著者
岡野 仁庸 佐原 宏典
出版者
公益社団法人 日本設計工学会
雑誌
設計工学 (ISSN:09192948)
巻号頁・発行日
pp.2021.2939, (Released:2021-12-16)
参考文献数
13

Satellites are utilized in a wide range of fields, such as scientific research, remote sensing, communication, and defense. Unlike ground-based systems, a satellite system has certain special features in terms of system design, usage environment, and life cycle. Therefore, it is difficult for engineers to pass on the system design documents and experiences of the satellite to the next generation. Engineers often design, develop, and validate satellite systems according to their individual competence. In general, if the experience and competence of the engineer are insufficient, regressions and design defects can occur in the later stages of development. In the past, satellites have been affected by problems such as unexpected resource inputs and in-orbit failures, which have reduced quality, cost, and delivery (QCD). We consider that the large gap between the highest standards for satellite design and the actual standards met by the engineers is the most significant factor that causes the QCD to deteriorate. To address this issue, we aim to develop a systems-engineering method that can serve as a guideline for satellite development. Herein, we present the results of our study, along with an evaluation of one of the research themes that we are focusing on to address the aforementioned issue, that is, “Establishing a quantitative systems engineering (SE)-evaluation method by modeling the SE approach.” This is a method for quantitatively visualizing the SE approach and evaluating the validity of satellite development guidelines as a systems-engineering method. This method was validated based on the results of an actual project, i.e., the CanSat project, which involves developing a microsatellite as small as a canned drink.
著者
須藤 信行
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.12, no.Suppl.20, pp.37-41, 2013 (Released:2014-12-21)
参考文献数
41

腸内フローラは様々な生理機能の発現に深く関与しているが,中枢神経機能や精神機能にどのような影響を及ぼしているかに関しては十分に検討されていない。近年,腸内フローラは宿主のストレス反応や行動特性に影響することが明らかにされつつある。著者らの人工菌叢マウスを用いた検討では,無菌(germfree:GF)マウスは通常のspecific pathogen free (SPF)環境下で飼育されたマウスと比較し,拘束ストレス負荷によるACTHおよびコルチコステロンの上昇反応が有意に亢進していた。また GFマウスは,通常の腸内フローラを有するEX-GFマウスと比較し,多動で不安レベルが高かった。以上の結果は,腸内フローラは成長後のストレス反応性のみならず行動面にも影響しうることを示している。(皮膚の科学,増20: 37-41, 2013)
著者
松本 健一 福田 豊生
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.89-98, 2006-03-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
28

京都議定書の発効やポスト京都の議論などにより,先進国のみならず途上国でのCO2排出削減が地球温暖化抑制に向けて今後の重要な課題となる。CO2を削減する方法として,全世界で税率が一律の炭素税(一律炭素税)の導入が費用効果的であるが,一律炭素税は途上国に対して大きな経済的負担を課す。このような政策は途上国の反対にあうのは必至で,またUNFCCCの「共通だが差異のある責任」にも反するため,実現可能性は低い。 このような一律炭素税の問題点を踏まえ,本論文では各国で税率に差異のある炭素税の導入効果を環境的側面と経済的側面を考慮した政策的観点から議論する。差異のある炭素税は帰属価格の概念(帰属炭素税)により実現し,多部門・多地域応用一般均衡分析を用いたシミュレーションにより,一律炭素税導入によるCO2排出削減量やGDPへの影響と比較した。本研究では,世界経済を15産業部門・14地域に分割し,全ての産業部門を炭素税の賦課対象とした。 分析の結果,帰属炭素税はCO2削減効果ではわずかに劣るものの,一律炭素税とは異なり途上国のGDPにプラスの効果をもたらした。世界全体でのCO2排出削減政策の実施と途上国に対する過度な経済的負担の回避の重要性を考慮すると,帰属炭素税の方が一律炭素税よりも先進国・途上国間で経済的な公平性があり,政策的実効性が高いと言える。ただし,帰属炭素税では一部途上国で炭素リーケージが見られるため,その解決策の模索が今後の課題となる。
著者
Le Dan Spanjer Esther 舘 健治
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1023, pp.69-75, 2010-02-08

図1 低コストで信頼性の高いSSDを実現主にコントローラLSIで独自の性能・信頼性向上技術を施すことにより,2ビット/セルなどの低価格な多値(MLC)NANDフラッシュ・メモリを用いて,データ・センターやサーバー機など向けのSSDを実現できるようにした。* ソルナックはSMART Modular Technologies社の国内代理店の一つである。
著者
岩見 達也 室崎 益輝
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.847-852, 1996

