著者
山田 明日香 谷川 孝弘 巣山 拓郎 松野 孝敏 國武 利浩
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.407-412, 2008-07-15
参考文献数
15

トルコギキョウの冬春出し栽培における白熱灯を用いた効果的な長日処理方法について検討した.10品種を供試し2004年10月8日にガラス温室に定植し定植から開花まで4時間の暗期中断を行い,対照として無処理区(自然日長10-12時間)を設けた.10品種の暗期中断区における第1花の平均開花日は無処理と比較して22日から49日,平均で35日早くなった.'ネイルピーチネオ'を供試し5時間の暗期中断を定植から雌蕊形成期まで,雌蕊形成期から開花まで,発蕾から開花まで,花芽分化開始期から開花まで,定植から開花までの5つの発育ステージで行った.定植から発蕾までの期間は,無処理の66日に対し暗期中断を定植から開花まで行った区では50日,定植から雌蕊形成期まで行った区では53日と大幅に短くなった.雌蕊形成期以降に暗期中断を開始した区では無処理との差が認められなかった.発蕾から開花までの期間は,暗期中断を定植から雌蕊形成期まで行った区で47日と短くなったが,そのほかの区では無処理の54日と有意な差が認められなかった.暗期中断による開花促進により,第1花までの主茎の節数が減少した.5時間の長日処理を暗期中断,日の出前電照,日没後電照の3つの時間帯で行った結果,定植から発蕾までの期間は,無処理の65日と比較して,暗期中断と日の出前定照でいずれも52日と最も短くなったが,日没後電照では58日と開花促進効果が劣った.以上の結果から,トルコギキョウの冬春出し栽培における開花促進には,白熱灯を用いた暗期中断または日の出前電照を定植直後から雌蕊形成期まで行うと効果が高いことが明らかになった.
著者
山崎 克之 山本 麻希 山本 寛
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

新潟県粟島におけるオオミズナギドリの営巣地をフィールドとし、環境観測情報ネットワークの研究開発を進めた。データ解析の結果、平成23年度と24年度ではメスの帰巣パターンが異なることから、日本海の海面温度の上昇がトリの生態にあたえる影響を実証できた。また、ZigBeeネットワークのノード間で2msの精度でクロック同期を実現する方式を研究開発し、これを利用して有害鳥の検知撃退システムを開発した。発表論文は電子情報通信学会通信ソサイエティ論文賞を受賞した。本研究は生態学の専門家とのコラボレーションによって実現したものであり、この受賞によって生態学への情報ネットワークの研究が広まることを期待している。
著者
中神 由美子
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.2_178-2_202, 2009 (Released:2013-02-07)

In the history of political thought, human pride, a feeling of excellence, linked with desire of honour and reputation, has been a cornerstone for political liberty. However, since sixteenth century many thinkers have attacked pride as vanity. The contemporary studies such as Strauss’ have claimed that Hobbes’ Leviathan used the term in this bad sense. Certainly, Hobbes emphasized equality of human kind and recognized its dangerous side as ‘vain glory’ leading to the civil war. Nevertheless, in his volume, pride can be equated with generosity or self-confidence as a virtue. The passion in a true and good sense is rather the inner feeling of one's own powers based on one's actual merits. For Hobbes, it works as motivation to help to the others, or appears as courage against ‘fear’ in his covenant theory.
著者
富永 五郎
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.10, pp.479-485, 1968-10-01

現在すでに超高真空は実用の域に達しているが,<10-10Torr以下の極高真空技術は開発の緒についたところである.10-11~10-12Torrの真空をつくることはそれほど困難ではないが,しかし,なにぶんにもこのような真空を測定する確実な方法が確立していない.この分野にどのような問題があり,どのように解決されようとしているかを概観する.
著者
森本 三男
出版者
千葉商科大学
雑誌
CUC view & vision (ISSN:13420542)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.6-9, 2007-09

企業のM&A (merger & acquisition,合併・買収)については、戦略・金融・財務論からの研究が多く、内容的にもかなり充実し蓄積が進んでいる。最近では、三角合併の解禁や投資ファンドによるM&Aに関係させた企業防衛策や企業統治からの論考も少なくない。しかし、M&Aの実質的効果を問題にすれば、M&Aの戦略的・計量的な経営的効果もさることながら、その持続的効果としての組織統合がより重要であることを看過すべきでない(林、1989)。モノではなく人の集団である企業のM&Aの7割は失敗しているとの指摘(産経新聞07.6.6)もある。そこで以下では、after mergerないしpost M&A managementの中心課題である組織統合を、組織文化の視点から考察する。