著者
勝田 幸代 田辺 誠 野坂 千秋
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.16, pp.90, 2004

【目的】手作りうどんは小麦粉と水、塩からなる単純な組成の食品であるが、その作り方にはコツがあり、習熟度によって品質差異が生じやすい。そこで熟練したうどん職人とうどん作りの経験のない非熟練者とを比較し、捏ね動作の違いがうどん生地の組織構造に与える影響について検討を行った。<br>【方法】体重・身長等の身体条件の近いうどん職人及び非熟練者を選定し、同一の条件でうどん生地を調整させた。小麦粉に加水し、なじませた直後の水の分散状態を把握するため、篩で生地の粒子径を分級し、各級の水分を測定した。次に捏ね動作等の作業内容をビデオで記録し、動作の変化と各作業の所用時間を測定した。併せて生地にかけられた荷重をフォースプレートを用いて連続的に記録した。また、捏ねる前及び捏ね動作の過程、調整後に生地を採取し、グルテンの形成状態を染色後、共焦点レーザー顕微鏡で観察した。<br>【結果】小麦粉に加水し、なじませた直後の生地粒子径について比較したところ、うどん職人は細粒が多くを占めていたが、非熟練者は大きな粒が多くを占めており、小麦粉と水が均一に混ざっていなかった。次に捏ね動作を比較したところ、うどん職人は強い力で一定方向に連続的に捏ねており、非熟練者は不連続的に捏ねており、力の方向性も不定であった。生地の組織構造を観察した結果、うどん職人は手捏ね、足踏みの工程を経ることでグルテンが膜状に発達していく様子を確認したが、非熟練者はグルテンの発達が不十分である様子を確認した。以上の結果からうどんの調整方法は水の均一な分散と連続的に一定方向に捏ねることにポイントがあり、その工程によってグルテンを膜状に発達させ良好な食感を呈することが示唆された。
著者
松本 涼子 河井 大介
出版者
社会情報学会
雑誌
社会情報学会(SSI)学会大会研究発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.183-186, 2013

This paper shows actual use of Social Media and its motives of information-sharing. Now there are over 50 millions social media users in Japan, and they share their feelings, opinions, tips and other things every day. What make them to write and upload so much information? The desire of friendship, expression, or recognition? In this paper, we focused especially reciprocity and tried to show the relationship between information-sharing and reciprocitical motive. Our analysis are based on the internet survey whose research object are Facebook or Twitter users.
著者
Spears Scott
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2011

制度:新 ; 報告番号:甲3259号 ; 学位の種類:博士(文学) ; 授与年月日:2011/2/24 ; 早大学位記番号:新5561
著者
樋口 佳則 青柳 京子 岡原 陽二 和泉 允基
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.799-809, 2021-07-10

Point・淡蒼球刺激術は,パーキンソン病,ジストニアなどの運動過多を生じる不随意運動症の治療オプションである.・淡蒼球の内側には内包,腹側には視索が存在し,淡蒼球内節(GPi)の腹外側部2/3が感覚運動領域で視床へ投射する.・パーキンソン病症例では,視床下核(STN)刺激との違い(ジスキネジア抑制効果など)を理解し選択する.
著者
秋月 観暎
出版者
弘前大学國史研究会
雑誌
弘前大学國史研究 (ISSN:02874318)
巻号頁・発行日
no.9, pp.1-19, 1958-02-28
著者
小板 由美子 宮木 恵美 永島 伸浩
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.15, pp.32, 2003

【目的】 埼玉県比企郡吉見町は、県内の内地小麦・米の生産地の一つである。小麦は製粉後うどん等に利用されているが、生地の弾力性がやや低く、市販の小麦粉のような調理利用はあまり進んでいない。古くより、この地粉に輸入小麦粉を混合し、他の調理加工品も検討されているが、地粉としてのメリットは見出されていない。今回、この地粉に粘弾性に優れたもち米粉を混合し、うどん及びフレッシュパスタへの応用について試みた。【方法】 1)試料は、平成14年度埼玉県吉見町産の小麦(農林61号)及び糯米(みやこがね)を製粉して実験に用いた。2)実験項目;小麦粉及びもち米を製粉後、小麦粉、もち米(生米、加熱調理後を含む)を用いて種々の割合に調製後、うどん及びパスタに調製し、加熱調理した場合の種々の特性について調べた。1 煮溶け率、2 組織観察、3 レオナー((株)山電RE_-_33005型)による破断特性等の測定、4 食味特性について検討した。【結果】うどん生地調製後、加熱前の生地では、強力粉に比べて伸展性が低く、切れやすい特性であった。地粉にもち粉を添加した生地では、加熱前では破断応力が大となるが、加熱後は伸展性が大きくなり、もちもちとした食感が得られた。パスタもうどん生地と同様の傾向が認められ、もち粉を添加することにより地粉の新しい利用が可能となった。
著者
河野 基樹
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要 人間学部篇 (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
no.3, pp.154-141, 2003-12

近代日本のアントン・チェーホフ受容は、レフ・シェストフ『虚無よりの創造』の影響下に長く留まっていた。井伏鱒二は、この"情意"的なチェーホフ解釈の傾向に対して、チェーホフ文学の"社会批評"性に着目し、その相対化を計る。井伏の随筆「桜の園」は、ウラジーミル・エルミーロフ説を祖述しつつ、チェーホフ戯曲『桜の園』を思索的なコメディー、ファルス、ヴォードヴィルと理解し、歴史時代に相亙るその社会批評性の質の再規定を行なっている。
著者
大野 桂司 田原 一二
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.135, no.6, pp.255-260, 2010

ラスリテック<sup>®</sup>(一般名:ラスブリカーゼ(遺伝子組換え))は,<I>Aspergillus flavus</I>由来の尿酸オキシダーゼの遺伝子を<I>Saccharomyces cerevisiae</I>株に導入し,発現させた遺伝子組換え型尿酸オキシダーゼであり,尿酸を水溶性の高いアラントインに変換する新規作用機序を有している.本剤は欧米を含む世界50ヵ国以上で承認されており,本邦では「がん化学療法に伴う高尿酸血症」を効能または効果として2009年10月に承認された.悪性腫瘍に対して化学療法は有効な治療方法の1つであるが,しばしば腫瘍崩壊症候群(急激な腫瘍細胞の崩壊が生じた結果,大量の核酸,カリウムおよびリン酸などが細胞内から血中に放出され,それにより高尿酸血症,高カリウム血症,高リン酸血症が生じること)を引き起こすことがある.尿酸は通常,腎臓から排泄されるが,多量に産生された尿酸を十分排泄することができず,腎で析出することがあるため,がん化学療法により高尿酸血症に至った患者では腎機能障害や急性腎不全が発現し,致命的な経過をたどることがある.このため,化学療法後の高尿酸血症を予防することが重要であるとされている.本剤承認前までの本邦における予防方法は,輸液,尿のアルカリ化,アロプリノールの投与などがあげられるが,これらの対処方法では尿酸値を下げるまでに時間を要することやアロプリノールが経口薬のみであることから服薬が困難な患者では使用できないことなどの問題があり,十分対処できない患者が存在した.ラスリテック<sup>®</sup>は投与直後から尿酸値を速やかに低下させることが期待でき,国内臨床試験においてはほとんどの患者で投与後4時間までに尿酸値を1 mg/dL以下まで低下させた.近年,優れたがん治療薬が開発されていく中で,がん化学療法に伴う高尿酸血症への対処の重要性は増しており,本剤はその一助となることが期待される.