著者
Shigeyoshi Soga Taro Koyama Ayako Mikoshi Tatsuhiko Arafune Makoto Kawashima Kazuhiro Kobayashi Hiroshi Shinmoto
出版者
Japanese Society for Magnetic Resonance in Medicine
雑誌
Magnetic Resonance in Medical Sciences (ISSN:13473182)
巻号頁・発行日
pp.mp.2020-0026, (Released:2020-05-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1 2

Purpose: Although androgenetic alopecia (AGA) is a common cause of hair loss, little is known regarding the magnetic resonance imaging (MRI) of the AGA or scalp. This study aimed to analyze whether MRI for hair and scalp (MRH) can evaluate anatomical changes in the scalp caused by AGA.Methods: Twenty-seven volunteers were graded for the severity of AGA using the Hamilton–Norwood Scale (HNS), commonly used classification system. All subjects underwent MRH; two radiologists independently analyzed the images. As a quantitative measurement, the number of hair follicles was analyzed and compared with the HNS. As a qualitative analysis, each MRH scan was visually graded in terms of the severity of alopecia, using a 4-point MR severity score. The scores were compared with the HNS.Results: The volunteers were divided into two groups of 12 and 15 males without and with AGA at their vertex, respectively. Inter-observer agreements for the hair count and the MR severity score were excellent. The mean hair count on MRI in the normal group was significantly higher than that in the AGA group (P < 10−4). The MR severity score in the AGA group was significantly more severe than that in the control group (P < 10−4). In terms of the presence or absence of thinning hair, the MR severity score was consistent with the HNS determined by a plastic surgeon in 96% of cases. MR severity scores of clinically moderate AGA cases were significantly lower than those of severe cases (P = 0.022).Conclusion: MRH could depict scalp anatomy showing a clear difference between AGA and normal scalps, in both hair count and subjective visual assessment. The MR severity score was in good agreement with the clinical stages by HNS. The results support the potential of MRH as a promising imaging technique for analyzing healthy and pathological scalps.

2 0 0 0 OA 学会通信

出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.7, pp.732-738, 1994-12-15 (Released:2009-03-27)
出版者
東京音楽学校
巻号頁・発行日
vol.明治34-36年, 1911
著者
井上 勝夫 神谷 俊介 吉林 利文 宮岡 等
出版者
一般社団法人 日本児童青年精神医学会
雑誌
児童青年精神医学とその近接領域 (ISSN:02890968)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.199-207, 2018-04-01 (Released:2019-08-21)
参考文献数
18

重症の聴覚過敏症状を呈した自閉スペクトラム症autism spectrum disorder(ASD)の18歳女性症例の治療経過を報告した。患者は13歳時に不登校のため当院を初診し,特定不能の広汎性発達障害と診断された。18歳時,ほとんど全ての日常生活音に過敏となり驚愕の反応を示し恐怖を感じるようになり,耳栓とイヤーマフでも対処困難なため再診した。耳鼻科での医学検査,頭部magneticresonance imaging検査,および脳波検査で異常所見なく,ASDに関連した聴覚過敏と診断された。適応外使用であることを含めた説明と同意を経て薬物治療を試みた。Aripiprazole(ARP)を18mgまで漸増したところ症状は軽快したが,副作用が生じたため中止した。その後,ARP 3 mgで症状の軽快がみられたが効果不十分だったため,ARP再開3カ月後より音曝露を課題とした治療の併用を試みた。音曝露は,音楽を耐えられる音量で1日1回15分毎日,徐々に音量を上げ,耳栓の上からヘッドホンを装着して聴くことを課題とした。その結果,音刺激に対する馴化と般化が生じ聴覚過敏は大幅に軽減した。ARP再開5カ月後,副作用のためARPを中止し音曝露のみを3カ月間継続したが,症状の改善が続いた。本症例の治療経過から,ASDの聴覚過敏に対する少量のARPと音曝露の併用の効果の可能性が示唆された。ASDの聴覚の特徴,ASD治療におけるARPについての副作用を含めた最近の知見,聴覚過敏の治療,および今後の展望について考察した。
著者
渡辺 政隆
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

サイエンスライティングをサイエンスコミュニケーションの主要な実践として位置付け、効果的なライティング作法とその教育法を探求した。実施にあたっては、大学院生等を対象としたライティング講座を実施し、「魅力的なサイエンスライティングのポイント;初心者が陥りやすい罠;想定する読者・媒体;専門用語の“ほぐし方”」といった観点から講じ方に関する基礎データを収集した。その成果は専門のウェブサイトを設けて公開した。
著者
奥谷 浩一
出版者
札幌学院大学総合研究所 = Research Institute of Sapporo Gakuin University
雑誌
札幌学院大学人文学会紀要 = Journal of the Society of Humanities (ISSN:09163166)
巻号頁・発行日
no.108, pp.1-33, 2020-11-20

