著者
長岡 紀幸 鈴木 鈴木
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

歯の治療で詰め物やかぶせ物をするとき,これらを歯に接着する前に,予定通りに接合できるかチェックする.この際,これらはだ液や血液で汚染される.一端,汚染されると洗浄しても,ミクロのレベルではきれいにならない,きれいな歯の治療ができるジルコニアと歯を接着するには,接着剤を化学的に反応させることが重要である.しかし,汚染されたジルコニア表面は,接着剤が化学反応し難い.これを解決できる,新しい接着方法を開発した.
著者
堀井 康史 廣田 明道 陳 春平 河合 邦浩 山中 宏治 ポカレル ラメシュ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.458, pp.53-60, 2012-02-23

2011年10月9日から10月14日まで,イギリス・マンチェスターにて開催されたヨーロッパマイクロ波会議(European Microwave Week2011)の概要ならびに,アンテナ・伝搬、フィルタ、受動回路、増幅器・MEMS、MMIC・センシング技術、メタマテリアル・電力伝送・新技術の各テーマに関する会議報告内容をまとめて紹介する.
著者
平山 正賢 根本 博 平澤 秀雄
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.245-252, 2007-04-05
参考文献数
14
被引用文献数
2

畑圃場で栽培した中生及び晩生の日本陸稲8品種と水稲1品種を用いて,6年にわたり成熟期の根系の発達程度を調査し,深根性が耐干性に及ぼす影響を明らかにすると共に,中晩生品種群における深根性程度の基準品種を設定した.根系の発達程度の観察には発掘法,モノリス法,コアサンプリング法の3種類の方法を用いた.1994年〜1996年は発掘法により土壌層位毎に根数と根の太さを達観で観察し,根系の最深到達深度を計測した.1996年はモノリス法により根を採取し,層位毎に根長と根の乾物重を測定した.1998年,2001年,2002年はコアサンプリング法により根を採取し,層位毎に根の乾物重を測定した.調査期間を通して,耐干性程度の異なる中生・晩生熟期の日本陸稲品種では,根系の発達程度に品種間差が認められた.特に30cmより深い層の根量は大きな品種間差が認められた.ゆめのはたもちなど耐干性が強い品種は30cmより深い層の根量が安定して多いの対し,ミズハタモチなど耐干性が弱い品種は根量が少なかった,よって,耐干性の強弱と深根性との間には明らかな関連があることが圃場条件で実証された.今回の調査結果から,中生・晩生熟期の日本陸稲品種における深根性の基準品種として,深根性ゆめのはたもち,やや深根性陸稲農林編26号,やや浅根性ミズハタモチを設定した,また,根系の調査法として,コアサンプリング法による土壌深層の根量,モノリス法による土壌深層の根量及び発掘法により直接観察した根の深さとの間にはそれぞれ正の相関関係が認められ,コアサンプリング法が簡易かつ信頼性のある根系採取法として実用的であると考えられた.
著者
甲谷 繁 宮部 豪人 吉岡 英斗 工藤 昭彦
出版者
兵庫医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、ナノ細孔構造を有する光触媒を創製し、通常の熱反応では起こり得ない新規な化学反応を光で誘起することを目指した。まず、メソポーラス型タンタル酸光触媒(m-Ta2O5)を調製し、二酸化炭素とエタノールから乳酸への一段階合成を試みた。しかし、疎水性の二酸化炭素はm-Ta2O5の親水性ナノ細孔内へ吸着されにくく、反応効率は向上しないという問題点が判明した。そこで、既報に従ってメソポーラスシリカ表面の一部をフッ素化して疎水性を持たせたナノ細孔構造体に酸化チタンを担持した光触媒を作成した。これについてUV照射下でOHラジカル発生能を検討したところ、優れた光触媒能を有することが明らかとなった。
著者
中島 由親 和久 宗明 今井 均
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.7, no.7, pp.833-838, 1993-11-15

症例は62歳男性.1988年4月肺結核発症.多剤耐性結核にて排菌止まらず,1990年8月21日に右肺上葉切除施行.その後気管支瘻となり同年10月9日に気管支瘻閉鎖,胸郭成形を行うも気管支瘻再発し右MRSA膿胸を併発,同年12月20日右腋窩前方に膿胸腔を開放した.連日の包交にて創面の浄化をはかり,創面MRSA感染は持続したものの,1991年4月2日創面掻爬,気管支瘻閉鎖を行い,同4月16日Scapular Flapにて開放創面の被覆閉鎖を施行した.手術手技は右肩甲部にてcircumflex scapular arteryの横走するcutaneous branchを中心に14× 8cmの皮膚弁を作成し,腋窩背側部の筋間にトンネルを開け有茎にて創面へ誘導,創線にflapを全周性に縫合し肺raw surfaceを含む浅い開放創全体を被覆した.術後MRSAによる小膿瘍が創縁に生じたが,数回の小処置にて現在創下端に僅かな皮膚瘻を残すのみで,開放創の閉鎖にほぼ成功した.
著者
金 惠鎮
出版者
久留米大学
雑誌
久留米大学外国語教育研究所紀要 (ISSN:13406175)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.55-70, 2006-03-31

