著者
吉井 和輝 Eric Nichols 中野 幹生 青野 雅樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. SLP, 音声言語情報処理
巻号頁・発行日
vol.2015, no.4, pp.1-8, 2015-05-18

単語ベクトルは,統計的自然言語処理で利用しやすい分散意味表現として近年盛んに用いられるようになってきた.しかしながら,今まで主に英語で評価されてきたため,英語以外の言語での有効性は不明である.本研究では,単語の類推 (word analogy) と文完成 (sentence completion) の二つの評価タスクを用い,著名なオープンソースツールである word2vec (gensim の再実装) と GloVe を用いて構築した日本語単語ベクトルの評価を行った.単語の類推タスクでは,英語データで公表されている結果に近い結果を得たが,文完成のタスクでは,精度が大幅に減少した.本稿では,両タスクのエラー解析で明らかになった英語の単語ベクトルと日本語の単語ベクトルの性能差や,日本語特有の問題について調査した結果について述べる.
著者
湯浅 俊彦
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.322-327, 2013-08-01

日本の出版流通における書店の位置を概観し,学術出版の流通に起きた変化と書誌情報・物流情報のデジタル化という前史から,今日の電子出版ビジネスと書店の関係を考察した。そこで明らかになったのは物流を伴わない出版流通において,既存のリアル書店が主要なプレイヤーにはなりえないということである。しかし,リアル書店の良さはその空間演出にある。アマゾンのようなオンライン書店の登場によってこれまで当たり前であった普通の書店が「リアル書店」と呼ばれ,その価値が改めて見直されたように,電子出版の進展によって「紙の本」の価値は相対化されながらも,消えることはないだろう。
著者
北田 沙也加
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.212-220, 2016

<p>年少児(4歳児)・年長児(6歳児)に物の永続性課題(あり得る現象とあり得ない現象)を見せ,不思議に思ったかの評定と驚きの表情を基に,各現象を不思議に思うかどうかを調べた。その際,あり得ない現象の前に「魔法の国」の話をする魔法群を設定し,統制群と比較した。あり得る現象に対する評定や表情変化に有意な年齢差は見られなかったが,あり得ない現象に対しては評定に有意な年齢差が見られ,年少児より年長児の方があり得ない現象を見てより不思議だと思っていた。魔法群と統制群に有意な差は見られず,物理概念に及ぼす魔法の影響は見られなかった。また,物理概念と空想/現実を区別する能力との相関を調べたところ,空想的な絵の判断とあり得ない現象の評定に関連が見られたが,年齢を統制すると関連は見られなかった。つまり,現実世界と空想の世界の認識がまだ曖昧である年少児は,魔法の概念にかかわらずあり得ない現象もあり得ると思う傾向が強いが,年長児になると魔法の概念にかかわらず,あり得ない現象を現実世界のこととして認識し,不思議に思うようになることが示唆された。</p>
著者
柳田 邦玲雄 松本 武 岩岡 正博
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.127, 2016

我が国には山間部,平地を問わず, 各地に山の神のための祭事,行事,儀礼,習慣など(以下,祭行事)が多様に存在する。人びとの信仰する山の神と生業とに関する研究では,林業と山の神との考察には至っていない。そこで,林業者の集団である森林組合において山の神はどのように信仰されているか,山の神のための祭行事の内容や山の神の特徴を通して明らかにすることを目的として,近畿地方にある89の森林組合を対象に電話調査を行った。その結果,88組合からデータを得て(回答率98%),所在地にマッピングし地域性の有無を明らかにした。88組合中32組合で祭行事が行なわれており,そのうち26組合には山に入らないという習慣があり,25組合には行事があった。また,祭行事を年に2回行う組合が5組合あった。祭行事の実施月は,5月にだけ行う1組合を除くと,11月,12月,1月の冬期であった。そのうち2組合では冬期と4月の年に2回行い,3組合では冬期に2回行っていた。祭行事の実施日は,奈良県,和歌山県の組合では7日,滋賀県,京都府,兵庫県の組合では9日であり,南部と北部に分けられた。山の神に「山の神」以外の名前はなかったが,21組合では女性格の神であった。
著者
高橋 成
出版者
[西郊民俗談話会]
雑誌
西郊民俗 (ISSN:09110291)
巻号頁・発行日
no.236, pp.23-26, 2016-09
著者
森 泰博
出版者
関西学院大学
雑誌
商学論究 (ISSN:02872552)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.135-146, 1999-03
被引用文献数
1
著者
Polutov Andrey V.
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.642, pp.110-118, 2005-05

4 0 0 0 書評

出版者
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
雑誌
アジア・アフリカ地域研究 (ISSN:13462466)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.125-141, 2015

伊藤正子・吉井美知子編.『原発輸出の欺瞞―日本とベトナム,「友好」関係の舞台裏』明石書店, 2015年, 216p.<BR>昼間 賢<BR><BR>森下明子.『天然資源をめぐる政治と暴力―現代インドネシアの地方政治』京都大学学術出版会,2015年,250p.<BR>見市 建<BR><BR>杉島敬志編.『複ゲーム状況の人類学―東南アジアにおける構想と実践』風響社,2014年, 382p.<BR>山口 亮太<BR><BR>Ferdinando Sardella. Modern Hindu Personalism: The History, Life, and Thought of Bhaktisiddhānta Sarasvatī. New York: Oxford University Press, 2013. xiii+342p.<BR>間 永次郎
著者
高橋 莞爾
出版者
敬愛大学・千葉敬愛短期大学
雑誌
環境情報研究 (ISSN:0919729X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.103-109, 2007-11
著者
杉本 良男
出版者
日本文化人類学会
雑誌
民族學研究 (ISSN:00215023)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.242-261, 2003-09-30

人類学において「比較」の方法は時代おくれのものとみなされ、また現地調査そのものも批判の対象になっている。そのような批判に過剰反応して、人類学の一部は、調査、民族誌記述比較など、従来の学問の中心的な営みとされてきた部分をそぎおとし、自己・主体に閉塞する私小説的な相貌を帯びてきている。ラドクリフ=ブラウンやマードックらによる科学主義的な比較研究は、みずからか神の視点に立つ普遍主義的前提にもとづいていたが、レヴィ=ストロース、デュモンらによる遠隔の比較には、西欧中心主義を相対化する視点が含まれていた。デュモンのいう宿命としての比較に対して、非西欧世界の人類学者にはさらに、比較の前提となる単一性、普遍性が外から与えられてきたという点で、大きく異なっている。人類の普遍性、人間の単一性とはキリスト教世界が浸透させてきた神話の意味があるが、このような普遍神話、単一神話は、非西欧世界のエリートによって受容され、定着させられてきた歴史もある。このような限界を意識した、いわば物象化された普遍性を前提とした比較の試みは、西欧中心主義を批判するとともに、人類学のあたらしい可能性をも示唆している。