著者
山下 宏
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.167-174, 2022-11-04

将棋の棋譜から対局者名を深層学習で推測した。アマの棋譜とプロの棋譜、それぞれ別に検証した結果、アマは98.9 %、プロは57.2 %を特定できた。棋譜は1 局面だけを与えるのでなく、連続した64 局面以上を与えると精度が上がる。また対局日の情報は重要である。40 年など長期間にわたるプロの棋譜では流行の戦法を多くの棋士が指すため特定が難しい。アマのネット将棋の棋譜は短期間、短時間で指されるため好みの陣形を何度も選択しやすく個人の特定が容易である。
著者
鳥山石燕豐房 画
出版者
長野屋勘吉
巻号頁・発行日
1805

鳥山石燕画、妖怪絵本。半紙本3冊。天明4年(1784)春原刊、文化2年(1805)求板、伊勢洞津・長野屋勘吉。絵師署名「七十三翁 鳥山石燕豊房画」。薄墨入り。『画図 百鬼夜行』『続百鬼』『百鬼夜行拾遺』に続く妖怪画集で、同シリーズの人気のほどが偲ばれる。題名「百器徒然袋」の「器」は器物の意で、日常的な生活に関わる器物の妖怪化を多く試みた『百鬼夜行絵巻』に基づきながら、それに『徒然草』のテキストを絡めたものが多い。妖怪のどことなく剽軽な表情は、『画図 百鬼夜行』以来のもので、妖怪図と詞書きによる画面構成は『続百鬼』以来。中身はすべて夢中に感得されたものとし、古来の器物、事象、語句などについて、それと相似たものを取り合わせ、その妖怪化を図るといったものが多い。(鈴木淳)
著者
小泉 昂也 折原 良平 清 雄一 田原 康之 大須賀 昭彦 Takaya KOIZUMI Ryohei ORIHARA Yuichi SEI Yasuyuki TAHARA Akihiko OHSUGA
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18810225)
巻号頁・発行日
vol.J101-D, no.9, pp.1363-1371, 2018-09-01

人や企業は様々な条件下で最適な行動を取るのだろうか.取らないのであればそれはなぜか.その原因を求めることは,実際の個人・企業等の理解を大きく助ける.また,ゲーム理論はスポーツや経済学そしてその他の社会科学の理解に大きく関わってきた.本研究は比較的データが集めやすく混合戦略を適用できるサッカーのPK戦に注目し,独自の確率を考慮した利得表を作成した.その利得表を用いてPK戦におけるキッカーの最適戦略を求め,最適戦略と実際の戦略とのズレを明らかにした.そのズレの原因を求める為にデータセット内の各データ項目についての確率分布を比較するというアプローチをした.データはインターネット動画サイトより収集した,プロ選手による2001年〜2017年の間の世界各国のPK戦150試合(計1539人分)を使用した.実験結果として,最適戦略と実際の戦略との間にズレが存在することが分かった.またそのズレには国籍・スコア差の関与が示唆された.その結果から,サッカーPK戦における最適戦略と実際の戦略との間におけるズレの原因を推定した.本手法はスポーツ分野以外への応用も期待できる.
著者
井上 雄介 今井 幹浩 松原 由和 平出 亜
出版者
社団法人 物理探査学会
雑誌
物理探査 (ISSN:09127984)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.sp50-sp59, 2022 (Released:2022-12-09)
参考文献数
11

2019年4月より再エネ海域利用法が施行されたことにより,洋上風力発電施設に係る地盤調査市場は大幅に拡大している。洋上における地盤の支持層分布あるいは工学的基盤深度の把握に必要なS波速度の測定は,ボーリング孔を利用したサスペンションPS検層が一般的に行われてきた。しかしながら,洋上風力発電事業(着床式)は年間平均風速7 m/s以上,水深10~40 m程度の海域を対象としており,厳しい環境下でのボーリング作業は容易ではない。著者らはこのような厳しい環境下でもボーリング調査を必要とせず,短期間でS波速度構造を把握することができる海底微動アレイ探査システムを開発した。本稿では,当手法の開発について概説した後,適用事例及び海底微動の特徴について示した。これらの結果より,得られたS波速度構造はPS検層および音波探査と整合的な結果が得られたことから海底微動アレイ探査の有用性が示された。
著者
小田 きく子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成16年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.16, 2004 (Released:2004-09-09)

