著者
廣川 洋一
出版者
岩波書店
雑誌
思想 (ISSN:03862755)
巻号頁・発行日
no.1034, pp.195-225, 2010-06
著者
廣川 洋一
出版者
岩波書店
雑誌
思想 (ISSN:03862755)
巻号頁・発行日
no.1032, pp.7-33, 2010-04
著者
KAWANISHI Toma
出版者
京都大学文学部科学哲学科学史研究室
雑誌
科学哲学科学史研究 = PHS Studies (ISSN:18839177)
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-24, 2020-04-07

Hidetsugu Yagi, renowned as one of the inventors of the Yagi-Uda Antenna, acted as a reformer of a Japanese engineering institution during the interwar period. He promoted engineering research and strove to transform a Japanese Imperial University Faculty of Engineering from a professional school to a research institution. This paper examines Yagi's philosophy, which underpinned his promotion of engineering research. First, it explains why he needed to examine the nature of engineering, focusing on two factors: (1) the unique history of Japanese engineering education and research; and (2) the transformation of industrial technology before the First World War (WWI). It then outlines how he conceptualized engineering. According to his characterization, engineering was an applied science that applied mathematics and physical science for the purpose of invention, enabling what was previously impossible. This conceptualization helped him transform the Faculty of Engineering at Imperial University to a place of scientific research, and call for the autonomy of the faculty of engineering in the Japanese research and development system.
著者
八鍬 友広
出版者
東北教育哲学教育史学会
雑誌
教育思想 (ISSN:03860663)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.199-219, 2018-03-31
著者
SCHIRREN Thomas
出版者
19世紀学学会
雑誌
19世紀学研究 (ISSN:18827578)
巻号頁・発行日
no.7, pp.61-81, 2013-03

フリードリヒ・シュレーゲルがその思想的活動の初期に発表した一連の古典文献学的著作の背景には、1797年の『ギリシア文学研究論』にも現れている通り、近代文学の再生というプロジェクトがあった。このプロジェクトを支えるのは、近代の芸術の改良か、さもなくば没落かという危機意識であった。シュレーゲルによれば、古代文学の見直し、つまりギリシア・ローマ文学の全面的なクリティークこそが近代文学の発展に向けて不可欠の前提となる。過去と未来へと同時に眼差しをけるこの構想が必然的に要請するのは、古代詩芸術のためのヴィンケルマン流の考古学と、近代的なクリティークとの結合である。こうした試みを丹念にたどることによって、シュレーゲル独自の「文献学の哲学」の真相が見えてくる。それ、でに「フラグメント」と化した古代文学・哲学の諸作品を既定の区分に従って類別するのではなく、また古典的対人工的というクリシェーに留まることなく、作品自体の自律的・内的な構造に基づいて特性描写する新たな分類学の理論であり、さに、文学の歴史を単なる年代記として構成するのではなく、一にして全なる「ポエジーの宇宙」として体系づける、そのような歴史哲学と緊密に結びついている。本稿は、こうした古代文学のクリティークという観点のもと、上記主要著作に先立つ種々の覚書や断章群 -批判校訂全集未収録のものも含めて- の分析を通じ、ロマン主義文学の本質をなす「普遍文学(宇宙のポエジー)」のプロジェクトへと至るシュレーゲルの文献学的営みの意義を明らかにする。
著者
武田 利勝
出版者
19世紀学学会
雑誌
19世紀学研究 (ISSN:18827578)
巻号頁・発行日
no.7, pp.51-60, 2013-03

1802年から1808年までの一時期は、フリードリヒ・シュレーゲルの人生における旅の時代と言ってよい。この間、彼はドイツ中東部を離れパリへと向かい、更に当地で知己を得たボアスレー兄弟らとともにライン地方を巡っている。そしてこれらの旅の足跡は、「フランスへの旅」(1803)および「旅書簡」(1806年)として結実した。 最初の旅記述を全体として規定するのは、革命期の混乱にあるヨーロッパへの慨嘆であり、そこへ至るヨーロッパの歴史への批判的眼差しである。シュレーゲルは古代以来のヨーロッパの歴史を「加速の一途を辿る分裂の傾向」と特徴づけ、自身の生きる1800年前後の時代においてその傾向は「極限」に達した、と診断する。限界にあるという意識は同時に、失われた「中心」への意識とともにある。「中心」の探求は彼にとって、一連の旅行記に先立つ『イデーエン』断章以来のテーマであった。そこでは様々な位相における、そしてなお見出されえない「中心」が予感的に指示されるが、それらは次第に「我らのうちなる」「有機体」という理念的な形姿を帯びてゆく。「来たるべき時代」は「有機的な時代」でなくてはならないという命題が、いわば彼の歴史哲学の核心にして全体となるのだ。しかもそれは想像力と機知のみに開かれるという意味において、たえず有機体の「仮象」なのであって、この仮象性ゆえに、あらゆる「いま・ここ」のうちに限界から中心への変容可能性が萌芽として見出されうる。本稿は、シュレーゲルの二つの旅記述をこのような有機体の仮象の探求と見なすが、その際、旅の途上にある彼の眼差しを規定するものとして、彼独自の「解剖学」概念に注目する。彼において解剖学は純粋に医学的なものではなく、いたるところに隠された「断片」に光をあてる、いわば考古学的な関心に基づいている。かかる解剖学的な手つきによって探り出された「断片」が、とりわけ二つ目の旅記述においては、ライン地方に残るいくつかのゴシック建築、あるいはそれらの廃墟である。そしてシュレーゲルにとって「いかなる体系も断片から生長する」のであってみれば、例えば当時周知とされたあの建築様式と植物とのアナロジーもまた、彼の関心においては建造物そのものがなお有機的な生長の内にあることの証と見なされる。こうしてシュレーゲルにおける中世への憧憬もまた、単なる感傷的な復古趣味の枠組みを超え出る。あらゆる現在が過去と未来の「中間のMittel時代」として漂っているという意識は、「極限」にあるというもう一方の時代意識に対して、すべてがなお有機的な生長うちにあるという仮象を提示しうるのである。
著者
阪田 祥章
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
no.269, pp.85-131, 2014-02-28

