著者
越智 重明
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.186-222, 1963-09

The present article deals with the new system for appointing government officials instituted by Ts’ao Ts’ao曹操 in the third decade of the third century when Ts’ao Ts’ao was yet to found the Wei 魏 Dynasty. At that time this new system was called chiu-p’in 九品 or chiu-p’in-chih 九品制, and it was only after the system had become obsolete in the later period that it was called chiu-p’in kuan-jên fa 九品官人法 or chiu-p’in chung-chêng 九品中正.The new system was adopted for two purposes: the first was to enable officials concerned in the Central Government to be in full command of personnel administration throughout the country; the second, to eliminate possible causes of unfair connections which used to exist between personnel officers and aspiring applicants for high positions. In the Latter Han 後漢 period, the personnel system was largely affected by this private relationship, sometimes infringing upon the Emperor’s ruling power, as was typically shown in the case of Tang-ku-yu 党錮獄.The above-mentioned two purposes were almost fulfilled by the enforcement of the new system. After thirty years the system was subject to a large revision, but even thereafter it remained quite effective for the second purpose, although no longer effective for the first.
著者
鳥居 フミ子
雑誌
東京女子大学紀要論集
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.77-95, 1993-09-20

One of the Tosa Joruri, Suounonaishi Bijinzakura is based on a waka by Suounonaishi (which was collected as one of the Ogura One Hundred Waka) and an anecdote which was based on a henka of Fujiwarano Tadaie. Suounonaishi Bijinzakura dramatized a further anecdote in the progress toward marriage of Suounonaishi and Tadaie dealt with in these two poems. This drama portrays both the heroine and the hero in terms of the modern Japanese interpretation of human nature.
著者
NUR・ADLIN・BINTI ABU・BAKAR
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2020-09-11

本研究の目的は,省エネルギー型生物学的処理技術であるDHS-USBシステムを陸上養殖に導入し,窒素およびリン化合物の同時除去を目指した閉鎖循環型養殖システムを構築することである。閉鎖型養殖水に含有される窒素およびリン化合物の除去を目指し、高密度養殖排水処理によるシステム内汚泥の微生物群集の変化を観察し,それぞれのリアクターの許容性能と機能を明らかにする。さらに,魚体への影響と安全性を評価するために,病原性微生物のモニタリングを実施とともに魚に対したDHS-USBシステムで処理した水の影響を観察する。本研究の成果は,(SDGs)の達成,特に持続可能な食糧供給と水質制御に貢献できると考えられる.
著者
KAZUYUKI SOGAWA MIKA KOBAYASHI JUN SUZUKI AKIHIRO SANDA YOSHIO KODERA MASAFUMI FUKUYAMA
出版者
The Society for Antibacterial and Antifungal Agents, Japan
雑誌
Biocontrol Science (ISSN:13424815)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.77-80, 2018 (Released:2018-06-16)
参考文献数
19
被引用文献数
2 4

Group A streptococcus is a bacterium that resides in the throat and skin and causes respiratory infection and occasionally glomerulonephritis and rheumatic fever. Streptolysin O (SLO) produced by Streptococcus pyogenes (S. pyogenes) binds to the cell membrane, particularly to that of white and red blood cells, and is toxic to the cells and tissue. In this study, we evaluated the inhibitory activity of water-soluble polyphenols in olives (Olea europaea) against SLO-induced hemolysis. Hydroxytyrosol inhibited SLO-induced hemolytic activity, and the amount required for 50% inhibition of hemolysis was 1.30 µg. These findings suggest that the water-soluble polyphenols contained in olives have inhibitory activity against SLO-induced hemolysis.
著者
白石 浩之
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.206, pp.1-37, 2017-03-31

