著者
牧野 和久 高畑 貴志 藤重 悟
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.115(2001-AL-081), pp.27-34, 2001-11-27

本論文では,△-正則2 部グラフに対する完全マッチング問題を考察する.ただし,グラフG は,n 節点,m 枝,すなわち,1/2 n △=m とする.我々は,まず,Gabow の方法に基づく新しい単純なO(m log n )アルゴリズムを与える.次に,Cole とHopcroft が提案した正則2 部グラフに対する辺疎化手法を取り入れることにより,そのアルゴリズムをO(m +n log n log △)に改善する.我々のアルゴリズムは,動的木やスプレイ木などの高度なデータ構造を必要としない.
著者
長谷川 伸
出版者
九州共立大学
雑誌
九州共立大学研究紀要 = Study journal of Kyushu Kyoritsu University (ISSN:21860483)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.23-28, 2014-09-30

The purpose of this study was to investigate the muscle activation levels of the hip muscles duringpitching motion as ball speed was increased. Six college baseball pitchers were participated in thisstudy. Surface electromyography data were recorded in pivot leg from 6 muscles : adductor longus(AL), gracilis (GR), adductor magnus (AM), rectus femoris (RF) , biceps femoris (BF) and gluteus medius(GM). The pitching motion was divided into 5 distinct phases: wind-up, early cocking, late cocking,acceleration, follow-through. The results demonstrated that high level muscle activity (greater than 40%maximal voluntary contraction) was found in GM during early cocking phase, and in AL, GR, AM andBF during late cocking phase, and in AL, GR and BF during acceleration phase. Then, the activity levelof the hip muscles in the slow ball pitching and fast ball pitching was compared. Significantly highermuscle activity was showed in fast ball pitching in AL, GM, and BF during early cocking phase, in BFand AL during late cocking phase, and in AL, GM, and RF during acceleration phase. The findings fromthis study indicate that high muscle activity have been shown in the abductor of the hip joint duringearly cocking phase that produce translational movement, and high muscle activity have been shown inthe adductor and extensor of the hip joint during late cocking phase and acceleration phase that producerotational movement.
著者
浜田 穂積
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.521-526, 1981-11-15

2進法を基礎とする計算機そのほかのデータ処理装置のための実数値表現方式を提案する.形式はデータの長さに依存せず 精度変換操作が単純で オーバフロー アンダフローが発生しない 十分大きい数も小さい数も表現できる方式であるこれらの条件を満たす一般的な表現法と その中で最も単純な規則を持つ形式とを示し 後者を標準案として推奨する.後者によると ±1の近くでの分解能が低下しないように極力努めたので 同じピット数で表現する固定小数点表現と比べ 1ビット分の分解能の悪化に止まり かつ浮動小数点表現の持つ 小さい数も 大きい数も表現できるという長所も併せ持っている.実数値表現法として前記の目的を達するため 内部表現のビット列に次の3つの性質を持たせる.(i)すべてのビット列が実数に対応する.(ii)あるビット列の右に1ビット連結する時 元のビット列に対応する区間が2分され 左の区間はピット0 右の区間はビット1を連結したものに対応する.(iii)正数の場合 1から無限大あるいは0に向かって 区間の両端の値の比が 二重指数的に増加する値となるよう分割されている.これによって実現される表現法を用いると 短いデータでもそれなりにバランスよく実数値を表現できる.また長いデータをう処理系と容易に結合できるため ミニコンピュータ マイクロコンピュータのための実数値表現法としても適している.
著者
魏 然 陸 一菁
出版者
神戸松蔭女子学院大学学術研究会
雑誌
神戸松蔭女子学院大学研究紀要. 人間科学部篇 = Journal of the Faculty of Human Sciences, Kobe Shoin Women's University (JOHS) (ISSN:21863849)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.63-79, 2014-03-05

