著者
中島 秀之 小柴 等 佐野 渉二 落合 純一 白石 陽 平田 圭二 野田 五十樹 松原 仁
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.1290-1302, 2016-04-15

筆者らは,デマンド応答型公共交通の一種であるSmart Access Vehicle System(SAVS)の社会実装を目指して,これまでにシミュレーション実験による利便性評価を行う中でその効率性を確認してきた.本論文では,SAVSの実装,実証実験,およびシミュレーション評価実験について述べる.2回にわたる実証実験において,SAVSが実際に稼働することを確認した.フルデマンド型乗合車輛複数台のリアルタイム自動配車は筆者らの知る限り世界初であり,このシステムを全自動で稼働できたことは,Smart Access Vehicleサービスの社会実装を行ううえで有用な成果であると考えている.
著者
山本 順一
出版者
桃山学院大学
雑誌
桃山学院大学経済経営論集 = ST.ANDREW'S UNIVERSITY ECONOMIC AND BUSINESS REVIEW (ISSN:02869721)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.17-41, 2015-03-31

This paper mainly describes the so-called Galapagos Syndrome in Japanese public librarianship when it is compared with western countries including United States. U. S. public libraries are now looked upon as community anchor, which should walk together with community itself and its members. While there are generally a few computers in a Japanese public library, even in a U.S. branch library, it has usually a computer labo, and many black children use workstations, and play games and social media. Most Japanese people consider the public library as a free public book-lending institution. Though not a few active Japanese public libraries are tackling with new services, most of those confine their services to narrow traditional coverage. Anyway, in U. S. public librarianship,'literacy'is a keyword with regard to developing a new kind of library service. Within the mind of U. S. public librarians, `literacy' means the basic knowledge of every daily useful area, for example financial literacy and health literacy. Generally speaking, people expect public libraries to support whole of community in economic development. Recently, embedded librarianship is emerging in the United States, and they are dealing with community reference service. Today's public librarians ought to be community information scientists. They also should try to get various kinds of grants. By the way, massive digital reproduction of print media is pushed forward all over the world libraries. And present 21st century society is used to utilize digital contents. World's public librarians should offer them in careful consideration of library users'profits.
著者
門村 亜珠沙 李 爭原 陳 嚴章 朱 浩華 塚田 浩二 椎尾 一郎
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2013-UBI-39, no.10, pp.1-5, 2013-07-24

子供の食行動を改善することを目的に,食行動 (食事中の動作と食べようとしている食材の種類) を検出するフォーク型デバイス:センシングフォークを開発した.本論文では,センシングフォークのプロトタイプ設計と実装,および,これと連携して動くスマートフォン用ゲームアプリケーション:腹ペコパンダについて述べる.
著者
齊藤 鉄也
雑誌
じんもんこん2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.89-96, 2017-12-02

本論文では,源氏物語の短い本文を持つ巻の,写本本文の仮名のNgram を用いた系統分類の調査結果を述べる.表記が異なる本文データのNgram を用いた巻ごとの分類結果からは,3gram から5gramの調査データで,青表紙本系統と河内本系統の分類ができること,系統分類が明瞭な巻と不明瞭な巻があることを明らかにした.加えて,文学や文献学の系統分類の研究成果と本調査結果を比較し,その分類結果が一致している点があることから,本調査方法に一定の有効性がある可能性を示した.
著者
川勝 平太
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
Historical Consciousness, Historiography, and Modern Japanese Values
巻号頁・発行日
pp.207-213, 2006-11-30

Historical Consciousness, Historiography, and Modern Japanese Values, 2002年10月末-11月, カナダ, アルバータ州バンフ
著者
岡 宏 森川 展男
出版者
近畿大学総合社会学部
雑誌
近畿大学総合社会学部紀要 = Applied Sociology Research Review KINKI UNIVERSITY (ISSN:21866260)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.95-105, 2015-08-01

