著者
松崎 公紀 江本 健斗
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.482-488, 2015-04-15

BSP (Bulk Synchronous Parallel) モデルは,L.G.Valiant (2010年ACM Turing賞)によって1990年に提案されたモデルであり,抽象並列計算機モデルと並列計算モデルとを与えるものである.近年,Google Pregelなど,BSPの計算モデルに倣った大規模グラフ処理フレームワークが提案され,BSPモデルにも注目が寄せられている.本解説では,BSPの提案に至った歴史やBSPの計算モデルについて説明するとともに,BSPに基づく実際の並列プログラミングについて,コードを交えて紹介する.
著者
高尾 浩幸
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 = Bulletin of Human Science (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.79-92, 2017-03-01

This study deals with the rules of the world, which externally influence people, as a part of Japanese collective consciousness.Several aspects of these rules that this work will focus on are (1) the hierarchy of the old and the young, (2) the principle of mutual benefit, (3) honor as viewed by the world, (4) the elimination of impurity, (5) the character of authoritarianism, (6) duty and kindness, and (7) harmony and competition. This work will also study the psychological mechanisms of Japanese consciousness through the features of these rules.Each group that a person can join has its peculiar rules of how the world is. Knowing the rules of how the world is crucial. Once a person becomes aware of these rules, that person can decide which attitude to adopt, either to obey the rules or to change the rules themselves.
著者
山崎 本務 畠山 久 永井 正洋 室田 真男
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.735-736, 2018-03-13

近年、ICTを用いた疑似体験型避難訓練システムが提案されている。先行研究では、タブレット端末に震災による被害状況を表示し避難訓練学習を行った。しかし、大規模地震発生時の複合的な被災状況を再現できないという問題点があった。そこで本研究では、大規模地震発生時に安全な避難行動を取るために周囲の状況を適切に判断することができる能力育成を目的とした。そのために、360°画像を用いて学習者の周囲に複合的な被災状況を擬似的に表示できるタブレット端末ベースのシステムを開発した。これにより、学習者は、自分の周りの複合的な状況を観察し、危険性を予測する訓練が可能となる。本システムを活用して高等学校における避難訓練を実践し、効果の分析と評価を行った。
著者
加藤 隆雅 萩野 実咲 田山 友紀 岡田 謙一
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2015-GN-94, no.3, pp.1-8, 2015-03-05

近年,大規模な災害が発生した際に市民が中心となって救助活動を行う必要性が指摘されており,日本各地で災害対応訓練が開催されている.しかし,現状の訓練は体位管理やトリアージを訓練する際に傷病者役の手配や資機材の事前準備が必要であり,訓練を手軽に実施する事ができない.さらに,訓練者個人のペースを配慮できていないという問題点がある.このような背景から本研究では,人型入力デバイス QUMARION を使用した災害対応訓練システムを提案する.訓練者は,人型入力デバイスを使用して個人で体位管理訓練を実行する事が出来る.また,学習と実践訓練を分けることで,個人のペースに合わせた訓練が行える.評価実験を行った結果,本システムを使用して正確に学習出来ている事を確認した.人型入力デバイスを使用する事で,事前準備の必要なしに個人のペースで災害救護訓練が行えるとわかった.
著者
阿部 公一
出版者
東北公益文科大学
雑誌
東北公益文科大学総合研究論集
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-22, 2009-12-20

はじめに 本稿では、「戦後の経済回復期における社会保障構想の展開」について論じていく。題目に「戦後の経済回復期」という表現を用いているが、戦後の経済復興期における前半期および中頃までの期間を想定している。具体的には、終戦直後から1950(昭和25)年までを対象にしている。筆者は、これまでに厚生年金の制度展開について研究してきたが、経済復興期における厚生年金の制度展開と社会保障構想の展開との関係までは、十分に論じることができなかった。今後、厚生年金の制度展開をより探めていく必要から、本稿では、戦後の経済回復期における社会保障構想の展開を考察していく。
著者
池上 重弘
巻号頁・発行日
2014-07-26