最近韓国と日本の相互文化交流が活発に行われていて日本での韓国語学習者も増加している。日本では韓国語学習者の学習到達度に対する社会的評価を提供し、学習意欲を高める目的で1992年10月9日に「ハングル能力検定協会」が設立された。「ハングル能力検定試験」は12年が経った現在(2005年7月)まで総24回の試験が実施され、今まで総91,464名が試験を受けた。久留米大学では外国語科目として韓国語I,II,IIIの講義が行われていて、韓国語の授業を受けている学生数は急激に伸びている。さらに、韓国語授業を受けている学生たちの中では自分の韓国語の実力を確認するために「ハングル能力検定試験」を受ける学生も大勢いる。本稿では2005年6月19日(日)に実施された第24回「ハングル能力検定試験」5級を受けた久留米大学学生たちの採点結果を分析して、各問題の得点傾向と出題問題の類型による得点の高低を分析した。その結果全体的には正解率が約80%という高い数値があらわれた。さらに、出題問題を類型別に区分してみると、語彙と挨拶表現では特に高い正解率であることがわかった。しかし、日本語と韓国語の類似しながらも誤用しやすい助詞と文法の面では正解率が低下していることが調査の結果で明らかになった。また「ハングル能力検定試験」を受けた学生たちにアンケートも実施して、韓国語の検定試験勉強と韓国語の学習意欲とはどのような関わりをもっているのかについても分析した。
著者
福田 靖 中山 崇 矢野 勇大 加藤 道久 郷 律子
出版者
徳島赤十字病院
雑誌
徳島赤十字病院医学雑誌 = Tokushima Red Cross Hospital Medical Journal (ISSN:13469878)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.21-25, 2013-03-25

徳島県において,2008年8月1日より県消防防災ヘリコプター(以下防災ヘリ)のドクターヘリ機能運用が開始され4年あまりが経過した.医師が防災ヘリに搭乗し,現場に赴いて傷病者に救命処置等を行い,医療機関へ搬送するもので,運用は毎日,日中のみである.県全域が搬送可能な距離にあり,医師搭乗は当院へ要請される.2012年10月9日より徳島県ドクターヘリが運航開始となり,基地病院として徳島県立中央病院が指定された.当院における医師の休日ヘリコプター待機は終了し,平日の運用もドクターヘリが主になると考えられる.当院では,休日待機終了までの4年2か月間に計146回,147名のヘリ搬送を行った.1例を除く他の傷病者はすべて当院へ収容された.搬送依頼は,当初は他院からの転院搬送が大半であったが,次第に救急隊からの直接要請が多くなった.主な搬送地域は陸路搬送でも時間のかかる県南部及び山間部からであった.疾患別では外傷が37%,脳血管疾患が35%,循環器疾患が18%であり,15例(10%)が死亡した.今後もヘリコプターの重複要請や多数傷病者発生時などで防災ヘリの利用の可能性は残り,新たな運用形態の検討が必要である.
著者
平良 文亨 古賀 康裕 高藤 愛郁 山口 仁士
出版者
長崎県環境保健研究センター
雑誌
長崎県環境保健研究センター所報 = Annual report of Nagasaki Prefectural Institute for Environmental Research and Public Health (ISSN:09140301)
巻号頁・発行日
no.54, pp.78-80, 2009-10

最近のエネルギー需要の増加や地球温暖化を背景として、原子力政策の見直し・推進による原子力関連施設の建設が世界的に進められている。一方、平成19年7月16日に発生した新潟県中越沖地震により、東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所(新潟県柏崎市)6号機の使用済み燃料プールの水が漏えいするなど複合災害の問題や核の脅威(テロ)、放射性廃棄物の海洋投棄問題など原子力の利用に伴う想定外の事象も存在していることから、地域住民の安全・安心を確保するために環境放射能(線)のモニタリング調査による科学的根拠が重要となる。平成18年10月9日の北朝鮮の地下核実験の発表に伴い、わが国ではモニタリング体制を強化し当センターを含む全国の環境放射能分析機関で、放射能の影響の有無について観測したことは記憶に新しいところである。本県では、昭和36年度から核実験の実施に伴うフォールアウト調査としての環境放射能水準調査(文部科学省委託、佐世保港における原子力艦寄港に伴う環境放射線調査を含む)をはじめ、平成12年度から五島市及び対馬市における環境放射線等モニタリング調査(環境省委託)、平成13年度から長崎県地域防災計画に基づく環境放射線モニタリング調査(平常時のモニタリング調査)を九州電力(株)玄海原子力発電所の10km圏内に位置する松浦市鷹島町で実施している。日本の西端に位置する本県は、その地理的特徴から大陸からの移流により、酸性雨・光化学オキシダント・黄砂などは越境汚染の可能性が示唆されているが、放射性核種についても大陸起源のエアロゾルや土壌粒子に起因した物質輸送が考えられている。そこで、最近の県内における環境放射能の分布状況について解析したので、その結果を報告する。
出版者
農業技術研究機構果樹研究所
雑誌
果樹研究所研究報告 (ISSN:13473549)
巻号頁・発行日
no.2, pp.113-126, 2003-03

