著者
植野 和文
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.81-92, 2007

This paper aims to show a mechanism that people produce satisfaction by the combination of filling two kinds of desires based on T. Scitovsky's theory. Some hypotheses are first put as; i) Satisfaction consists of comfort and pleasure. ii) When people feel discomfort, they act to relieve it and consequently get comfort. They simultaneously enjoy pleasure generated in the process, iii) When people feel boredom, they act to pursue a certain stimulus and also enjoy pleasure generated in the process. iv) Generation of pleasure induces more desire for pleasure and then drives people to actions to relieve discomfort or to pursue stimulus, often resulted in spoiling their satisfaction produced by filling the two kinds of desires. Results are as follows. People would need a manner to restrain the pursuit of pleasure from running recklessly hard if they wanted to produce enough satisfaction through filling their desires. The manner would be that people skillfully combine a desire for comfort as the goal of an act with a desire for pleasure as the power of practicing the act, then make a comprehensive plan for the process of filling the desires ,and finally carry out the plan. Thus it would be possible that people get comfort and enjoy pleasure simultaneously to maximize the satisfaction. This manner is probably to be useful for the argument on an affluent life.
著者
日潟 淳子 齋藤 誠一
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.109-119, 2007-08-10

青年期は時間的展望の獲得期とされ,自己の人生に対して時間的な視野が広がるが,それと同時に現実と非現実が分化し,未来に対しては期待とともに不安も抱くことが示唆されている。本研究では高校生と大学生を対象に,過去,現在,未来に対する時間的展望の様相と精神的健康との関係をとらえ,青年が心理的に安定した状態で時間的展望の獲得を促す要因を検討することを目的とした。その結果,高校生,大学生ともに過去,現在,未来に対してポジティブな時間的展望を持つ者は精神的健康度が高かった。しかし,未来に対する時間的態度においては違いが見られ高校生では未来のみにポジティブな態度を示している者は精神的健康度が低かったのに対して,大学生では低くはなかった。高校生と大学生では未来を志向することに対する心理的影響が異なることが示唆された。また,過去,現在,未来に対してポジティブな時間的展望をもっている者は,過去,現在,未来の出来事をバランスよく想起しており,過去の出来事へのとらえ直しや,未来の出来事に対して現実的な認知を行っている様子が見られ青年期が心理的に安定した状態で時間的展望を抱く要因として自己の過去,現在,未来におけるライフイベントに対する関与の強さと的確な認知をしていることが示唆された。
著者
棚橋 佳子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.297-300, 2000-05-01
被引用文献数
1

学術的な研究指向のWebのホームページを集めて体系化しようとする試みの中で生じた問題点と, その経験の中から産み出された評価基準について解説する。ISI社のWebのサイトを選択する基準は学術誌の厳選基準に準ずるものに加え, Webの情報であるがために考慮する8項目をあげている。学術誌の発展と同様, 価値あるWebのサイトも淘汰され, 重要サイトが確立されていく過程において確実に信頼できるWebサイトへの二次情報の成長も望まれている。
著者
福光 寛
出版者
成城大学
雑誌
成城大學經濟研究 (ISSN:03874753)
巻号頁・発行日
vol.161, pp.113-146, 2003-06-20
著者
福光 寛
出版者
成城大学
雑誌
成城大學經濟研究 (ISSN:03874753)
巻号頁・発行日
vol.166, pp.95-132, 2004-11-20
著者
大澤 幸生 谷内田 正彦
出版者
社団法人人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.665-672, 2000-07-01
被引用文献数
6

