出版者
日野市史編さん委員会
巻号頁・発行日
vol.近代 3 (産業・経済編), 1982
著者
酒井 理
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.55-64, 2020 (Released:2020-05-21)
参考文献数
68

近年の動物行動学では行動傾向の一貫した個体差に高い関心が注 がれ、幅広い分類群の動物種において個性の形成要因の探求や評 価手法の確立が進められてきた。しかしながら、発達的な観点が 当該分野の理解を複雑にしており、時間的に安定した個体差を扱 う「個性」と発達的な個体変化を扱う「発達可塑性」では互いに 概念の混乱を招いてきた。本稿では、発達的な観点が個性研究に おいてどのように扱われているかを俯瞰し、行動傾向の一貫した 個体差と個体の発達変化を統合的に扱う枠組みを紹介する。さら に、発達的な観点から個性を扱っている研究例を概観し、そこか ら見えてきた傾向や今後の展望について議論する。概念としては、 対象動物の生活史に基づいて一貫性を評価し、発達段階の変化し ない短期間における個性の存在と、重要な生活史イベントをまた ぐような長期間における個性の安定性とを区別することが重要で ある。また、発達的な観点から個性を扱うには、行動傾向の平均 値、個性の構造、個性の安定性の3点を意識することが有用となっ てくる。さらに、当該分野の文献調査から、様々な動物種におい て個性とその構造が発達段階をまたいで安定していないという傾 向が見受けられた。この結果は、個性は短期的には安定なものだ が長期的には不安定なものとして捉えることの重要性を提起する ものである。しかし現状では、個性の発達変遷や発達段階特異的 な構造に一般的な法則を見出すことが難しく、更なる知見の蓄積 と整理が必要である。
著者
中村 太一
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.113, pp.11-33, 2004-03-01

日本古代の交易に関する従来の研究は、交易者・市の様相や法的規制、あるいは官司や官人による交易活動の解明に主眼を置いてきた。このため、交易活動の動機や目的などについては、必ずしも追究されてこなかった。そこで本稿では、ポランニーが指摘する交易者の動機や目的に着目し、交易者の実態やその類型を抽出することを目的とした。まず第一章では、ポランニーの指摘に基づいて、史料に見える交易の動機について、包括的な分析を行った。その結果、日本古代においては、外部産品の獲得を目的とした交易に従事する、身分動機の交易者が多く存在すること。他方、利潤動機の交易者は零細で、社会的地位も低いこと。したがって、交易量全体に占める割合では、獲得型・身分動機型交易が多数を占めるであろうことなどを明らかにした。また第二章では、官司や王臣家の交易は、基本的に獲得型・身分動機型交易であること。長屋王家による酒食販売事業なども、家政運営に必要な銭貨調達を目的としたものであることを指摘した。さらに第三章では、地方豪族が畿内で展開した交易は、利潤追求が目的ではなく、在地では入手しえない文物を獲得することに主たる目的があったこと。このため、列島や海外の物産が集まる京や難波に交易の拠点を設けたこと。また彼らの銭貨獲得は、純経済的な私富追求ではなく、威信財としての位階や銭貨の入手を目的としたものであることを明らかにした。最後に第四章では、利潤動機の商人について検討した。ここでは、彼らのうち市人や近距離型行商は、消費経済の進展につれて数的拡大傾向が認められるものの、大多数の経営体は小規模のまま推移したこと。その一方で平安時代後期になると、比較的大規模な交易を展開する遠距離交易商人の姿が見られるようになること。彼らは、王臣家等が展開してきた獲得型交易構造の一部を代替する形で事業を展開し、成長を遂げていったと考えられることなどを述べた。
著者
亀崎 宏樹 庄子 佳文子 上村 慎一郎 津田 良夫
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.137-143, 2022-09-25 (Released:2022-09-25)
参考文献数
42
被引用文献数
1

Twenty Japanese mattresses with various periods of use were collected from 11 localities in Japan in 2014. Samples of the mattresses including the padding were removed at 5 collection points in each mattress. The samples were divided into 3 layers (upper, middle, and bottom layers), and the fauna and density of house-dust mites were examined. A total of 12,734 mites of 10 families were collected and 97.0% of them belonged to Pyroglyphidae. The total number of mites was estimated as 4,640 to 394,240 per mattress. A positive correlation was found between the number of dead and alive mites and the number of exuviae. The dominant species in Pyroglyphidae was Dermatophagoides pteronyssinus (Trouessart) and D. farinae Hughes, and the proportion of D. pteronyssinus ranged from 0 to 100% among the samples. Multiple samples collected within the same locality (Tokyo, Kanagawa) showed a wide variation in the proportion of D. pteronyssinus. The distribution of mites in the 3 layers differed among the 5 sampling points. More mites were distributed in the middle layers at sampling points located at the edge of the mattresses. The proportion of Pyroglyphid mites distributed in the upper and bottom layers ranged from 15.6 to 94.3%.
著者
吾郷 由希夫 中澤 敬信 近藤 昌夫 鈴木 亮
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究では、統合失調症の確度の高い遺伝的要因としてのコピー数変異に着目し、7q36.3微細重複によるVPAC2受容体過剰活性化の病態生理学的意義の解明と、難治性統合失調症の克服に向けた新しい治療技術・創薬戦略の基盤構築を目指す。具体的には、①患者由来細胞とマウスモデルを用いた病態神経基盤の解明と創薬モデルとしての妥当性検証、②生理活性物質等の脳内(部位特異的)送達技術の開発を行う。
著者
仲村 昌温
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.505-518, 1987-10-20 (Released:2010-06-11)
参考文献数
23
被引用文献数
2 2

アクリル樹脂注入法によってネコの顔面動脈について観察調査した。舌動脈と後耳介動脈の両起始の間で外頸動脈から派出していた。またまれに後耳介動脈の遠位で, 外頸動脈が2終枝分岐の直前からや, 浅側頭動脈から起始していた。外頸動脈から起始した顔面動脈は咬筋停止部の内側を前走して, 顎舌骨筋の後外側端に達し, そこでオトガイ下動脈を派出したのち, 下顎骨の顔面血管切痕を越えて顔面に出て咬筋前縁を前上方に走り, 口角の後方で下唇動脈と上唇動脈の2終枝に分岐していた。顔面動脈の分枝には, 茎突舌筋枝, 顎二腹筋枝, 下顎腺枝, 下咬筋枝, 翼突筋枝, 上行口蓋動脈, 前咬筋枝, オトガイ下動脈, 皮枝, 下顎縁枝, 頬枝が認められた。他の哺乳動物について比較解剖学的にみると, ネコの顔面動脈はカイウサギのそれとは異な凱イヌのものと起始様相, 走行, 分枝, 分布域において類似しているといえる。
著者
村田 敏一
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.602, pp.602_129-602_148, 2008-09-30 (Released:2010-10-15)
参考文献数
10

本年5月に成立した新保険法では,一定類型の保険契約につき,多くの片面的強行規定が導入されるとともに,全契約類型に適用される任意規定と絶対的強行規定に関しては,その仕分けが解釈に委ねられた。本稿では当該仕分けにつき,幾つかの手法を併用しながら確定作業を行うとともに,三つの規律の相互関係を包括的に分析することにより,保険法の構造を解明する手掛りを得ることとしたい。

1 0 0 0 OA 孤蝶随筆

著者
馬場孤蝶 著
出版者
新作社
巻号頁・発行日
1924

1 0 0 0 OA 錦窠菌譜

著者
伊藤圭介 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[7],