1. モモ第7回系統適応性検定試験は'モモ筑波109号'から'モモ筑波117号'の9系統を供試し,全国24の公立試験研究機関の参加により平成4年度から平成13年度まで実施された。2. 'モモ筑波109号'は'ちよひめ'よりやや遅く収穫される白肉の極早生系統として供試された。着色が多く外観良好で,極早生系統としては食味も優れるものの,'ちよひめ'よりやや遅く収穫され果実もやや小さいなどの理由から本系統は平成13年度で試験中止と判断された。3. 'モモ筑波110号'は'あかつき'より1週間程度早く収穫される白肉の早生系統として供試された。'あかつき'より果実が大きくなるものの,収穫期が同時期となり,食味も劣るなどの理由から本系統は平成11年度で試験中止と判断された。4. 'モモ筑波111号'は果実肥大が良好で食味も優れ'あかつき'よりやや遅く収穫されることから平成11年8月13日に'なつおとめ'と命名され,もも農林23号として登録された。5. 'モモ筑波112号'は'あかつき'より1週間程度遅く収穫される白肉の中生系統として供試された。'あかつき'より果実が大きくなり,甘味も同程度あるものの,収穫は遅くなり,果実が三角形になるなどの理由から本系統は平成8年度で試験中止と判断された。6. 'モモ筑波113号'は遮光袋を用いた栽培ではきれいな白色の外観となり,果実も大きくなり着色抑制栽培用品種として有望であることから平成13年10月9日に'白秋'と命名され,もも農林24号として登録された。7. 'モモ筑波114号'は'ちよひめ'より10日程度遅く収穫される黄肉の早生系統として供試された。'ちよひめ'より果実が大きくなるものの,収穫が遅くなるのでその時期としては小玉となり,食味もあまり差がないなどの理由から本系統は平成10年度で試験中止と判断された。8. 'モモ筑波115号'は'あかつき'より1週間程度遅く収穫される黄肉の中生系統として供試された。果実は大きくなるものの,やや甘味が不足し淡泊な食味となるなどの理由で本系統は平成11年度で試験中止と判断された。9. 'モモ筑波116号'は'ゆうぞら'と同時期に収穫される黄肉の晩生系統として供試された。甘味が多く食味は優れるものの,果実が小さいなどの理由で本系統は平成11年度で試験中止と判断された。10. 'モモ筑波117号'は無袋栽培でも果肉内および核周囲に紅色素が入らず,半不溶質の肉質で缶詰製品の品質も良好であることから平成9年8月19日に'もちづき'と命名され,もも農林22号として登録された。
著者
島崎 和司
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.64, no.516, pp.51-57, 1999
参考文献数
24
被引用文献数
7 8

This paper proposes the method to estimate a structure coefficient Ds based on displacement response. First, estimation formulas of displacement response are evaluated for the bi-linear type design velocity response spectrum using the equivalent linear method. Next, the method to determine a value of Ds is proposed by using the estimated displacement response. Finally, trends of the values of Ds determined here to the initial period, energy absorption ability, and allowable deformation are investigated. They have the following tendencies. 1) Increase like a hyperbola having the upper limit along with the reduction of the period ratio TR. 2) Reduce like straight line along with the increase of equivalent viscous damping coefficient β. 3) Reduce like straight line or like the exponential function having the upper bound along with the increase of allowable ductility factor μ.
著者
間 久直
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

赤外線レーザーと、フリットとよばれる多孔質の金属薄板を用いて液体クロマトグラフィー(liquid chromatography; LC)と質量分析(mass spectrometry; MS)とをオンラインで接続可能な大気圧イオン源を開発した。レーザーの波長を溶媒の吸収ピークに合わせることで、水や水とアセトニトリルの混合溶液中のペプチドをイオン化させ、MSを行うことができた。さらに、ペプチド混合物のオンラインLC/MSを行うことに成功した。