本稿は、中国語圏のジャニーズファン及びジャニーズファンによって形成されるファンコミュニティの実態と特性を明らかにするために、中国語圏最大のジャニーズファンBBS「J家闲情」におけるアンケート調査を行った。その結果、北京、上海など経済水準が高い地域在住の20代の女性というのが中国大陸のジャニーズファンの典型像だといえる。彼女たちは日本国内のファンと比べると、アイドル情報や音楽映像、関連グッズの入手が困難な環境にあるが、それでも様々なルートを通じて、大量のお金を費やしアイドルの応援活動に没入している。応援活動では、特にインターネットの使用が際立つ。また、ジャニーズファンのオンライン匿名コミュニティから、オフ会を行い、お互いに認知できる少人数の特定コミュニティに転化するケースが多く観察される。このようなコミュニティは「ファン同士の集まり」よりも、「同じ趣味をキッカケとした交友関係」であると認識したほうがより妥当だと考えられる。更に、日本のファンコミュニティのキー概念ともいえる「担当制」は中国語圏のジャニーズファンコミュニティにも存在するが、しかし決して日本ほど重要な要素ではないと考えられる。
著者
井上 翔大 大山 恵弘
雑誌
研究報告システムソフトウェアと オペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2010-OS-113, no.4, pp.1-8, 2010-01-20

現在,Java,C#,ML のような高い生産性での安全なプログラミングを支援する現代的なプログラミング言語が様々な目的で利用されている.しかし,OS や組み込み系ソフトウェアなどの低レベルのシステムソフトウェアの分野では,未だに C 言語が広く用いられており,低い生産性や致命的なバグの原因となっている.そこで,本研究では,現代的な関数型言語 OCaml で OS を開発し,低レベルのシステムソフトウェアの記述における関数型言語の有効性を評価する.その OS は極めて小さいが,カーネル空間とユーザ空間の分離,マルチタスク,割り込み処理,初歩的な入出力デバイス管理などのいくつかの基本 OS 機構を備えている.その OS の大部分は OCaml で記述され,残りは C 言語とアセンブリ言語で記述されている.この論文では,その OS の設計と実装について述べるとともに,開発を通じて得た,関数型言語を使用することの利害得失などに関する知見を示す.
著者
青柳 明佳 篠原 泰彦
出版者
第25回公開シンポジウム「人文科学とデータベース」実行委員会
雑誌
第25回公開シンポジウム「人文科学とデータベース」発表論文集 = Proceedings of the 25th Synmposium on Humanities and Database (ISSN:21881529)
巻号頁・発行日
pp.9-16, 2020-02-29

Web上で検索できるデータベースは、様々な調査・研究を行い、論文を執筆するために、もはや必須のツールと言っても過言ではない。だが、データベースを構築・運用するにあたり、作成者の意図と利用者の目的や使用方法が必ずしも一致するとは限らない。また、一度稼働し始めたデータベースは、それを止めて作り直す、あるいは修正を行うことが難しい。そこで、本研究では、2019年10月時点で64.92%のシェアを誇るブラウザ「Google Chrome」の拡張機能を使用し、既存の人文科学系論文データベースであるCiNii Articles、NDL ONLINE、国文学論文目録データベース、日本語研究・日本語教育文献データベースを例に、既存のデータベースの運用を止めることなく、表示方法や操作方法を変えながら「データベースにおけるユーザビリティ」を検証していく。また、この方法を通して得られた「どのような点に留意してデータベースの構築・運営を行うべきか」の知見を提示したい。 A database that can be searched on the Web is no longer an indispensable tool for conducting various surveys and researches and writing dissertations. However, in building and operating a database, the intention of the creator does not always match the purpose and usage of the user. Also, once the database has started running, it is difficult to stop and recreate or modify it. Therefore, in this study, we used the extension function of the browser “Google Chrome” which boasts a share of 64.92% as of October 2019, and used the existing humanities-related dissertation databases CiNii Articles, NDL ONLINE, Japanese literature catalog database, Japan Using the example of a language research and Japanese language education literature database, we will continue to verify "usability in a database" by changing the display method and operation method without stopping the operation of the existing database. In addition, I would like to present the knowledge obtained from this method on "what points should be considered when constructing and operating a database"
著者
小池 誠
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.531-532, 2017-03-16

