著者
石田 祐
出版者
日本NPO学会
雑誌
ノンプロフィット・レビュー (ISSN:13464116)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.49-58, 2008 (Released:2009-03-19)
参考文献数
37

これまで日本では,非営利組織の自立性について,現場の実践的な見地からその重要性について指摘がなされてきた.アメリカを中心とした先行研究では,複数の財務指標を用いてNPOの脆弱性を評価したり,事例研究から団体の変化を記述したりしながら,理論的かつ実証的な分析がなされている.一方,日本においてはいまだそれらの議論や検証はほとんどなされていない.そこで本論ではNPO法人が資金獲得を行っている財源の多様性に着眼し,全国のNPO法人の財務データを用いてHHIを算出し,被説明変数として用いた.説明変数には,活動分野や団体の活動規模,活動年数や所在地などの団体属性や地理的条件を考慮した.トービット・モデルによる推定を行った結果,活動分野によっては資金獲得を行う財源の多様性が低くなっている一方,支出規模,活動年数,そして所在地特性によって多様性が高まっていることが示された.
著者
八木沢 芙美
出版者
日本植物形態学会
雑誌
PLANT MORPHOLOGY (ISSN:09189726)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.105-109, 2012 (Released:2013-03-30)
参考文献数
27

液胞は,細胞内分解をはじめとする多様な機能を持つ.液胞は,小胞体やゴルジ体から新しく合成されうる(Hoh et al. 1995, Catlett and Weisman 2000).それにも関わらず,液胞は,細胞分裂時に母細胞から娘細胞へと分配される.液胞の分配は,細胞が分裂直後から正常に機能するために必要であると考えられる.これまでに知られている液胞の分配機構は,V型ミオシンとアクチンに依存するものであった.これに対し,アクトミオシン系を持たない原始紅藻Cyanidioschyzon merolaeでは,液胞がミトコンドリアに結合することで液胞の分配がおこる.本稿では,真核生物で知られる液胞の分配機構を紹介し,今後の展望について述べる.
著者
大矢明彦著
出版者
二見書房
巻号頁・発行日
2002
著者
亀岡 京子
出版者
日本経営学会
雑誌
日本経営学会誌 (ISSN:18820271)
巻号頁・発行日
no.21, pp.56-67, 2008-04-20
被引用文献数
2

This paper explores how and why an innovation, which originated with a failure of a certain company's R & D to deliver a successful breakthrough product, had been created through a research outcome transfer between companies without any collaborative alliance. Recent years, many literatures have discussed the "Open Innovation" which creates value by organically integrating outside ideas into inside firms. Traditional innovation was created through such a closed cycle that investing in corporate R & D for new technology and increasing the sales and profit would render continuous R & D investment to the firm. Many companies, however, have found traditional innovation unsustainable due to the change of environment around market and R & D. Then, one question is if some breakthrough product is invented and developed through open innovation, does it necessarily require any collaborative relationship? Under such a research question, a successful case of R & D for hypertension drug was picked up to investigate the process and the mechanism of open innovation at Takeda Pharmaceutical Company. As a result, the firm had once found a brand-new and potential basic skeleton of chemical compound, but failed in a productization. Before that, Takeda had already filed the patent application and an overseas chemical company DuPont referred to the registered patent when it was open. Not knowing the Takeda's failure, DuPont had attempted to develop the chemical compound to squeeze through the problem due to some experience and knowledge about the mechanism of the research outcome. A few years later, DuPont made a presentation at an international conference, allowing Takeda to know their invention. Takeda had immediately restarted the project to find better chemical compound. Although another 60 companies all over the world also joined this competition, Takeda successfully found better one due to the abundant experience. Now, the sales of the product have marked the top position in the Japanese medicine market for all diseases.
著者
花井 しおり
出版者
人間環境大学
雑誌
(ISSN:1348124X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.29-39, 2007-03-31

