著者
相澤 和也 鄭 顕志 本位田 真一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.1025-1039, 2019-04-15

ソフトウェアシステムの安全性は,通常,開発時に想定した実行環境の前提下において保証される.この前提が実行時の環境変化等によって崩れると,システムの安全性は保証されない.実行時に起こる環境変化に対して可能な限りの安全性を維持・保証するためには,変化した環境下でどのような安全性が保証可能かを実行時に分析する必要がある.実行時の情報を用いた分析手法は環境情報の分析にかかる計算時間オーバヘッドが課題となる.本論文では,(1)環境変化の差分情報から効率的に安全性保証の判定を行うアルゴリズムを提案し,(2)アルゴリズムの効率性に関する評価と(3)安全性保証に関する証明を行う.このアルゴリズムは安全性を構成する要素ごとの保証可否と,環境変化によって生じる差分の2つの観点に基づいて分析している.これら2つの観点を組み合わせることによって既存技術を用いた分析と比べて計算時間を最大0.2%程度にまで削減できることが実験結果によって確認できた.
著者
小林 憲夫 KOBAYASHI Norio
巻号頁・発行日
vol.21, pp.73-88, 2014-12-25
著者
林 範彦
出版者
神戸市外国語大学
雑誌
神戸市外国語大学研究叢書 (ISSN:13458604)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.1-184, 2009-03-31

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著者
勝村 弘也
出版者
クリスチャンセンター神戸バイブル・ハウス セミナー委員会
雑誌
講義録
巻号頁・発行日
vol.3, pp.91-141, 2011-11-01

日本聖書協会主催「聖書セミナ―」の講義録第1回講義 葴言序説第2回講義 葴言における賢者と愚者、勤勉と怠慢第3回講義 葴言における義人第4回講義 エジプトの知恵とイスラエルの知恵第5回講義 女性として人格化された知恵
著者
吉野 淳一
出版者
札幌医科大学保健医療学部
雑誌
札幌保健科学雑誌=Sapporo Medical University Sapporo Journal of Health Sciences = Sapporo Medical University Sapporo Journal of Health Sciences
巻号頁・発行日
no.7, pp.38-44, 2018-03

本研究では,自死で配偶者を亡くした女性の夢の中での自死者との再会についての語りと描画の作業(ナラティヴ・イメージワーク)を報告する。研究協力者は,自死した夫の登場する夢を見て,それを記憶し,そして,研究者の求めに応じてその内容を語り描写することができた。夢に現れた状況は,夢見手によって把握され,音,音感,表情について報告された。夢中では,研究協力者と自死者との言語的な対話は成立しているとは言いがたく,研究協力者の問いかけにも自死者からは明確な言語的な回答はなかった。しかし研究協力者は,夢の中での自死者のふるまいから言葉を超えたメッセージをくみとっていた。そして,語られた内容のうち印象的な場面を描画することができた。これらから,自死者の登場する夢を語り描画する作業を通して,自死遺族と自死者そして研究者のあいだで対話的な関係が維持され,メッセージの持つ意味が共同生成されていることから,ナラティヴ・イメージワークが自死遺族の作業の進展に寄与できることが示された。
著者
佐藤 志津子 Shizuko SATO
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 = Bulletin of Saitama Gakuen University. Faculty of Humanities (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.183-193, 2005-12-01

日本語を母国語とする人が、英語音 /r/を発音する場合の問題点と調音法。調音器官からのアプローチ。
著者
甲野 佑 田中 一樹 岡田 健 奥村 エルネスト 純
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.351-367, 2019-01-15

複数のプレイヤーからなる対戦ゲームを楽しんでもらう場合,ある1つのアイテムを持っているなどで勝敗が偏ってしまうゲームバランスは好ましくない.そのような極端な事態を招かないため,ゲームバランスについてはリリース前に慎重な検討と調整がなされる.しかしながら近年のゲームは継続的な更新により要素(キャラクター,アイテムなど)が追加され,ルールが随時変化していく.そのため制作者の意図しないゲームバランスの変化を引き起こす可能性が問題になっている.そこで我々はリリース前における正確なゲームバランス評価を目的として深層学習,特に深層強化学習に着目した.ただし近年のゲームに適用する場合,要素の追加にしたがって伸長する入出力ベクトルの大きさの扱いが問題となる.本研究ではアプリ型対戦ゲーム“逆転オセロニア”への適用を目的に,膨大な種類数のキャラクター要素の特徴ベクトルを自然言語処理由来の機械学習手法で表現学習し,深層強化学習に転用してゲームのプレイ戦術を学習する手法を提案した.また,ゲームバランス調整への深層学習応用を目指す中で得られた,他ゲームタイトルでのゲームバランス調整にも共通する知見,課題についてまとめた.
著者
辻本 典央
出版者
近畿大学法学会
雑誌
近畿大學法學 = Kinkidaigaku hogaku : the law review of Kinki University (ISSN:09164537)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.47-72, 2007-06-01

