著者
土肥 紳一
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.43, pp.271-276, 2017-08-10

プログラミング教育では,学生が情報端末を購入し,大学へ持ち込む BYOD (Bring Your Own Device) が普及している.教室内の気温は,人や情報端末によって上昇する.教室内の気温や湿度は空調によって容易に制御できるが,二酸化炭素濃度の上昇は気付きにくく,換気を行わないと下げられない.厚生労働省の二酸化炭素濃度の基準は 1000 ppmである.一般的に,二酸化炭素濃度が 1000 ppm を超えると眠気などを誘発すると言われている.眠気の誘発は,モチベーションの低下につながる.本論文では,教室内の空気の調査結果について述べる.
著者
佐藤 翔 吉田 光男
出版者
(株)化学同人
雑誌
化学 = Chemistry (ISSN:04511964)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.23-28, 2016-02

従来のピア・レビューや被引用数の問題点や限界が指摘されるなか、TwitterやFaceboookなどのソーシャルメディアで言及された指標をもとに評価する「オルトメトリクス」が登場し、注目されている。新たな指標から何がわかるのか、これまでの指標にとって代わるのか、その可能性を探ってみよう。
著者
中村 博一
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.33-42, 2018-03-30

For many Japanese, it seems to be difficult to assume that growing success of Nollywood would be in relation with some “SFX” techniques for mysterious teleport and magical transforming, which resonate so much with the audiences in local contexts. This article examines recent 31 Yoruba Nollywood movies which were selected randomly from the online guide of the AM Yoruba. 22 contents out of the 31 include mysterious or magical scenes and 6 are peculiarly involved with “money rituals”. 9 are without any magical setting and more than half of them focus on domestic problems which are familiar with Japanese audiences. But many contents with magical scenes, too, raise issues for family relationships. The article explores common features and differences between the two kinds of contents and suggests that those movies which contain mysterious settings would dramatize ordinary issues with very localized idioms although they reflect harsh situation or crisis of everyday life.
著者
松井 理直
出版者
神戸松蔭女子学院大学学術研究委員会
雑誌
Theoretical and applied linguistics at Kobe Shoin : トークス (ISSN:13434535)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.105-150, 2018-03-05

日本語に音節構造が存在するかという問題については、これまでに多くの議論がなされてきた。Labrune (2012) は日本語に音節が存在することを否定しているが、窪園・本間(2002) や川原(2014) は、日本語に音節が存在する多くの証拠を提出している。この問題に答えるため、本研究は撥音・促音・長音を含む付属モーラの構造と素性に注目した。結論として、付属モーラは“C/V”スロットを持っておらず、付属モーラの異音を引き起こす要因はコーダ位置という性質であることを述べる。このことは、日本語がモーラの上位構造として音節を持つことを示す。さらに、促音は空のスロットではなく、撥音と同様に基底形の段階で音韻情報を持っていることを提案する。
著者
東谷 櫻子
出版者
昭和女子大学
雑誌
日本文学紀要 (ISSN:09171037)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.17-31, 2017
著者
落合 博志 神作 研一 恋田 知子
出版者
国文学研究資料館
雑誌
「書物で見る 日本古典文学史」解説 = Various Early Japanese Books ――Introduction to Bibliography――
巻号頁・発行日
pp.1-10, 2016-06-20

本展示では、上代から明治初期までの文学を、書物(古典籍)によってたどります。最近の研究動向にも配慮はしましたが、むしろ教科書でなじみの深い作品を 中心に据えて、文学史の流れを示しました。写本の表情や版本の風合いに触れながら、豊かな日本古典文学史の諸相をお楽しみください。This exhibition traces history of Japanese literature with books from ancient time to the beginning of Meiji period.We try to show the flow of Japanese literature history with familiar works as well as considering the recent study result. Please enjoy the various aspects of Japanese literature history as watching expression of manuscripts or texture of printed materials.
著者
伊藤 悠真 寺田 努 塚本 昌彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.2165-2176, 2015-11-15

暗記学習の一般的な手法の1つとして替え歌を用いる手法がある.これまでにさまざまな暗記学習システムが開発されているが,暗記用替え歌の一般的な生成手法や自動で生成するシステムは筆者らの知る限り確立されていない.よって本研究では暗記学習のための替え歌自動生成システムの構築を目的とする.提案システムは,替え歌の元となる楽曲を保持しており,学習者が入力した暗記したい項目が,いくつかの曲の歌詞に割り当てられて替え歌として出力される.本研究では暗記したい項目を歌詞に割り当てる割当てアルゴリズムを提案する.これにより,提案システムは暗記に適した替え歌を生成できる.評価実験の結果,提案システムにより生成された替え歌は丸暗記に比べて効果があることが示唆された.
著者
藤本 大士
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = National Institure of Japanese Literature (ISSN:18802249)
巻号頁・発行日
no.11, pp.99-120, 2015-03-13

本論文は、現在の日本における医療アーカイブズの現状と課題を概観し、今後の展望を示すことを目的とする。医療アーカイブズの構築にあたっては、医師をはじめとして医療記録に関わるさまざまなアクターの協力が不可欠である。そのため、その意義を広く知ってもらう必要があるが、その際に重要なのは訴えかける相手によって最適な説得方法を共有することであろう。本論文ではまず、患者や医師、政策立案者、そして歴史家という相手を想定し、それぞれに最適な訴え方とはどのようなものかを検討する。次に、医療アーカイブズの現状について、医療記録の分類に即しながら、それぞれのタイプの医療記録がどれほどアーカイビングされているかを確認する。このとき、日本の医療アーカイブズが直面する課題として、病院アーカイブズおよびオーラル・ヒストリー収集が十分に整備されていないことを指摘し、こういった課題を乗り越えるにあたって、イギリスおよびアメリカでの取り組みを紹介する。最後に、今後、日本における医療アーカイブズの展望として、何かしらのセンター的機関の設立を待つだけでなく、医学史研究者がアーキビストや隣接領域の研究者と協力していく必要があると提言する。This paper surveys the current archival situation of medical records in Japan. I first argue that, in order to construct medical archives, we need to gain support from diverse kinds of people who either affect or are affected by archives of medical records such as patients, physicians, policymakers, and historians. I suggest some rhetoric we could use to convince these parties that they should be invested in creating usable archives. Second, I examine what degree the medical records have been preserved, collected and arranged in Japan in terms of the various types of records. Then I point out that there has been less archival attention to hospital records and oral history on medicine so far, and introduce some cases in Britain and the United States where people have been working on these types of medical records.These cases could serve as potential models for Japan. Finally, I conclude that we need to encourage people not only to establish a center of medical history in Japan but also to reinforce the communication between archivists, historians of medicine and science, medical practitioners and citizens.