著者
田澤 実 淡河 由満子
出版者
法政大学キャリアデザイン学会
雑誌
生涯学習とキャリアデザイン (ISSN:13493051)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.87-102, 2018-11

Changes in career consciousness of university students resulting from a “Career Support Training” course, which is an experience-type subject, were examined. University students (N=155) that took the course responded to the Career Action-Vision Test (CAVT, Shimomura et al., 2013) in the early, middle, and latter period. The results indicated that both CAVT action and vision scores increased significantly from the early to the middle, and from the middle to the latter period. Moreover, examples of practice using a CAVT plot sheet were introduced based on the case of a student with increased CAVT scores and the case of a students with decreased CAVT scores.
著者
北岡 祐
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (学術) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第6192号)
著者
後藤 敏行
出版者
情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.68-74, 2010-02

コンピュータゲームは一大産業化し,現代文化の要素になっているため,保存して後世に残す必要があると考えられる。保存に対する課題には,メディアの短命さや技術の陳腐化がある。対策にはマイグレーション,エミュレーション等があり,特にエミュレーションに期待が集まる。だが,完成された技術ではまだなく,著作権や特許権を侵害する可能性もある。複数のコンピュータゲームアーカイブがすでに設立され,運用を開始している。それらは,世界のすべてのコンピュータゲームを収集するには至っていない。今後の施策として,ゲーム会社とコンピュータゲームアーカイブの連携協力や,図書館界の一層のコミットメントを提言する。
著者
都築 繁幸
出版者
愛知教育大学特別支援教育講座・福祉講座
雑誌
障害者教育・福祉学研究 (ISSN:18833101)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.19-27, 2018-03

我が国では,障害者差別解消法が2013年に制定され,2016年から施行されている。我が国の障害者高等教育が発展していく要件を考えていくために,米国の大学入試の現状と判例及び我が国の日本語能力試験と大学入試センター試験における配慮を示し,障害学生の大学入試の米国と我が国の現状及び展望を述べた。そして,日米比較の観点から我が国の展望として,1)高校からの接続を検討する,2)高校での学びの保障,3)入試時の配慮のモデル化,4)在籍率を増加する,5)セルフ・アドボカシーのスキルの修得,6)障害学生支援担当部署の設置の素地作り,7)障害の定義-法律は絶えず見直す,等を論じた。
著者
越智 和弘
出版者
名古屋大学オープンコースウェア委員会
巻号頁・発行日
2010-05-31

<前期> 世界に類をみないまでに性的快楽を敵視し、その元凶を女性に押しつける禁欲のシステムを構築し得たことが、西欧文明がこれまで進歩し得た真の原因であることを理解したうえで起きる最大の疑問は、にもかかわらず西欧が性にたいしもっとも解放的な文化であるかに見えるのはなぜか、というものである。 この逆説に答えるべく、講義はまず、1960年代後半期に起きた性の解放運動に焦点を当てる。性の解放がどのようにして起き、それがいかなる結果をもたらしたのかを総括する中から、そこにもまた快楽を資本主義に奉仕する力に変換する巧妙な禁欲のメカニズムが確実に作用していた事実を、とりわけドイツを中心とした若者文化をたどるなかから明らかにする。 <後期> 西欧文明が古代ギリシア・ローマの直接的継承者であるという言説を、批判的に検証し直す作業が講義の最初の主題となる。今から1500年程前ヨーロッパ文明は、それまであった高度に発達した文化を、いちど徹底的に破壊し尽くす中から立ち上がった。その大混乱のあとに生まれた文化は、継承すべき文化と、切り捨てるべき文化とを明白に区別し、その分断のうえに築き上げられたのが今日ある西欧文明だといえる。 講義では、資本主義というグローバルな体制が、はるか中世以前に遡る時代から現代にいたるまで、女性的快楽を消去し尽くすという、西欧以外にはどこにも見られない価値観によって展開してきたことを明らかにする。
著者
玉井 建也
出版者
北海道大学観光学高等研究センター = Center for Advanced Tourism Studies, Hokkaido University
雑誌
CATS 叢書 (ISSN:21853150)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.121-138, 2012-03-31

観光資源としてのコンテンツを考える : 情報社会における旅行行動の諸相から = Current Issues in Contents Tourism : Aspects of Tourism in an Information-Based Society
著者
藤野 京子
巻号頁・発行日
pp.1-95, 2007-03

平成17年度-平成18年度科学研究費補助金(基盤研究(C))研究成果報告書
著者
南 利明
出版者
静岡大学人文学部
雑誌
静岡大学法政研究 (ISSN:13422243)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.123-183, 2002-12-20
著者
南 利明
出版者
静岡大学人文学部
雑誌
静岡大学法政研究 (ISSN:13422243)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.1-27, 2003-02-28
著者
齊田 春菜
出版者
北海道大学文学研究科
雑誌
研究論集 (ISSN:13470132)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.107-122, 2016-01-15

