著者
奥山 宏和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.519, pp.5-8, 2007-01-25
参考文献数
3
被引用文献数
3

大型トラック追突事故の事故件数と被害軽減を目的に、商用車の被害軽減ブレーキ「プリクラッシュセーフティ」を開発した。被害軽減ブレーキは、2003年に技術指針が策定され乗用車で商品化されてきた。大型車は車両の構造から積載状態により重量変化が大きく、正確な制動制御を行う事が技術課題であった。BBS(Electronic Brake System)に機能を追加する事で課題をクリアした。本システムの開発により、大型トラックの追突事故の被害軽減が期待される。
著者
福田 孝一
出版者
福岡医学会
雑誌
福岡医学雑誌 (ISSN:0016254X)
巻号頁・発行日
vol.97, no.6, pp.160-174, 2006-06-25

今からちょうど100年前の1906年11月11日, ストックホルムで行われたノーベル医学生理学賞の受賞講演は, きわめて異例のものとなった. その年の受賞者は, 脳のミクロの構造の解明に大きな業績をあげた二人の解剖学者, イタリアのカミロ・ゴルジとスペインのラモニ・カハールであった. ゴルジは神経細胞を突起の隅々まで染色する画期的な方法を発明し, それまで別々のものとしてしか染まらなかった細胞体と神経線維とを, 一続きの構造としてとらえることに初めて成功した. 一方カハールは, ゴルジの方法に依拠して脳のあらゆる場所から標本を作り, その詳細な顕微鏡観察を通して, 神経細胞が作るネットワークの正しい姿を次々に明らかにしていった. 同時代に成し遂げられた二人の形態学者の仕事によって, 人類の脳に対する理解は格段に深化したと言うことができる. ところがゴルジとカハールは, 神経細胞のネットワークの様式について全く異なる立場をとっていた. 受賞講演においても, 二人はお互い譲ることなく, 相いれない二つの説をそれぞれ披露して講演を終えたのである. 当日の講演の全文は, 現在ウェブサイト上で閲覧することができる. それによればゴルジは, 彼の講演のほとんどを, 既に時代遅れとなりつつあった網状説の頑強な擁護と, カハールらが唱えるニューロン説への攻撃に宛てた. ゴルジらの提唱する網状説においては, 神経細胞から伸びる軸索が互いに直接連絡し合いながら複雑な網目を形成し, 信号はそのネットワーク内を様々な方向に伝播すると考えられていた. それに対してカハールは, 細胞体・樹状突起・軸索からなる神経細胞が, 脳を形作る単位構造(ニューロン)として存在していること, 信号は樹状突起・細胞体から軸索へと一方向に流れて軸索終末に達すること, そして軸索終末と信号の受け手である細胞体・樹状突起との間にはすきまがあり, 信号は何らかの方法でそのすき間を越えて次のニューロンに伝達されるであろうことを唱えた. すなわちカハールは, 現在われわれが知っている神経細胞のあり方を, 驚くほどの正確さを持って見通していたわけである. 実は現在の最高水準の光学顕微鏡の解像力(約0.2ミクロン)をもってしても, そのすき間(約0.02ミクロン)を見ることは不可能である. しかし彼は脳のあらゆる場所から美しい標本を作製し, おびただしい数の神経細胞を観察し, また発生の過程で脳の中を伸びていく軸索の形態を詳細に検討した結果から, ニューロン説を確信する啓示を得たのであった. カハールの考えたニューロン説が正しかったことは, 約50年後の1950年代に, 電子顕微鏡がシナプスの微細構造を明瞭に描き出したことにより, ようやく最終的な決着をみた. 以後今日に至るまで, あらゆる神経科学は, 単位構造であるニューロンが, シナプスによる間接的な結合を仲立ちとしてネットワークを形成しているというセントラルドグマを基盤として発展してきたといっても過言ではない. このことは, たとえば神経生理学はシナプスにおける電気的応答を調べ, 神経薬理学はシナプスにある受容体を主な標的とし, また精神医学は, シナプス伝達の異常の是正を薬物治療の核心としてきたことからも, 容易に理解できるであろう. しかしいつも単純なコースをたどるわけではないというのが, われわれの科学のあゆみの, むしろ一般的な姿である. 電子顕微鏡によるシナプス構造の同定からさらに50年の時を経た今日, 現代の形態学と生理学は, ゴルジが完全に間違っていたわけではなく, 網状説が部分的には正しいかもしれないことを, しだいに明らかにしつつある. 大脳皮質にはもうひとつのネットワークがあり, それは驚くほどの密度と広がりをもって, 既知のニューロンネットワークと空間を共有している可能性を示しっっある. 本稿においては, われわれの最近の成果も含めながら, この新しいネットワーク構造についての概説を試みたい. (なお文中で大脳皮質という言葉を用いる際には, 新皮質と海馬を主な対象としている.)

