著者
菊池 章夫
出版者
岩手県立大学社会福祉学部
雑誌
岩手県立大学社会福祉学部紀要 (ISSN:13448528)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.41-51, 2004-03
被引用文献数
6

Over 60 articles and presentations using KiSS-18 (Kikuchi's Scale of Social Skills : 18 items) were critically reviewed. KiSS-18 has been widely used in different research areas ; social, clinical, industrial, and educational psychology as well as nurse-education. Those researches suggest that this scale is highly reliable and valid, and also would be useful to other research topics.
著者
森田 雅也
出版者
関西大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2001

成果主義の進展に伴い、評価の対象が時間から仕事の結果へとシフトしてきている。この場合、時間とは、長期的には勤続年数、短期的には仕事の遂行に費やした時間の双方を含んでいる。貢献と報酬の清算期間が短期化してきており、評価における時間の重要度は相対的に低下しつつある。また、成果主義の考え方と一致した人事施策として注目が高まってきている裁量労働制のもとでは、時間のみならず仕事の場という空間への制約も弱めることが可能である。しかし、現実には裁量労働適用者の多くは通常勤務者と同様に出社しているし、フレックスタイム制を廃止する企業も出てくるなど、仕事における時間と空間の障壁を打破する動きには一定の方向が確認されない。スタッフ部門を中心にホワイトカラーの時間-行動分析を行った結果、職位が高くなるほど、対人接触時間が増大し、個人作業時間や通信時間の割合が減少しており、時間や空間を共有しなくてもよい自己完結的な仕事をしている人はほとんどみられないことが確認された。これも、対象部署が限定されているとはいえ、時間と空間を共有しない働き方の進展には反する結果である。しかし、仕事生活と仕事を離れた生活を労働者が自律的に設計し、ワーク・ファミリー・バランスを重視した働き方を構築していくことは社会全体の重要な課題でもあり、今後組織が優秀な人材を獲得するためにも必要である。そのためにも、仕事における時間と空間の障壁を克服していくことはやはり不可欠である。職場での一体感や集団討議の強みを維持し、顔を合わせることができないことから生じる仕事の非効率化を抑えながら、この障壁克服を進めるためには、仕事の進め方そのものを再編成しなければならない。再編成のあり方は業種や部門によって異なると考えられるが、それについて何らかの類型化を行うことが今後に残された課題である。
著者
太田 肇
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

インターネットをはじめとする情報通信技術の発達、経済のソフト化に伴い、人的資源管理が変化している。第一に、時間と場所とにとらわれない働き方が進行している。とりわけアメリカの企業においては、在宅勤務などの普及が著しい。一方わが国では、技術的条件は整っていても、職場の風土や仕事の進め方(いわゆる集団主義)の面での制約から、働き方の柔軟化は後れている。第二に、IT化・ソフト化に伴って個人の能力格差が増幅された形で成果に反映されるようになったため、それが処遇の格差をもたらす要因になっている。それは、わが国でも成果主義の普及という形で現れている。第三に、IT化やソフト化に伴って、より質の高いモチベーションが要求されるようになり、それが動機づけの内容に影響を与えている。その中でもとくに注目されるのは、金銭的報酬より非金銭的な報酬、とりわけ個人の承認欲求に働きかける動機づけである。企業その他の組織において行った実証研究の結果、顧客からの感謝や承認を従業員にフィードバックしたところ、モチベーションや組織・仕事に対するコミットメントなどが向上することが明らかになった。

3 0 0 0 OA 月百姿 烟中月

著者
芳年
出版者
秋山武右エ門
雑誌
月百姿
巻号頁・発行日
1886
著者
三家本 里実
出版者
一橋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は、日本型雇用システムの変容について、企業の労務管理の変化と若年正社員の離職動向との関係から考察することで、必要な雇用政策のあり方を検討することにある。その際、主な研究対象を情報サービス産業におけるITエンジニアに設定し、2015年度においては、以下の課題に取り組んだ。(1)インタビュー調査: 2014年度に引き続き、企業の労務管理と労働者の働き方(より具体的には、労働者の有する自律性)との関連を明らかにするために、労働者へのインタビュー調査を実施した。下請企業ほど、労働過程における決定権は制限され、労働者が、より直接的な管理のもとに置かれることが想定されるが、実際には、いわゆる「丸投げ」というかたちで、労働者が労働過程における決定を行っていることが明らかとなった。(2)文献研究: インタビュー調査を受けて、企業の労務管理と労働過程において労働者が発揮する自律性の関連を分析するために、労働過程論を参照した。ハリー・ブレイヴァマンの労働過程分析と、その後の労働過程論争を辿り、技能との関連において、労働者の自律性を把握する必要性が浮かび上がった。(3)アンケート二次分析: 情報サービス産業においては、長時間「残業」の問題が深刻であり、メンタルヘルス不調や離職率の高さの原因としても考えられている。長時間残業の発生する要因について、労働政策研究・研修機構のアンケート調査データの使用許可を得て、分析を行った。その結果、目標値やノルマの高さなど、企業の労務管理が大きく影響していることがわかった。(4)アンケート調査: 産業別組合の協力のもと、ITエンジニアの転職行動に関するアンケート調査を実施した。労働時間の長さなど労働条件に加え、スキルアップが転職を志向する要因として挙げられた。とくに後者については、キャリアコースによって転職意識に違いが生じることが明らかとなった。
著者
葛井 健文 上野 未貴 井佐原 均
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.4F13in2, 2017 (Released:2018-07-30)

