著者
池上 敦子 森田 隼史 山口 拓真 菊地 丞 中山 利宏 大倉 元宏
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌 (ISSN:13498940)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-24, 2008 (Released:2017-06-27)
参考文献数
41
被引用文献数
1 1

本研究では,運賃設定の異なる複数の鉄道会社を含む鉄道ネットワーク上の運賃計算を正確かつ高速に行えるネットワーク表現とアルゴリズムについて報告する.鉄道運賃は,利用者の乗車経路が明らかであるとき,多くの場合,その経路に含まれる各鉄道会社が定めた運賃を足し合わせることによって得られる.一方,利用者の乗車経路が明確でない場合,利用可能経路の中で最も安い経路を利用したとみなし,その運賃を採用することが一般的である.しかし,鉄道運賃は,基本的には「距離が長くなればなるほど高く」なるように設定されているものの,同じ距離でも,会社によって異なる料金が設定されていることや,乗車区間によって割引ルールや特別運賃が設定されていることなどから,物理的距離に基づくショーテストパスが最も安い経路になるわけではない.よって,与えられた2駅間の正しい運賃を計算するためには,その2駅間の可能経路の運賃をすべて,もしくは,その1部を列挙して比較判断する必要があることがこれまでにも報告されてきた.本研究では,物理的構造に基づくネットワーク上での経路探索を行う代わりに,ダイクストラ法が利用可能な運賃計算用ネットワークを構築し,ダイクストラ法と,少ないケースではあるがK-shortest paths問題用のアルゴリズムを利用することにより,複数社を含む鉄道ネットワーク運賃計算の大幅な高速化に成功した.
著者
飯塚 潤一 福井 恵
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.108, 2018

障害者差別解消法が2016年4月に施行され,同法律の条文の一部『過重な負担』『合理的配慮』が大きく取り上げられ,責任と不安が交錯する中,大学附属図書館もその対応が順守義務として求められている。本稿では,まず同法律の概要を紹介する。続いて,図書館利用において,障害学生・教職員が感じる障壁を解消するには,どのように考え,具体的にどう対応すればよいのかを考えてみたい。特に情報の入手が困難な視覚障害者を中心に,支援機器の活用,司書の方による支援など,できるところからその方策を提案する。
著者
松山 博明 土屋 裕睦
出版者
Japan Society of Sports Industry
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1_111-1_122, 2015

This study aims at revealing the current situation and challenges of the sports instructor overseas dispatching project. For that aim, in this paper, in our analysis of the activities of Bhutan National football team in this project, we categorized those activities and suggested the following policies to strengthen the team. First, we need to organize a system for scouting and developing new talent. We also need to promote football and improve the circumstances for playing football. Making opportunities for players to experience big matches and training sessions abroad is also essential.
著者
竹内理三著
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
1978
出版者
日経BP社 ; 2002-
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.16, no.7, pp.99-102, 2017-06

「満員電車ゼロ」。小池百合子都知事が公約として掲げたのは、昨年夏のことだった。しかし今朝も通勤電車は、すし詰め状態…。となると、女性から「あなた、触ったでしょう」と身に覚えのない疑いをかけられる可能性は、常にある。
著者
鹿野 洋 堀 洋一
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.120, no.1, pp.142-147, 2000-01-01 (Released:2008-12-19)
参考文献数
10

