出版者
苫小牧駒澤大学
巻号頁・発行日
no.(14), 2005-11-30
著者
マルギット クラウゼ 小野
出版者
室蘭認知科学研究会
雑誌
認知科学研究
巻号頁・発行日
no.5, pp.97-108, 2007

Behavioral values, rules and patterns of one culture are usually mirrored in its verbal communicative style. The reaction of German and Japanese soccer players to their (non)-nomination for their national teams is a rare opportunity to compare these styles in a 100% comparable setting. The main behavioral and verbal traits of each culture will be introduced and contrasted. German communicative style is direct, content-related and less situation-bound, while Japanese verbal communicative style is more indirect, clearly situation-related and refers more to the in-group. In the analysis of the verbal reaction of a total of four soccer players, it will be shown that their comments and reactions are very much in accord with the behavioral cultural exigencies of their respective cultures. The German players did not mind appearances and the Japanese players did not express their feelings directly but rather referred to their in-groups. The direct comparison of Japanese and German reactions in the same situation highlights these points clearly. It will be asserted that the overall tendencies of the two cultures, represented by soccer-players well-known in their countries, display the above mentioned differences.
著者
村上 周三 加藤 信介
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.32, pp.91-102, 1986-10-25 (Released:2017-09-05)
被引用文献数
5

室内における汚染質の拡散性状を基礎とする3種の新たな換気効率の指標を定義する.これは,(1)各場所で汚染質が発生したと仮定した場合の室内平均濃度,(2)同じく,汚染質が発生したと仮定した場合の平均拡散半径,および(3)吹出し空気の平均到達時間,である.これらを用いて,実在のクリーンルーム内の換気特性を考察する.換気効率指標の分布は,(1)吹出し口・吸込み口などを変化させた場合の気流分布の変化による換気効率特性の変化を効果的に示す,(2)室内汚染源の発生位置の変化が室内の清浄度に与える影響を直接的に示す,(3)清浄空気到達の程度を具体的に表す,などの特徴を有し,室内の換気設計を行う際の指標として有用なことが示される.
著者
クラウゼ 小野 マルギット
出版者
室蘭認知科学研究会
雑誌
認知科学研究
巻号頁・発行日
no.3, pp.51-81, 2004

Backchannel cues seem to exist in all languages, however backchannel behaviour differs according to language and culture. This study argues that in the research on the use of backchannel cues in L1 and L2, transfer from L2 to L1 has to be considered reciprocally; e.g. transfer of L2 Japanese backchanneling into L1 German, as well as the transfer of L2 German backchanneling into L1 Japanese. Several cross-linguistic studies have been conducted with controversial results. Some find no transfer from L2 to L1 and others do. However, none of these studies investigated reciprocally. The result of this study shows that both findings hold true. Data collected from videotaped dyads between monolingual Japanese and monolingual Germans first established the difference in the usage of backchannel cues in the two languages, with German as low and Japanese as high in the frequency of backchannel cues. Next, one long-term Japanese resident of Germany and one long-term German resident of Japan were each videotaped conversing with a monolingual speaker of their L2 and then again with a speaker of their L1. Their usage of backchannel cues in each conversation was analyzed. Participants were given a questionnaire to ascertain their awareness of differences in conversational styles. The results showed transfer from L2 Japanese on L1 German but none from L2 German on L1 Japanese. Various reasons for transfer or non-transfer of backchannel cues are presented, as well as possible measures which could incite Japanese to change backchanneling behaviour, to avoid disasters in political and economic negotiations.
著者
北條 勝貴
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.39-54, 2013 (Released:2018-05-18)

平城京二条大路側溝から出土した治瘧の呪符木簡は、定説的には唐・孫思?撰の医書『千金翼方』に基づき、列島固有の文脈も加味して作成されたと考えられている。しかし、同種の呪言は八世紀に至るまでの複数の中医書に散見し、『千金翼方』より上記の木簡に近い表現を持つものもある。その淵源を遡ってみると、前漢・王充撰『論衡』に引かれる『山海経』にまで辿り着く。鬼門を守る神が疫鬼を虎に喰わせるという辟邪の文章は、やがて儺の呪言として展開してゆくが、その過程で、山林修行で培われた医薬・呪術の知識・方法、洪水と疫病の流行による世界の破滅/更新を説く神呪経の言説を含み込んでゆくことになる。そうして成立した短い呪言の一語一語には、その直接意味するところ以上に、豊かで複雑な自然環境/人間の関わりをうかがうことができるのである。
著者
山口 登志子
出版者
国際基督教大学
雑誌
教育研究 (ISSN:04523318)
巻号頁・発行日
no.50, pp.89-95, 2008-03

1970年代と比較すると,日本語学習者の数は世界で増加している.東南アジアにおいても,1200の機関において日本語が教授され,コミュニカティブ教授法が主流である.しかし,矛盾点はコミュニケーションが推進されている反面,市販の教科書はことごとく文法中心の構成になっている.本稿では機能と語彙の分野に論議を絞り,文法中心の教科書のどの部分に問題点があるのかを追求する.また,コミュニカティブとして定評のある教科書でもWiddowson (1984)の説くLanguage as Communicationの枠内で構成されていることなども指摘する.最後にグローバル化された現代社会に視点を移し,英語などの「大言語」と対照して,日本語教育がどう生かされていくべきなのかについて簡潔に私見を述べてみたい.

