著者
久保 隆司
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.1-24, 2019

<p>本論は、近世初期の神道家・朱子学者の山崎闇斎が探究した「闇斎神学」を、闇斎が「神書」として重視した『日本書紀』(特に神代巻)の構造と解釈の観点から捉える試みである。井筒俊彦の「神秘哲学」概念を主な補助線として導入し、闇斎の構築した「天人唯一」の神学は普遍性を持つ神秘哲学の日本的展開であることを明らかにしたい。闇斎は普遍的真理の探究過程において、朱子学的「合理主義」の限界と葛藤し、超克することでその神学を形成したと考えられるが、具体的には、中世以来の神聖な行為としての『日本書紀』の体認的読解を、神秘哲学の構造上に取り込むことで、実践と哲学との統合を図ったとの解釈が可能となる。この観点から、闇斎神学の本質は、合理性を獲得した上で、神道的な学び・実践を通じて、その限界を超える意識の高みを目指すところにあることがわかってくる。本論では、闇斎神学とは、垂直段階的に構築された「神儒兼学」の統合体系であり、近世・近代における日本では稀有な神秘哲学体系であることの一端を考察する。</p>
著者
Hironori KIYA Katsuki OHTO Hirotaka ONO
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences (ISSN:09168508)
巻号頁・発行日
pp.2020DMP0026, (Released:2021-02-10)

DAIHINMIN, which means Grand Pauper, is a popular playing-card game in Japan. TANHINMIN is a simplified variant of DAIHINMIN, which was proposed by Nishino in 2007 in order to investigate the mathematical properties of DAIHINMIN. In this paper, we consider a 2-player generalized TANHINMIN, where the deck size is arbitrary n. We present a linear-time algorithm that determines which player has a winning strategy after all cards are distributed to the players.
著者
Kono Hiromichi
出版者
松村 松年
雑誌
Insecta matsumurana (ISSN:00201804)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.159-160, 1931-07

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著者
耕漁 [画]
出版者
松木平吉
巻号頁・発行日
vol.後編 上, 1899
著者
孫・片田 晶
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.285-301, 2016

<p>戦後の公立学校では, 法的に「外国人」とされた在日朝鮮人の二世・三世に対し, どのような「問題」が見出されてきたのだろうか. 在日朝鮮人教育の運動・言説は, 1970年代以降全国的な発展を見せるが, そこでは「民族」としての人間形成を剝奪されているとされた児童生徒の意識やありようの「問題」 (教師が想定するところの民族性や民族的自覚の欠如) に専ら関心が注がれてきた. こうした教育言説をその起源へ遡ると, 1960年代までの日教組全国教研集会 (教研) での議論がその原型となっている.</p><p>1950年代後半から60年代の教研では, 在日朝鮮人教育への視角に大きな変容が生じた. その背景には帰国運動など一連の日朝友好運動と日本民族・国民教育運動の政治が存在していた. この時期の教育論には, 親や子どもの声に耳を傾け, 学校・地域での疎外, 進路差別, 貧困などの逆境に配慮し, その社会環境を問題化する教育保障の立場と, 学校外の政治運動が要請する課題と連動した, 民族・国民としての主体形成の欠落を問題化する立場が存在していた. 当初両者は並存関係にあったが, 上記の政治の影響下で60年代初頭には後者が圧倒的に優勢となった. その結果, 「日本人教師」が最も重視すべきは「同化」の問題とされ, 「日本人」とは本質的に異質な民族・国民としての意識・内実の "回復" を中核的な課題とする在日朝鮮人教育言説が成立した.</p>
著者
岡野 多門 安東 重樹 池田 圭吾
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.285-292, 2011 (Released:2011-11-30)
参考文献数
13
被引用文献数
3

鳥取県の複数の海岸で,飲料用ペットボトルの毎月の漂着数と,中国と台湾由来ボトルの製造年月日を調査した。その分析結果から,東アジアモンスーンがボトル投棄から漂着までの過程に大きな影響を与えていることがわかった。5月から6月頃に中国南部と台湾から海に流出したボトルは7月に漂流経路を日本海方向に変え,8月から9月頃に漂着する。長江流域とそれ以北に由来するボトルは7月から8月頃に河川を経由して流出し,10月から11月頃に漂着する。東南アジア由来ボトルは8月から11月にかけて漂着する。夏に流出した朝鮮半島由来ボトルは日本海の沖合を漂流し,北寄りの風の強まるころから南下を始め,おもに11月から1月に漂着する。東シナ海から日本海への流入可能期間は約3~4ヶ月間で,それ以外の期間は太平洋に流出していると推定される。ただ漂着数は日本由来ボトルが圧倒的に多く,この結果は多量のペットボトルが日本の太平洋側を含む東アジアから太平洋に流出していることを示唆する。
著者
長 聖 佐藤 尚
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Supplement1, pp.99-102, 2008 (Released:2010-08-25)
参考文献数
3

現在のセルアニメーションの多くは制作にコンピュータを利用し自動的に補間, 生成する手法も取り入られてきている.そこで問題なのが, アナログ的なセルアニメとこれらの生成物の合成には違和感があることである.それはコンピュータによる自動生成された中割と人の手によって作られた中割との差が違和感の原因ではないかと考えた.そこで我々は既存のCGアニメーションにも適用できるようセルアニメの特徴を考慮しつつ不必要なフレームを削除することによりその差異をなくす手法を開発した.
著者
安里 和晃
出版者
日本保健医療社会学会
雑誌
保健医療社会学論集 (ISSN:13430203)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.53-64, 2011

候補者は経済動機というよりも、スキルの習得や経験といった社会的動機により来日している側面がみられる。受け入れ機関も人材不足の解消やコストの削減のためというよりも、将来へのテストケースとして受け入れを位置付けており、受け入れ効果としてコミュニケーションや利用者からの評判、チームワークなどについては肯定的な評価が与えられている。こうしてみると候補者と受け入れ側に齟齬はなさそうである。しかし、国家試験や就労に必要な日本語の習得が重要な課題となっているにもかかわらず、教材や標準化されたカリキュラムが不十分であった。課題に対して基盤整備が不十分という矛盾は、現在は大きく改善されつつある。とはいえ、日本語習得の負担が大きく、日本語の習得にどう対処するかは大きな問題であると言える。
著者
斎藤 浩
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.26, no.12, pp.754-764, 1977-12-20 (Released:2009-10-20)
参考文献数
54
被引用文献数
1 1 2
著者
金澤 裕之
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.47-53, 2007

近年、主に話しことばで、例えば「多くの方が来ていただき…」というような、「○○(=相手)が△△していただく」という表現をよく耳にする。授受を表わす部分が「てくださる」ではないこの表現は、現在一般に「誤用」と考えられているが、使用場面の急速な広がりの背景には、これまでの言語ルールを超えた何らかの理由があるように感じられる。本稿では、話しことばの実際の用例において、「てくださる」と「ていただく」の両者が入り得る場面でも「ていただく」の方が遥かに高い割合で選択されていることを確認しつつ、そうした現象の背景にあるものとして、現代人の敬語意識における一つの心理的な傾向について考察し、併せて、複雑な体系を持つ日本語の授受表現における単純化の方向への一つの兆しが、こうした現象に現われているかもしれない可能性について言及する。
著者
松村 正三
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.85-88, 1996-05-24 (Released:2010-03-11)
参考文献数
15
被引用文献数
1
出版者
奈良県
巻号頁・発行日
2020