著者
川島 啓 内山 洋司 伊東 慶四郎
出版者
環太平洋産業連関分析学会
雑誌
産業連関 (ISSN:13419803)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.16-29, 2000 (Released:2015-06-30)
被引用文献数
4 4

近年,地球規模の環境問題への意識の高まりから,経済活動に伴う環境負荷やエネルギー消費量の定量的評価か盛んに行われている。LCA等の環境影響評価手法は個々の品目や個別の産業を対象としているが,産業聞の波及的影響,一国全体の負荷を定量化するためには産業連関法を用いた定量分析が有効とされている。本研究では過去からの産業連関表を利用して,単位数量当たりのエネルギー消費原単位およびCO2排出原単位を1次的な統計資料の物量データから推計し,時系列比較を行っている。また,こうした原単位をLCAの研究事例と出較している。結果としては,原単位の推移はエネルギー消費原単位,CO2原単位とも長期的に低下傾向にあることがわかり,我が国の技術進歩を生産物の数量当たりの投入量で裏付けることを説明している。原単位のLCA事例との比較では,単位当たりのエネルギー消費量か多くの耐久消費財においてもほぼ近似し,逆行列法を用いたエネルギー消費量推計が詳細な品目分類の分析においても有効な手段であることを示している。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.870, pp.87-90, 1996-12-16

地価下落で債務超過に陥り,鐘淵化学工業の子会社の傘下に入った。店頭公開後,土地売買に走った積極策が裏目に出た。金融機関の支援を得て再建策を作成,再起を期す。10月30日,当社は経営再建策について株主の方々の同意を得るため,臨時株主総会を開きました。幸い反対意見はごく少数にすぎず,無事,再建策を認めてもらいました。
著者
矢田 浩紀 安部 博史 大森 久光 石田 康 加藤 貴彦
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医大誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.293-303, 2009
被引用文献数
1 8

精神科の看護者のストレス要因を明らかにし, 精神科急性期病棟と精神療養病棟の看護者のストレスの質と量の違いを比較することを目的とした. 調査には, 職業性ストレス簡易調査票と精神科看護師の特有のストレス項目およびストレスに暴露される時間量に関する質問票について精神科の看護師・准看護師36名(A病院精神科急性期病棟11名とB病院精神科療養病棟25名)から回答を得た. 各下位尺度で因子分析を行い, 因子得点と項目得点にて2要因分散分析を行った結果, 職業性ストレス簡易調査票における「仕事のストレス要因」の下位尺度「雰囲気」の因子得点と「精神科におけるストレス要因」における全因子「看護における知識と技術」「実際のケア」「暴力への恐れ」「仕事の方向性」の因子得点は, 急性期病棟より療養病棟の看護者の方が有意に高くストレスが高かった.
著者
小木曽 秀紀 酒井 浩晃 藤永 真史 松本 悦夫
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.59, pp.39-42, 2012-12-01 (Released:2013-12-27)
参考文献数
6

アスパラガス茎枯病菌の伝染源を減少させる目的で,大型バーナーを利用した畝面焼却によるアスパラガス茎枯病の防除を試みた。大型バーナーとして,灯油式バーナー (マンモスバーナー P-100型: ピリオン製) およびガス式バーナー (デルタLPバーナー PDL-3型: 新富士バーナー製) を供試した。2009~2010年に長野市において実施した試験では,晩秋処理区,早春処理区,晩秋+早春処理区を設置し,灯油式バーナーにより畝面を焼却した。薬剤防除を行わない条件下で,立茎後から経時的に茎枯病の発病を調査した。その結果,立茎開始47日後となる2010年6月11日に,無処理区の発病度が39.8であったのに対し,晩秋処理区11.8,早春処理区14.6, 晩秋+早春処理区7.5であり,いずれも高い防除効果が認められた。2010~2011年に塩尻市で実施した試験では,前試験と同一の試験区に加え,ガス式バーナーによる早春処理区を設置した。薬剤による慣行防除下で,経時的に茎枯病の発病を調査したところ,立茎開始31日後となる2011年8月4日に,無処理区の発病度が10.8であったのに対し,晩秋処理区1.7,早春処理区1.7, 晩秋+早春処理区1.5,ガス式バーナー早春処理区1.7であり,いずれも高い防除効果が認められた。以上により大型バーナーによる畝面焼却は,アスパラガス立茎開始後の初期防除に有効であると考えられた。
著者
桑原 洋子 新谷 裕久 小澤 亨司 上坂 弘文 可児 瑞夫 可児 徳子
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.243-256, 1995
参考文献数
25
被引用文献数
8