ハイデガーは,『存在と時間』のなかで,「実在性」「主観・客観関係」「真理」にかんする独自の見解を主張している。われわれの意識の外部に客観的実在が存在するかどうかという問題は哲学の根本問題とされてきた。この問題にどう答えるかで,哲学上の立場と流派が決定されるからである。これと関連して,主観と客観との関係をどう見るか,真理をどう定義するかなどの認識論の基礎をなす問題群がある。伝統的な西洋哲学における存在論を「解体」または「破壊」して独自の思想を構築しようとするハイデガーは,この問題と関連する問題群とに対しても独自の立場を展開する。彼によれば,客観的実在をめぐる実在性の問題は人間存在である「現存在」のひとつの「存在様式」である。主観・客観の問題もまた「主体の実存様式に依存する」とされる。そして,「真理」にかんしても認識と対象との一致という伝統的な真理概念は妥当しないとされ,「真理」は「現存在」の中で「隠蔽」されていたものが「開示」されるという主観的な関係のうちで理解される。私見によれば,「独我論」へと傾斜する彼のこうした主観主義的立場が,いざ客体的存在を含めた彼自身の「存在」論を展開しようとする段になって,重大な困難をもたらしたように思われる。本論文では,ハイデガーの伝統的認識論に対する批判がいかなる意味をもつかを検討し,その批判の正当性と問題点とを批判的に考察する。
著者
田口 真二
出版者
熊本県警察本部科学捜査研究所
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2007

目的刑務所等に収容されていない一般の男性に対して,未遂を含む性暴力の加害経験について自己報告研究を行い,性暴力の加害経験を持つ者の要因構造が,加害経験がない群と等質であるか異質であるか,あるいは連続性があるかについて実証的に検討した。方法(1)質問紙の内容■性暴力加害経験についてのスクリーニング質問■男性用性的欲求尺度(田口ら,2007)■新性格検査(柳井ら,1987)■性犯罪神話尺度(湯川・泊,1999),平等主義的性役割態度スケール短縮版(鈴木,1994),女性に対する敵意(大渕ら,1985)■性行動やメディア興奮度など。(2)調査対象者18歳以上の男性785名(東北地方から九州地方に居住する会社員319名,公務員205名,学生213名,その他48名)のデータを収集した。平均年齢34.1歳(SD=13.09,18-69歳)。(3)手続き平成18年7月下旬から8月上旬および平成19年7月下旬に調査協力者を介して個別に配布する宿題調査並びに大学での集合調査を行った。調査票は無記名。回収率は40.4%であった。結果と考察加害経験を持つ者151人(以下、加害群)の要因構造を検討し、「性的欲求」「性格」「女性認知」「性行動」の4因子からなる因子分析モデルが構築された。加害群から得られた因子分析モデルを使い,加害群と非加害群の2母集団同時分析を行った。群間に等値制約を置かないモデルで十分な適合度が得られたので,確認的因子分析モデルが非加害群にも適用できることが示された。両群のモデルにおいて因子不変が成立しているので,加害群と非加害群は質的な構造が同じといえる。以上から,加害群と非加害群は,質的構造は同じであるが因子の推定値が異なる,すなわち連続性があるということができる。性暴力行為すなわち広義の性犯罪を加害者として経験した群とそうでない群が異質ではなく連続性があることが確認されたことは,大学生や一般人を対象とした性犯罪研究の正当性を裏付けるものである。今後,性犯罪研究の分野における一般人を対象としたアナログ研究の進展が期待される。

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出版者
二葉書店
巻号頁・発行日
1946
著者
松野 省吾 セーヨー サンティ 榊 剛史 檜野 安弘
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.1D4OS3c01, 2021 (Released:2021-06-14)

企業におけるマーケティングコミュニケーションやニュースの発信など,様々な情報を幅広く伝達する上で,ソーシャルメディアによる情報拡散の影響は無視できなくなっている.特にエコーチャンバーやフェイクニュースの拡散などでは,ソーシャルメディアによる情報拡散が主要な役割を果たしていると言われている.本研究では,企業のPRやニュースの発信において,ソーシャルメディア上の情報拡散の規模がどのような要素が影響しているかを明らかにしていきたい.SNSにおいて社会に対して大きな影響力を持つ人物はインフルエンサーと呼ばれる.そこで,筆者らはインフルエンサーの性質を,1)投稿を拡散するユーザを多くもつユーザ.かつ,2)投稿数の多いユーザ(≅拡散を躊躇なくするユーザ)であると定義し,Twitterの記録から構築したソーシャルグラフを用いて投稿拡散への影響を検証した.その結果,いずれかの性質を持つユーザはランダムに選択したユーザよりも投稿の拡散される確率が高く,特に,プライベートグラフの中でフォロー/フォロワー数が少ないフォロワーを多く抱えるユーザの投稿は最も拡散される確率が高くなることが判った.