著者
保科 定頼
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.139-143, 2002-04-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
19

従来より水圏や土壌など自然環境中の従属栄養性細菌の大部分が培養できないことが, 培養法と直接計数法との大きな差によって知られていた。したがってこれらの細菌はViable but non culturable (VBNC) 状態にあるとの認識が生まれるとともに, 遺伝子解析や蛍光染色法など, 培養によらない解析手法の急速な発達によって, これらの細菌の研究が大きく進みつつある。archaebacteriaから原核生物に至るまで16SrRNAに進化の過程で重要機能のため, 保存された塩基配列領域が数カ所認められ, 約20塩基長のオリゴマーとして存在する。これらの保存領域に挟まれた数百塩基長のRNA配列は, 属あるいは種として従来からの分類学上規定される特異的な菌の集団におおむね一致して同じ配列がみられる。この領域を活用して原因菌を検出する新しい臨床微生物学が始まった。
著者
長谷川 晶子
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 人文科学系列 = Acta humanistica et scientifica Universitatis Sangio Kyotiensis (ISSN:02879727)
巻号頁・発行日
no.48, pp.317-331, 2015-03

本論の目的は,シュルレアリスム運動の理論家アンドレ・ブルトンの絵画論における神話をめぐる思考を明らかにすることである。現代の特殊性を歴史としてではなく,暗示的で謎めいた神話として語ることは,シュルレアリストたちに共通したふるまいであり,とりわけ第二次世界大戦後のブルトンによる神話論はこれまで多くの研究対象となっている。これに対して本論は,ブルトンの神話に対する関心の芽生えた時期である1920 年代に焦点を当て,さらに絵画論をコーパスとすることによって,ブルトンの抱いていた神話という観念の特色を明確にすることを目指す。まず,ブルトンがイタリアの画家ジョルジオ・デ・キリコの絵画にどのような神話的要素を見出していたのか,次いで,その現代の神話とされたものの特徴のいくつかを検討する。個々の絵画の分析を踏まえて,ブルトンが1910 年代に創作されたキリコの一連の作品群の変遷を,シュルレアリスムの自動記述の冒険を象徴的に予言したものと捉えていることを論じる。最後に,キリコの作風に決定的な変化が生じたことをうけて,ブルトンがキリコの才能の死を宣告し,神話の語り部としてのキリコの役割を終わらせたことの意味を考える。今後,ブルトンは他の画家の絵画論において,どのように現代世界の原理や未来の暗示を絵画の中に読み取るかという課題を追求していくことになる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経Windowsプロ (ISSN:13468308)
巻号頁・発行日
no.106, pp.10-12, 2006-01

▼2006年後半以降に出荷予定のOffice次期版では,文書ファイルをこれまでの独自バイナリ形式からXML(拡張マークアップ言語)ベースのものに変更する。▼新文書ファイル形式は,複数のXMLファイル/バイナリ・ファイルをZIPでまとめる。プログラムで簡単に内容を変更できるため,システム開発でのメリットが大きい。
著者
伊藤圭介 編
巻号頁・発行日
vol.[5], 1800
著者
池田 真介
出版者
政策研究大学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

非可逆的な意思決定である自殺行動を、広義の人的資本の毀損が最大になるような最適停止問題としてモデル化し、自殺権の経済学的価値を、経済的なパラメータの明示的な関数として表現できることを示した。そして1990年以降の日本経済のデータを基に、当該モデルを特定化し、そのようなモデルが現実の生産年齢の日本男性の平均的自殺率の動向を再現できることを確認した。これと並行して、市区町村別の自殺データに、全国消費実態調査の市区町村別データを組み合わせ、各調査年度ごとの繰り返し横断データベースを作成した。特に、本邦で2005年から2007年にかけておこった大規模合併による市区町村区分の推移を慎重に反映させた。
著者
大辻 裕子
出版者
滋賀県立大学人間看護学部
雑誌
人間看護学研究 (ISSN:13492721)
巻号頁・発行日
no.9, pp.61-73, 2011-03

