著者
尾花 充 三浦 雅展 柳田 益造
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.111(2004-MUS-057), pp.47-52, 2004-11-06

メロディーに対する印象評価の際には,ゲシュタルト的輪郭を聞き手が認識することが重要であると考えられている.現存するメロディーの多くは動機が繰り返される形で構成されており,こういった形のメロディーは,繰り返された動機を何度も認識することにより記憶されやすくなるであろうと考えられる.この予測のもとに,メロディーの輪郭として類型を5種類設定し,各類型の特徴に関する評価実験を行なった.その結果,それぞれの類型が覚えやすいと感じるかどうかなどといった印象をある程度確認することができた.
著者
秋山 久美子 Kumiko AKIYAMA
雑誌
學苑 = GAKUEN (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.902, pp.34-45, 2015-12-01

Pidan is a type of food produced by coagulation through alkaline denaturation, of the protein contained in eggs. Pidan is prepared according to traditional methods that are often unclear. Lead monoxide and copper sulfate are often used, as they were purported to promote coagulation of the egg. The current Food Sanitation Act in Japan forbids the use of chemicals that include heavy metals such as lead monoxide in the pidan preparation process. The lead content standard for pidan imported from China is 0.5 mg or less per 1 kg. In 2013, however, problems arose in China with pidan made using copper sulfate. For food safety reasons, it is desirable to make and distribute pidan within Japan. In this study, we located methods of preparing pidan in the literature, summarized them, and compared the methods. A literature search on methods of pidan preparation revealed 13 studies on coating methods, 11 on immersion methods, and 6 on mixed methods. Examination of these methods revealed that the materials used as the alkaline agent in the coating method were sodium carbonate, lime(including quicklime and lime hydrate), and plant ash. Salt was added to all coating agents. Some methods used black tea. In the immersion method, highly alkaline sodium hydroxide and sodium carbonate were used as well as quicklime. Few used plant ash. Some methods added black tea leaves. In the mixed method, highly alkaline chemicals were used to coagulate the egg, similar to the immersion method, and the egg was then coated with an alkaline agent and allowed to age. We then selected one method each from among the coating and immersion methods discussed in the literature and used them to prepare pidan using chicken and quail eggs. The immersion method was easier and had a higher success rate than the coating method. In particular, immersing quail eggs for 10 days and then coating them in paraffin for 52 days sometimes resulted in "Shokatan" eggs, which have white pine needle-shaped crystals on the egg white.
著者
児玉 公信
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:21888809)
巻号頁・発行日
vol.2015-IS-133, no.1, pp.1-8, 2015-08-27

企業の基幹情報システムをアジャイルに再構築した経験を基に,アジャイルプロセスを再定義する.アジャイル開発への理解を混乱させている原因は,コンカレントエンジニアリングのとらえ方にあることを仮説し,統制された大規模アジャイルプロセスを再定義する.そこでは日本の製造業の設計プロセスで行われる “すり合わせ” がカギになる.
著者
長南 伸治
出版者
国士舘大学日本史学会
雑誌
国士舘史学 = Kokushikan shigaku
巻号頁・発行日
vol.23, pp.139-157, 2019-03-20
著者
石井 岳史 川上 直人 橋本 剛 池田 心
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.12-19, 2019-11-01

ボードゲーム『ガイスター』は6×6 のボード上で青赤2 種8 つの駒を交互に動かし,「脱出」「青駒全取り」「赤駒全取られ」のいずれかを狙う,互いの駒色がわからない2 人用不完全情報ゲームである.著者らはガイスターにおけるコンテンツとして詰めガイスター問題を提案したが,生成アルゴリズムの要因から 11 手詰めまでの問題しか生成できず,さらに問題の質を評価することができなかった.そこで本稿は,生成アルゴリズムにおける必勝手探索の探索法に Df-pn を用いることで大幅に探索速度を改善し,19 手詰め問題を得ることに成功した.それに加え,元の問題から手を戻すことで新たな問題を生成する逆順生成法を用いることで,狙った手数の問題の生成を可能とした.さらに,被験者実験を行い生成した問題の面白さと難しさについてアンケートを取り,教師あり学習を行うことで特徴量から面白さと難しさの推定を行った.推定誤差は5 段階評価の 0.5~0.6 程度で,ある程度の問題選別が可能であることを示した.
著者
佐野 真人
出版者
皇學館大学研究開発推進センター
雑誌
皇學館大学研究開発推進センター紀要 = Bulletin of the Research and Development Center of Kogakkan University (ISSN:21892091)
巻号頁・発行日
no.2, pp.115-208, 2016-03

『延暦儀式帳』は、伊勢の神宮における最重要且つ最古の古典で、『皇太神宮儀式帳』と『止由気宮儀式帳』の総称である。皇學館大学研究開発推進センター神道研究所では、平成二十四年から新たな重要課題として、『延暦儀式帳』の研究を推進しており、これまでにも写本調査報告・関係文献研究目録(稿)・儀式帳所蔵機関目録(稿)などの研究成果を随時発表してきた。今後の研究は、『大神宮儀式解』以降の『延暦儀式帳』に関する研究史を吸収し、今日の学問水準に照応した注釈書の作成を推進することにある。その第一歩として、皇學館大学附属図書館所蔵『荒木田久老校合 内宮儀式帳』を底本に用い、静嘉堂文庫所蔵の谷川士清・士逸自筆書入本『内外太神宮儀式帳』を対校に使用し、さらに『群書類従』・『新校群書類従』・『神道大系』・『日本祭礼行事集成』などを用いて新たな校訂本を発表する。それは、これまでに蓄積された校訂の成果を整理統合するとともに、荒木田久老校合本、谷川士清・士逸自筆書入本を用いることによって、新たに近世以来の神宮祀官・研究者の成果をも吸収した現在の学術水準による緻密な校訂本を斯界に提供することになろう。
著者
松尾 真一郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.159-164, 2020-01-15

2008年のSatoshi NakamotoのBitcoin論文によって導入されたブロックチェーン技術は,そのセキュリティの仕組みから,暗号通貨のみならず幅広い応用が模索さている.一方で,そのセキュリティ目標について,曖昧な議論がされており,学術的な整理も始まったばかりでである.本稿では,この視点に基づきブロックチェーン技術がもたらす安全性の範囲(セキュリティ目標),ブロックチェーンのセキュリティに関する理論的な議論の現状,現在指摘されている脅威と脆弱性,そしてセキュリティ向上に向けた研究開発の方向性について述べる.