A lot of researches on chaos have been made. However, most of them are just investigation using computer simulation, and researches on actual chaotic system is very few. It is well known that double pendulum is a representative chaotic system. This paper deals with an actual handmade double pendulum and stabilize its chaotic motion by the extended OGY method, which we propose. First, by using reconstructed attractor which is a state space to express chaotic time series, the motion of the pendulum is analyzed. Next, the proposed new control method is applied and proved that very small control input can stabilize the system. Finally, it is compared to the disturbance observer method, and shows the superiority of the proposed control method.
著者
石原 康成 水池 千尋 水島 健太郎 三宅 崇史 稲葉 将史 久須美 雄矢 堀江 翔太 立原 久義 橋本 恒 山本 昌樹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1028, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】小・中学生の投球障害肩・肘症例の中には,棘下筋(以下,ISP)の筋力低下や筋萎縮が生じている例が存在する。これらISPの機能不全は肩甲上腕関節の不安定性に影響をもたらし,永続的な障害の一因となりうるため,早期発見の重要性が高い。しかし,投球障害肩・肘症例の中でもISPの筋力低下や筋萎縮を生じているものと,生じていないものが存在する。そこで今回,小・中学生の投球障害肩・肘症例におけるISPの状態を明らかにすることを目的として,小・中学生の野球選手を対象として調査を行った。併せて投手と投手以外のポジション(以下,野手)で比較し,ISPの状態の差が下肢タイトネスに由来している可能性を考え,これに関しても分析を行ったので,ここに報告する。【方法】対象は,少年野球団,シニアリトル,中学校野球部に所属している小・中学生の男子66名(平均年齢12.7±2.2歳)。肩もしくは肘に疼痛があり病院を受診した障害群は33名(以下S群,平均年齢12.9±2.3歳),で内訳は投手17名,捕手4名,外野手3名,内野手9名であった。投球障害のない対照群は33名(以下C群,平均年齢12.6±2.2歳)で,内訳は投手13名,捕手1名,外野手6名,内野手13名であった。方法は,対象者に対して,ISP筋萎縮の有無,下肢のタイトネスの指標として両側の下肢伸展挙上角度(以下,SLR),股関節内旋角度(以下,Hip IR)を測定した。SLR,Hip IRは投球側と非投球側に分けて検討を行った。ISP筋萎縮の有無の判定は,ISPの触診と視診により行い,投球側上肢と非投球側上肢で比較し判定を行った。統計解析には,ISP筋萎縮の有無についてはχ2検定,2群の測定値の比較には対応のないt検定を用いた。有意水準は5%未満とした。【結果】全体におけるISP筋萎縮は,S群では20名(60.6%),C群では9名(27.2%)であり,有意にS群での割合が高かった。投手におけるISP筋萎縮は,S群17名のうち11名(65%),C群13名のうち3名(23%)で,有意にS群での割合が高かった。野手におけるISP筋萎縮は,S群17名のうち6名(35%),C群13名のうち10名(77%)で,両群間に有意差は認められなかった。投手のSLRは,投球側のISP筋萎縮ありで69.3±9.2°,筋萎縮なしで72.8±8.4°,非投球側の筋萎縮ありで71.1±8.6°,筋萎縮なしで71.6±8.3°と,有意差を認めなかった。Hip IRは投球側の筋萎縮ありで17.9±11.6°,筋萎縮なしで26.3±9.8°,非投球側の筋萎縮ありで17.9±11.9°,筋萎縮なしで26.3±10.1°と,両側Hip IRともに筋萎縮あり群が有意に低値を示した。野手のSLRは,投球側の筋萎縮ありで65.7±11.2°,筋萎縮なしで63.6±11.8°,非投球側の筋萎縮ありで64.3±10.8°,筋萎縮なしで64.2±10.6°と,有意差を認めなかった。Hip IR(投球側)は筋萎縮ありで19.7±7.1°,筋萎縮なし20.1±8.7°,非投球側は筋萎縮ありで20.3±9.7,筋萎縮なしで21.9±9.6°と,有意差を認めなかった。【考察】本調査の結果,小・中学生の投球障害肩・肘症例において,ISP筋萎縮は投手に多いことが明らかとなった。次に,筋萎縮のある選手の下肢のタイトネスは,SLRにおいて投手と野手とで両群間に有意差を認めなかったが,Hip IRにおいて投手が有意に低値を示した。投球動作は全身の運動連鎖から成り立つため,上肢帯だけでなく下肢の柔軟性が必要とされる。投手は野手に比べて投球数が多い。ISPはフォロースルー時に加速された上肢の減速のために遠心性収縮を強いられることが要因として考えられた。ISPの負担を軽減するには,フォロースルー時の上肢の減速に非投球側のHip IRが関わる可能性が考えられる。したがって,股関節の内旋制限のある投手は,投球動作の中で生じるISPへの負担が大きい可能性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】小・中学生の野球選手に対して潜在的に投球障害肩・肘を評価する方法としてISPの筋萎縮の有無が有用である可能性がある。SLRとHip IRは投球障害の機能的検査法である原テストの検査項目でもある。本研究により小・中学生の投手における投球障害肩・肘症例に関してはSLRよりHip IRを優先的に改善する機能強化やアプローチが投球障害をより早期に改善させる一助になる可能性がある。
著者
Maryam MOSHAVERINIA Ali BORZABADI-FARAHANI Abdi SAMENI Alireza MOSHAVERINIA Sahar ANSARI
出版者
The Japanese Society for Dental Materials and Devices
雑誌
Dental Materials Journal (ISSN:02874547)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.817-821, 2016-09-29 (Released:2016-10-01)
参考文献数
25
被引用文献数
6 24

