著者
青柳 有利子
出版者
早稲田大学国文学会
雑誌
国文学研究 (ISSN:03898636)
巻号頁・発行日
vol.158, pp.49-60, 2009-06-15
著者
柴野 京子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.310-314, 2013-08-01 (Released:2017-04-18)
参考文献数
20

ここ10年ほどの間に,日本の新刊書店数は7割程度まで減少した。とくに著しいのは個人経営の小規模書店の閉店だが,郊外化や都市部への大型出店をすすめてきたチェーン書店や大書店もまた,ブックオフやアマゾンなど,既存の枠組みの外からもたらされた環境の変化に直面している。ここではそれらの状況を概観したうえで,インターネット書店のデザインが現実の書店にもたらした影響や,バーチャルとの対比で新たに発見される「リアル」書店のありようなどについて,代表的な事例を用いながら,実験的に言及していく。

3 0 0 0 OA 現代作家論叢

著者
片岡良一 著
出版者
三笠書房
巻号頁・発行日
1934
著者
湯田 厚司 小川 由起子 鈴木 祐輔 有方 雅彦 神前 英明 清水 猛史 太田 伸男
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.120, no.1, pp.44-51, 2017-01-20 (Released:2017-02-10)
参考文献数
9
被引用文献数
4

舌下免疫の最初の数年間の効果は治療年数により高まるとされる. スギ花粉舌下免疫の同一患者での症状を, ともに中等度飛散であった2015年 (花粉総数2,509個/cm2) と2016年 (同3,505個/cm2) の2年間で検討した. 【方法】発売初年に開始した舌下免疫132例 (41.8±17.5歳, 男女比75: 57) と対照に初期療法56例 (44.9±13.5歳, 同25: 31) を選択した. 2015年と2016年の両方のスギ花粉飛散ピーク時に, 1) 症状スコアと症状薬物スコア, 2) Visual analog scale, 3) 日本アレルギー性鼻炎標準 QOL 調査票 (JRQLQ No1) で調査した. 主目的に舌下免疫療法2年目に効果が増強するか, 副次目的に舌下免疫と初期療法の比較とした. 【結果】推定周辺平均ですべてに治療方法と年度に交互作用はなく, くしゃみ, 鼻汁, 鼻閉, 眼のかゆみなどの眼鼻症状において, 初期療法には2年での差はなく, 舌下免疫療法の多くで2年目は1年目より有意に良かった. 全般症状の項目も同様であった. QOL (quality of life) は, 舌下免疫の17項目中2項目のみで有意に2年目が良かった. また, ほとんどの項目で舌下免疫は初期療法より有意に効果的であった. 【結論】初期療法を対照にした中等度飛散の2年の比較で, 舌下免疫の治療効果は治療1年目より2年目で高まっていたと考えられる.
著者
中村 智美 石倉 宏恭 中野 貴文 仲村 佳彦 神村 英利
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.589-596, 2018-08-31 (Released:2018-09-01)
参考文献数
12

播種性血管内凝固症候群(DIC)治療薬の遺伝子組み換えヒト可溶性トロンボモジュリン(rTM)の急性腎障害(AKI)患者への至適用量を検討した。rTM を1日1回380U/kgまたは130U/kgで投与したDIC合併AKI患者129例を対象とし,持続的血液濾過透析(CHDF)の有無およびrTMの投与量別に,有効性・安全性を評価した。DIC離脱率は,CHDFを施行しなかった患者群ではrTMの用量による違いはなかったが,CHDF施行群では380U/kg群のほうが高い傾向であった(p=0.050)。出血率はCHDFの有無およびrTMの用量間で差はなかった。以上より,AKI合併DIC患者にはrTM 130U/kgと380U/kgで有効性,安全性に差はないものの,CHDF施行時には380U/kg投与によりDIC離脱の可能性が高まることが示唆された。
著者
矢島 道子
出版者
日本古生物学会
雑誌
化石 (ISSN:00229202)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.34-41, 1999-09
被引用文献数
2

