著者
辻本 雅文 服部 明 後藤 芳邦
出版者
帝京平成大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

小胞体アミノペプチダーゼ(ERAP1)はインターフェロン(IFN)-γ およびリポ多糖(LPS)処理によりマクロファージから分泌される。このことは、分泌されたERAP1が血液中の血管作動性物質に作用し、血圧を調節している可能性を示している。ERAP1の分泌機構を検討した結果、IFN-γ およびLPS処理により発現誘導されるIFN-β等のサイトカインが細胞内カルシウム濃度を上昇させることが重要であることが示された。また分泌されたERAP1がアンジオテンシンII などN-末端にアルギニンを有するペプチドに作用し、一酸化窒素を産生することで血圧調節に関与しうることも示された。
著者
小西 秀和 荒木 孝二 砂川 光宏 高瀬 浩造 加藤 熈
出版者
特定非営利活動法人日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.455-465, 2007-08-31
被引用文献数
11

近年,多くの医療機関において「院内感染」という病院内の安全管理に支障をきたす事態が多数発生しており,一般開業歯科診療所や病院歯科においても例外ではない.そこで本研究では,日常的な歯科臨床を実践するうえで,歯科医師会に属する歯科医師の院内感染予防対策意識の現状を明らかにすることを目的とした.山口県内の歯科医師(歯科医師会会員)744名に対して,感染予防対策に関するアンケート調査を実施したが,その設問内容は,対象とした歯科医師の年齢層,日常的な歯科臨床での感染予防対策などの12項目とした.回収したアンケートを集計し,Spearman ρ相関分析にて統計学的分析を行って,各設問回答間の相関程度など歯科医師の感染予防対策意識の現状を検索した結果,次のことが明らかとなった.1. 感染予防対策のアンケート回収率は24.2%であった.代表的な設問での最高の回答率の選択肢を列挙すると,ユニバーサル(スタンダード)プリコーションの認知度は「全く知らない」(43%),帽子やプラスチックエプロンなどの着用は「ほとんど着用しない」(62%)など,本調査時点で多くの歯科医師が万全な感染予防対策を実践していない可能性が考えられた.2. しかし,手洗いの方法は「日常手洗いと衛生的手洗い」(61%),ウイルス性肝炎患者の歯科診療は「診療を行っている」(95%)など,感染予防対策の重要性を認識している歯科医師は比較的多いと思われた.3. 相関分析の結果,歯科医師の年齢が若いほど,帽子やブラスチックエプロンなどの着用には消極的であるが,グローブの着用交換,ウイルス性肝炎患者の歯科診療を積極的に行っている可能性が高いこと,またユニバーサル(スタンダード)プリコーションの認知度が高いほど,グローブの着用交換,帽子やプラスチックエプロンなどの着用,エイズ・結核患者来院時の対応,診療時の飛沫粉塵対策を積極的に行っている可能性が高いことが,有意に示された.以上の結果から,改正感染症法の施行に伴い,今後歯科医師へ院内感染予防対策の啓蒙や研修の機会を増やし,国際歯科連盟(FDI)の声明や米国疾病管理予防センター(CDC)ガイドラインなどに示された具体的な感染予防対策の普及促進が実現すれば,各自の歯科診療室を衛生的で快適な診療環境に整備できると考えられる.
著者
小川 眞里子
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.66-70, 1993-07-20

「なぜ生物は死ぬのか」という問いには、二つの局面がある。一つは老化や死の原因を問うもので、二つめは、生物が死ぬべく運命づけられている理由を問うものである。本論のねらいは、これらの疑問に生物学がどう答えてきたかを歴史的に明らかにしようとするものである。第一点については、自然死と事故死を区別してかからねばならない。古代ギリシャ時代から、自然哲学者にしろ生物学者にしろ、基本的には自然死すなわち老化過程を扱ってきており、一般に、老化過程は何ものかが失われていく過程として捉えられてきた。第二点については、ドイツのヴァイスマンが19世紀後半の進化論的考察の中から初めて明らかにしたものである。それによって、死は不可避な、忌むべきことがらではなく、外界によりよく適応するために生物が獲得した進化論的戦術と見なされることになった。
著者
石井 明
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
人文科学 (ISSN:09117210)
巻号頁・発行日
no.26, pp.1-56, 2011

The viola da gamba was a popular musical instrument in Europe between the sixteenth and eighteenth centuries. There were numerous types and sizes of the instrument, all affectionately played and enjoyed particularly by non-professionals like the aristocrats and bourgeois. The popularity of the viols, however, sharply declined towards the eighteenth century, especially at the dawn of the French Revolution.The revival of the viola da gamba became one of the essential elements in the Early Music movements of the early twentieth century. Many string instrument builders began attempting to manufacture viols, especially after the Second World War. By then, however, the tradition of the viola da gamba building had been entirely disappeared. The modern viola da gamba builders first imitated and adopted the technique used by the violin making. They eventually learned that the viol building is an entirely different matter from constructing violins or cellos. Today, various and numerous pieces of information on historical instrument making became available, and the viola da gamba builders of the twenty-first century finally began producing a true (truer) copy of the viols.At the same time, however, the modern viol builders now face another problem. The builders of the historical instruments today need to re-evaluate the aim and purpose of the viol making. Should they keep searching the true essence of the viol making of the past, or should they regard the viola da gamba as an instrument of the modern times as well as an artistic output of modern instrument builders? To find an answer to this question, this article looks at the history of the modern viol making and compares the modern Early Music instrument building with themodern Early Music performances.

2 0 0 0 OA 昔話覚書

著者
柳田国男 著
出版者
三省堂
巻号頁・発行日
1943

2 0 0 0 OA 将棊講義

著者
将棊研究会 編
出版者
富久屋書店
巻号頁・発行日
1920