1 0 0 0 OA 国歌:君が代

著者
古今和歌集より
出版者
ニッポノホン
巻号頁・発行日
0000

1 0 0 0 OA 君が代

著者
林 広守[作曲]
出版者
ビクター
巻号頁・発行日
1932-01
著者
兼保 直樹
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.25-35, 2018-03-10 (Released:2018-05-15)
参考文献数
51
被引用文献数
1

大気環境学会学術賞の対象となった大気エアロゾルに関する著者のこれまでの研究において、どのような考え、予想、仮説を持って観測的研究を実施してきたのかを概観し、研究の背景となった先行研究の流れや同時期の研究なども簡潔に紹介する。アジア大陸からの2つのパターンの長距離輸送と気象との関係、関東平野での初冬季の高濃度SPM形成のメカニズム解明とモデル化、九州北部でのPM2.5の挙動、福島第一原子力発電所事故起源の放射性エアロゾルに取組むようになったきっかけなど、論文のイントロダクション部分においても記述しにくい研究開始時の状況、第一歩の踏み出しの経緯など、この総説の場を借りて紹介したい。
著者
植松 光夫
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.35-45, 2013-03-15 (Released:2019-03-22)
参考文献数
44
被引用文献数
1

大気と海洋間での生物地球化学的相互作用や,その応答は,気候や環境の変化を引き起こしたり,引き起こされたりする.私は地球規模の物質循環の観点から,海洋大気エアロゾルの化学組成変動とその挙動,そして海洋への影響について研究してきた.アジア大陸に起源を持つ鉱物粒子や人為起源エアロゾルが,北太平洋上へ春季を中心に広く輸送され,地球規模の気候変化の放射収支に影響を与えていることを示唆した.またエアロゾルが輸送されている間に海洋大気境界層内で生じている化学的,物理的変質過程や除去過程を明らかにした.海洋に沈着するこれらの物質が,海洋表層での化学的,生物的過程を通して,海洋生物活動に影響を与えていることを確かめた.一方,海洋大気エアロゾル化学組成が,海洋生物や物理環境によって変化することを示した.海洋と大気と気候間でのリンケージの定量的な理解を,さらに深化させるためには,海洋科学と大気科学の連携が不可欠である.
著者
三谷 豊
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科学 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.193-204, 2003
参考文献数
48
被引用文献数
4

千葉県北部は関東堆積盆地の東縁部にあたり,分布する更新統には収斂現象がみられる.この地域の中・上部更新統は,下位より八日市場層,神崎層,上岩橋層,木下層から構成されている.八日市場層は西北西へ3/1,000で傾き,これに重なる神崎層と上岩橋層は同様に傾きながら収斂する.この収斂は侵食によるものではなく,累層構成層の薄化・尖滅により起こっている.したがって,下総層群の収斂は八日市場層堆積後から上岩橋層堆積期に徐々に進行した傾動運動によってもたらされた.また,上岩橋層基底は,東西に延びる幅約5kmの凹状部を形成し,下部河成層によって埋積されている.この凹状部は,その東縁が収斂部と一致するが,その一方で南縁の形態は木下層の上位に重なる常総粘土層の変形構造と大変よく似ている.つまり,上岩橋層堆積期には,上記の傾動運動と常総粘土層を変形させた運動の2つの要素が認められる.
著者
寺本 篤史 大久保 孝昭
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.235-242, 2021

<p>本研究ではASRのペシマム現象において、反応性骨材と共存する骨材の影響を明らかにすることを目的として実験的・解析的検討を実施した。その結果、同一の反応性骨材を同量使用した場合でも、共存する骨材種類によりコンクリートのASR膨張率ならびにペシマム混合率が変化することが確認された。また、U.F.O.モデルを用いた試算の結果、共存する骨材の力学特性を考慮した場合、解析精度が向上すること、人工軽量骨材を混合したコンクリートでASR膨張率が著しく低減される理由は力学特性だけでは説明がつかず人工軽量骨材によるアルカリ消費が主な原因と考えられた。</p>