著者
和 秀俊
出版者
田園調布学園大学
雑誌
田園調布学園大学紀要 = Bulletin of Den-en Chofu University (ISSN:18828205)
巻号頁・発行日
no.13, pp.115-131, 2019-03

本研究は,現代社会の深刻な問題となっている大学生のメンタルヘルスにおいて,大学生の自己肯定感や自尊感情を高め,SOC(Sense of Coherence=首尾一貫感覚)やレジリエンスを向上させるための「きっかけ」や「仕組み」を,先行研究や既存調査などの考察から探索的に検討する。その結果,ボランティア活動は,学校や家庭以外において,大学生が共同して社会的課題に取り組むという社会貢献を通して,社会的な役割を獲得することにより自己有用感や自己肯定感,自尊感情が向上し,人とのつながりを構築できる社会活動であることがわかった。したがって,ボランティア活動は,大学生のSOCやレジリエンスを高め,問題解決能力やストレス対処能力を向上させ,若者のメンタルヘルスに寄与する可能性があると思われる。
著者
呉 珊 豊 碩 小嶋 道之
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告 = Research bulletin of Obihiro University (ISSN:13485261)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.29-36, 2015-10

日本の伝統的な保存食品である米味噌と米麦味噌を各々1 種類,及び中国味噌である甜麺醤と2種類の大豆醤について,理化学特性及び機能性成分,抗酸化活性を測定した。米味噌は,明度が最も高かったが,メラノイジン量及びDPPH ラジカル消去活性は最も低かった。米麦味噌のポリフェノール量,メラノイジン量及びDPPH ラジカル消去活性は米味噌のそれらよりも高かった。甜麺醤の明度は最も低かったが,メラノイジン量,ポリフェノール量及びDPPH ラジカル消去活性は5 種類の中で最も高かった。今回使用した5 種類の味噌に含まれるメラノイジン量とDPPHラジカル消去活性との間には正の相関関係(r = 0.853)が認められた。またポリフェノール量とDPPH ラジカル消去活性との間にも正の相関関係(r = 0.668)が認められた。ポリフェノール量がほぼ同程度である場合,メラノイジン量が高い味噌のDPPH ラジカル消去活性が高かった。これらの数値を用いた統計解析の結果は,メラノイジン及びポリフェノール類が日本味噌及び中国味噌共に共通に含まれる抗酸化活性に貢献する主成分であることを示唆している。また,明度とDPPH ラジカル消去活性との間には負の相関が認められた(r = -0.712) ことから,味噌の明度が味噌の抗酸化活性の簡易評価指標にできるかもしれない。
著者
大津 耕陽 福島 史康 高橋 秀和 平原 実留 福田 悠人 小林 貴訓 久野 義徳 山崎 敬一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.2019-2029, 2018-11-15

近年さかんに行われているアイドルのライブにおいては,演者の演技に対し観客が「応援」という形で参加することにより,会場をともに盛り上げていこうとする様子が見られる.本稿では,アイドルのライブにおける演者の演技・それに対する観客の応援を振動・光に変換し,双方向に伝達しあうことで,演者・観客間の双方向インタラクションを拡張するライブ支援システムを提案する.提案手法を実現するために,応援したいメンバの演技をリアルタイムに観客の持つデバイスに振動・光として提示する機能,観客が自身の持つデバイスを振ることで光として応援を可視化して演者側に伝達する機能の2つを持つシステムを開発した.実際のライブ環境下において実験を行い,演者の動きの情報を観客に伝達することで応援したいメンバと観客の間の一体感が高まることを確認した.また,デバイスの振りの情報に基づいて観客の応援の大きさを演者の衣装に提示することによって,応援したい特定のメンバと観客間の一体感に加えて,特定のメンバを応援する観客同士の一体感が高まることを確認した.
著者
友清 睦子 鈴木 雅実
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.67(1991-NL-084), pp.151-158, 1991-07-18

The primary goal of this paper is a statistical investigation of the comparative form of Japanese Spoken Language using appropriable data from the ATR spoken language corpus. The analysis includes the choice of comparative phrase markers as well as more general comparative form phenomena. In addition the paper also examines the semantics of the Japanese comparative form and compares them with those of the English and French comparative forms. Also considered are the problems of describing the comparative form in a dictionary oriented J-E MT telephone conversation task. Finally some examples of description following the markers of the Japanese comparative form are shown.
著者
中森 眞理雄 竹田 尚彦
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.1213-1217, 2007-11-15
著者
鈴木 進太郎 中田 裕貴 松原 克弥
雑誌
コンピュータシステム・シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.22-29, 2022-11-28

クラウドサービスにおけるアプリケーション実行環境として広く活用されているコンテナ型仮想化は,不特定多数のユーザが単一のホスト内に同居するため,コンテナ間の隔離を強固にする必要がある.しかし,追加の隔離環境は,堅牢なコンテナ間隔離を実現する代わりに,コンテナの高速な起動という特性やアプリケーション性能が損なわれる.このトレードオフを解消するために,我々は異種 OS 機能連携によって OS カーネルの脆弱性を悪用した攻撃を回避し,異種 OS 固有のセキュリティ機能を利用できるセキュアコンテナの実現を目指している.本稿では,FreeBSD の OS 機能を活用した Linux コンテナ互換実行と FreeBSD 固有のセキュリティ機能の適用について検討し,異種 OS 機能連携による特定 OS カーネルを対象にした攻撃回避の実現可能性について議論する.