国際理解セミナー開催日:2014年07月26日開催地:千葉中央ツインビル主催:千葉県・公益財団法人ちば国際コンベンションビューロー
著者
番匠 一雅 二宮 幸太
雑誌
田園調布学園大学紀要
巻号頁・発行日
no.6, pp.95-115, 2011

筆者が所属する田園調布学園大学(川崎市麻生区)では、5才から15才までの子どもたちが”遊びを通して働く”体験をしながら子どもたちだけの仮想の”まちづくり”をする「ミニたまゆり」という取り組みを行っている。今年度で7回目を迎え毎年2日間で延べ2,000人以上の地域の子どもたち・地域住民・学生・教職員が参加をしている。本取り組みには人間福祉学部1年生の必修科目である「福祉マインド実践講座」のプログラムの一環で約200名の学生がボランティアスタッフとしての参加が義務付けられている。本稿では、「ミニたまゆり」という、大学と地域とが連携した特色的な教育プログラムを実施することによる、学生や子どもたちの教育活動および大学の地域貢献活動の可能性について事例報告をする。
著者
松岡 高輝 波部 斉 阿部 孝司 井口 信和
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.555-556, 2018-03-13

水産養殖場では,魚の健康を維持するために管理が必要不可欠である.特に,クロマグロを養殖するとき,稚魚の段階で死亡する割合は8~9割と非常に高い.クロマグロは外からの刺激に対して敏感であるため,刺激によってパニック状態となり,水槽の壁に衝突して死んでしてしまうこともある.人手に頼らず,瞬発遊泳の検知やその傾向の分析ができれば,魚をより適切に飼育する環境の構築に役立つことが期待される.そこで本研究では,カメラを用いてクロマグロ稚魚が遊泳する様子を撮影し,その映像からオプティカルフローを求めて群になって泳ぐ稚魚のマクロな動きを捉え,機械学習により瞬発遊泳の検出やその傾向の分析を行う.
著者
芋川 浩 今浪 愛里
雑誌
福岡県立大学看護学研究紀要 (ISSN:13488104)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.63-70, 2014-03-31

精油のリラクゼーション効果については数多くの研究がなされている。それに対し、精油における抗菌効果については、数少ない研究のみしかなされていないのが現状である。そこで、抗菌効果があるという「精油」に注目して、その抗菌効果について検討をおこなった。リラクゼーションや抗菌効果の両方をもつ精油を見つけることは医療技術の改善や向上などに役立つものと考え、その抗菌効果について解析してみた。その結果、検討した精油の中でティートリーとラベンダーに高い抗菌効果があることがわかった。特にティートリーは、大腸菌・表皮ブドウ球菌に対して抗菌効果を示した。それに対し、ラベンダーの抗菌効果は、ブドウ球菌に対しては、ティートリーと同程度の抗菌効果を持つが、大腸菌に対しては抗菌効果がないという細菌種特異性のあることも明らかとなった。このことから、精油を組み合わせることで、特定の細菌種に対して効率的な抗菌効果を上げることができるのではないかと期待している。
著者
建部 修見
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2017-HPC-162, no.6, pp.1-5, 2017-12-11

ストレージ性能はアクセスパターンにより大きく性能が変わり,多くの尺度が考えられる.IO-500 ベンチマークは HPC における典型的なアクセスパターンのベンチマーク集合で,性能値を幾何平均により一つのスコアとする.今後の標準的な IO ベンチマークとして期待されるものである.本研究では,IO-500 ベンチマークにより,Oakforest-PACS のストレージシステムを評価する.ファイルキャッシュシステムの評価では,個別ファイルの書込で 746 GiB / s,単一ファイルの書込で 600 GiB / s であった.IO-500 のスコアは 101.48 であり,2017 年 11 月の第 1 回目のリストで第 1 位であった.