病院歯科各診療室の気菌濃度の分布状態を把握することを目的として,1990年より2年間,朝日大学歯学部附属病院の中規模診療室(矯正歯科,小児歯科)と大規模診療室(保存科,補綴科)において,5ヵ所の測定点でSY法と落下法の併用により気菌濃度の測定を行った。分析は,測定点別気菌濃度分布の経時的推移と差異について二元配置分散分析法により検討し,さらにクラスター分析により気菌濃度の違いによる測定点の分類を行った。また,在室人員の動向と気菌濃度の分布との関係についても検討を行い,次のような結果を得た。1. 歯科診療室内の気菌濃度は,SY法0.02〜1.47CFU/l,落下法0.08〜6.83CFUであり,測定点別気菌濃度には季節変動が認められた。2. 二元配置分散分析により,気菌濃度に差の認められる測定点は,いずれの診療室にも認められたため,気菌濃度は複数カ所測定の必要性が示された。3. クラスクー分析により,気菌濃度の分布が把握できることが示され,気菌濃度測定を継続実施する場合の測定点の選択にクラスター分析が有効であることが示唆された。4.歯科診療室の在室人員の動向は,気菌濃度の分布と高い相関関係(p<0.01)が認められ,歯科用ユニットの使用分布を数量化することにより把握が可能であることが示された。
著者
中村 洋仁
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
pp.1-84, 2017-03-25

首都大学東京, 2017-03-25, 修士(理学)
著者
寺島 秀夫 斎藤 昌宏 高橋 さつき 平山 克
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.35, no.12, pp.1848-1851, 2002
被引用文献数
2

まれな大網原発類上皮血管内皮腫の1例を報告する. 症例は58歳の女性で, 臍周囲の不快感を主訴に来院した. 約5cmの弾性軟な腫瘤が臍周囲で腹壁に近く触知された. 精査により原発性腹膜腫瘍が疑われたが, 呼吸性移動を示すことから特に大網由来の可能性が考えられた. 1999年11月22日に手術が施行された. 腫瘍は明らかに大網内に存在し, 胃壁と固着しており, 胃壁を部分切除し腫瘍の完全摘出を施行した. 光顕像では, 腫瘍は類上皮血管内皮腫に一致する特徴を有し胃筋層へ浸潤していた. 免疫組織化学染色では, 血管内皮系マーカー (CD34, F-VIII) が一部陽性を示した. 以上より, 大網から原発した類上皮血管内皮腫と診断された. 術後経過は順調で, 30か月後も再発を認めていない.<BR>大網原発類上皮血管内皮腫に関して英語文献検索を行ったところ, 過去の報告は1例のみであり, 極めてまれである.
著者
大谷 珠代
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.378, pp.46-55, 2006-12

高齢化や外食の日常化が進む中、「身体に優しい」は以前にも増して、飲食店やメニュー選びの重要な条件になっている。これまでは一部の専門店の領域だったヘルシー料理や健康への配慮に、一般の飲食店も取り組むべき時代になってきた。一般の飲食店も"健康"対応を 健康ブームが、消費者の飲食店選びやメニュー選びに影響を与え始めている。
著者
島村 知歩 藤本 さつき 池内 ますみ 花崎 憲子 小西 冨美子 志垣 瞳
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.180, 2005

【目的】近年わが国の食生活では、外食の日常化、中食産業の多様化や食情報伝達による食事の均一化がみられるようになってきた。そこで、家庭で主菜献立として作られてきた魚介・肉料理の手作り度・購入頻度、食品の摂取状況について、その実態を明らかにし、現場の教育に生かすためにアンケート調査を実施した。【方法】2002年11月_から_12月、東京、愛知、奈良、大阪、京都、岡山、広島、福岡の大学および短期大学14校に在籍する学生1092名の家庭における調理担当者に、アンケート調査を実施した。調査内容は、調理担当者の属性、調理時間、食品の摂取状況、魚介・肉料理の手作り度・購入頻度などであった。【結果】食品の摂取状況をみると、主食として週5回以上摂取されているものは、朝食では米が44%、パンが42%であり、夕食では米が95%であった。食品の摂取頻度は、年代や夕食の調理時間により違いがみられた。主菜となる動物性食品では、週3回以上摂取している人が卵類で84%、肉類で78%、魚介類で65%であった。家庭で作ると答えた魚介料理は、多い順に煮魚87%、塩焼き83%、鍋もの83%であり、肉料理はカレー98%、肉じゃが92%、肉野菜炒め91%などであった。購入すると答えた魚介料理は、さしみ85%、たたき53%、みそ・粕漬け35%であり、肉料理はシューマイ57%、ギョーザ49%、ミートボール49%などであった。調査対象者の50%以上が家庭で作ると答えた料理は、魚介料理よりも肉料理が多かった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1155, pp.44-49, 2002-08-26