インターネットは玉石混交の情報に満ち溢れており、その情報の真偽を見極めるのが肝要である。そこで、今回、テレパシーに関する都市伝説について科学的に検証した。すると、驚くことに、多種多様な電波のなかには音として聞こえるものがあることが10報以上の学術論文で確認できた。可聴性電波は矩形波のマイクロ波であるが、なぜ矩形波のマイクロ波が音として聞こえるかは既に実験で解明されていた。更に、米国空軍が人間の頭部に可聴性電波を照射して、音声を伝える通信方式について米国特許6470214号及び6587729号を取得していた。この通信方式はテレパシー通信という命名にふさわしい。また、米国空軍の研究成果ということは、テレパシー通信は軍事通信の一種ということになる。
著者
栗山 和広 吉田 甫
出版者
宮崎女子短期大学
雑誌
宮崎女子短期大学紀要 = Bulletin of Miyazaki Women's Junior College (ISSN:02898748)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.57-69, 1991-03

This developmental study examined acquisition process of the concept of fractions and relationships of the concept. A total of 161 children have been administrated six tests over 3 years. Two principle incorrect strategies were found concerning the magnitude of fractions. The first was Rule A, in which children ordered the fractions with a larger numerator as a smaller magnitude in problems with the S-D type. Another was Rule B, in which children ordered the fractions with larger denominators as a greater magnitude in the D-S type. Change processes of these strategies suggested four process of acquiring the concept of fractions. In addition, it was shown that the process of the acquisition of the magnitude of fractions was different from acqusition process of other sub-concepts in fractions. These results were discussed in terms of the process of the integration of the concept of fractions to knowledge of the decimal number system.

3 0 0 0 OA 私の障害学

著者
石川 洋明
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.191-202, 2014-12-30
著者
小池 誠
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:21888779)
巻号頁・発行日
vol.2016-NL-228, no.5, pp.1-7, 2016-09-22

本稿は,音声対話システムの出力インタフェースとして,マイクロ波聴覚刺激を応用した無線通信を提案する.この無線通信の原理は,音声信号で振幅変調し,次にパルス変調し,更に頭部に向けてパルス変調されたマイクロ波ビームを照射する.マイクロ波聴覚刺激により頭部が復調器として機能し,頭の中に直接,音声が聞こえる.
著者
松井 理直
出版者
神戸松蔭女子学院大学学術研究委員会
雑誌
トークス = Theoretical and applied linguistics at Kobe Shoin : 神戸松蔭女子学院大学研究紀要言語科学研究所篇 (ISSN:24352918)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.49-56, 2020-03-05

本研究では,C/D モデルの観点から日本語音声の時間特性について概観する.結論として,基底状態におけるモーラの重要性および基底状態に対するある固有の子音が持つ等時間性の性質について述べる.
著者
王 飛 高橋 光輝
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21888604)
巻号頁・発行日
vol.2016-CDS-15, no.7, pp.1-7, 2016-01-14

戦後女性が社会生活で活躍し,同時にアニメ作品の内容も変貌した.特に近年における日本のヒットアニメはフェミニズムが色濃く反映されていると言っていい.影響を及ぼしているオタク文化やコスプレ文化など,フェミニズムがアニメに浸透している.日本のアニメにおけるフェミニズムの歴史に遡り,近代ヒットアニメのフェミニズム的要素,市場ニーズなどを通じ,ヒットとフェミニズムの関連性を分析し考察する.
著者
田川 麻央 徳田 恵
出版者
明海大学複言語・複文化教育センター紀要編集委員会
雑誌
言語文化硏究 = Meikai Studies in Language and Culture
巻号頁・発行日
vol.1, pp.51-58, 2018-03-31

本研究では、日本語の文章作成能力の育成を目指す初年次教育において反転授業の導入の効果を検証した。2016年度前学期に履修した大学1年生82名を反転授業実践条件とし、ライティングプロセスを重視した文章作成の授業を実施した。反転授業を導入したのは文章構成、引用方法、図表の説明方法の三項目である。授業期間開始時と授業期間終了時の文章作成テストの成績、及び反転授業を導入しなかった年度の受講者87名を対照条件とし授業期間終了時の文章作成テストの成績を比べた。その結果、反転授業の導入によって授業期間開始時より終了時に成績が有意に伸びること、対照条件との差も示された。また、反転授業での事前課題の取り組み方と授業期間終了時における文章作成テストの成績に関連も見いだされた。以上より、初年次教育における文章作成に反転授業を導入することに一定の効果があることが明らかになった。