[目的] 日本では米飯を握ったものを通称「おにぎり」と呼び、最近ではコンビニエン スストアーで大人気で、種類も多種類販売されている。そこで、全国各地ではこの米 飯を握ったものを何と呼び、中身に何を入れて、どんな形に握るか等を調査し、新し い「おにぎり」の開発を目的とした。[方法] 農山漁村文化協会発行の「日本の食生活全集」全47巻を資料として、この中に出てくる「おにぎり」に関する項目を_丸1_呼び方 _丸2_形 _丸3_米の種類 _丸4_中身(具)_丸5_外側_丸6_調理法 _丸7_利用法の7項目に分類し、その傾向を調べた。[結果] 資料の集計結果339個の「おにぎり」に関する事項があった。全国的にみると、_丸1_呼び方ではおにぎり・おむすび・握り飯の順に多く、_丸2_形では三角・丸・球の順に多く、_丸3_米の種類ではうるち米が最も多く、次いで麦飯・炊き込み飯の順であった。_丸4_中身では具なしが最も多く、次いで梅干・漬物の順で、_丸5_外側には何もつけないが最も多く、次いで味噌・黄な粉の順で、定番の「のり」はわずか18個で5%にすぎなかった。_丸6_調理法ではただ握るだけが最も多く、次いで握って焼くであった。_丸7_利用法では「農作業時の昼食」が最も多く、次いで「山仕事の昼食」・「おやつ」・「運動会」時であった。地域別に比較すると、その地域独特のものがあり、また全国各地にかならず「おにぎり」があることがわかった。そして共通していえることは、「保存できるもの」であり、その土地の「知恵と文化」を食べるといえる。

3 0 0 0 OA 救民妙薬

著者
穂積甫庵
出版者
茨城多左衛門
巻号頁・発行日
1693
著者
趙 瀚雲
出版者
北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院
雑誌
国際広報メディア・観光学ジャーナル
巻号頁・発行日
vol.29, pp.73-87, 2019-10-24

This paper aims to elucidate the interaction between technology and the body in McLuhan's media theory through Anderson's nationalism theory. Anderson hinted at the idea of the transformation of nationalism, but he did not complete the task of elucidating the mechanism of how nationalism changes one reason behind this is that it only addresses the background of the modern era. On the other hand, McLuhan's concept of technology has the potential to go beyond the limit of this era as a diachronic concept. Therefore, elucidating the parallel relationship between the technology-body interaction under the media theory and the modernity-fatality interaction under the theory of nationalism allows us to open up the new possibility for discussing nationalism theory from the perspective of media theory.
著者
廣幡 健二 相澤 純也 古谷 英孝 見供 翔 大見 武弘 大路 駿介 柳下 和慶 Kate E. Webster
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.433-439, 2017 (Released:2017-12-20)
参考文献数
25

【目的】日本語版ACL-Return to Sport after Injury(以下,ACL-RSI)scale を作成し,表面的妥当性と内的整合性を検討すること。【方法】国際的なガイドラインに準拠して,日本語版ACL-RSI scale の翻訳を行った。翻訳した日本語版ACL-RSI scale を使用して,術後4 ヵ月以上経過したACL 再建術後患者40名を対象に予備テストを実施した。得られたデータを記述的に要約し,天井および床効果の有無とクロンバックのα 係数を確認した。【結果】日本語版ACL-RSI scale の平均回答時間は1分49秒で,無回答率は0.01%未満であった。平均点数は59.3 点で,天井・床効果は認められなかった。クロンバックのα 係数は0.94 であった。【結論】日本語版ACL-RSI scale は表面的妥当性および内的整合性ともに良好であり,実用性の高い質問紙票であると考えられる。
著者
松沢 哲郎
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
巻号頁・発行日
pp.18, 2013 (Released:2014-02-14)
参考文献数
2

