著者
池田 大助 福田 護 高島 博 布施 春樹 平野 章治 増田 信二
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1, pp.29-32, 2003-01-20
被引用文献数
1

病理組織所見が腎結核に極めて似ているが,実際は結核感染症ではない「偽結核性腎盂腎炎」症例を報告する.症例は56歳女性で,主訴は左側腹部痛であった.左さんご状結石に腎膿瘍が形成され,それが後腹膜腔に進展したものと診断された.術前の尿培養では,抗酸菌を含むいかなる細菌も検出されなかった.左腎摘除術が施行された.摘出腎には,乾酪性壊死や類上皮細胞からなる結核結節が認められ,腎結核を示唆する所見であったが,腎病巣および術野で得られた膿を検体とした諸検査では,抗酸菌の存在を証明できなかった.以上の所見より,本症例は偽結核性腎盂腎炎に腎膿瘍が合併したものと診断された.近年本疾患についての報告が散見されるが,十分に認知されているとは言い難い.不必要な抗結核療法を回避するためにも,本疾患についての十分な認識が必要である.
著者
君塚 大学
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.3-18,140, 1987

According to Lukes' suggestions, most of the conventional views of power like the pluralist and the reformist one, which have even taken power as relationship, presuppose a priori that one's consciousness of interests is built up by his autonomous choice. However this presupposition precludes the investigation which examines some kind of power effects by the powerful over the formation of the powerless' interest consciousness.<br> Agreeing with Lukes, I deny the presupposition and try to make a conceptual apparatus which helps us understand the power over the interest consciousness. In order to typify the consciousness concerning with the power exercised by the powerful, two criteria are induced, which are not distinguished clearly in Lukes' theory. One is a criterion by which one's interest consciousness can be judged as either built up by his autonomous choice or imposed by the power of the kind. Another is a helpful criterion for us to make a distinction between the morally or normatively relevant consciousness of interests and irrelevant one. There can be four types of the consciousness made by these two criteria. ( 1 ) rational consciousness ; Interest consciousness which is made autonomously by the subject and is normatively relevant. ( 2 ) irrational consciousness ; Interest consciousness formed up autonomously, being normatively irrelevant. ( 3 ) pseudo-rational consciousness ; Interest consciousness which is canalized by the power exerted by other(s) and is in normative relevance. ( 4 ) absurd consciousness ; Interest consciousness canalized by the power, being normatively irrelevant.<br> The kinds of the power which impose the powerless either the pseudo-rational consciousness or the absurd one are analyzed in the terms of the theory on the formation of interest consciousness and are named power of enlightenment and power of meaning deprivation respectively.
著者
深沢 民司
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.p33-55, 1985-04

論説はじめに第一章 アクション・フランセーズの教義 第一節 シャルル・モーラスの思想 第二節 ラ・トゥール・ドゥ・パンのコーポラティズム論第二章 アクション・フランセーズの「第二世代」の拾頭 第一節 「第二世代」の理念と精神 第二節 ジョルジュ・ソレルのナショナリズム思想 第三節 ジョルジュ・ヴァロワの思想形成--(以上前号)第三章 セルクル・プルードンの設立とその思想--(以下本号) 第一節 セルクル・プルードンの設立 第二節 セルクル・プルードンの思想むすびにかえて
著者
須藤 竜介
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本年度ではウナギの降河回遊の開始メカニズムをより総合的に理解するために、以下の実験を行った。1.銀化に伴う行動変化黄ウナギと銀ウナギの行動学的な差異を調べるために、パイプ入りの水槽を用いて行動観察を行った。黄ウナギ23尾、銀ウナギ23尾を用いて解析を行った結果、銀ウナギは黄ウナギに比べ活動的な時間が長くなることが分かった。本実験により銀ウナギは黄ウナギに比べ、活動が活発になり、定着性が薄れることが傾向にあることが示唆され、このことは今後の行動実験をする上での行動指標になると考えられた。2.ウナギの降河回遊に伴う内分泌動態降河回遊の開始メカニズムの内分泌学的な背景を探るため、耳石微量元素分析を利用し降河行動の有無を調べた後、生理学的解析を行った。雌107尾、雄61尾を用いて、性ステロイドおよび主要下垂体ホルモンmRNAの発現動態を調べたところ、降河回遊に伴い11-ケトテストステロン(11-KT)と黄体形成ホルモンβサブユニット(LHβ)が顕著に増加することがわかった。3.11-KTと回遊に関する実験内分泌動態から回遊した個体では11-KTの増加がみられた。そのため、回遊シーズンに起きる温度低下に伴い11-KTが増加するのか。また11-KTを投与しウナギの形態および行動は変化するのかを調べた。温度低下実験の結果、約50日間で10度温度を下げた群は対照群に比べ11-KTの値が有意に高値を示した。またシリコンチューブによる11-KTの投与を行った。その結果、生殖腺の増大などの形態変化および行動の変化がみられた。このことから、11-KTが回遊の動機づけに関与している可能性が示唆された。
著者
碇 陽子
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2015

審査委員会委員 : (主査)東京大学准教授 渡邊 日日, 東京大学教授 箭内 匡, 東京大学准教授 関谷 雄一, 宮城学院女子大学准教授 市野澤 潤平, 東京大学名誉教授 船曳 建夫
著者
吉村忠典著
出版者
三省堂
巻号頁・発行日
1981
著者
吉村忠典著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
2003
著者
植木直一郎 著
出版者
小林又七本店
巻号頁・発行日
1914
著者
林 正樹 道家 守 有安 香子 浜口 斉周
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.27, pp.27-32, 2001-03-14
参考文献数
6
被引用文献数
3

TVML(TV program Making Language)は、1996年に筆者らによって提案された、テレビ番組を記述する言語である。これは、番組内容を抽象度の高い表現、例えば「タイトル♯1」、「ズームイン」などのテキストで記述するものである。一方、このTVMLで書かれた台本を読みとり、自動的に番組映像音声を出力するソフトウェアをTVMLプレイヤーと呼んでいる。本稿では、TVMLの言語仕様、最新バージョンのTVMLプレイヤー、そして番組制作例について簡単に紹介する。また、TVMLをインタラクティブアプリケーションへ応用するための機能としてTVMLプレイヤーの外部制御モードについて述べる。さらに、言語を知らないユーザーでもTVML台本が作れるユーザーインターフェースとして開発されているTVMLオーサーについて述べる。TVMLは、テレビ番組制作のツールのみならず、ネットワーク、マルチメディアの分野にまで広がる広範な応用が期待できる。