メアリ・アニング研究が進んできて, メアリの全貌が少しずつ明らかにされてきた.これは古生物学史が, 英雄伝説ではなく, 社会全体の古生物への認識がどのように変化してきたかを探る, 新しい方向で進み始めたことでもある.ただし, トレンズが1995年に強く批判しているにもかかわらず, 実際には, メアリの紹介がいまだ, 子供時代の発見に集中している.新しい古生物学史もまだ歩み始めたばかりである.科学史家がさらに声を大きくして主張していかねばならない.1998年, イギリス古生物学会はアマチュアへの賞をメアリ・アニング賞と改名した.メアリ・アニングは真のアマチュアであろうかという問題もあるが, ここには, 古生物学を誰が担っていくのかという大きな問題がかくれているように思う.メアリ・アニングの生きていた時代には, 化石の発見そのものが学問を大きく進めていたから, 古生物学者と化石採集家が共同作業をしていたと思う.現在のように化石について研究することと, コレクターとして化石を蒐集することが別ではなかった.化石の研究者と採集者が協力して, 化石への理解を深めていたように思う.現在でも古生物学の本質は変わらないと思う.古生物学者はその学問の意図を多くの人々に明確に示さなければならないだろうし, コレクターは学問の動向を警戒するとはいわないまでも, もっと注目していかなければならないであろう.メアリ・アニングの研究史を通して, もっと古生物学が身近なものになり, 実り豊かな古生物学の研究が生まれてくることを祈る.

3 0 0 0 OA 豊臣鎮西軍記

出版者
金桜堂
巻号頁・発行日
1886
著者
Tomohiro Murase Kosuke Oiwa Akio Nozawa
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.138, no.9, pp.1148-1153, 2018-09-01 (Released:2018-09-01)
参考文献数
22
被引用文献数
4

In automated driving at Level 3, drivers constantly need to allocate attention to the driving environment to react immediately to a take-over request. However, the amount of attention of drivers to the driving environment has not been quantified. The objective of this study was a quantitative evaluation of the amount of attention to the driving environment, and the psychophysiological state of the driver, during automated driving at Level 3. Attention and driver state at Level 3 were evaluated using ERP and psychophysiological indices respectively with compared to Level 2. The dual task method was used, in which twelve subjects performed driving tasks (Level 2 and Level 3) on a driving simulation system while in parallel performing an auditory oddball task. The data showed that the amount of attention to the driving environment at Level 3 decreased in comparison to Level 2, as indirectly measured by a 19.2% increase in attention to the auditory oddball task. Sympathetic nervous system activity during Level 3 automated driving decreased as compared to Level 2. In the psychological state, comfortable feeling and arousal level decreased at Level 3.
出版者
内務省警保局
巻号頁・発行日
vol.昭和元年, 1940
著者
坂田 敦志
出版者
くにたち人類学会
雑誌
くにたち人類学研究 (ISSN:18809375)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-23, 2015

2014年2月のロシアによるクリミア半島制圧およびその後のウクライナ東部の一連の情勢に見られるように、1989年の「冷戦」終結以降、旧社会主義圏は一段と混迷を深めている。本稿では、ネーションをめぐる諸力が国家の枠組みを超えて錯綜するこの圏域にいかにアプローチするかという問題意識の下、「ポスト社会主義の優等生」と目され、西側諸国が先導するネオリベラリズム路線を着実に歩んでいるかに見えるチェコ共和国において、「ポスト社会主義」と括られる新しい時間・空間が実際にはどのように生成され、生きられているのか、その一端に迫る。具体的には、1989年の体制転換から二十余年が経過した2010年5月8日にプラハ郊外ヴィートコフの丘で催された第二次世界大戦戦勝65周年を祝う国家式典において、相反する二つの「時代」を背負った無名戦士の遺灰がヤン・ジシュカの騎馬像下部の霊廟内に並置された出来事を題材に、この出来事に、葬り去ったはずの「歴史」の痕跡を見出すことで、チェコ史における様々な「時代」、様々な文脈、様々な対立軸を組み直しながら進展する「歴史」をめぐる闘争が、二つの遺灰を基点に焦点化され、組織化されるさまを素描する。