著者
橋本 敬 稲邑 哲也 柴田 智広 瀬名 秀明
出版者
日本ロボット学会
雑誌
ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.407-412, 2010-05-15

社会的生物であるヒトが持つ社会的知能とはどのようなものか,それはいかにしてできたかという問いは,人間や生命の謎に挑む新しい総合科学である「ロボティック・サイエンス」の中でも最重要な問いの一つである.すでに,この問いを追求する科学として社会的知能発生学(sociointelligenesis)の研究が進められている.社会的知能発生学の目標は,社会的知能を理解したい,社会的知能をそれ自体だけではなくその発生から理解し,究極的には社会的知能発生学の理論を作るということである.また,社会的知能を持った人工物のデザインと実装は,目標の一つでもあり,理解へ至る手段としても用いられる.すなわち,社会的知能発生学では,構成を通した理解である構成論的アプローチが重要な位置を占める.この構成論的な社会的知能理解を推し進めるため,近年,SIGVerseという新たなシミュレーション・プラットフォームを開発する動きがある.本稿では,このSIGVerse を科学の方法に位置づけるための議論を行う.以下では,社会的知能発生学を,ひいては,ロボティック・サイエンスを「科学」として確立するため,科学の考え方について知識進化プロセスの視点からまとめる.その上で,リアリスティック・シミュレーションと構成論的シミュレーションという2 タイプのシミュレーションを対比させることを通して,構成論的アプローチを科学的知識進化の中に位置づける.続いて,社会的知能発生シミュレータSIGVerse を紹介し,SIGVerse が社会的知能発生学という「科学」の進展にどのような役割を担うのかを論ずる.

1 0 0 0 OA 韻府一隅

著者
顔懋功 著
出版者
岡田茂兵衛等
巻号頁・発行日
vol.1, 1881
著者
鈴木 啓仁
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.379-385, 2004-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
28
被引用文献数
1

牛骨, 牛皮, 豚皮, 魚皮, 魚鱗など各種ゼラチン原料の違いを中心にコラーゲンの構造やアミノ酸組成, 各ゼラチン原料の特徴, 基本的なゼラチン製造方法についてレビューし, それら原料種の違うゼラチンの特性についてまとめた.

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1903年05月29日, 1903-05-29

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1926年06月08日, 1926-06-08

1 0 0 0 中央公論

出版者
中央公論新社
巻号頁・発行日
vol.25(5), no.254, 1910-05-01
著者
池田 由實 前田 茉利佳 矢野 紗彩
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-05-11

背景国語の授業で永井荷風の「断腸亭日乗」を知った。断腸亭日乗の日々の記録には天気が記されていることを知った。古文書の日付にも天気が書き添えられていることに着目し、江戸時代の天気を分析したいと考えた。一昨年、江戸時代の神奈川の古文書「関口日記」を、昨年は京都の「二條家内々御番所日次記」を分析した。今年は「妙法院日次記」と、鹿児島の「守屋舎人日帳」を分析した。「妙法院日次記」は京都東山七条の天台宗の妙法院の坊官が、1672年より1876年まで、約200年にわたって書き継いできた記録である。「守屋舎人日帳」は薩摩藩の守屋舎人重尭の日記で、1825から1871年までの、村の統治、生活慣行などが記録されている。研究の目的(1)「妙法院日次記と「守屋舎人日帳」の天気を分析して飢饉の年と原因を考える。(2)天気の出現率から地球温暖化の兆候を調べる。研究の方法(1)天気は現代の気象庁の判断に近づけて、雪>雨>曇>晴れと分類した。ただし、24時間のうち、9割以上曇っていれば「曇り」、9割(21.6時間)未満であれば「晴れ」と、雲量を時間に換算して判断した。(2)明治以降は京都と鹿児島の気象台の記録をデータ化して分析した。データ(1)「妙法院日次記」の1694年から1794年までの晴れと雨の出現率のグラフをみると元禄・享保・天明の飢饉の期間に晴れの出現率は下がります。この傾向は他の古文書でも同じである。1732年は享保の飢饉で、晴れは49.3%と低く、雨は30.4%と高くなっている。データ(2)「守屋舎人日帳」の晴れと雨の出現率のデータからは天保の飢饉の1833年の晴れの出現率が低いが、翌年から古文書の欠落があり、晴れの出現率が下がったかははっきりしない。データ(3)京都の明治以降の天気の出現率を出すと30年ごとに見て晴れの出現率が一番低いのは1981年以降である。雪の出現率は年々上がっている。考察(1)「妙法院日次記」などの古文書から見ると、飢饉の期間の晴れの出現率は下がります。日照不足が飢饉をもたらす要因の1つであったと推定される。(2)温暖化が進む現代の京都と鹿児島で雪の日が多くなっています。背景に、南岸低気圧の発生回数が多くなったことが推定される。結論(1)「妙法院日次記」他の古文書も飢饉の期間に晴れの出現率が下がる。それに伴う日照時間の低下は、元禄・享保・天明の飢饉発生と対応していると思われる。(2)京都・鹿児島の雪の出現率は江戸時代に大きな変動はないが、明治以降は時代とともに上昇する。原因として、特定な気圧配置の出現分布の違いが考えられ、背景に地球温暖化の影響が推定される。今後の課題これまでは太平洋側の天気を中心に分析したが、今後は日本海低気圧の影響を見るために、石川県の江戸時代の古文書「鶴村日記」をデータ化して分析する。
著者
笠毛 甲太郎
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.12-22, 1997-03-28
参考文献数
35

アーリーコロナイザーズ (early colonizers) の1つで多くの歯周病関連細菌の定着の足がかりになっていると考えられている<I>Actinomyces viscosus</I>の菌体表層成分から, 歯周病関連細菌で成人性歯周炎の有力な原因菌とされている、<I>Porphyromonas gingivalis</I>に対する付着関連物質の1つと考えられる, SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動にて200kDaを超える高分子量物質 (AvAF) を分離した。分離はSephacryl S-400HRによるろ過, HiTrap Octyl Sepharose 4FFによる疎水性クロマトグラフィー, HiTrap Qによる陰イオン交換クロマトグラフィーにより行った。得られたAvAFの蛋白質あたりの<I>P. gingivalis</I>に対する共凝集阻害活性は12倍に上昇し, 回収率は2.5%であった。AvAFには糖も検出されたことから糖蛋白であることが示唆された。その活性は加熱処理, プロテアーゼ処理に耐性であったが, 過ヨウ素酸処理に感受性があった。よって, AvAFの活性は糖に存在することが明らかとなった。またAvAFは<I>Prevotella intermedia</I>, <I>Fusobacterium nuclea-tum</I>, <I>Capnocytophaga ochracea</I>の<I>A. viscosus</I>に対する共凝集においても阻害作用を示した。
著者
森田 忠夫
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.7, pp.297-302, 2012-07-20 (Released:2012-10-20)
参考文献数
1

静電粉体塗装は通常の溶剤塗装と比較した場合,厚塗りしやすいため,塗装膜耐久性の向上が計れる。また塗着しなかった粉体塗料を95%以上回収再利用できるため,ランニングコスト面においても大きなメリットがある。この静電粉体塗装装置は,スチール家具,冷蔵庫やエアコンなどの家電製品,ワイパーやアルミホイールなどの自動車部品,蛍光灯の反射板,自動販売機の筐体など,多種多様な金属製品の塗装に使用されている。以下に静電粉体塗装機器の基礎知識について述べる。