著者
泊 久信 平木 敬
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.168-175, 2014-01-15

古くなった計算機は,多くは保存されることはなく,産業廃棄物として処分されている.保存される一部についても,動作する状態を維持されることはまれで,プロセッサなど代表的部品のみでの保存や,運良くシステム全体が揃っていても,長い期間通電させないことにより動作しなくなっている場合もある.本稿では,古いコンピュータを動作する状態で保存(動態保存)する取り組みについて紹介する.また,計算機の動態保存により得られる知見の一例として,新旧の計算機で性能と電力を統一した条件で測定し,比較した結果を示す.
著者
John Augeri Shoji Kajita
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.42, pp.263-270, 2017-08-10

This paper focuses on the first observations on trends regarding the innovative physical Learning Spaces in EU, North America, Oceania and Asia, and intend to compare the Japanese situation to the other territories. The Learning Spaces phenomenon represents a key transformation factor in Higher Education around the world, on the institution's IT and on the teaching and learning practices. Nevertheless, beside obvious similarities, interesting differences - some of them culturally related - are observed in the Learning Spaces strategy, design and uses from countries to other ones.
著者
梶並 知記 松村 瞬 辻 裕之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.1747-1755, 2017-11-15

本稿では,テトリス®のプレイにおける,HOLD機能の使用傾向について4つの観点から分析した結果を報告する.テトリス®は,盤面に上方から落下してくる4つの正方形を組み合わせたテトリミノと呼ばれる7種類のブロックを用いてプレイするパズルゲームである.プレイヤは,落下中のテトリミノに回転操作を加えて横1ライン隙間なく埋め,そのラインを消す.テトリス®には,落下中のテトリミノを,後で使うために一時的に保持するHOLD機能を備えている.従来,テトリス®を対象にした研究には,AIを用いた自動プレイに関するものや,テトリス®が人間に与える影響に関するものがある.それらの従来研究に対し,本研究は,人間であるプレイヤのテトリス®のプレイ技能向上を長期目標とした研究の1ステップである.本稿では,テトリス®のプレイヤをプレイ技能に応じて熟練者と非熟練者の2つに分類し,プレイヤのプレイ技能に応じてHOLD機能の使用傾向について分析する.Tetris Online Polandから操作ログファイルを収集し,(1) HOLD機能を使用する頻度,(2) HOLDするテトリミノの種類,(3) HOLDするテトリミノの順序,(4) HOLDミスの頻度が,プレイ技能に応じて異なることを示す.
著者
佐藤 翼 袴田 和則 木村 卓哉
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.55-56, 2016-03-10

初詣や花火大会などの大規模イベント開催時には、会場周辺の雑踏警備に当たる警察および警備会社は、歩行者の混雑度を把握し適切な措置・誘導を行う必要がある。 そこで我々は、歩行者の混雑度を把握するためのパラメータとして歩行者の移動時間に着目した。歩行者が持つスマートフォンなどの携帯端末に備わっているBluetoothおよびWi-Fiの無線通信機能を利用して移動時間を推定することにより、歩行者の混雑度を推定するシステムを考案した。現在は、移動時間の推定精度を向上させる手法について研究を進めている。 本発表は、歩行者の移動時間を推定するシステムについて、推定精度向上手法の有効性について検証した実証実験の結果について述べる。
著者
小川 直希 石脇 滉己 荒川 達也
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.40-45, 2015-10-30

本研究では, 将棋大盤解説における聞き手エージェントの開発に向けて, 聞き手から解説者への質問文の生成を目標とする. 大盤解説 の聞き手の主要な役割は, 盤面や解説に対して観客が感じる疑問をくみ取って, 解説者へ質問することである. 本研究ではそのために, 初心 者の着手を予想するための評価関数である「ナイーブ評価値」を用いる方法を提案する. 提案手法の有効性を検討するため, 特に詰将棋の大 盤解説を想定し, 正解詰め手順に対する質問文を生成するシステムを試作した. 実行結果を将棋経験者に見ていただいたところ, 概ね肯定的 な意見が寄せられた.
著者
鰕原 孝康 吉川 茂
雑誌
研究報告 音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2011-MUS-89, no.3, pp.1-5, 2011-02-04

