著者
最上(重本) 由香里 佐藤 薫
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.140, no.5, pp.216-220, 2012 (Released:2012-11-09)
参考文献数
55
被引用文献数
2

正常な脳内で静止型として存在するミクログリアは,病態時に活性型となり細胞特性を激変させ,病変部に集積,増殖し,損傷した神経細胞を貪食して排除する一方,生理活性物質を産生放出して神経細胞の修復を行っている.これまでミクログリア研究は,この病態時の活性型ミクログリアが主な研究対象として進められてきた.しかし,近年の研究により,脳内マクロファージと見なされてきたミクログリアがモノサイトやマクロファージとは起源の異なる細胞であり,中枢神経系独自の性質を有する細胞である可能性が高まってきた.そして,正常脳の静止型ミクログリアが活性型の準備段階ではなく,脳内環境の監視,神経回路網再構成,神経活動の制御など,中枢神経系の生理機能維持に積極的に関与していることが明らかになってきた.我々は特に,神経発達におけるミクログリアの重要性に関する新知見を得ている.このように,ミクログリアの多彩な生理的機能が日々明らかとなっている.
著者
北波 英幸
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.115-132, 2021

<p>This paper focuses on the transition of name and concept in Japanese Animated films, <i>Senga</i> ("line drawing"). This name was used for about half a century from late Meiji era (around 1910) to the World War II. At first, it was generally a neutral word to express animated films, and it became the genre for enlightenment and diverged with <i>Manga</i> ("cartoons") to express an entertainment at the later time. But <i>Senga</i> is not memorized widely today. How and when was <i>Senga</i> born, and why did it disappear?</p><p>Japanese Anime did not develop easily, but get repeatedly into danger of disappearing, because they are suffered from a lack of human and economic resources, in addition, have also been overwhelmed in quality and quantity by Disney and other films from the United States, the producers asked themselves the significance again each time. On the other hand, How the animated films have it been hoped as the media to give the audience what kind of action and effect?</p><p>Therefore, this paper does not depend only on the content analysis. I examine the national newspaper and refer to a magazine, the book historical materials in the period mentioned the above. There are thought to related at the times when a concept of<i> Senga</i> changes. I argue in three questions, First, "when was <i>Senga</i> born?", Second, "How has<i> Senga </i>be consumed?", Third is "how did<i> Senga </i>disappear?". The transition of the concept of<i> Senga</i> is engraved the aspects of dynamism which represents the changes in consciousness and behavior of the creators, the governments, and the audience of those days.</p>
著者
宗藤 大貴 長尾 智晴
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.1-6, 2019-11-01

人工知能の発展により,様々な論理パズル問題を人間の事前知識なしで解く能力は年々向上している.しかし,パズル問題の創作に関しては,解が一つでないことや生成された問題の評価が難しいことから解答に比べ困難なタスクである.本稿では,パズル問題の中でも,持ち駒があるなどの性質から創作が難しいと考えられる詰将棋を題材とする.エキスパートによる詰将棋創作では,短手数の詰将棋や長手数の余詰めのある詰む局面の情報を利用する.この考え方に基づき,進化計算法の 1 つである遺伝的アルゴリズムによって,局面の変換を最適化することで長手数の詰将棋を生成する手法を提案する.実験の結果,最長で 31 手詰めの詰将棋が生成できることが確認できた.
著者
石田 佳織 宮田 まり子 辻谷 真知子 宮本 雄太 秋田 喜代美
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.14-23, 2021-04-25 (Released:2021-04-25)
参考文献数
35
被引用文献数
1

保育・幼児教育施設による地域活用について質問紙調査を実施し、施設が属する市区町村の人口規模との関係から分析を行った。その結果、人口規模の大きい地域では動物園などの博物館施設を多くのが利用し、人口規模の小さい地域では田畑やあぜ道を多くの施設が利用するなど、その所在地域にある環境を活かして保育を行っていた。また人口規模に関わらず、利用場所は従来注目されてきた「公園」だけでなく、「田畑やあぜ道」「小学校」「神社や寺・教会」「森林や山」もよく利用していた。これらの場所はそれぞれ物理的環境の特性を持ち、施設もそうした特性を活かしたねらいや目標を持っていた。地域活用の課題としては、人口規模に関わらず交通量の多さや利用できる場所の少なさが問題となっていた。一方で人口の多い地域では人に関する課題、人口規模の小さい地域では目的地までの距離など場所や環境に関する課題が挙げられた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.882, pp.24-28, 1997-03-17

最新の技術によってゲームで表現できる世界が広がっている。これを生かして今までにないゲームが50万本,100万本の大ヒット。新しい表現力を持つゲームに憧れる若者たちがゲームに集まる。もはやゲームではない双方向の映画だスクウェア坂口博信副社長「ファイナルファンタジー〓」というゲームをご存知だろうか。

3 0 0 0 OA 日本芸術史

著者
和辻哲郎 著
出版者
和辻哲郎
巻号頁・発行日
vol.[2],
著者
青木 大 三品 美夏 川野 紗穂 渡邊 俊文
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.74, no.7, pp.433-438, 2021-07-20 (Released:2021-08-20)
参考文献数
11

犬の移行上皮癌に対して膀胱全摘出術を実施した64症例について,品種,性別,病理検査結果,治療方法,並びに予後調査を行った.本調査では発症年齢は10.7±2.2歳,雌雄差は雌40症例(62.5%),雄24症例(37.5%)と従来の報告に類似したものであった.品種は雑種,シェットランド・シープドック,ビーグルが好発品種であることが示唆された.予後については膀胱全摘出術64症例の生存期間は5~3,089日,生存期間中央値は205日であった.生存期間についての調査比較では,膀胱壁への浸潤度による差において,粘膜固有層,筋層,並びに漿膜までの浸潤の3群間において有意差を認めた.今回の回顧的調査から,犬の移行上皮癌に対しての膀胱全摘出術は半年以上の生存が期待でき,治療において有用な治療方法の一つになることが示唆された.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1564, pp.38-41, 2010-11-01

「恐らくこの後、国会がバタバタしている時に専門スタッフ職の案を出してくるのだろう」 10月中旬、参議院予算委員会で、民主党の公務員制度改革への取り組みに現役官僚としては異例の苦言を呈した経済産業省官房付の古賀茂明氏。昨年12月まで国家公務員制度改革推進本部に出向し、改革に取り組んできた古賀氏は改めて民主党の制度改革のあり方に疑問を投げかける。
著者
飯利 知恵子 岡田 智
出版者
北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター
雑誌
子ども発達臨床研究 (ISSN:18821707)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.31-34, 2014-03-25

2011年に国際的に最も頻繁に活用されている心理検査であるWISCの第4版(以下WISC-IV)が出版された。本稿では、自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorders:以下ASD)のWISC-IVプロフィールをADHDの重複の有無に焦点を当てて検討した。結果、本研究では従来報告されていたものとは異なるプロフィールが得られた。データ収集の際のASD判断基準の曖昧さなどいくつか課題も見られ、今後追って検討していくことが必要であった。また、ASDをはじめとする発達障害のある子どもを理解するためには、検査における各臨床群に特徴的な認知プロフィールとともに、日常場面や検査場面での行動観察や聞き取り等、質的なアセスメントも含めて幅広い観点から捉えること、WISC-IVの解釈システムの構築が必要であることが議論された。
出版者
天文同好會
雑誌
天界 = The heavens
巻号頁・発行日
vol.11, no.123, pp.346-346, 1931-06-25