- 著者
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青野 裕司
岡野真 一
片寄 晴弘
- 雑誌
- 情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
- 巻号頁・発行日
- vol.1998, no.96(1998-MUS-027), pp.21-26, 1998-10-17
本研究は,曲を構成するアクセントを定量的に考察することによって,楽曲の構造が認知スキーマに与える影響を明らかにすることを目指している.本稿では,アクセントを定量的に解析するための一手法を提案する.中高年,壮年,青年といった世代ごとに,歌いやすい歌・歌いにくい歌という分類が存在する.これはおそらく各世代が有する音楽認知スキーマの違いによると考えられるが,歌いやすい歌と歌いにくい歌の特徴的差異を,定性的に考察を行った研究では優れたものがあるものの,定量的に示した例は少ない.本手法を用い,中高年層,壮年層が歌いやすい・歌いにくいとする日本のポピュラー音楽数曲について解析を行った結果を示す.その結果から,本手法が世代別め歌いにくさを評価することができることを示す.