金融市場の混乱を概括し,混乱の程度を増幅した要因を説明した。リーマンの行っていた各種取引それ自体とそれを支える資金調達手段としてのレポ取引に含まれる問題点を指摘した。レポ取引にふくまれる脆弱な市場間-金融機関間の構造を生み出すシステムとしてrehypothecationをとりあげた。さらに担保管理のルールが英国と米国との違いが混乱を深あたことを指摘した。レポ取引が,有担保融資と同様の経済的効果をもつため,無担保市場であるインターバンク市場の金利に比べクレジットリスクプレミアムの減少分だけ,低金利で調達できる市場であった。担保付であるため資金が取り入れやすいこともあり発達したが,短期金利が低下し,しかも長期に持続されたグリーンスパンの金融緩和政策によって,拡大に弾みがついた。rehypothecationのメカニズムもあり,投資銀行は,低コストでレバレッジをあげることが可能であり,近年,一層この市場での資金調達依存度を高めていた。リバースレポで得た現金を再びレポに回すという重層的な資金取引構造自体が個別取引主体のレバレッジを超え,市場全体としての,つまり金融システム自体を高いレバレッジに導いていたといえよう。個々の取引は担保付であり,リスク軽減されており,レバレッジは小さいとしても,その取引の先にある取引,その又先にある取引と連鎖の束としてバランスシートが形成されたとき既に企業レベルではレバレッジが上昇している。企業間の取引の束としてシステムをみれば,個々の取引の集計された社会全体としてのレバレッジはいつの間にかおおきくなっている。これが銀行による信用創造とはことなるcapital market baseのfinance,すなわちtransaction baseの信用創造のメカニズムである。金融の市場化,証券化であり,その基本は,市場での一回限りの取引という,いわゆるarms lengthな関係を基礎にするものである。また,この金融の市場化のプロセスの流れの中で,証券の貸し手が受け取る現金担保の再投資の受け皿としてMMFは重要な資金フローの循環を担う構造ができていた。資金循環構造が,第一段階として,2007年8月にABCP市場の激減として崩れ始めると,ハイスピードで資金は逆流し,大きな流動性ショックを生み出す。短期資金で調達し長期や流動性の低い資産を保有していると,この逆流した資金フローで目詰まりが発生する。つづいて流動性枯渇する中でのfire saleに巻き込まれた資産は思いもかけない値段(3シグマをこえるレベルの頻度でしか発生しないはずの,つまり100年に一遍の出来事)で取り引きされるので,直ちに担保価値評価は更新されことになり負の連鎖の悪循環は,加速化する。リーマン破綻後においては,レポ市場でのカウンターパーティリスクが問われることになり,短期金融市場は壊滅的打撃をうけ,MMFやCPに対しても政府の保証,買取制度の投入が行われた。この資金調達市場の構造を支えて発展してきたのが証券貸借市場の発達である。この市場の発展はヘッジファンド投資,デリバティブ裁定取引,インデクスファンドの低コスト化等に大きな寄与を行って,資本市場の進化と深化に貢献していたと思われていた。しかしサブプライム金融危機発生後,クレジットリスクの再評価,クレジットリスクの移転,担保管理といった,信用リスクと流動性リスクに対する金融機関のリスク管理の欠陥が露呈した。全体としての金融市場のレバレッジが高度化し,システミックリスクが高まっていた状況では致命的なミスとなり,多くの破綻がおきた。本稿はその一断面をレポ取引の特殊な構造に焦点を合わせ,証券貸借業の発展の意味づけと解明を試みたものである。政策当局が誤った事実認識を持ち,一層不適切な対処や規制を厳しくすることにより,惨劇をさらに一層の悪循環に陥らせないための試論にほかならない。政策当局の善意により敷き詰められた,しかし,地獄への道を,人々は,再び歩き始めているのかもしれない。
著者
Juhwan Lee Shinjun Park
出版者
理学療法科学学会
雑誌
Journal of Physical Therapy Science (ISSN:09155287)
巻号頁・発行日
vol.29, no.10, pp.1712-1714, 2017 (Released:2017-10-21)
参考文献数
20
被引用文献数
12

[Purpose] The aim of this study was to investigate the relationship between physical capacity and fear avoidance beliefs in patients with chronic low back pain. [Subjects and Methods] This cross sectional study included 131 male university students with chronic low back pain. All the patients completed a fear avoidance beliefs questionnaire. Each participant performed a physical capacity test, which included hand grip force, leg strength, abdominal muscle endurance, flexibility, and cardiopulmonary endurance testing. [Results] Negative correlation was observed between physical capacity (leg strength, abdominal muscle endurance) and fear avoidance beliefs regarding work. Physical capacity (hand grip force, leg strength, cardiopulmonary endurance) showed a negative correlation with fear avoidance beliefs about physical activity. Abdominal muscle endurance and cardiopulmonary endurance were predictors of fear avoidance beliefs. [Conclusion] Physical capacity showed a negative correlation with fear avoidance beliefs in patients with chronic low back pain. The results of this study suggest that physical capacity is an important factor for predicting fear avoidance beliefs in patients with chronic low back pain.
著者
西野 宏
出版者
日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会
雑誌
耳鼻咽喉科免疫アレルギー (ISSN:09130691)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.13-18, 2016 (Released:2016-03-30)
参考文献数
67

Interleukin-6(IL-6)は代表的な炎症性サイトカインである。IL-6は炎症のみならず癌細胞の生物学的活性に影響を与える。細胞増殖,細胞死抵抗性,浸潤,血管新生,転移,免疫,幹細胞,悪液質に関与していることがわかってきた。IL-6は多くの癌細胞において癌細胞活性を高め,腫瘍形成と転移に関与する重要なサイトカインである。この総説では簡潔にその働きを述べる。