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 第269集 『古代地中海世界における文化受容の諸断面』保坂 高殿 編アテナイの位置するギリシア本土とエーゲ海(アイガイオンの海)を挟んで相対する小アジア西岸地域にエペソスというギリシアの一植民都市がある.紀元前 500 年頃がアクメー(盛年)と伝えられるヘラクレイトスはそのエペソスの人である.本稿は,ヘラクレイトスの最初期の引用者であるプラトンに焦点を当て,プラトンの諸対話篇におけるヘラクレイトスの位置付け,およびプラトンとヘラクレイトス思想との接点の所在について考察しようとするものである.プラトンに焦点を当てる理由は,彼が時代的に最もヘラクレイトスの近接する言及者であるゆえばかりではなく,従来,余り重要視されなかったプラトンの証言を,原典に基づいて再吟味しようという意図も本稿が持つからである.ソクラテス以前の哲学に関する権威的な一解説書であるKRSは,ヘラクレイトスやパルメニデス,エムペドクレスに対するプラトンの言及はしばしば,「傍論(obiter dicta)」に過ぎず,「ありの儘の客観的な歴史的判断(sober and objective historical judgements)というよりも,一方的ないし誇張されたものである」と述べ,プラトンよりもアリストテレスの証言を重要視している.しかし,たとえプラトンの「注釈」が誇張されたものであったとしても,それ故にそれを「傍論(obiter dicta)」としてしか扱わないとすれば,そこに含意される重要な示 唆を見落とす恐れがある.我々はむしろ,その誇張されている部分にいかなる要素が,いかなる背景のもとに含まれているのかを考察するべきではないだろうか.しかしながら,プラトンの諸証言を再吟味することは,アリストテレスの証言を軽視あるいは無視することを…
著者
森 哲彦
出版者
名古屋市立大学大学院人間文化研究科
雑誌
名古屋市立大学大学院人間文化研究科人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
no.18, pp.167-192, 2012-12

ヨーロッパ哲学は、古代ギリシアに始まる。古代ギリシア哲学の3つの時期区分のうち、ホワトヘッドは「プラトン的」立場から、プラトンを含む第二期に注目し、第一期のソクラテス以前哲学者達を顧慮しない。これに対し、第一期ソクラテス以前哲学者達を高く評価する哲学者達が、数名挙げられる。本論では、西洋哲学の起源は、その哲学者達が指摘するように、第一期ソクラテス以前哲学者達に有ると考え、それらの第一期哲学者達の解明を、試みるものである。なお本論では、副題で示すように、ディールス-クランツ『断片』とカント批判哲学の論述を用いるものとする。本論文の構成について、哲学の兆候を示す哲学以前、前期自然哲学で自然の原理を問うミレトス学派、また別個にピュタゴラス学派、ヘラクレイトスを取り上げる。更に存在と静止のエレア学派、後期自然哲学の多元論と原子論、そして認識論のソフィスト思潮の特質をそれぞれ論述する。この試論は、「哲学的自己省察」の一つである。
著者
大田 孝太郎
出版者
広島経済大学経済学会
雑誌
広島経済大学研究論集 (ISSN:03871444)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.9-30, 2010-12

序 Ⅰ.ソクラテスとパスカル Ⅱ.哲学的方法としての<ディアレクティケー> Ⅲ.ヘラクレイトスとパスカル Ⅳ.<気晴らし>と<想像力>─人間本性の隠蔽 Ⅴ.人間と社会の規制原理としての<想像力> Ⅵ.un roseau pensant Ⅶ.宗教のディアレクティク 結びにかえて
著者
山本 巍
出版者
東京大学教養学部哲学・科学史部会
雑誌
哲学・科学史論叢 (ISSN:13446185)
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-46, 2009-01-10

冊子出版時より1箇所を訂正 <訂正> 41頁 註2(九鬼彰夫訳) [誤]「九鬼」→ [正]「鬼界」
著者
大石 学
出版者
三田哲學會
雑誌
哲学 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.109, pp.1-22, 2003-03

1. 時代の課題としての哲学史的思索2. 生動性・対立性・火 : 存在は仮象である3. 力の伝達としての歴史 : ヨルクによる「歴史性」探究の光と影4. 結語 : 宗教なき時代の歴史性・宗教性の行方投稿論文
著者
加藤 裕
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1959, no.9, pp.1-5, 1959

周知の通りヘラクレイトスの根本思想は、「万物流転 (ηαντα ρετ) 」である.それは「万物がロゴスに従って (κατα τον λογον) 生起する」 (H. Diels: Fr. der Vorsokratiker. Fr. 1) ことである.それ故「万物流転」の思想を把握する最大の鍵は「ロゴス」にあると言うことができる.「万物」及び「流転」ということに根拠がないと言う訳ではもとよりないのであるが、言わば「万物流転」という根源体験に理性的照明を与えるものが、「ロゴス」であると言うことはできるのではあるまいか.小論は、その「ロゴス」に焦点を合せたヘラクレイトス研究の覚書である.