万葉集巻九に、「田辺福麻呂之歌集」出の、「過_二足柄坂_一、見_二死人_一作歌一首(足柄の坂に過きるに、死人を見て作る歌一首)」(9・一八〇〇)と題される歌がある。万葉集において、題詞に「見(視)_二死人(屍)_一」と見える歌は、いわゆる行路死人歌と称される。行路死人歌の歌群において、当該歌は、死人それ自体の描写が詳細であること、および死人の内面にも立ち入り、心情を想像することにおいて個性的である。本論では、そのような表現が、福麻呂に特徴的な見方である「直目」に見ること-単に「直に」見るということではなく、相手に価値的な「直に」というあり方で逢い、渾身の力で見ること-に由来すると解されることを論じる。
著者
上り口 晃成 井上 宏 森本 兼曩
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学 (ISSN:00306150)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.48-54, 2003-03-25
参考文献数
27
被引用文献数
7

本研究の目的は,唾液を非侵襲的に採取し,そのコルチゾール濃度を分析することで,歯科処置によるストレス反応に治療内容の詳細な説明と来院の繰り返しが与える影響を検討することにある.被検者は,専門的な医学的知識をもたない者を対象に本研究の主旨を説明し,実験協力の同意を得たボランティア18名(男性16名,女性2名,平均年齢20.3歳)を用いた.実験手順として,まず被検者を診療室に入室させ,実験の説明を行い,同意を再確認した.説明群には実験器具をすべて見せながら詳細な手順を説日し,非説明には実験の概略のみを説明した.次に,SpielbergerのSTATE-TRAIT ANXIETY INVENTORY(以後STAIとする)および不安に関するVisual Analogue Scale(以後VASとする)を記入させた.そして水平位にて歯科処置を行い,唾液を採取し,再度VAS、STAIを記録した.歯科処置として,□腔内診査,上顎中切歯部歯肉への浸潤麻酔,下顎歯列の超音波スケーリング,上顎のアルジネートによる印象採得を順に行った.統計解析の結果,コルチゾール濃度のCV値は,非説明群が説明群と比べて有意に高い値を示した.また,非説明群において第1日目のCV値が高<,第2日目にかけて減少する傾向がみられた.STAIの状態不安スコアに関しては開始時が終了時よリ,また第1日目が第2日目より有意に高い値を示した.不安に開するVAS値は説明の有無と来院回数間に交互作用がみられ,非説明群において第1日目が第2日目よリも有意に高い不安VAS値を示した.さらに,不安に関するVAS値と疼痛に関するVAS値はともに同一処置への来院の繰り返しによって低下することが示された.以上の結果から、歯科処置によって生じるストレス反応は,来院回数によって慣れが生じて減少するとともに,ストレスの軽減には詳細な処置内容の説明が有効であることが明らかとなった.
著者
縄野 光正
出版者
浜松医科大学
巻号頁・発行日
1988-10-07

浜松医科大学学位論文 医博論第52号(昭和63年10月07日)
著者
福田 功一郎 浅香 透 吉田 英人
出版者
名古屋工業大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

サンドイッチ型のLa2SiO5/La2Si2O7/La2SiO5拡散対を1600℃で50時間加熱することで、c軸高配向したアパタイト型La9.50Si6O26.25多結晶体の作製に成功した。得られた多結晶体は偏光顕微鏡とX線回折法、複素インピーダンス法を用いて評価した。加熱した拡散対は機械研磨することで、拡散対の最も内側に位置する結晶配向電解質を取り出した。この電解質の配向方向に平行な酸化物イオン伝導度は、450℃で2.0×10-2S/cmであり、温度の上昇とともに増加し、700℃では7.9×10-2S/cmに達する。この値はc軸配向アパタイト型La9.33Si6O26多結晶体の約2.5倍に相当する。これら2種類の配向多結晶体の活性化エネルギーは、共に0.35eVであることから、伝導機構は同一であると考えられる。La9.50Si6O26.25とLa9.33Si6O26の結晶構造を単結晶X線回折法で決定したところ、両方の結晶構造は空間群P63/mであり、Si原子に結合している12i席の酸素原子位置に不規則性が確認できた。さらに、4fと6h席のLa原子位置にも非調和熱振動で近似できる不規則性がみられた。La9.50Si6O26.25の結晶構造中には、格子間に過剰な酸化物イオンが存在することを初めて示すことができ、高い酸化物イオン伝導性との相関関係を初めて示すことができた

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1920年02月18日, 1920-02-18

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1913年06月05日, 1913-06-05