著者
鳥丸 知子
雑誌
芸術工学への誘い (ISSN:21850429)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.51-73, 2015-11-21

世界の織物史上、タテ糸で文様を織り出す最も古い技術の一つであるカード織りは、世界中で行われてきたが、生活様式の変化や技術開発が進んで需要が減り、ごく限られた地域でのみ行われている稀少な製織技術になっている。 筆者が、近年において、民間に残存を確認している中国及び隣接するウズベキスタンにおいて展開されているカード織りについて、その起源、古代紡織技術との関連や文様の意味などを報告する。
著者
山名 琢翔
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2022-GI-48, no.5, pp.1-5, 2022-06-25

オセロAI(オセロに自動で着手するプログラム)を制作し,計算資源の制約が厳しい世界的なオセロ AI コンテストで世界 1 位になった.コンテストの厳しいコードの文字数制限に対応するため,深層学習を用いた評価パラメータの圧縮を行った.さらに,手法を改善してコンテスト外の一般的なパソコンでも,現時点で世界最強と呼ばれるオセロ AI Edax 4.4 に勝利できるオセロ AI を制作した.本稿では深層学習による評価関数の圧縮に着目し,これら 2 つのオセロ AI における工夫を論じる.
著者
成瀬 翔
出版者
日本福祉大学全学教育センター
雑誌
日本福祉大学全学教育センター紀要 = The Journal of Inter-Departmental Education Center (ISSN:2187607X)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.59-68, 2017-03-31

When we examine the theory of fiction, we usually consider the impact on arts and literatures. However, the most famous theorist Kendall Walton has attracted the attention other than arts and literatures. This paper considers an application of the Walton's theory in social philosophy. The contents of this paper are as follows. In Section 2, I will examine theory of make-believe. In Section 3, I will purpose an application to sports of theory of make-believe. Finally, in Section 4, I will consider John Searle’s idea: brute and institutional (or social) fact. And, I suggest that theory of make-believe is beneficial in social philosophy.
著者
清水 晴生
出版者
白鴎大学法学部
雑誌
白鴎法学 = Hakuoh hougaku : Hakuoh review of law and politics (ISSN:13488473)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.211-233, 2020-06-30
著者
吉田 一彦
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.368-356, 2008-12-23
著者
平田 昌弘
出版者
食品資材研究会
雑誌
New Food Industry (ISSN:05470277)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.89-95, 2011

ユーラシア大陸の乳加工技術と乳製品を、これから約1年にわたって毎月のシリーズで紹介していきたい。 ユーラシア大陸といっても広大である。それぞれの地域で様々な乳加工技術が発達し,珍しい乳製品がつくり出されてきた。バターは発酵乳からつくられることが多く,発酵乳は清涼飲料,チーズなどにも加工され,牧畜民の乳加工において発酵乳の出番は多い。チーズ加工の凝固剤にはレンネットだけでなく,酸乳や有機酸を用い,牧畜民の加工するチーズは熟成させることはない。乳から酒をつくっていたりもする。多くはお世辞にも旨いといえるシロモノではないが,幾つかはキラリとひかる美味しさと利用の仕方とがある。このような牧畜民の乳製品と乳利用とはいったい,どのようなものであろうか。想像するだけでもワクワクしてきて,現地を訪ねてみたくなる。このシリーズでは,西アジア,北アジア,中央アジア,南アジア,チベット高原,ヨーロッパを事例として,乳加工技術と乳製品とを具体的に紹介していきたい。なるべく現地の写真を多く掲載しながら解説していく。シリーズ最初の今回は,乳利用が人類にもたらした生業革命―牧畜の誕生,そして,現在のユーラシア大陸における乳加工の特徴について外観しておきたい。
著者
石橋 照子 岡村 仁 飯塚 桃子 Teruko ISHIBASHI Hitoshi OKAMURA Momoko IITSUKA
雑誌
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要 (ISSN:18824382)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-8, 2010-09-30

100床以上の精神科病床を持つ20の公立病院に入院中の統合失調症患者で、糖尿病を併せ持つ193名を対象とした。糖化ヘモグロビンの値により、対象をコントロール不良群と良好群のグループに分け、糖尿病の治療環境や血糖コントロールが困難と思われる要因を比較・分析した。その結果、2群の治療環境に有意差はみられなかった。また、血糖コントロール困難の要因のうち、「自制困難」「精神症状の悪化」が血糖コントロールに強く影響していたことから、精神症状の安定に配慮しつつ、自己コントロール感を高め、自制できるよう支援していく関わりが重要であることが示唆された。
著者
森本 昌宏
出版者
近畿大学医学会
雑誌
近畿大学医学雑誌 = Medical journal of Kinki University (ISSN:03858367)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3-4, pp.151-156, 2010-12-01

[抄録] 肩こりは症状名であり,現在でも他の疾患に付随する症状として扱われることが多いことから,医師が肩こりの診療に積極的に取り組んでいるとは言えない状況にある.肩こりの明確な定義がないこと,主観による判断による部分が多いこと,その病因も正確には分析されていないことなどがその原因と考えられる.例えば,症候性肩こりの原因である頸椎疾患をとっても,神経根症がその主体であるとする報告や,加齢に伴った椎間板や椎間関節の変性が主体であるとする報告があり,一定の見解を得るには致っていない.さらに,治療法に関しても randomized controlled traials による検討が蓄積されている訳ではない. このような現状からは,肩こりを単に症状として扱うのではなく,基礎疾患の検索を含めて正確な診断を行うこと,治療にあたってはより適切な治療法を選択することが要求される.また,今後はevidence based medicineの実践による基礎研究,研究デザインの構築が期待される.