1 0 0 0 OA 近衛篤麿公

著者
工藤武重 著
出版者
大日社
巻号頁・発行日
1938

1 0 0 0 OA 近衛霞山公

著者
霞山会 編
出版者
霞山会
巻号頁・発行日
1924
著者
三浦 さつき
出版者
東京大学大学院人文社会学系研究科日本文化研究専攻日本語日本文学(日本語学)
巻号頁・発行日
pp.1-22, 2015-06-14

「関西言語学会第40回大会」(2015年6月13日-14日)口頭発表資料
著者
高野 竜
出版者
カモミール社
雑誌
テアトロ
巻号頁・発行日
no.831, pp.100-117, 2010-03
著者
ギュヴェン デヴリム C
出版者
東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻
雑誌
言語情報科学 (ISSN:13478931)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.187-202, 2011-03-01

Oe Kenzaburo's "Applause" ("Kassai", 1958) recounts the story of Natsuo, a university student who is the "male mistress" of Lucien, a foreign diplomat posted in Japan. Natsuo's encounter and "successful" sexual intercourse with Yasuko, who is hired as a maid-prostitute by Lucien gives him hopes about an authentic "commitment" with her. Yet his plan collapses when he learns that she is in fact a prostitute specializing exclusively in homosexual couples, and all was a game planned by Lucien in order for Natsuo to become economically and sexually further dependent upon him. Oe used "sexuality" as a metaphor for articulating politics and power relations; the current political disengagement of Natsuo and the stagnation of the student movement during the suffocating social atmosphere of the late 1950s are translated into a creative discourse of sexuality by adopting images of impotence, sexual dependence and prostitution. Through juxtaposing almost all socio-political and sexual senses of the word "engagement" and a deliberate mistranslation of the French word "engager", Oe attempts to expose the effects of power mechanism of the Eurocentric culture, i.e., "cultural imperialism" on the periphery countries.
著者
柳橋 晃
出版者
東京大学大学院教育学研究科基礎教育学研究室
雑誌
研究室紀要 (ISSN:02857766)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.117-122, 2012-06

書評・映画評
著者
成田 徹男 榊原 浩之
出版者
名古屋市立大学
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.41-55, 2004-01-10

現代日本語の表記原則では、およそ次の3つの規則がある。規則1:漢語は「漢字」で書け。規則2:和語は「漢字」または「びらがな」または「両者の交ぜ書き」で書け。規則3:外来語は「カタカナ」で書け。つまり、当該語の、語種の認定が前提となっているのである。 しかし、最近ではこの規則に合致しない、和語や漢語のカタカナ表記例が多くなっている。それをインターネット上の新聞・雑誌などのサイトに見られる実例について調査して、延べで2119語、異なりで855語の例を得た。そのような表記がさかんになされる背景には、語種以外の、語の分類を、表記文字の使い分けの基準とするような意識があると考えられる。そこで、上記のような規則とは別に、次のような表記戦略を仮説として提示する。語種を基準にしてカタカナを使うのは明らかな外来語についてだけ。それ以外については、たとえば動物名かどうか、などの語の分類が基準として優先される。日本語の、文字の使い分けの習慣は、この方向へ変化しつつあると思われる。
著者
西内 史 藤島 嘉幸 塚本 晶子 戸上 康弘
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.175-178, 2010-05-01

日本オンライン情報検索ユーザー会(Online Users Group:OUG)ライフサイエンス分科会は,製薬企業の情報調査部門の担当者や,代行調査会社の専門家の集まりであり,その研究活動はライフサイエンスの名前の通り,医学・薬学を中心とした幅広い分野の情報調査の手法や情報源を対象としている。また,本会は研究を目的とした場であると同時に人的交流の場でもある。筆者もまた,同業他社で同じ仕事をしている方達と問題点を共有し,相談ができる貴重な場として活用している。本稿ではライフサイエンス分科会の最近の活動内容を報告すると共に,今後の活動方針も合わせて紹介する。
著者
吉田 圭吾 高山 泰一 福原 弘太郎 内田 敦 関根 秀真 鹿志村 修
出版者
社団法人 日本リモートセンシング学会
雑誌
日本リモートセンシング学会誌 (ISSN:02897911)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.287-299, 2012-11-20 (Released:2013-08-24)
参考文献数
53

This paper presents a monitoring method for paddy fields with hyperspectral remote sensing images in West Java, Indonesia. The statistical modeling method called sparse reguralization is introduced in two forms, that is, LASSO regression for the rice yield estimation and sparse discriminant analysis for the growth stage classification of rice plants, in order to take advantages of the detailed reflectance spectrum measured by numerous bands and to overcome the difficulties in hyperspectral image analysis such as model overfitting. Results of the experiment with airborne hyperspectral images measured by HyMap indicate that sparse regularization can predict paddy conditions with higher degree of accuracy than several estimation methods commonly used in remote sensing applications, such as normalized difference spectral index, partial least squares, or support vector machines. Besides, the prediction models have a limited number of bands which are expected to be informative to figure out the rice growth situation. The overall error between predicted rice yield of the target area and agricultural statistics is 6.40 %, showing the potential effectiveness of methods described in this paper.
著者
千葉日報社編
出版者
千葉日報社
巻号頁・発行日
1982