著者
岸本 美緒
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho
巻号頁・発行日
vol.57, no.1・2, pp.171-200, 1976-01

Heng ch’an so yen is a collection of family precepts left to posterity by Chang Ying, 1638-1708, a scholar who served and was close to Emperor, K’ang-hsi. The text emphasizes the security of investment in land as compared to that in commerce and discusses the secret of making the former more profitable. The author came from one of the influential famines native to T’ung-ch’eng County, An-ch’ing Prefecture, Anhwei Province, and one of his sons, Chang T’ing-yü, 1672-1755, later became a powerful minister in the reigns of Yung-cheng and Ch’ien-lung.At the time of writing Heng ch’an so yen, it seems, Chang Ying was the owner of more than one-thousand mou of cultivated lands, and his income consisted mostly of the proceeds from the rice collected as rent from the lands and sold for cash. It is a safe guess that his yearly income from the lands, after deducting expenses necessary for reproduction and livelihood and tax duties, amounted to a sum in silver enough for purchasing more than one-hundred mou. Thus it was possible for him to expand steadily the lands he owned.In spite of such highly secure nature of the management of his lands, Chang Ying could not help warning his descendants in his precepts against the danger of their downfall through selling away the lands. It was because he had witnessed too many of such unfortunate examples, in which the sons of a landowner would fall into poverty caused by the thin profit margin on land management, or be ruined after selling away their land holdings and going into commercial activities seeking higher profit. Low profitability of investment in land was a frequent subject of discussion in Ch’ing Chinese literature. It is interesting to note that Chang Ying hardly considered it relevant to discuss the heavy tax burden and the anti-rent resistance by the tenants, two great problems in the Yangtzekiang Delta, but regarded the low profitability as mainly caused by the poor crop resulting from the landowner’s neglect of the land management and the lower price of grain in comparison to other commodities. Moreover, he felt that the two main causes of difficulty could be overcome if the landowner stopped living in town and returned to the countryside so that his lands would be put to optimum use to make him self-supporting in livelihood. Such a view of Chang Ying’s appears to reflect the economic situation at T’ung-ch’eng, where market economy had not yet penetrated the countryside at that time.
著者
斯波 義信
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho (ISSN:03869067)
巻号頁・発行日
vol.100, no.2, pp.66-70, 2018-09
著者
竹野 真帆 高田 明典
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.2761-2771, 2009-12-15

コンピュータゲームやアニメーションや映画などの娯楽制作物は,今日では,私たちの生活に深く影響を及ぼしている.私たちはそれらをプレイもしくは視聴することによって価値観を形成し,その価値観とともに生きている.娯楽に関する分析的研究の主たる目的とは,したがって,それによってどのような価値観が,どのようにして形成されるかを知ることにあるといえる.ゲーム研究や物語論の分野において作品の分析手法に関しての多くの議論が行われてきたが,実際にコンピュータゲームの分析に適用可能な手法が提示されている報告は少ない.一方で,物語構造分析の分野には,多くの手法の蓄積が存在している.本研究の目的は,それらの物語構造分析の手法をコンピュータゲームの分析に適用しうる手順を模索することにある.Barthesによって用いられた標準的な構造分析の手順を検討し,そこで用いられている手法に若干の変更を加えた手法を提案している.さらに,RPG “テイルズウィーバー” の分析例を示し,そこで抽出された訴求構造について検討を加えている.
著者
板橋 源 ITABASHI GEN
出版者
岩手大学学芸学部
雑誌
岩手大学学芸学部研究年報
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.47-50, 1962-09-01
著者
諸戸 貴志 濱川 礼
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.322-327, 2016-07-06

日常生活中に出来る運動である階段の利用に対する意欲をゲーミフィケーションを用いて楽しさを感じさせることで向上させ,日常生活内で負担なく運動を行えるようになると考え,効果の検証のためにシステムの開発と評価を行った.近年のヘルスケアブームにより,サイクリングやランニングなどの運動を積極的に行う人が増えてきた.しかし,これらの運動は時間の確保や意欲の維持などが必要となる.本研究では運動のために時間を割くことなく日常生活中において出来る運動として階段の昇降に注目した.階段の昇りは,通常の歩行に比べ約 3 倍の運動量となりジョギング並の運動量になるとされるため,階段を利用することで日常生活に負担なく運動をこなす事ができると考えた.しかし,階段利用による健康意識はあるが行動に結びつかない人や継続して利用出来ない人など多くいると考えられる.本研究では近年多くの分野で注目されているゲーミフィケーションを用いることで階段利用を楽しく感じさせることで意欲の向上が出来ると考えた.ゲーミフィケーションとは楽しませ熱中させるゲームの要素や仕組みを用いてユーザの意欲を向上させ,日常の行動を活性化させようとするものである.ユーザーはカメラ付き HMD を装着し,AR により階段に付与されたゲームの要素の報酬を HMD を介して閲覧する.これにより少しでも楽しく階段利用が出来ると考えた.
著者
仲俣 暁生
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.1256-1259, 2012-11-15
著者
新原敦介 河野 仁一 海谷 治彦 佐伯 元司
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.30(2003-SE-144), pp.99-106, 2004-03-18

