著者
福島 利奈子
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.161-175, 2011-02-01

現代ではあまり馴染みのないコルセットだが、昔の女性たちには欠かすことのできないものだった。コルセットの歴史は長く、中世以降、衣服における男女差が確立し、女性の身体の曲線美をコルセットの使用によって表現するようになった。一時は鳴りを潜めていたコルセットだが、その後復活し、女性には「女らしさ」が求められ、長く着用されていくことになる。女性は社会的に抑圧された存在であり、女性たちが求められた女らしさは、男性の視線によって理想化されたものであった。そして、人々が装うのは、身体を保護するというためだけではなく、社会的な属性や地位等の表現手段ともなっていた。その後、次第に女性の衣服改革が起こるようになる。女性のライフスタイルの変化が理想の女性像まで変え、自然で直線的な身体の表現へと移行した。第一次世界大戦を境に、より女性の社会進出は進み、仕事に適さないコルセットや丈の長い衣服は消えていく。その過程を、コルセットの追放に貢献したとされるアメリア・ブルーマー、ポール・ポワレ、ガブリエル・シャネルの三人に焦点を当てて検討する。以上の問題を踏まえて、近代から現代にいたるまで長きに亘って女性が身につけてきたコルセットとはどのようなものであったのか、そしてそのコルセット着用の要因と、それほどまでに広く普及していたコルセットを女性たちがどのように脱ぎ捨ててきたのかを考察する。
著者
井上 尚之
出版者
神戸山手大学
雑誌
神戸山手大学紀要 (ISSN:13453556)
巻号頁・発行日
no.20, pp.1-16, 2018-12-20

日本の高度成長期からバブル期にかけて、全国各地のニュータウンで、「廃棄物運搬用真空輸送システム」によるごみ収集システムが導入された。このパッカー車を必要としない夢のゴミ収集システムがいま全国で廃止されようとしている。本論文は、富裕層が住むことで全国的に有名な兵庫県芦屋市の「廃棄物運搬用真空輸送システム」によるごみ収集システムを例にして、なぜこのシステムが廃止されようとし、その代替措置としてどのような対策が取られようとしているのかを明らかにし、日本のごみ問題を闡明する。
著者
安倍 正人 城戸 健一
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.64(1991-ARC-089), pp.75-80, 1991-07-19

現状のVLIW型の計算機の問題として、入力データのポート数が1つしか無いことがあげられる。すなわち、たとえ演算器が複数あってもほとんどの計算において実際に動作する演算器は1つだけということになり、パフォーマンスが良くない。そこで、我々は複数のデータキャッシュをサポートするVLIW型計算機KIDOCHを開発中である。具体的には2つのデータキャッシュをサポートし、さらに5ポートレジスタファイルを用いてキャッシュ間のコヒーレンスも保つようにしている。また、この5ポートレジスタファイルはMMUのTLBおよび汎用のレジスタファイルとしても効果的に用いられている。さらに、これらの機能を有効に使うためのCコンパイラについても特にループ展開について詳しく述べている。
著者
田頭 勝之
出版者
国際医療福祉大学
巻号頁・発行日
2016-03-09

平成27年度
著者
今高 城治 城山 泰彦 矢澤 卓也 George Imataka Yasuhiko Kiyama Takuya Yazawa
出版者
獨協医学会
雑誌
Dokkyo Journal of Medical Sciences (ISSN:03855023)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.85-88, 2022-12-25

世界の中で日本の大学の国際競争力が問われている.その大きな要因として,研究者の情報発信力の低下が指摘されている.医科学生物学分野における国際的研究論文が収載される米国National Center for Biotechnology Informationが運営するPubMedは,世界中の医学者が利用する権威のある非営利の検索エンジンである.日本国内の医学部における学内刊行誌においても,5つの英文ジャーナルがPubMedと共にJournal Citation Reportsに掲載されジャーナル・インパクトファクターが付与されている.本稿では,日本国内の医学部で刊行されている学内誌の現状と,PubMedへ収載するための申請として,MEDLINEの受理の状況について紹介し,国内医学部が刊行する学術誌を国際化することの戦略的意義について述べる.
著者
コズィラ アグネシカ
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.93-149, 2006-10-31

この論文の目的は、西田幾多郎の哲学における「絶対無」とハイデッガーの哲学における「本来的無」とが、同じ「パラドックス論理のニヒリズム」という思潮に分類できることを証明することである。「パラドックス論理の無」は、無矛盾原則に従う「形式論理の無」と違って、「有に対立する無」ではなく、「有即無」というパラドックスを意味している。西田の「無」とハイデッガーの「無」とは、すべての対立を超えると同時にすべての対立を超えない、すなわち「否定即肯定」の「パラドックス論理の無」であることを本稿にて明らかにしたいと思う。
著者
鹿 錫俊 Xijun LU
雑誌
北東アジア研究 (ISSN:13463810)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.199-208, 2001-10-01