ホルンにおけるストップ奏法とは、右手の手のひらでベルをふさいで強く吹奏することで、鋭い金属的な音色を作る奏法である。この奏法において楽器の入力インピーダンスが変化することがこれまで研究されてきたが、その金属的な音色の原因については考えられてこなかった。本研究ではその原因として、(1) 伝達関数、(2) 唇の非線形振動と管内衝撃波、(3) 管壁振動の 3 つの可能性について検討し、数値シミュレーションと測定によって管壁振動がその音色の原因であることが明らかになった。
著者
永田 雄之 中村 克彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第70回, no.人工知能と認知科学, pp.117-118, 2008-03-13
著者
塚越 俊夫 Toshio TSUKAGOSHI 群馬大学医学部産科婦人科学教室 Department of Obstetrics and Gynecology Gunma University School of Medicine
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 = Acta obstetrica et gynaecologica Japonica (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.1655-1662, 1990-12-01

ある矯正施設に収容された女子集団 (15~20歳:平均17.4歳) 141例における性行動とC. trachomatis (以下CT) 感染の関係を疫学的に分析し以下の成績を得た. 1. 初経年齢は, 原発性無月経の1例を除き9~15歳に分布し, 平均12.1歳であった. 2. 全員に性交経歴があり, 初交年齢は11~18歳, 平均13.9歳と低年齢であった. 3. 16例 (11.3%) の子宮頚管材料からCTが分離培養され, Micro Trak法により9例 (6.4%) からCT抗原が検出された. いずれかの方法によるCT抗原陽性者は19例 (13.5%) であった. 4. CT抗原は子宮頚管炎と診断された55例中14例 (25.5%) に陽性であり, 炎症の認められなかった86例からの陽性率5.8%に比べ有意に高率であった (p < 0.001). 5. CT抗原検出と腔トリコモナス症の間に相関が認められた (p < 0.05). 6. CT抗原は低年齢層 (15~17歳) で21.1%と高率に認められ, 年長グループ (18~20歳) での陽性率はわずか4.6%であった (p < 0.01). 7. 57名に妊娠歴 (1~3回) があったが, CT抗原陽性率は妊娠経験のないグループのほうが高率であった(p < 0.05). 8. 血中の抗CTlgG抗体は65例 (46.1%) に証明された.抗CT抗体陽性グループにCT抗原が高率に見出され, かつ抗原と抗体の血清型(immunotype)が一致する例が多かった. このことから血中抗CT抗体は現症のCT感染の結果生じたものであるが, 頚管部へのCT感染に対し, 強い阻止効果を表さないことが示唆された. 9. CTに起因する子宮頚管炎を治療せずに放置した場合, 若年女子では平均56日で自然消失するグループと100日以上に亘って持続感染するグループに分かれることが窺われた.
著者
長光 左千男 野田 真樹子 山肩洋子 中村 裕一 美濃導彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.701-710, 2007-02-15

家電機器が音声によりアドバイスする際,教示内容に加え,教示内容の根拠となる情報をユーザの性格に基づき選定して提示することにより,ユーザに気に入ってもらえるアドバイス文章を構成する手法を提案する.まず,ユーザがどのような情報を教示内容の根拠として期待するかは,ユーザの性格に応じて異なることを明らかにする.交渉学に基づく説得方法について,ユーザが好ましいとした説得方法と,そのユーザの性格分類とは相関があることをアンケート実験により示した.さらにこの結果に基づき,各ユーザが好むと推定される説得項目を性格分類に応じて選んだ調理アドバイスを提示した方が,性格に合わない調理アドバイスを提示するよりも,ユーザに好ましく思ってもらえるシステムとなることを示した.