KeyGraph, an automatic document indexing method for extracting keywords expressing the assertions of a document, i. e. assertions supported by the outlines based on the basic concepts of the document, is applied to detecting risky active faults from earthquake history data. Here a history data is regarded as a document to be indexed, and active faults stressed strongly i. e. with near-future earthquake risks are obtained as keywords asserted in the document. This paper presents this method and its seismologic semantics. The semantics shows that KeyGraph is a model of earthquake occurrences, which considers less details of local land crust activities than in seismology, but more of global interactions among active faults. Experimentally, faults with near-future earthquake risks were obtained with high accuracies, and the shifts of risky areas after big earthquakes datected by KeyGraph corresponded with realistic tectonics.
著者
百瀬 宏
出版者
津田塾大学
雑誌
国際関係学研究 (ISSN:0389052X)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.13-32, 1995
著者
張 星源
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大學經濟學研究年報 (ISSN:02863340)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.93-130, 1999-03-10

In this paper, we estimate the effects of a country's R&D capital stock and the R&D capital stocks of its trade partners on the country's growth of total factor productivity (TFP). Our results show that both domestic R&D and Foreign R&D have significant effects on the domestic growth of TFP. Compared with foreign R&D, however, domestic R&D has been shown to take some time lag to affect the growth of TFP. We also consider an alternative approach to the traditional index number techniques to estimate the growth of TFP. This method, called the stochastic frontier approach, allows us to distinguish the contribution of technological progress and efficiency changes to TFP growth in OECD countries.
著者
吉村 健 大矢 智之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.122, pp.17-20, 2003-06-13

本稿では,コンテンツ配信ネットワーク(CDN)から配信されるコンテンツを受信し,無線リンクにおいて同報配信する放送型メディア配信ゲートウェイを提案する.本ゲートウェイは,3GPP準拠のストリーミング配信プロトコル規格から移動通信向け放送用配信プロトコルに変換する機能を有し,バックボーンネットワーク上のCDNと,無線リンク上の同報配信によって大規模かつ効率的なメディア配信が実現できるとともに,特定の地域に限定したスポット的な放送型メディア配信も可能となる.また本ゲートウェイの実装についても報告する.
著者
林 泰成
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.271-284, 2005-09-30

本稿の目的は,道徳教育のさまざまな立場で前提されている他律から自律への発達図式を検討することである。まず,ピアジェの発生的認識論を取り上げ,ついで,それを精緻化したものととらえられるコールバーグの道徳性発達論を取り上げる。つぎに,それに対する批判として,ギリガンやノディングズのケア倫理あるいはケアリング倫理の考え方を検討する。こうした流れの中では,社会関係との関わりが十分に取り上げられないので,社会律を発達の一段階としたブルの考えを吟味し,さらに,ピアジェに対して社会関係の視点が抜け落ちている点を批判したワロンに言及する。最後に,心理学的な研究ではないが,自律から他律へと発達の図式を逆転させて考え,その後に,目的律あるいは神律を想定するフェニックスやティリッヒの考え方を取り上げる。結論として,他律から自律への発達図式には,それのみを妥当なものとして認める論拠はないということを示す。しかし,こう述べることはその図式を全面否定するということではない。さまざまな図式が同等の権利で主張可能であることを明らかにすることになる。
著者
一木 重夫 海津 ゆりえ
出版者
首都大学東京
雑誌
小笠原研究年報 (ISSN:03879844)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.37-51, 2006-03-31

本研究は、地域全体で取り組むエコツアーが持続的に運営されるために求められる条件を明らかにすることを目的に、東京都が実施した小笠原諸島におけるエコツアーへの参加者(以下、エコツーリストと呼ぶ)をモニターにしたアンケート結果に基づき、エコツアーの満足度を評価したものである。その結果、ガイドのコミュニケーション・エンターテイメント能力(以下、CE能力と呼ぶ)がエコツーリストの満足度に最も影響を及ぼすことが示唆された。一方で、エコツーリストは、ガイドのCE能力を高く評価しているにも関わらずさらなる改善を求めていること、及びガイドにさらなる知識力を強く求めていることが示唆された。また、ガイドのプログラムの企画力をより向上させることは、緊急性の高い課題であることが示唆された。満足度は、エコツアーを実施する地域の間で格差があり、男性よりも女性の方が、若干満足度が高くなることが示唆された。また、年代が上がるに連れて満足度が減少することが示唆された。