The purpose of this paper is to clarify the cause origin of the fire after HANSHIN-AWAJI earthquake. The hearing research to the residence around the fire was carried out to find out the mechanism of fire outbreak caused by earthquake-"origins of fire", "burned things", "process". Following things beome clear; (1) The fires related with electricity were concerned with the recover of the power failure, (2) The gas appliance and the oil heater were conspicuous as soon as the earthquake occurred, (3) In burned things, the one which was caught fire from gas is overwhelmingly. So We must think the planning and restorations of life line.
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科
雑誌
人環フォーラム (ISSN:13423622)
巻号頁・発行日
vol.16, 2005-03-31

<巻頭言>自由と多様性
著者
植田 康孝
雑誌
江戸川大学紀要 = Bulletin of Edogawa University
巻号頁・発行日
no.29, 2019-03-15

アイドルグループの一部はメンバーを次々と変えるが,人気グループはメンバーの誰かが卒業・新加入を繰り返して新陳代謝することにより,その変化に柔軟に対応し,進化を遂げることに成功している。メンバーやファンは寂しさを感じながらも,新たな出発点を経てグループは更に強くなって行く。以前のアイドルの「解散」「引退」宣言は,どれも悲壮であったが,近年の「卒業」「活動休止」「充電」発表には悲壮感はなく,清々しいくらいに前向きとなっている。ヴァーチャルコミュニケーションを継続することにより,ファンとの関係をそのまま継続することが出来,様々な経験をした後で芸能活動に復帰したりするケースも増えている。 2017 年9 月27 日,安室奈美恵が1 年後の引退を発表すると,「安室ロス」を嘆くファンが続出した。2018 年9 月16 日,平成を代表する歌姫であった安室奈美恵は,ファンに,社会に,音楽界に大きな足跡を残し引退した。閉塞した時代,現状の自分や社会への不満など暗い話題の多かった「平成」に,安室奈美恵は女性の憧れの「アイコン」になった。地位にしがみつかない清々しい引退劇を目に焼き付け,感謝の思いを伝えようとファンは「社会現象」と呼ばれる程に共鳴した。平成が終わる前に,平成を象徴する歌姫はステージを去った。そして,嵐が活動休止する。平成元年6 月に「歌謡界の女王」美空ひばりが亡くなり,昭和が美空ひばりと共に去ったことを想起させる。 このような社会的な注目を浴びて惜しまれつつ去っていく人がいる一方,人知れず去っていく者,業界から追われる人など 「有名人の引き際」は千差万別である。毎年多くのタレントを輩出するアイドルは,引退や卒業が多い。ブレイクする一握りのアイドルに隠れ,ひっそりと消えて行くアイドルは少なくない。「アイドル戦国時代」と言われたブームは収束,メジャーアイドル,インディーズアイドル共に,卒業(引退),解散,活動休止が増え,多くのファンを悲嘆に暮れさせている。昨今も「SMAP ロス」「福山ロス」「堀北ロス」「アムロス(安室ロス)」「さや姉ロス」「なあちゃん(西野)ロス」「嵐ロス」などのショック(精神的な空洞)現象が指摘された。「行動経済学」では,損は得をした場合より2 倍の心理的な負担が掛かるとされる。推しメンの卒業という損失が回避することが出来なかった場合のファンに掛かる心理的負担は極めて大きい。本稿においては,複雑な「アイドル」パンデミック現象を,仮に経済学の前提に当て嵌めて,単純に数理モデル化した場合における定量化評価を行うことを試みる。「パンデミック」と呼ばれるほどに大きな社会現象でありながら,これまで未整理のまま論じられることが多かった「アイドル」の「ファン心理」に関して,多くのレポートや著書に欠落した部分を学術的に補完する。
著者
市田 昌三
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.926, pp.91-94, 1998-02-02

東証1部上場の衣料商社である市田は1997年度(98年3月期)決算で、6期連続の経常赤字になるのが確実になりました。主力事業である着物の売り上げが減少していることと、着物に代わる経営の柱にと見込んでいる洋服が伸び悩んでいるのが原因です。そのため今年2月には、全社員の15%に当たる200人の希望退職者を募集せざるを得なくなりました。