背景 近年、口腔ケアは誤嚥性肺炎の予防に効果があると報告されている。しかし、看護領域における口腔ケア研究は、各種ケア法による口腔内細菌の減少率の比較、効率的な口腔ケア用品の開発など数少ない。また、口腔ケアの方法も標準的なものはなく、それぞれ病院が独自の方法で実施しているのが現状である。 目的 科学的根拠に基づいた口腔ケア法の確立を目指して、A県下の口腔ケアの実態を調査した。 方法 A県下で口腔ケアを全介助で実施している48病院を選び、そこに勤務する看護師から聞き取り調査を行った。看護師が行っている口腔ケアの手技ならびに方法を見学し、半構成的質問調査を実施した。調査項目は、口腔ケアの手技とその根拠、含嗽液の種類、使用物品、1日のケア回数、1回のケア所要時間、マニュアルの有無、評価表の有無など15項目とした。 結果 口腔ケア法は、ブラッシングと清拭がそれぞれ50.0%であり、手技は病院毎に様々で統一されたものはなかった。口腔ケア法の根拠については、根拠不明が33.3%を占めた。口腔ケア時に使用する含嗽液は、水、緑茶、モンダミン^[○!R]、マウスウォシュ^[○!R]、重曹など11種類であり、口腔ケア回数は3回/日が68.8%と最も多く、1回の口腔ケア所要時間は4~5分が41.7%で最も多かった。口腔ケアのマニュアルがあると回答した病院は68.8%であったが、実際には、看護師個人の考えや技量により口腔ケアが実施されていた。口腔ケア評価表やアセスメン卜表を使用している病院は12.5%あり、72.9%の病院が何らかの方法で評価を行っていた。口腔ケアの課題として、統ーしたケア方法がなく技術に個人差があると54.2%が回答した。 結論 口腔ケアにおける問題点は、標準的方法がないこと、またそれを実施する看護師の技術力に差があることであり、今後、科学的根拠に基づいたアセスメント法の導入およびケアマニュアル作成の必要性が示唆された。
著者
木村 洋章 渡辺 俊典 古賀 久志 張諾
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.94, pp.65-70, 2006-09-12
参考文献数
11

著者らは情報の圧縮性に着目した新たなマルチメディアデータ解析手法の研究を進めている.PRDC(Pattern Representation Scheme using Data Compression)[1]と呼ぶこの新概念の中では,二つのデータX,Yの類似度を,それらを圧縮辞書D1,D2,…,Dnで圧縮した時の圧縮率ベクトルの類似度で判断する.本論文ではPRDCを用いた新文書検索システムの可能性を探る.部分的ではあるが,文書分類,公知/特異句抽出,文書要約,など将来の高自立・適応文書検索システムの実現に重要な機能を実現できる可能性を提示する.キーワード 文書解析,情報検索,要約,新句抽出,データ圧縮We have been studying a new multimedia data analysis scheme based on the concept of compressibility. In this new concept of PRDC(Pattern Representation Scheme using Data Compression)[1], we consider two data, let them X and Y, are similar if their compressibility vectors under a set of compression dictionaries D1, D2, ..., Dn are similar. Here we investigate the possibility of new document retrieval system using the PRDC. We prove that PRDC has possibilities to solve several fundamental problems including, document classification, common/distinguished phrase extraction, and summary, that should be realized in the future highly autonomous and adaptive document retrieval systems.Key words Document analysis, Retrieval, Summarization, New phrase detection, Data compression
著者
東野 裕人 ヒガシノ ヒロト Higashino Hiroto
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 = OIU journal of international studies
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.97-107, 2017-03-31

I have analyzed the 1985 Plaza Accord as the main cause of the Japanese bubble economy of the late 1980s in the previous paper. However, this analysis might be too simplistic unless a close examination of land prices before the Plaza Accord is taken into account, because the prices had already risen before 1985. The sharp rise in land prices preceded the depression due to the yen appreciation after 1985 and to a series of reductions in the official discount rate after 1986. Thus, this essay discusses the rise in land prices and the land policy leading to this rise during the Nakasone administration in an attempt to offer a unique perspective on the Plaza Accord and the bubble economy by evaluating the land policy of the administration.
著者
新潟県高田師範学校附属小学校 編
出版者
高橋書店
巻号頁・発行日
vol.尋常科, 1903
著者
斎藤 孔男
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.774-780, 1984-11-15 (Released:2011-11-04)

味噌の用途は90%程度が味噌汁の主原料というのがこれまでのパターンであり, 世界的にみてもユニーケな食品としての位置を保ってきた。しかしながら, 味噌には物理化学的, 食品化学的, および広義の栄養化学的見地から極めて興味あり, 食生活向上の面から有意義な特性のあることが, 次第に明らかにされつつある。このような個性豊かな伝統食品の用途を拡大するため, 考え得るあらゆる分野での可能性を具体的に沢山の事例を挙げて解説願った。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.960, pp.40-47, 2011-09-25

欧州自動車大手、独ダイムラーの日本法人であるメルセデス・ベンツ日本が、初の直営店舗を開業した。カフェとレストランを重視し、映像と光を効果的に使う同施設を拠点に、次世代の顧客との接点を強める。 東京ミッドタウン(六本木)前の交差点角地に現れた、黒いフレームから色が漏れ出す建物。店内には、食事・仕事・買い物と異なる目的で集まる人と、車が見え隠れする。