本稿では,要求獲得の段階でステークホルダのギャップを識別する手法を提案し,実験を通してその手法の有効性について確認した.本手法では要求分析手法として,我々が提案した属性付きゴール指向要求分析法AGORA(Attributed Goal Oriented Analysis)を用い,その支援ツールを用いる.そして我々は,ステークホルダのギャップとして,解釈の違いによって起こるものと評価の違いによって起こるものの二つに着目し,これらをAGORAの満足度行列から識別する.これは,満足度行列に,ゴールの誤解や利益供与の違いが特徴的に表れるからである.実験結果の分析を通して,我々は他の種類のギャップを検出した.そしてどのようにこれらのギャップを検出して,解決するべきか論じた.
著者
小坂 光男 山根 基 松本 実 小粥 隆司 中野 匡隆 塚中 敦子 加藤 貴英 大西 範和 Mitsuo KOSAKA Motoi YAMANE Minoru MATSUMOTO Ryuji OGAI Masataka NAKANO Atsuko TSUKANAKA Takahide KATO Norikazu OHNISHI
雑誌
中京大学体育学論叢 = Research journal of physical education Chukyo University (ISSN:02887339)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.1-15, 2004-11-20

Biological responses due to thermal stimuli were categorized based on the areas of the human body as well as on the modalities of thermal stresses such as icing, cooling and heating applications. These biological responses reported in previous papers were analyzed based on the concepts of Selective Brain Cooling (SBC) and long-term fever range (FR)-mild hyperthermia. Although no thermophysiological problems occurred in the case reports of biological responses induced by SBC, the effects of those induced by cooling of the body trunk and extremities were not so thoroughly evaluated. On the other hand, the idea of long-term fever range (FR)-mild hyperthermia (39.5-41.0℃) proved to be helpful in therapies enhancing the immune defenses against virulent bacterial diseases through the proliferation of Langerhans cells (LCs) and, under these conditions, it might even be beneficially combined with Selective Brain Cooling (SBC) and body heating to enhance human health and physical performance.
著者
水木 航平 廣津 登志夫
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2019-OS-145, no.14, pp.1-8, 2019-02-21

近年,多くの企業でコンテナ型仮想化によるマイクロサービスアーキテクチャが広く使われるようになってきた.コンテナ型仮想化は起動時間が高速でイメージ管理が容易であるという特徴があり,Linux 向けのコンテナ仮想化技術としては Docker が広く使われている.このようなコンテナ型仮想化の利用場面を考えると,誤編集や誤操作によりサービス基盤となる重要な情報を壊してしまう人為的ミスや,攻撃によりコンテナ内のコンテンツが改竄されるリスクに対処する仕組みが必要になってくる.そこで,本研究では Docker のイメージ管理に使用される OverlayFS を改良して任意のタイミングでスナップショットを保存する機能を実現する.ここでは,状態の保存と観測というそれぞれの目的に適したスナップショットの方法として,ノーマルモードと強制書き出しモードの 2 つの方法を用意した.
著者
安野 直樹 石黒 健太 河野 健二
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2019-OS-145, no.15, pp.1-6, 2019-02-21

仮想化環境では物理 CPU の個数よりも多くの仮想 CPU を利用することが一般的になっている.ゲスト環境は仮想 CPU がプリエンプトされることは想定せずに実装されているため,仮想 CPU のプリエンプトにより仮想時間の不連続性が発生する.スピンロック中などに仮想時間がとぎれると Pause Loop Exit (PLE) というイベントが発生し,仮想マシンモニタに通知が行われる.現状の仮想化環境では PLE が多発することがあることが知られており,本研究では KVM を対象にその要因を定量的に分析する.その結果,1) プロセッサ間割込み (IPI) 処理におけるバリア同期,2) スピンロックの獲得待ち,3) タイムスタンプベースの待機処理.という 3 つのケースで PLE が多発していることを示す.さらに,KVM では PLE の多発を避けるように仮想 CPU スケジューリングを行っているものの,現状では十分に機能していないことを示す.