Present study evaluated effects of addition of Nanoparticles fluorapatite (Nano-FA) on microhardness and fluoride release of a Glass Ionomer Cement (GIC, Fuji IX GP Fast). Forty-eight specimens prepared, divided equally into 4 groups (2 with Nano-FA); after 24 h and one week Vickers microhardness (HV) was measured. Nano-FA specimens were made from addition of nano-FA to Fuji IX powder (glass powder/Nano-FA ratio=20:1 wt/wt, 3.6:1 P/L ratio). At 24 h, mean (95% CI) HV for GIC and Nano-FA GIC were 40.59 (39.51–41.66) and 46.89 (45.95–47.82) kg/mm2, and at one week 44.98 (44.23–45.72), 53.29 (52.58–53.99) kg/mm2, respectively. Findings indicated higher HV in Nano-FA specimens (F=221.088, p<0.001). Twenty-eight days weekly cumulative fluoride release in both groups was not different (p>0.05). MTT assay exhibited no inhibition of cell proliferation or reduction in metabolic activity in experimental [84.0 (3.3)] or control groups [85.1 (4.7)] with no difference between groups (p>0.05). New nano-FA GIC was biocompatible and showed improved surface hardness. Future clinical trials can verify the usefulness of Nano-FA GIC.
著者
浜口 重国
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1962

博士論文
著者
河野 又四 寺下 隆夫 奥本 光図庸
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.37-51, 1971-03-15

[Author abstract]In generally HIIROTAKE (Trametes sunguined) is known as a saprophyte of a wood. Polyporin that was reported by Bose (1946) were thought different components to over pigments on the properties. We examined on the cultural conditions (inorganic salts, temperatures, light and water) physical and chemical properties, antibacterial activities of the pigments. As resuts of the examination, we may conclude that obtain a best amounts of the pigments a addition of MgSO_4・7H_2O and KC1, 27°~37℃ in the dark, and solubility of the pigments was a maximum on pH 9.6 at 20℃ in ethanol and also the pigments was separated the four components by Thin Layer chromatography. Stability to the ultraviolet ray irradiation found the fading rate 35% for 24 hours, and Tartrazine was 10% in the same conditions. Concerning with the antibacterial activities, mycelium of HIIROTAKE took precedence with bacteria, and occasionally showed obvious bacteriostatic activities on the serial dilution method, but careful consideration should be given to these problem.[要約]①ヒイロタケ菌糸発育、色素生成に関して、7種(麦芽寒天培地、2%グルコース加用ジャガイモ煎汁寒天培地、Czapeak-Dox培地、Czapeak-Dox+N源培地、Czapeak-Dox変法培地、混合培地、混合培地 +MgSO_4・7H_2O+KCl)の培地を用いて特に色素生成の良好なる培地の選択と色素生成の至適温度、および明暗の影響について検討した。短期間培養では、2%グルコース加用ジャガイモ煎汁寒天培地が最も良好で温度は28°±1℃であった。長期培養では混合(MgSO_4・7H_2O+KCl)培地、麦芽寒天培地が良好で温度はやはり、28°±1℃であった。。高温度では(37℃以上)では菌糸発育は良好だが、色素生成が極めておそい。明・暗所の差は暗所に色素生成が多く見られた。混合培地にMgSO_4・7H_2O、KClを添加したものは27°~30℃、暗所が色素生成が良好である。②ヒイロタケ色素の溶媒に対する溶解性は、エチルアルコール(99.5vol%)で完全ではないが、比較的溶解性大であり、また水で適当な条件を加えれば、かなりの溶解性を示すことを認めた。本色素は酸性よりもアルカリ性、特にpH(9.2~9.6))に於て、いちじるしい溶解性を示したが、温度との関係も重要で、アルカリ性で橙色~赤橙色を示し、安定なpH域は8.8付近である。③ヒイロタケ色素の化学的相性では、薄層クロマトグラフィー法、吸光度試験の結果より色素の種類を推定した。吸収スペクトルを可視部、紫外部について試験した結果、314mμ, 426mμ; 付近に極大吸収スペクトルを示した。又色素のTLCにより4スポットが得られ、それらの紫外部吸収スペクトルを調べた結果、214mμ, 216mμ, 219mμ, 221mμに極大吸収が認められた。カビの産出する色素のキノン(p-キノン)はアルコーに溶解性であること、および極大吸収波長等からキノン核を有した物質が本色素に含まれているのではないかと推定される。先に述べたように糸状菌から得られる色素にはキノン系化合物が多い事と、高等植物や、地衣類の色素と関連があることが、特徴である。特にアントラキノン系のChrysophanolの側鎖のメチル基、あるいは核の水素が酸化されて生ずる一連の色素が多い^<14, 15)>。さらにヒイロタケ菌糸培養沪液中から得られた抗生物質「 Polyporin」もキノン核をもつと思われるし、またこれら色素を、FLANK等がヒイロタケと同属のPolyporus rutilans^<16)>からも分離している。④ヒイロタケ色素の安定性に関する実験では、熟に対しては、比較的安定で、著るしい退色は示さなかったが、光に対して、特に紫外線に対しては、24hrsで約35%の退色を示した。⑤ヒイロタケ色素は、天然色素から得られる着色用添加物として利用できるかもしれない。また抗菌性の利用についても今後さらに検討の余地がある。4%エチルアルコール抽出、液体ブイヨン培地上で抗菌性を示し、4%エチルアルコール単用および水溶性色素の抗菌性は共にいくらか認められることはアルコールと本色素の相乗効果があるとも考えられる。また、2%グルコース加用ジャガイモ煎汁寒天培地上で十字線法、一字線法により、ヒイロタケ色素と細菌の対時培養の結果、ヒイロタケ菌糸の発育が優勢であった。S. aureus, P. fluorescens, B. subtilis, B. mesentericus, E. coli、共、赤かっ色のかく線を生ずるか、あるいは著しい桔抗現象を示した。いずれにせよ、本色素は極めて複雑な色素であって、今後の研究によって、一層興味ある知見が得られるであろう。
著者
歴代知事編纂会編
出版者
歴代知事編纂会
巻号頁・発行日
1980
著者
山本 尚樹
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.183-198, 2014

