著者
栗山 正光
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会研究大会発表論文集 (ISSN:21879990)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.7-10, 2016

Sci-Hubという学術論文違法共有サイトが議論を呼んでいるが、その利用者は世界中に広がっており、日本からも多くのアクセスがあることが明らかになっている。本研究では公開されているSci-Hubのログ・データの中から、日本からのアクセス・データを抽出し、分析した。その結果、地理的には東京からのアクセスが6割を占め、一極集中の様相を呈していること、また、アクセスが集中する特定の日が見られること、ダウンロードが多い出版社などは世界的な傾向と一致することなどが判明した。
著者
安野 洋一 堀江 順子 宮下 文 山田 一雄
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.679-683, 1983 (Released:2010-06-04)
参考文献数
8

白髪染による接触皮膚炎を繰り返すうちに, 次第に前額部, 頸部, 前胸部などに紫褐色, 網状の色素沈着を来たした70歳の女性例を報告した。組織学的に苔癬型反応を認め, lichenoidtypeのpigmentedcontact dematitisと診断したが, パッチテストは多くのリール黒皮症患者で陽性反応が認められる頬紅中の赤色219号 (R-219) やSudan I (1-phenylazo-2-naphthol;PAN) などでは陰性であり, p-phenylenediamine (PPD) などの染毛剤のみが陽性を示した。また着用時に掻痒の訴えがあった衣類とその関連物質のパッチテストも同時に施行したが, 明かな陽性所見は得られず, 本例は白髪染に含まれるPPDに起因するものと考えた。
著者
CHO Heeryon 稲葉 利江子 石田 亨 高崎 俊之 森 由美子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.110, pp.1-8, 2006-10-25
被引用文献数
3

絵文字メッセージをやり取りして人間同士が意思疎通するには,コミュニケーションに参加している人間たちが同じ絵文字解釈(意味理解)を持たなければならない.絵文字コミュニケーションシステムの潜在利用者である日本と米国の子供たちが,同じ絵文字解釈を持つかを調べるために,システムで利用される120個の絵文字の意味を問うアンケート調査を行った.結果,ジェスチャー,色と性別,時間,空間,馴染みのもの,顔/表情の六つの領域に関係する19個の絵文字に対して,両国の子供が異なる解釈を持つことが分った.ここでは,多様な解釈を持つ絵文字を,絵文字コミュニケーションシステムでうまく利用するための方法として,絵文字の解釈語リストと頻度情報を利用し,たくさんの絵文字の中から検索語に関連する絵文字を検索する方法を提案する.提案手法は,絵文字の意味的なあいまい性を考慮した検索を実現し,文化的な解釈の差を扱う検索システムの土台となる.In order to establish mutual understanding during pictogram communication, humans exchanging pictogram messages must share common interpretation of pictograms that compose pictogram messages. Interpretations of pictograms may vary, however, according to individuals and sometimes according to culture. Through a comparative analysis of U.S.-Japan pictogram survey result on 120 community-created pictograms, we found that differences in interpretation exist between two countries on 19 pictograms with regard to gesture, color and gender, time, space, familiar things, and facial expressions. We address the retrieval of semantically ambiguous pictograms by proposing a pictogram retrieval method that utilizes interpretation words and their frequencies collected from the pictogram survey. Solving semantic ambiguity in retrieval is necessary prior to solving cultural ambiguity in retrieval.
著者
石井 薫 藤野 文代 木村 美智子 掛橋 千賀子
出版者
ヒューマンケア研究学会
雑誌
ヒューマンケア研究学会誌 (ISSN:21872813)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.27-34, 2016

長期入院中の統合失調症患者の自己決定支援の場面と看護を明らかにすることを目的に,精神科病棟に勤務する5 年以上の臨床経験年数を持つ看護師15 名を対象に半構成的面接を実施し,質的帰納的に分析した. 結果,長期入院中の統合失調症患者の自己決定の支援場面は7 場面あり,1 . 飲食,2 . 服薬,3 . 私物管理,4 . 金銭管理,5. 対人関係,6. 外出,7. 身だしなみ,に関する場面であった.自己決定を支援する看護は9カテゴリから構成され, 3 側面に大別できた. 1 . 刺激の大きさを調整する緩衝材としての看護は4 カテゴリ, 2 . 患者を支える土台としての看護は3 カテゴリ, 3 . 看護者の固定観念に変容を与える看護は, 2カテゴリで示された.
著者
斎藤 誠
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.481, 1973-07-15

発端 昭和48年4月天然痘事件の発端は,3月31日午後3時管内の東京逓信病院から,3月26日から同院に入院中の郵政省職員のK氏(33歳,男)が,天然痘の疑いがあるという届出をうけた.届出によると同氏はバングラディシュに約1ヵ月滞在し,3月18日に帰国,23日に発病し26日に受診入院したという.主症状は発熱と発疹で,現在の疹の状況,前駆疹の存在などからして,天然痘の疑いは極めて濃いと判断された.