人間の物語創作を支援し,また創作過程を定量化することを目標に創作支援システムを提案する.提案システムは,物語を作成するための質問集合と,登場人物の設定を作成するための質問集合から成り,これらの質問にユーザが答えていく形で創作を支援する.また,質問への回答から,人物の登場期間,場面の盛り上がりを確認できるグラフを表示し,ユーザが作成した物語の流れを一目で管理できる想定感情線グラフとして提案する.
著者
中辻 七朗 伊藤 浩史 伊原 久裕
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.3_21-3_30, 2017-11-30 (Released:2018-02-01)
参考文献数
21

本研究は,タイプフェイスについて,専門家と非専門家の類似性判断の差異を実験的に検証した。刺激として用いたのは,セリフ書体およびサンセリフ書体である。実験手法としては,各書体が記載されているカードを各書体の形態の類似度に応じて2次元空間に配置するカード配置法を用いて,空間上の刺激間の距離から各書体の形態の類似度を計測した。専門家と非専門家の空間配置について,配置図間の類似性を評価する跡相関係数を算出したところ,5%水準で有意差が認められ,専門家と非専門家の類似性判断に差異があった。次に,取得された類似度と各書体の文字の太さの相関関係を調べた。サンセリフ書体については,専門家の判断は中程度の相関を示したのに対して,非専門家の判断は強い相関を示したことから,非専門家によるサンセリフ書体の類似性判断は,字体の太さに大きく影響されることがわかった。
著者
中渡瀬 秀一
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.370-372, 2017-12-02 (Released:2018-02-09)
参考文献数
2

内閣府によるオープンサイエンスに関する検討会を経て,論文や研究データ等の利活用促進を拡大することが国の基本姿勢と定められた.今後はこの活動が定着してゆくのかを定量的にも見定めてゆく必要がある.本稿では公開される研究データの現状把握にまず主眼を置き,助成金による研究プロジェクトの成果に含まれる研究データの公開状況について調査した結果を報告する.
著者
大嶋 えり子
出版者
一般財団法人 日本国際政治学会
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.2016, no.184, pp.184_103-184_116, 2016-03-30 (Released:2016-11-22)
参考文献数
66

Recognising memories of past perpetrations or not is often an issue connected with responsibility and reconciliation between victims and perpetrators. This has been for a long time an issue vexing French authorities.In the 1990’s, French government and parliament began to recognise memories related to the colonisation and the independence war of Algeria. Although French authorities had kept silent on those dark events to which many fell victim on both sides of the Mediterranean Sea, they started to recognise memories related to Algeria by erecting memorials, opening museums and making laws.This article aims at elucidating why the French parliament made laws recognising memories related to Algeria. Making memory-related laws, called “memory laws (lois mémorielles)”, is a particular way to France to recognise certain perceptions of the past, and is different from other memory recognitions as it has a binding force.I thus considered two laws, made in respectively 1999 and 2005. The law passed in 1999, that I will call the “Algerian war law”, replaces the term “the operations in North Africa” with “the Algerian war or the battles in Tunisia and Morocco” in the French legislative lexicon. It officially recognises that the conflict in Algeria from 1954 to 1962 was a war, whereas it has been long reckoned to be a domestic operation aiming at maintaining order. The law enacted in 2005, that I will call the “repatriate law”, pays homage to former French settlers in Algeria for their achievements and emphasises the “positive role of the French presence abroad”.This study shows that those two laws were made in order to reinforce national cohesion among French people, instead of fostering dialogue between Algerians and French. By examining the wording and the law making processes of the two acts in question, especially the debates conducted at the National Assembly, it sheds light on how French elected representatives tried not to acknowledge France’s responsibility for the damages caused during the colonisation and the independence war and how they attached little importance to reconciliation with Algeria. Both laws indeed do not contain memories of Algerian people harmed under French rule, except some parts of the memory of Harkis, who fought with the French army during the war.The recognition of memories by official authorities of former perpetrators has significant repercussions and can encourage reconciliation between antagonists. It however tends to avert eyes from victims’memories in France when the past related to Algeria is in question. Issues connected with memory do not only concern relations between France and Algeria, but also involve the larger question of how to remember perpetrations caused by discriminatory policies and how to overcome them to accede to reconciliation between victims and perpetrators.
著者
秋山 学
出版者
筑波大学文藝・言語学系
雑誌
文藝言語研究. 言語篇 (ISSN:03877515)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.1-12, 2002-10-30

先に筆者はシリア語初頭文法・形態論に関する論考を公にした(「シリア語との対照によるアラム語同士活用体系化の試み」『文藝言語研究』言語篇41、1-41)。これを承けて本論考では、同じくセム語族に属するエチオピア語(古典エチオピア語=ゲエズ語;本稿で以下「エチオピア語」と呼ぶ場合はこのゲエズ語を指す)に関して、 ...

3 0 0 0 OA 脚本集

著者
塚本哲三 編
出版者
有朋堂書店
巻号頁・発行日
vol.下, 1922