本論文では,自己組織化現象に関する近年のシステム論の研究動向の観点から語られることの多かったEsther Thelenの発達理論を,George E. Coghillの発生研究を嚆矢とし,Arnold L. Gesell,Myrtle B. McGrawによって展開された古典的運動発達研究の延長戦上に位置づけ,再検討した。特に,Gesell,McGraw,Thelen,三者の発達研究・理論を比較検討し,類似点と相違点を明確にすることで,運動発達研究の基礎と今後の課題を明確にすることを目的とした。この検討により運動発達研究は,i.下位システムの相互作用から系全体の振る舞いの発達的変化を捉える,ii.発達的変化を引き起こす要因を時間軸上で変化する系の状態との関係から考察し特定する,という基本的視座をもつこと,さらにiii.系の固有の状態が発達に関与するという固有のダイナミクスの概念,iv.様々なスケールが入れ子化された時間の流れから発達を捉えるという多重時間スケールの概念,がThelenによって新たに加えられたことが確認された。最後に,このiii.,iv.の点について近年の研究動向を概観し,今後の課題を整理した。
著者
山村 順次
出版者
城西国際大学
雑誌
城西国際大学紀要 (ISSN:09194967)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.81-123[含 英語文要旨], 2010-03
著者
志保田 務/山田 忠彦 山田 忠彦 桃山学院大学経営学部/京都大学法学部図書室
出版者
桃山学院大学総合研究所
雑誌
桃山学院大学総合研究所紀要 = ST.ANDREW'S UNIVERSITY BULLETIN OF THE RESEARCH INSTITUTE (ISSN:1346048X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.123-147, 2002-12-20

Ryunosuke Akutagawa (1892-1927), one of the major novelists in modern Japan, is also famous as an adapter who learned from other writers in the inside and the outside. His works are considered bookish. Therefore, we assumed that he read many writers' works in his day, and we tried to prove the causality and we attempted to show how these works affected his own writing. In this work we would show some materials of the above facts consisting on the records of "A bibliography of writers who were read by Ryunosuke Akutagawa, based on "Akutagawa Ryunosuke Zenshu", published by Iwanami Shoten, Tokyo, 1977-1978, 12 volumes". Each entry in this index has three items: the writer's name, the title of the work, and the date when Ryunosuke Akutagawa would have read the work. Entries are ordered according to the writer's name in the Westerner syllabary this index.