(Abstract) In Japan, We classify Child Abuse in four types: Physical abuse, Sexual Abuse, Neglect, Psychology Abuse. However, we haven't taken any useful measures about Sexual abuse, compared with other ones. There is one vital factor, in this issue, that we can't overlook : The Cybercrime. We can save children who are damaged by the means of internet mobile Tools. In this paper, we propose how we can protect children from Sexual Abuse.
著者
曾我 有紀子 中島 久美 川田 亜矢子 市川 哲彦 佐藤 浩史 藤代 一成
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第48回, no.データ処理, pp.363-364, 1994-03-07

我々の身近に観測される逃げ水現象は、蜃気楼の一種で、温度勾配の激しい空気によって光が屈折し起こる現象である。従来のレイトレーシングは真空が前提であるが、M.Bergerらは、空気の層を、屈折率の違う何枚もの薄いガラスの層を重ね、ゆらぎやノイズを付加することで疑似的に表現し、蜃気楼らしい景観を創成することに成功している。しかし、彼らの方法では空気中の屈折率を固定しているので、より現実的な蜃気楼や陽炎を表現するためには、人為的な視覚効果を加えなければならない。そこで本研究では、空間をボクセルに分割し、空間各点での光の挙動を集積できるボリュームレイトレーシングを用い、与えるボリュームデータを時間依存させることによって、物理的原理に合致した逃げ水の表現と陽炎の生成を同時に試みる。本稿は以下のように構成されている。次節でまず逃げ水現象の物理的原理を述べた後、3節ではボリュームレイトレーシングを用いる理由、4節では具体的な画像生成の手続きを示す。最後に、結果の画像を考察し、今後の展望を述べて本稿を閉じることにする。
著者
月出 絵里香 高岡 詠子
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:21888779)
巻号頁・発行日
vol.2017-NL-234, no.21, pp.1-5, 2017-12-13

2020 年に予期される訪日外国人の増加に向けて,本研究室では医療現場で使用する多言語対応情報提供システムの開発に取り組んでおり,より幅広い状況に対応できるようにしたいと考えている.そのために,医療用コーパスを作成し,他のコーパスと共に評価し,比較,改善に努めている.本研究では,統計的機械翻訳において,日本語,英語,中国語の複数のコーパスの自動評価を行った.最初の実験では,一般的な英日機械翻訳モデルを用いて,医療用コーパスの評価を行った.次の実験では,基本的な日本語,英語,中国語のコーパスで作成した機械翻訳モデルを用いて,複数のコーパスの評価を行った.また,語順の制限の有無を加味し,評価を行った.最後に,後編集を行い,機械翻訳の改善を図った.発表時には,本研究室で作成した医療用コーパスの評価値も紹介できると思われる.
著者
モスタファ アハマド M. F.
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.105-121, 1999-06-30

「戦争」というテーマは安岡章太郎の少年時代及び青年時代そして父親がなくなるまでの壮年時代を題材にした作品の多くに、背景として取り上げられている。その中から、この論文では『愛玩』(一九五二年発表)を取り上げ、安岡章太郎はいかにこの作品をもってシンボリックに自分の中の「戦後」を表現したのか、という点を探ろうとする。
著者
福原 和子 Kazuko Fukuhara
巻号頁・発行日
vol.27, pp.83-90, 1994-03-03

まず最初に、外国語を話したり聞いたりする力 (最近ではオーラルコミュニケーション能力とか音声言語運用力ともいわれる) へのニーズは昔からあったことを示す。そしてその養成の成果がいまだに上がっていないのは、音声言語運用の指導の難しさにあり、最近目ざましい進歩を遂げている脳の科学の知見は、効果的な指導法について示唆を与えてくれることを予測する。そしてその具体例として行った実験について報告する。実験では、日本人学生の短期記憶容量が英語の場合どのように変化し、また英語のネイティブスピーカーとどのように異なるかを調べた。その結果、被験者の学生たちは音声英語運用に於いて効率の悪い短期記憶の使い方をしていることが分かったので指導法の改善を提案する。最後に、今後への展望として、効果的なオーラルコミュニケーション能力育成のために役に立つ研究分野について言及する。