2001年1月、ジョージ・ステファノポーラス最高技術責任者(CTO、今年6月から常務)は東京駅近くにある三菱化学本社ビルの会議室に十数人を招集した。米マサチューセッツ工科大学(MIT)教授から、同社に招かれて半年。研究開発部門の改革第1弾として全社の開発戦略を練る科学技術戦略室(STO)の設置を決め、その全メンバーに初めて対峙した瞬間だ。
著者
鈴鴨 剛夫
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.930-938, 1982 (Released:2010-01-22)
参考文献数
42
被引用文献数
6 7

Chrysanthemic acid (2, 2-dimethyl-3- (2-methyl-1-propenyl) cyclopropanecarboxylic acd) is an acid component of pyrethroidal insecticides. There exist four optical isomers originated from two asymmetric carbon atoms at the C-1 and C-3 positions.Insecticidal activities of the synthetic pyrethroids derived from these optical isomers are shown as follows : 1 R-trans≥1 R-cis>>1 S-trans1 S-cis.Optical resolution of racemic mixture of chrysanthemic acid conveniently gives each isomer in optically pure from.Highly efficient epimerization at the position of C-1, C-3 and racemization were achieved as the method for the conversion of ineffective isomers into effective ones.Secondly, the relationship between stereochemical interconversion and regioselective ring opening of chrysanthemic acid derivatives was investigated. Some of the ring opening products were successfully converted into optically active form of tetrahydrolavandulol and tetralin musks.
著者
菅原 享 宮下 晃 三田村 孝 飯田 武揚
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.4, pp.597-603, 1988-04-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
23
被引用文献数
1

cis-ジクロロジアンミン白金(II)錯体(以下cis-DDPと略記する)には制がん作用があり,現在各種がんの臨床治療に広く使用されている。このcis-DDPは生体内において特異的にがん細胞のDNAと結合し,そのDNAの複製を阻害することが知られている。このような事実を踏まえて,白金錯体の配位子を種々変えた新規の白金錯体の報告が数多くだされているが,担体配位子に硫黄含有配位子を用いた白金族錯体についての研究は,ほとんどなされていない。そこで担体配位子に硫黄含有配位子を用いた白金族錯体であるジクロロ(2-アミノエチルスルポニル)白金(II)錯体およびジクロロ(2-アミノエチルスルポニル)パラジウム(II)錯体を新規に合成し,UV,UV差スペクトル,解離塩化物イオンなどの測定から,これらの白金族錯体のがん細胞障害性,DNAおよびDNA構成ヌクレオシドとの相互作用を研究した。その結果,がん細胞増殖抑制・障害性では,ジクロロ(2-アミノエチルスルホニル)白金(II)錯体ではアドリアマイシン耐性マウス白血病細胞に,ジクロロ(2-アミノエチルスルホニル)パラジウム(II)錯体ではマウスメラノーマ細胞に対してそれぞれがん細胞障害性を示すことがわかった。また,DNAおよびヌクレオシドとの相互作用では,ジクロロ(2-アミノエチルスルホニル)白金(II)錯体とジクロロ(2-アミノエチルスルポニル)パラジウム(II)錯体との結合様式に差異があることが示唆された。
著者
福島 一嘉 高橋 誠 長野 裕友 小山内 州一 吉川 貞雄
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.4, pp.585-590, 1988-04-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
11
被引用文献数
7

各種N-アルキル置換アルキレンジアミンを合成し,それらを配位子とするビス(ジアミン)ニッケル錯体を用いて,D-グルコース,D-マンノースのC-2エピマー間において,それぞれのC-2エピマー化反応を行なった。その結果,N,N'-ジアルキルエチレンジアミンを配位子とした場合によくC-2エピマー化反応が起こり,平衡まで達することがわかった。さらに,置換基と,して長鎖アルキル基を導入すると,アルキル鎖長が長いほど平衡点がグルコース側に偏り,エピマー間に優位差が生じることがわかった。これは遷移中間体である含糖錯体の,糖とジアミンの結合部分の立体化学によると考えられる。また,糖のエピマー化反応において,ジアミンニッケル錯体は触媒として働き,糖の1/10程度の濃度でも活性が落ちないことがわかった。さらに,カルシウムとモノアミンを用いた系でC-2エピマー化を検討した。この場合,エピマー化と同時にエンジオール転移によると考えられるフルクトースの生成も見られた。