本稿は、円地文子の「少女小説」である「秋夕夢」の初出と初刊を比較・考察し、円地の「少女小説」の新たな一面を捉 えなおすものである。そして、その結果、円地の「少女小説」や戦後の「少女小説」について多少なりとも新たな知見を提 出することを試みるものでもある。 円地は、主に戦後直後から一九五〇年代前後に「少女小説」を数多く執筆していたという伝記的な事実がある。この「少 女小説」は、様々な理由からその中身を具体的に考察されたことはなく、論じる価値のないものとされてきた。そのため、 従来の研究では、円地の「少女小説」について、いまだに十分に論じられているとは言い難く、その全貌は、詳細に明らか にされてはいないのである。そこでまず、「円地文子少女小説目録ノート」を作成し、円地の「少女小説」作品を現段階にお いて詳細にまとめた。次に、『円地文子全集』に収録さ れていない「秋夕夢」の初出と初刊で削除された章の全貌とその直前 の両方の共通である章を引用し、内容を提示する。そこから、なぜ初出で描かれた物語が初刊において削除されたのかにつ いて考察を行った。削除された章は、その有無によって少女が成長すること/成長しないことという「秋夕夢」の解釈の多 様性を引き出す装置として浮かび上がることを明らかにした。つまり、「秋夕夢」の中で描かれる少女は、戦後の「少女小説」 研究で理解される少女のイメージとは、異なる少女像を持っている可能性があることを示唆したのである。 以上のように円地の「少女小説」は、一見既存の枠組みに回収されてしまうような側面を持ちながら、詳細に検討をして いくと多様な要素を多く含んでいる。このことは、他の円地の「少女小説」を検討していくことの可能性を秘めているので あり、円地のテクストのイメージの新たな解釈の補助線として期待することができるのである。
著者
羽鳥 徳太郎
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.297-309, 1988-01-29

寛政5年1月7日(1793年2月17日)宮城沖に発生した地震の震度分布およびそれに伴う津波の高さを,新史料をもとに調べ,近年の宮城沖地震との比較から地震と津波の規模および波源域を考察した.各地の史料を調べた結果,震度5の範囲は岩手県中部から福島県北部に至る内陸部に分布し,震度4の範囲は東北地方から関東地方に広くまたがることが示された.1933年三陸地震・1978年宮城県沖地震などの震度分布との比較から,寛政地震のマグニチュードはM=7.8と推定された.一方,この地震に伴う津波の高さは,岩手県中部~牡鹿半島沿岸で3~5m,福島県沿岸では2~3mと推定された.筆者の方法(羽鳥,1986)によれば,津波マグュチュード(今村・飯田スケール)はm=2.5と見つもられ(1968年十勝沖津波と同じ規模),従来推定されていた値よりもやや大きい.震度および津波の高さの分布から,波源域は1897年8月の宮城沖津波の波源域を含むかたちで海溝付近にあり,長さ200km,幅80km程度の大きさであったと考えられる.
著者
小木曽 左枝子 大西 吉之
出版者
富山大学国際機構
雑誌
富山大学国際機構紀要 = Journal of the Organization for International Education and Exchange, University of Toyama (ISSN:2434642X)
巻号頁・発行日
no.1, pp.34-43, 2018-12

本稿は,中級レベルのオランダ人留学生と日本人学生による合同授業の実践報告を目的とする。同性婚をテーマとしたテレビ番組のビデオを見た後,グループディスカッションで自由に話す形式で合同授業を試行し,そのディスカッション授業についての質問紙調査を行った。そのアンケート結果をもとに,参加学生のディスカッションに対する満足度,ディスカッションを通しての学びや発見,ディスカッション授業の評価できる点や問題点をまとめ,今後の課題について考える。
著者
田中 信之
出版者
富山大学国際機構
雑誌
富山大学国際機構紀要 = Journal of the Organization for International Education and Exchange, University of Toyama (ISSN:2434642X)
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-11, 2018-12

本研究では初級文法クラスにおける授業引継ぎの授業記録の分析により,教師が共有しようとする中身を明らかにした。テキストマイニングにより授業記録を分析した結果,「授業の様子」では日本語学習や体調や態度について,どのような学生が多かったかを記述していた。また,文型や会話の練習に関する記述があり,そこには教師の振り返りも見られた。「学生の様子」では,理解と形の頻度が高かった。理解は文法や文型と共起し,形は活用形として使用される場合や,変換や間違えるなどの語と共起していた。これには文法積み上げ型の授業の実施が背景にあると考えられる。授業記録と講師ミーティング議事録と比較した結果,語の一致率が低く,両者は異なる役割があることが確認された。その一方で,どちらにも教師の内省があまり見られなかった。今後,授業引継ぎや講師ミーティングは教師が振り返り,それを教師間で共有していく場としていく必要がある。