著者
板垣 喜代子 木村 綾子 渡部 菜穂子 福士 理沙子 浅田 一彦
出版者
弘前医療福祉大学紀要編集委員会・弘前医療福祉大学短期大学部紀要編集委員会
雑誌
弘前医療福祉大学・弘前医療福祉大学短期大学部紀要 (ISSN:24350915)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.25-37, 2021-03-29

高次脳機能障害のリハビリテーションには、レクリエーションが含まれる。 本研究の目的は、高次脳機能障害とレクリエーションの効果に関する文献検討を行い、レクリエーションの効果の明確化と対象者への効果的な介入方法を考察することである。 2020年5 ~11月に、医学中央雑誌、KAKEN、J-stage、CiNii、PubMedの検索エンジンにて、キーワードをレクリエーションとして抽出・絞り込みを行い、2001~2020年に発行された34論文を検討した。対象者の年齢は子どもから高齢者であり、脳外傷、脳卒中、脳血管性とアルツハイマー型認知症を含む認知機能障害及び失語症患者が対象とされ、健常者とレクリエーションの効果に関する比較実験も報告された。 結果から、脳外傷者はレクリエーションを通して笑い、楽しいと感じて、前頭前野を刺激して対象者の認知機能を向上させ、自らの病状の自覚を促し対人関係の改善につながる効果があると報告された。二重課題の効果は、認知症の高齢者が椅子に座り指を折りながら数を数える論文と、脳卒中患者間の実験で歩行と転倒認知運動の干渉を軽減させるという論文があった。一方で、脳卒中患者と健常者の歩行と二重課題の比較実験で脳卒中患者は前頭前野の活性が優位に低かった報告があり転倒のリスクが示された。 高次脳機能障害者の多様性を考慮し安全で適切なレクリエーションを実施することで、前頭前野を刺激し認知機能と身体機能及び社会性も維持、改善する可能性が示唆された。
著者
勝部 章人 Akito KATSUBE
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学人文科学部論集 = Otemae journal of humanities (ISSN:13462105)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.A53-A64, 2003

アメリカ・ポピュラー・ミュージックのルーツを一般的によく言われる南部の黒人音楽であるブルースやゴスペルなどではなく、それとは別のカリブのフォーク・ミュージックへと辿る。1950年代、カリプソというカリブの音楽のブームがアメリカで巻き起こり、それがアメリカのポピュラー・ミュージックに大きな影響を及ぼす。しかしそれ以前にこの地域の音楽がすでに何らかの形で影響を与えていたのではないかを探るためにカリブ海の島の中から英語圏のジャマイカ、バハマとキューバを取りあげ、ニュー・オーリンズという他の町とは異なった当時の国際都市を通してどのようにアメリカへ影響を与えたかを考える。アメリカ・ポピュラー音楽の持つ屈託のない明るさという側面を作り上げた1つの要素はカリブの黒人のフォーク・ミュージックに由来し、その側面への影響力は南部よりこちらの方が大きかったことを議論する。
著者
有道 惇 津上 崇
出版者
中国学園大学/中国短期大学
雑誌
中国学園紀要 = Journal of Chugokugakuen (ISSN:13479350)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.183-193, 2007-06-16

今日,我が国の子どもたちが歌っている歌は非常に多様である。それらは,ポップス調,民謡調,わらべうた,唱歌,童謡そしてアニメソング等と,歌の種類は非常に幅が広く,全国各地に広まっている。これには,昭和24年に始まった「歌のおばさん」1)等のマスメディアの力による影響が大きく,このような傾向は今日まで継続している。一方,これら多様な「子どもの歌」は,明治以降における西洋化の影響と,これに沿って取り組まれた,西洋的な歌を作るという国の方針とが相俟って,多数の唱歌や童謡が誕生してきた。ところが,この国の方針にも関わらず,誕生してきた歌は,日本語の抑揚にも起因して,伝統的な「わらべうた」,「子守歌」,「民謡」等にみられる「ヨナ抜き音階」の側面が今日まで尾を引いているものも少なくない。そこで,明治以降の「子どもの歌」を分析検討することで,いわゆる西洋音楽(以下,洋楽と略)の受容がどのように行われて,伝統的な音楽(以下,和楽と略)が「子どもの歌」にどのような影響を及ぼし,両者がどのように融合してきたかを検討する。
著者
長岡 壽男
出版者
大阪青山大学『大阪青山大学紀要』編集委員会
雑誌
大阪青山大学紀要 = Journal of Osaka Aoyama University (ISSN:18833543)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.23-46, 2018-03-31