本稿は台形様石器の様相について検討した論稿である。このことについては佐藤宏之によって『台形様石器研究序論』が発表されており,該期の研究において姶良Tn火山灰降灰以前の石器群の解明が期待された。その後28年が経過し,全国的に台形様石器を出土する遺跡が広がった。とりわけ関東地方では層位的にも型式学的にも対応可能になり,あわせて台形様石器の機能・用途について使用痕研究や実験研究等により深みを増しつつある。筆者は該期の台形様石器について型式学的研究から見直そうと思う。先行研究では台形様石器は横長剥片を主たる素材とする点が強調されていたが,縦長剥片を素材とした例も看過できない。またペン先形ナイフと称された基部調整尖頭石器は東日本に卓越し,九州地方は僅少の分布状況を呈している。先端が尖状という点,基部加工のナイフ状石器と台形様石器が相互に影響して独自に製作されたものであろう。台形様石器は素材の切断を介して外形を作り出す。刃部の両縁は側縁加工と平坦剥離,とりわけ錯向剥離を顕著に用いる。このように形成された台形様石器の形態は6類に区分される。①水平刃で基部が尖基のもの。②水平刃で平基のもの。③水平刃で平基であるが,側縁が末広がりになり刃部と交わる部位が角状を呈すもの。④斜刃で尖基のもの。⑤斜刃で平基のもの。⑥縦長剥片の端部を切断して用いたもので構成される。台形様石器は関東地方で相模野B5層や武蔵野Ⅹ層下部まで遡り,立川ローム層において最古級を呈す。B4層,Ⅹ層上部からⅨ層は台形様石器が最も卓越し,Ⅰ~Ⅴ類の台形様石器が認められる。その終焉は黒色帯層の相模野B3層・武蔵野Ⅶ層の時期で縦長剥片を切断によって分割し,側縁加工を施したⅥ類の台形様石器が目立ってくる。北関東地方では台形様石器の石材が遺跡毎で差異があり,地域差的な様相を呈す。Ⅶ層以降に卓越する二側縁加工を主体としたナイフ形石器文化期以前の台形様石器文化が広く発達するのである。
著者
内ヶ崎 西作
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.44-45, 2015-02-01 (Released:2021-01-21)
参考文献数
1
著者
松崎 太郎 前薗 大聖 山中 千博
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-05-11

大地震の先行現象として、地震発生の直前約40~50分前に震源上空の電離圏において総電子数(TEC)の異常が発生していることが、1994年から2017年までのM8を超える11以上の地震で報告されている(Heki, 2011)。一般にTEC異常は、磁気嵐や大規模伝搬性電離圏擾乱(LSTID)など太陽活動を起源としていることが多く、このほか大気重力波などの高層大気の力学的影響があることが知られている。しかし、地震の直前に見られるTEC異常は、震源上空に固定される局所的なもので、全地球的に影響を及ぼす宇宙起源のTEC異常やLSTIDとは区別することができる。さらに2011年に発生した東北沖太平洋地震では、震源の磁気共役点である北部オーストラリアで、同時にTEC異常が発生したことが確認されており(Heki, 2018)、これらの観測結果から一連の現象は、大気力学的なものというより、地震に先行する電磁気現象と考えられる。一つの仮説として、震央付近で臨界的な圧力が加わることによって、地殻中にマクロスケールな電気分極が発生し、分極による誘導電場と地球磁場によって電離層に影響を与えていることが考えられる。地殻中における圧力誘起分極として、ケイ酸塩鉱物中の過酸化架橋構造における正孔励起説(Freund, 2006)があり、地震前のTEC異常が観測される約40分の間、持続的に電荷を発生することができる点で注目されている。本研究では、応力印加による分極現象における正孔の移動・拡散による寄与を調べるために、極めて良い絶縁体である高純度のMgOセラミックスを用い、最大10MPaの一軸圧縮下で応力誘起電流値の変動を室温で計測した。結果として、ケイ酸塩鉱物と同様に、数ピコアンペア程度の応力誘起電流を観測できた。発表では、正孔移動の温度・吸水率依存性、および岩石データとの比較を行った上で、実験から得られた電流値を実際の地殻スケールで概算し、TECへの影響について議論する。

1 0 0 0 OA 博物学(具氏)

著者
グードリッチ 著
出版者
文部省
巻号頁・発行日
vol.七, 1877