著者
石川 奈保子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.Suppl., pp.129-132, 2021-02-20 (Released:2021-03-08)
参考文献数
7

本研究では,大学オンライン課程における学生からの援助要請に対応する際の学習支援者の態度と配慮事項を調査した.その結果,以下の2点が明らかになった.(1)態度に関して,自律的学習者の育成を目指す態度と手厚い情報提供による学びの促進を目指す態度とが見出された.(2)配慮事項に関して,自律的学習者の育成を重視しているかどうかによって違いがみられた.重視している学習支援者は,問題解決のための助言をわかりやすい言葉で伝えるよう心がけていた.一方,重視していない学習支援者は,学生の背景や理解レベル,要請内容の正確な把握や,学習意欲を削がない声がけに配慮していた.
著者
半澤 礼之 宮前 耕史 浅井 継悟
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.Suppl., pp.93-96, 2021-02-20 (Released:2021-03-08)
参考文献数
12

本研究は,教員志望の大学生を対象として,地域と学校教育の協働の重要性の認識を測定する尺度を作成することが目的であった.大学生341名に対する質問紙調査の結果,「地域の教育への活用」,「地域の未来のための教育」,「地域と学校の関わりによる子どもの発達」,「地域と学校の関わりの重要性」の4つの因子が得られた.地域愛着と地域社会への責任感,地域を題材としたカリキュラム開発への効力感という,地域と学校教育の協働の重要性の認識と関連をもつであろう他の変数との関連を検討したところ,有意な正の相関がみられた.この結果から,本尺度は一定の妥当性を有していることが明らかになった.
著者
田中 光 山根 嵩史 魚崎 祐子 中條 和光
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.Suppl., pp.89-92, 2021-02-20 (Released:2021-03-08)
参考文献数
12

本研究では,ノートテイキングの方略とその使用の規定因を調べた.大学生を対象に授業中のノートとり行動に関する質問紙調査を行い,因子分析によって,見やすさ,視覚的標識化,思考の外化,情報の精選,授業の記録というノートテイキングの5つの方略を見出した.また方略使用の規定因を調べるために,学習に対する自己効力感の高低2群を設けて,有効性認知やコスト感と方略使用との関係を調べた.その結果,自己効力感高群はコスト感に関わらず有効性の高い方略を使用するが,低群は有効性を考慮するもののコスト感の高い方略を使用しないことが見いだされ,自己効力感の低い学習者にはコスト感を低減させる必要があることが示唆された.
著者
森谷 健太 中沢 峻 佐々木 秀之
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.Suppl., pp.13-16, 2021-02-20 (Released:2021-03-08)
参考文献数
14

宮城大学では,令和元年10月に起きた台風19号の被災地支援のため,学生に対して災害ボランティアの募集を行い,活動に参加した学生に対して後日,アンケート調査を行った.本研究では,その調査結果について,SCAT による質的分析を行った.その結果,東日本大震災を経験し,その時に受けた支援に対する恩送りの意思により災害ボランティアに参加するケースが確認された.最後に,分析の考察を踏まえ,大学による災害ボランティア活動への学生の参加推進の方策を検討した.
著者
福田 洋
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.378-386, 2019-11-30 (Released:2019-11-30)
参考文献数
8

目的:本稿では,2019年4月7日~11日にニュージーランド・ロトルア市で開催された第23回IUHPE国際会議の概要とNPWP(北部西太平洋地域)の動向について紹介する.内容:国際会議のテーマは「WAIORA: Promoting Planetary Health and Sustainable Development for All(すべての人々に地球規模の健康増進と持続可能な開発を)」で,約1200人(日本からは約40人)が参加した.基調・準基調講演では,健康格差,健康の社会的決定要因,気候変動,世代間の健康,ヘルスリテラシー,デジタル時代のスマートヘルスプロモーションなどが取り上げられた.シンポジウムや口演,ポスターに加え,Master Classなどの新しい議論形式も用意された.最終日には「健康の公平性の確保」「都市・居住環境の持続可能な開発」「気候変動への適応戦略」「参画・平和・正義・人権・世代間の健康の平等のための包括的なガバナンス・システム・プロセスを構築」の4つの戦略への行動を呼びかけたロトルア声明が採択された.3年に1度の理事選挙及び地域副会長選挙が行われ,会長にMargaret Barry氏,NPWP地域副会長に神馬征峰氏が選出された.次回2022年はカナダのモントリオールで開催予定である.結語:第23回IUHPE国際会議の概要を報告した.今後も日本からの積極的な情報発信が期待される.
著者
丸谷才一編
出版者
集英社
巻号頁・発行日
1987

1 0 0 0

出版者
ポプラ社
巻号頁・発行日
2010
著者
ジョオジ・ムウア著 辻潤訳
出版者
改造社
巻号頁・発行日
1929

1 0 0 0

著者
ジョージ・ムア著 安達正訳
出版者
彩流社
巻号頁・発行日
2005
著者
ジヨウジ・ムウア 著 辻潤訳
出版者
新作社
巻号頁・発行日
1924
著者
山本 哲生
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.595, pp.595_21-595_39, 2006-12-31 (Released:2011-10-15)
参考文献数
50

保険契約者等の故意によって生じた損害について保険者を免責するという故意免責規定に関して,故意の意義,故意の対象が論じられている。特に故意の対象の問題については,様々な議論がなされているが,基本的な対立点の源は故意免責において保険契約者等の主観的態様における悪性をいかに位置づけるかにあるものと思われる。本稿では,故意免責は主観的態様における悪性に対する否定的評価に基づくものではなく,保険者の保険引受上の問題であるとの見地から,これらの問題についての解釈論を検討する。
著者
滝沢 隆 川口 寛史 名倉 俊成
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.834-837, 2016-11-25 (Released:2016-11-25)
参考文献数
4

形態安定加工ドレスシャツに関して,洗濯・乾燥後そのまま着用できるノーアイロンレベルを目指して,綿100%織物でW&W 性4 級確保の開発を行った.セルロース系の天然繊維である綿は,元々「縮む」「シワになる」という欠点があり,これを抑制するため,液体アンモニア加工及び樹脂加工を施して綿繊維を改質した.樹脂加工は,セルロースの非結晶領域のヒドロキシル基(OH 基)を,反応性の樹脂剤で架橋結合させるもので,この架橋結合によって形態安定性を得ることができるが,この架橋結合が一部分に偏在化してしまうと,生地強度が大きく低下する.この偏在化を最小限に抑えて繊維内での架橋を均一化させるため,樹脂加工工程の各種条件と使用薬剤等の工夫を行った.更に,シャツ縫製・プレス後に熱処理を行い樹脂反応させる,ポストキュア方式を組み合わせた.これにより綿100%素材でW&W 性4 級レベルを完成させ,洗濯してもシワが残らないドレスシャツを完成させた.