[目次]一.はじめに, 二.刑事手続における上訴放棄及び取下の意義, 三.上訴放棄及び取下の諸問題 1.放棄及び取下主体ごとの問題点 2.放棄及び取下の時期的限界 3.意思表示上の瑕疵 4.放棄及び取下の撤回 5.合意(Absprache)に基づく上訴放棄, 四.おわりに
著者
金子 秀
出版者
埼玉大学経済学会
雑誌
社会科学論集 = SHAKAIKAGAKU-RONSHU (The Social Science Review) (ISSN:05597056)
巻号頁・発行日
vol.140, pp.61-86, 2013

The Japanese government suggests that the health industry is a growing industry.In particular, pharmaceutical and medical equipment industries are significant sectors of the health industry.The author agrees, but can Japanese pharmaceutical companies compete? This paper looks at two companies (Takeda Pharmaceutical Co., Ltd. and Chugai Pharmaceutical Co., Ltd.) and examines their profitability between 2004 and 2011. The paper focuses on management capital which is a value driver of total capital. The findings are as follows.Takeda is based on small molecule drugs which are not related to unmet medical needs. As a result, the Rate of Return on Assets (ROA) for Takeda is in an alarming decline.On the other hand, Chugai is based on big molecule drugs which are related to unmet medical needs. Chugai is under the control of F. Hoffman-La Roche Ltd., and it introduces bio drugs. Therefore, the ROA for Chugai has been constant for 8 years.Why is the Takeda ROA in decline? This paper researches the factor of profitability (profitability analysis).In Takeda, both the ratio of profit to net sales and the rate of management capital turnover are in decline. Takeda has not developed new innovative drugs. In the case of Chugai, not only the ratio of profit to net sales but also the rate of management capital turnover are generally constant because Chugai introduces bio drugs through the Roche group.In the future, the success of the two companies depends on their R&D capability to develop innovative drugs.
著者
白石 太一郎
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.21-51, 1992-03-31

古墳時代後期の6世紀に日本列島の各地で造営された墳丘長60メートル以上の大型前方後円墳の数を比軟すると,他の諸地域に比べ関東地方にきわめて多いことが知られる。律令体制下の国を単位にみてみると,関東では上野97,下野16,常陸38,下総11,上総28,安房0,武蔵26,相模0で,合わせて216基となる。うちに大王墓をも含む畿内地方でも大和20,河内12,和泉0,摂津2,山城5の計39基にすぎず,さらに吉備地方では,備前2,備中1,備後1,美作0の計4基にすぎない。また東海地方の尾張では12,美濃では7基を数えるが,尾張に多いのは継体大王の擁立にこの地の勢力が重要な役割をはたしたという特別の政治的理由によるものと思われ,東日本の中でも関東地方だけが後期前方後円墳の造営において特殊な地域であったことは明らかである。一般に前方後円墳は,畿内勢力を中心に構成されていた政治連合に加わった各地の首長たちが,この連合における身分秩序にしたがって営んだものと考えられているが,6世紀の関東地方では前方後円墳の造営に際してそれ以外の地域とは明らかに異なる基準が適用されたことになる。また小地域における大型前方後円墳の密集度からも,その被葬者は単なる領域的支配者としての地域首長であるばかりでなく,畿内王権がこの地方に数多く置いた子代・名代などの部や舎人などの地方管掌者としての性格をも併せもつものであったと考えざるをえない。関東地方に他の地域と異なる基準に基づいて数多くの大型前方後円墳が営まれた理由は,この地域が畿内政権をささえる経済的・軍事的基盤としてきわめて重要な地域であったこと,さらに畿内諸勢力の連合体としての畿内政権を構成する諸豪族がそれぞれにこの地域の在地勢力と結びついて支配の拠点をえようとした結果と考えられ,まさに畿内政権の構造的特質によるものと思われるのである。