著者
藤田 佳久
出版者
The Tohoku Geographical Association
雑誌
季刊地理学 (ISSN:09167889)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.273-286, 1998-12-15 (Released:2010-04-30)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

本稿は, 1901年に中国貿易を扱い得るビジネスマンの養成を目的として上海に開設された東亜同文書院の学生達が1907年から1942年にかけて行った中国調査旅行の実態を明らかにし, 彼らが記録した調査報告書および日誌の資料的価値について説明した。書院生の旅行コースは全体で700コースに及び, 中国全土をカバーするとともに, 調査テーマも中国社会を知る上でバランスのとれた内容であった。調査報告書は日本人の手になる初の本格的中国地方誌であった『支那省別全誌』(18巻) および『新編支那省別全誌』(18巻刊行計画中9巻まで刊行) に最大限に活用された。日誌は状況証拠として間接的に利用された程度であった。しかし, 日誌は清末から民国期の混乱期に, 中国全域をとらえる研究が空白になった部分を埋めることができる貴重な資料である。
著者
内田 俊也
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.86, no.10, pp.1897-1905, 1997-10-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5

輸液は水・電解質の欠乏症に対する輸液が中心だが,水・電解質バランスの維持のため,栄養輸液,治療としての輸液など輸液の目的は拡がっている.脱水症では高張性・等張性・低張性脱水を鑑別し,病態に見合った輸液をする必要がある.また腎機能が低下すると輸液の安全域は狭まり,安全な維持輸液のためには電解質の浸透圧が100mOsm/kgH2Oくらいの低張性輸液が望ましい. 3号液2lが基本である.輸液においてはつねにバランスを計算してフィードバックにより微調整することが大切である.
著者
福田裕彦著
出版者
ナツメ社
巻号頁・発行日
1998
著者
福田裕彦著
出版者
音楽之友社
巻号頁・発行日
1995
著者
柴田 武男
雑誌
キリスト教と諸学 : 論集 (ISSN:13452487)
巻号頁・発行日
vol.Volume30, pp.(47)-(60), 2017-03
著者
下田 好行 四方 義啓 吉田 武男
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

ホリスティックな立場からの教材・授業開発の視点を研究した。垣内松三の形象と自証体系の理論とそれを授業で具体化した青木照明の「融合読み」の研究を行った。垣内松三は、文字の連なりの奥にある人間の相(象徴)の存在を強調した。読むとは、この象徴を直観し、それを言葉という形で記号化する行為である。ここから垣内は、直観ー自証ー証自証、という読みの理論を体系化した。この理論を授業場面で具体化したのが芦田恵之助である。また、最近では、小学校国語の文学教材の読みの授業で、青木照明が行っている。青木の授業では、児童が物語文を読んで、直観したことを自分の言葉で解釈し、自証していく様子を確認できた。
著者
蜂須 貢 大林 真幸 船登 雅彦 芳賀 秀郷 上間 裕二 三邉 武幸 向後 麻里
出版者
日本自律神経学会
雑誌
自律神経 (ISSN:02889250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.187-192, 2021 (Released:2021-07-06)
参考文献数
11

高度な集中力をもって被検者がパフォーマンスを発揮する場合に自律神経活動がどの様に変化するかを明らかにすることを目的として,デッドリフト(DL)直後の自律神経機能の変化を検討した.被検者は常時ウエイトトレーニングを行っている10名(30.0±15.0歳)とした.DLの重量は本人の最大挙上重量の90%(90%max)を基準とし,初日の2回と1週間以上間隔をあけた2日目の1回,計3回それぞれ行った.また,最大挙上重量の90%±5 kgの3重量における自律神経機能への影響を検討した.自律神経機能は心電図を自律神経機能解析ソフト「きりつ名人((株)クロスウエル)」で解析した.測定項目は安静座位時2分間のCVRRとccvL/H,立位時のΔCVRRとΔccvL/Hおよび立位継続時1分間のccvHFである.90%maxのDLの自律神経機能への影響を間隔をあけ3回観察したが有意差は認めなかった.90%max±5 kgのデッドリフトでは重量依存的に心拍数が増加し,90%max−5 kg時の心拍数増加と比較して+5 ㎏で有意な増加を認めた.きりつ名人スコアは90%max−5 kgと比較して90%max時で有意に値を低下し,自律神経機能のバランスの崩れを認めた.
著者
原田 克彦 小林 茂
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.129(2005-MUS-063), pp.7-11, 2005-12-23

PCと外部のセンサやアクチュエータを接続するI/Oインタフェースモジュールは、既にさまざまなものが存在している。本稿では、開発したI/Oモジュールgainerについて説明する。gainerでは、デジタル/アナログ混載マイコンPSoCを使用することにより、機能の再構成が可能(リコンフィギャブル)となっている。また、プログラマブル・ゲイン・アンプ(PGA)による使用者のユーザビリティ向上も期待できる。これらがもたらす使用部品数の減少や低価格でのキット化は、教育用途向けの使用として優位性を発揮できる。一例としてgainerを使用したワークショップについて報告する。
著者
木村 学 楠 香織
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.295-305, 1997-04-24
参考文献数
39
被引用文献数
7

北海道は千島弧と東北日本弧の会合部にあり, 白亜紀以降の日高造山運動によって形成されてきた。白亜紀はじめから始新世にかけてアジア人陸の北東縁に平行な古海溝に沿って, 沈み込みに伴う付加が起こった。オホーツクプレートの南縁に位置した古千島弧が暁新世にアジア人陸縁と衝突し, サハリンや北海道北部における沈み込みが終了した。その後, サハリンと北海道地域は右横ずれ断層帯(日高剪断帯)へと変化した。北海道の東半分はその右横ずれ断層帯に沿って南へ動き, 断層帯に沿っては中期中新世のプルアパートベーズンが形成された。その右ずれ断層は日本海盆と十島海盆の拡大と, そして日高変成帯の変成・火成作用と同時に起こった。これらの事件はお互い密接に関連していたようである。日本海盆と十島海盆におけるアセノスフェアの上昇は, 右ずれ収束している日高剪断帯の下におよび, それによって同時に火成・変成作用が右ずれ変形とともに起こった。こうした出来事を通して, 北海道では厚い大陸地殻が成長した。中新世後期から太平洋プレートが千島海溝に沿って斜めに沈み込み, 千島前弧スリバーを南西へ移動させた。北海道の島弧会合部で前弧スリバーが衝突し, その結果日高変成岩が上昇・露出したが, これは上述した造構過程を通して形成された下部地殻である。北海道におけるこの大陸形成過程が新しく定義される「日高造山運動」である。日本列島同様, 島弧会合部における衝突は環太平洋造山帯のほとんどの島弧会合部で進行しており, それは沈み込み帯において新しい大陸地殻を急速に造るための重要なプロセスである。
著者
リンデマン エーリック 桑原 治雄
出版者
大阪府立大学社会福祉学部
雑誌
社會問題研究 (ISSN:09124640)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.217-234, 1999-12-24

Erich Lindemann "Symptomatology and Management of Acute Grie."(Americαn Journal of Psychiatry, 101, 141-148, 1944)の翻訳