著者
内海 彰 Akira Utsumi 東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻 Dept. of Computational Inteligence and Systems Science Tokyo Institute of Technology
雑誌
人工知能学会誌 = Journal of Japanese Society for Artificial Intelligence (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.700-708, 1999-07-01

Although many linguistic and psychological studies have been made on verbal irony, they still cannot distinguish ironic utterances from nonironic ones completely. This paper argues that irony is distinguished from nonirony in accordance with both the ironic environment condition (i.e., irony presupposes a situational setting consisting of the speaker's expectation, incongruity between the expectation and the reality, and the speaker's negative attitude) and the implicit display condition (i.e., irony satisfies at least two of the three features: allusion, pragmatic insincerity and indirect cues). This paper then shows that the argument is empirically supported, especially that ironic environment is a crucial distinctive feature of irony while implicit display suggests a high possibility of irony. It also suggests an interpretation process of irony consistent with these findings.
著者
原田 忠直 大島 一二 Tadanao Harata Kazutsugu Oshima
雑誌
日本福祉大学経済論集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.75-92, 2014-09-30

マカオでは,2002年にカジノ経営権の国際入札が始まり,アメリカ・香港を中心に巨額な資本が投下されている.なかでも,カジノ産業だけではなく,宿泊施設・飲食店・ショッピングモール・劇場等のレクリエーション施設・展示場・会議場,さらにその他の観光施設等からなる複合的な「統合型リゾート」の建設が進められている.そして,この「統合型リゾート」を核として,マカオは劇的な経済成長を遂げ,雇用の確保,高福祉の実現など,多くの恩恵をマカオの地元住民に与えている.しかし,その陰で,低学歴層を中心に就業・生活面で「周辺化」されつつある人々,犯罪率の増加などの課題も存在している.
著者
中澤 桂介 阿部 雅樹 渡辺 大地 三上 浩司
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:21888701)
巻号頁・発行日
vol.2017-CVIM-209, no.13, pp.1-6, 2017-11-01

「カタンの開拓者たち」 (以下 「カタン」 ) はボードゲームの一種である.カタンは,プレイヤー同士の交渉による資源交換が重要な意味を持ち,この際の駆け引きが大きな魅力と言える.現状でカタンのコンピュータ上での実装はいくつかあるが,これらの AI では交渉についてあまり考慮されておらず,人間同士の対戦に比べて面白さが損なわれている.これは,AI 側がプレイヤーの状況についての認識把握が不十分であることと,それを活かした駆け引きが行われないことが一因である.本研究は,既存の AI の特性に対し,AI 側がプレイヤーの状況を分析した上で,真偽を交えた情報を伝える機能を持たせるという手法を提案する.これにより,プレイヤーの認識を AI に有利なように誘導した上で交渉を行う事で,AI が既存実装よりも人間同士の対戦に近い行動を取る事を実現した.
著者
中山 誠 Makoto NAKAYAMA
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.13, pp.91-103, 2012-03-31

我が国では,犯罪の発生数が減少しているのに対して,再犯率は近年,著しく増加している。とりわけ,子どもに対する性犯罪の再犯を減らすために,本研究ではアメリカ合衆国で導入されたミーガンの法律の効果が調べられた。しかしながら,ミーガン法は犯人の人権を侵害する可能性が有り,日本の再犯防止には役立たないと考えられた。その結果,犯罪者の評価や再教育が最も重要だと結論された。
著者
佐藤 翼 袴田 和則 木村 卓哉
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.1-2, 2015-03-17

大規模イベント開催時会場へ向かうルートにおける歩行者の移動時間情報を提供するシステムを検討している。歩行者の移動時間をモニタリングすることで、混雑発生時の迂回ルート情報の提供や、雑踏警備を行う警備員を混雑場所に重点的に配置するといったサービスに利用できると考える。本研究では、歩行者の持つスマートフォンなどの携帯端末に搭載されているBluetooth機能およびWi-Fiテザリング機能を利用して、歩行者の移動時間を算出するシステムを試作した。本発表は、歩行者の移動時間を推定するシステムについて、フィールド試験を行った際の試験結果と本手法の有効性について述べる。
著者
築地 毅 柴原 一友
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.136-142, 2015-10-30

本稿ではディープラーニングの技術を用いて麻雀の評価関数を学習することを試みる.近年ディープラーニングの技術が確立し始めており,画像認識,音声認識,自然言語処理などの分野で優れた成果を上げている.ゲームの分野でも, ディープラーニングと強化学習を組み合わせたDeep Q Network により,多種多様なゲームの学習に成功しているが,筆者の知る限り,不完全情報ゲームへの適用は行われていない.そこで本稿では,不完全情報ゲームである麻雀の評価関数をディープラーニングの各種技術を利用して獲得し,有効性を評価する初の試みに取り組む.純粋な多層ニューラルネットとして学習した場合,ニューロンの数や層の深さを大きくしてネットワークの表現力を高めることで,学習データとの一致率は最大75.1%まで上がったが,テストデータとの一致率との大きな乖離が見られ,ディープラーニングの技術を用いることなく適切な学習をすることは難しいということが分かった.ディープラーニングの技術の一つであるオートエンコーダの採用有無により,収束状況や評価関数の精度に違いが見受けられたものの,汎化性能が高まるという結果は得られなかった.また,ディープラーニングの技術の一つであるドロップアウトにより,学習の過学習を抑え,テストデータとの一致率を37.2%から43.7%へ高めることに成功した.
著者
林 豊 三隅 健一
出版者
機関リポジトリ推進委員会

日程:2016年2月20日(土)~27日(土)訪問先:ビーレフェルト大学、ゲッティンゲン大学、コンスタンツ大学(ドイツ)
著者
橋本 健一 Ken-ichi HASHIMOTO 千葉県立衛生短期大学(生物学) Chiba College of Health Science
雑誌
千葉県立衛生短期大学紀要 = Bulletin of Chiba College of Health Science (ISSN:02885034)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.3-9, 1994

In the velvet swallowtail butterfly, Papilio bianor dehaanii, there is a seasonal morph such as the spring-and summer-forms. When larvae were reared under a short photoperiod (less than LD 8 : 16hr.), all of them entered into pupal diapause and subsequently developed into small adults of the spring-form. On the other hand, under a long one (under room conditions), they all averted diapause and developed into large summer-form adults. The front wing length and size of the pupae were significantly different between diapause and non-diapause groups. It thus appears that a seasonal morph reflected in the size was deter-mined simultaneously by photoperiod during the larval period. When diapausing pupae were kept under various periods of chilling at 4℃, the longer the chilling brought the earlier onset of adult emergence and a narrower range of emergence. A well synchronized emergence from diapausing pupae was brought about by chilling for 140 days. In the Japanese swallowtail butterfly, Papilio xuthus, when larvae were reared under natural conditions in autumn, all of them entered into the pupal diapause. Three groups of diapausing pupae, that had overwintered from late autumn under natural conditions, were transfered to 20℃ conditions on Jan. 14, Mar. 2 and Apr. 4 respectively. In most of the diapausing pupae which had been transfered on Mar. 2 or Apr. 4, adult emergence occured within 20 days after the onset of incubation at 20℃. It thus seems that pupal diapause of them had terminated during their overwintering period.