- 著者
-
岡本 耕平
- 出版者
- The Association of Japanese Geographers
- 雑誌
- 地理学評論 (ISSN:00167444)
- 巻号頁・発行日
- vol.56, no.10, pp.695-712, 1983-10-01 (Released:2008-12-24)
- 参考文献数
- 18
- 被引用文献数
-
8
2
本稿の目的は,名古屋市における認知距離をできるだけ多様な角度から検討することによって,研究方法の違いを越えて認められる認知距離の基本的性質を明らかにすることである.分析の結果,認知距離を規定する要因は,被験者の属性より,むしろ起点(被験者の位置),終点,認知される距離の種類などの刺激中心要因群であることがわかった.刺激中心要因群は,都市構造と関係するr本研究では特に,起点を複数選定し,しかも直線距離と時間距離の認知形態を比較した結果,名古屋市の都市構造が認知距離に及ぼす影響を見い出した.また名古屋市では,都心方向への距離は,都市縁辺方向への距離に比べて過小評価され, Lee (1970) の結果を支持した.