チンパンジーの研究を日本とアフリカでおこなってきた.日本の研究室での認知研究から,チンパンジーには人間よりも優れた瞬間記憶能力のあることがわかった.しかし人間のように言語的シンボルを習得することは容易ではない.彼らの知性が実際にどう使われているかをアフリカの野外研究でみると,道具使用など文化的伝統がみつかった.「教えない教育・見ならう学習」を通じて,親から子の世代へと文化が受け継がれる.しかし詳細にみると,人間ほどには模倣ができない.積極的に教えることも無い.こうした事実をつなぎあわせると,人間に固有な「想像するちから」の存在が見えてきた.チンパンジーは基本的には「今」「ここ」「わたしひとり」という世界に生きている.しかし人間は,眼の前にないものに思いをはせ,遠く離れた者に心を寄せる.自分が生まれる前のできごとを記憶にとどめ,自分が死んだ後の未来にまで思いをめぐらせる.この世界にわたしひとりで生きているわけではない.親やなかまと助け合う暮らしが欠かせない.食べ物を分かちあう.経験や体験や感動を分かちあう.その蓄積としての知識や技術や価値を分かちあう.人間が固有に発達させた言語という認知機能の本質は,「個人の経験を, ①持ち運べる, ②他者と分かちあえる」ということにある.自分が見たもの聞いたことをもって帰って仲間と分かちあう.言語を通じて経験を共有する.他者と協力する,他者に手を差し伸べる,お互いに助け合う,そうした人間に固有な社会性が進化の過程で育まれてきた.その基盤にあるのは子育ての違いだろう.親が子どもを育てる.一般的には当然のことのように受け止められている.しかし身体や心が進化の産物であるのと同様に,人間の親子関係や社会性も進化の産物である.そう考えて動物の親子関係を広く見渡すと,親は子どもを産みっぱなしで育てない,というのが動物の基本だ.魚類や両生類では卵を産むが多くのばあいその世話はしない.一方で,鳥類は卵を温めて雛をかえし雛鳥に餌を与える.哺乳類では母乳という体液を与えるのが一般的だ.親が子育てに時間や労力をかけるようになった.生命の進化が約 38億年だとすると,親が子どもを育てるようになったのは,哺乳類や鳥類の共通祖先が確実に現れた約 3億年くらい前だと考えるのが妥当だろう.霊長類は四肢の末端で物をつかめる.かつて四手類と呼ばれていた.その四つの手で子どもは親にしがみつく.親は必ずしも子どもを抱かない.ニホンザルや類人猿をみるとそっと手をそえる.そうした濃淡はあるが母子のあいだの緊密な関係は一貫している.しかし子育ては母親だけのしごとではない.オランウータン,ゴリラ,チンパンジー(およびボノボ)と,ヒトに近縁な種を見比べてみると,母親以外の者すなわち父親やなかまが子育てに参加するようになってきたという傾向がある.野生チンパンジーの平均出産間隔は約 5年.女性は約 50歳で死ぬまで子どもを産み続ける.「おばあさん」という社会的な役割は原則として無い.一方,人間では,手のかかる子どもたちを短期間で産み,おとうさんズとおかんさんズという複数形で表現できる,おとなの男女が共同した子育てがみられる.人間に固有な社会性とその進化のシナリオについて紹介したい.

3 0 0 0 OA 埼玉県史

著者
埼玉県 編
出版者
埼玉県
巻号頁・発行日
vol.第2巻 奈良平安時代, 1931
著者
谷上 亜紀
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.89.17401, (Released:2018-05-25)
参考文献数
70

People may mistakenly regard a previously known idea as their own: this phenomenon is called “cryptomnesia.” This paper reviews cryptomnesia-related experimental studies that originated with the pioneering work of Brown and Murphy (1989). Previous research has specified the factors that increase or decrease the incidence of cryptomnesia. These studies found that the cognitive processes underlying the phenomenon of cryptomnesia are complicated and involve various factors such as the evaluation of memory trace strength, the nature of memory representation, the credibility of the originator, the experimenter's instructions, and feelings. These findings also provide some suggestions for exploring how to reduce the incidence of cryptomnesia and performing further research.

3 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1904年03月30日, 1904-03-30