In this paper, the author discusses development processes of popular music (including foreign numbers) in Japan over the period of nearly one century after the end of Meiji Era. He tried to include in his study materials as many songs as possible, which represent respective periods of time.During the Pacifi c War, the style of popular music in Japan was severely restricted under militarism. Therefore,the political environment entirely changed from the prewar days. As a result, popular music in Japan has also completely changed. People can fully enjoy all kinds of popular music now.He makes clear that, in the history of popular music, there are relationships closely influenced by political environment, economic fluctuation, internationalization, change in people’s interest, and progress in the media world of the time.
著者
荒川 芳秋
出版者
名古屋造形大学
雑誌
名古屋造形大学紀要 = Bulletin (ISSN:21850208)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.103-117, 2011-03-31
著者
玉田 和恵 松田 稔樹 神藤 健朗

共通教科「情報」を担当する教師の問題解決指導力を育成するために,教職科目「情報科教育法」で,本研究グループが開発している「情報的な見方・考え方」と「3種の知識」を統合した指導法による実践を行った.事前-事後間の意識変化から、本指導法による実践によって,情報の教師を目指す学生は問題解決の指導に対して明確な指針と学習の必要性を感じ取ることが分かった。受講後の学生の記述からは,「問題解決のコツとしての見方・考え方の指導の重要性」「問題解決の枠組みを明示することの良さ」「全教科に共通した問題解決を教える共通教科「情報」の責任の重大さ」「トレードオフの概念の重要性」についての気づきが見られた.
著者
西原 麻里
出版者
同志社大学
巻号頁・発行日
2013-03-07

Doctor of Philosophy in Media Studies
著者
藤村 直美 戸川 忠嗣 笠原 義晃 伊東 栄典
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2011-IOT-14, no.10, pp.1-6, 2011-07-08

九州大学情報統括本部では学生に提供しているメールサービスとして、従来は学生番号をベースとしたアドレスで提供していた。しかしながら大学院に進学時にアドレスが変わるなどの問題があると考え、姓名をベースにしたアドレスも使えるようにメールシステムを再構築して 2011 年 4 月からサービスを開始した。ここではシステムの基本的な考え方、実装、運用に至るまでの問題点、運用の実際について報告する。
著者
猪熊 雄治
出版者
昭和女子大学近代文化研究所
雑誌
学苑 = Gakuen (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
no.929, pp.19-31, 2018-03-01
著者
猪熊 雄治
出版者
昭和女子大学近代文化研究所
雑誌
学苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
no.953, pp.24-38, 2020-03-01
著者
矢田部 浩平 石川 憲治 池田 雄介 及川 靖広
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2015-MUS-107, no.11, pp.1-6, 2015-05-16

音は空気の疎密変化であり,疎密によって媒質の屈折率も変化するので,光を用いて屈折率を計測することで音を録ることができる.これは,マイクロホンの特性や音場への干渉が影響することのない非破壊非接触な計測を可能にし,また遠方から音情報を取得可能であるという利点も有するが,一方で,計測された信号の SN 比が悪いという課題がある.これに対し,筆者らは物理モデルを用いた信号処理を提案しており,SN 比の改善に取り組んでいる.本稿では,様々な光学的音響測定手法を概説した後,筆者らが提案する信号処理と,今後期待される応用について述べる.