5 0 0 0 OA 眼光学の基礎

著者
魚里 博
出版者
日本視覚学会
雑誌
VISION (ISSN:09171142)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.20-31, 1989 (Released:2019-04-19)
著者
小関 成樹 伊藤 和彦
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.390-393, 2000-05-15 (Released:2009-02-19)
参考文献数
10
被引用文献数
7 12

電解水の保存中の変化を検討した結果,以下のことが明らかになった.1) 短期間の保存において,強酸性電解水のORP,有効塩素濃度は明所開放条件によっては速やかに低下し,有効性を失うことが示された.一方,遮光密閉条件において強酸性電解水は安定していることが確認された.また,強アルカリ性電解水は保存条件によらず不安定であった.2) 長期間の保存においても強酸性電解水は遮光密閉状態であれば安定した状態を保つことが明らかになった.また,遮光しない場合にはORP,有効塩素濃度は速やかに低下してしまうがpHは変化を示さないことから,活性を失っても酸性を示す水溶液であることが明らかになった.
著者
あきれたぼういず[作詞]
出版者
ビクター
巻号頁・発行日
1938-12
著者
RIESENHUBE K. 長町 裕司 オロリッシュ J?C 荻野 弘之 川村 信三 佐藤 直子 大谷 啓治
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

本研究は西欧ラテン中世盛期・後期スコラ学におけるアリストテレスの知性論・霊魂論の受容・解釈史を解明することを課題とした。方法的に、アリストテレス『霊魂論』解釈の手がかりとなったそのアラブ哲学註解、特にアヴィセンナとアヴェロエス、また多大な影響を及ぼした新プラトン主義的精神理解、特に『原因論』、さらにアウグスディヌスの意識論的精神論との関係を研究の視野に入れることになった。本研究では『霊魂論』の解釈史の中で以下の諸段階と諸学派を区別することができた。1.13世紀前半ではアリストテレスの知性論は、アヴィセンナに従って理解され、能動知性が拒否されることもあれば、アウグスティヌスの照明説と結びつけて能動知性が神と同一視される(オックフォード学派)など広く異なった試みが見られる。2.1250〜70年代、1252年パリ大学学芸学部で『霊魂論』が教材として採用される時点から始まるラテン・アヴェロエス主義の、そのパリでの禁令書に至る、この中心的な時期において、(1)アルベルトゥス・マグヌス、(2)ブラバンのシゲルス、(3)ボナヴェントゥラ、(4)特にトマス・アクィナスにおける能動知性・可能知性の諸解釈の発展と絡み合って身体と霊魂の差異がアウグスティヌス主義的に理解される一方、知性と霊魂が同一視され、霊魂と身体の実体的一致が積極的に新しい人間論に向かって展開されるが(アルベルトゥス、トマス)、その際アヴェロエスの新プラトン主義的な知性単一説との討論が原動力となった。3.1280〜1300年の過渡期においてラテン・アヴェロエス主義的知性論が至福論との関係において初めて体系的に発展する。4.1300〜30年ではアヴェロエス主義の知性論がパリからパドヴァとボローニャへと移り、知性単一説を基盤にした統一的なアリストテレス解釈が推し進められる一方、ケルンのドミニコ会学派でフライベルクのディートリヒによって能動知性論とアウグスティヌスの心理学的精神論が結びつけられた上、エックハルトが魂の造られざる根底という概念を基盤にドイツ神秘思想を知性論的に基礎づける。5.14世紀半ばから15世紀前半では形而上学的能動知性論の前提たる抽象説は、一方で唯名論的・経験論的に平面化され解消され、他方で15世紀前半のプラトン受容に伴って自己認識論によって乗り越えられ、近世の主体概念の先駆的形が見られる。6.16世紀前半のイタリアのアヴェロエス主義とトマス学派の間に霊魂不滅が議論の新しい焦点となる。

5 0 0 0 OA 干禄字書

著者
顔元孫 編
出版者
柳心堂
巻号頁・発行日
vol.上, 1880