著者
山下 剛 望月 新一
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

研究分担者の望月氏により、宇宙際Teichmuller理論を虚数乗法を持つ楕円曲線にも拡張できることが分かった。これにより、宇宙際Teichmuller理論とDirichlet L関数の零点の間に初めて数学的な関係が生まれた。これは今後、宇宙際幾何学のさらなる発展としてのゼータ関数の零点への研究の大きな最初の一歩とみなせる。
著者
斉藤 功 青野 裕士 池辺 淑子 小澤 秀樹 山下 剛
出版者
社団法人 日本循環器管理研究協議会
雑誌
日本循環器管理研究協議会雑誌 (ISSN:09147284)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.257-265, 1998-11-10 (Released:2010-02-09)
参考文献数
21

わが国において, 1995年に国際疾病分類第10回修正 (International Classification ofDiseases : ICD-10) に基づいた死亡診断書の改正が行われた。その結果, 大きく変化した心疾患死亡統計について, 都道府県別の変化を検討した。1993年から1995年までの人口動態統計を用いて, 都道府県別, 性, 年齢階級別, 簡単分類別死亡数より, 25歳から74歳の心疾患死亡を抽出し, 直接法による都道府県別の年齢調整死亡率を算出した。心疾患はICD-9およびICD-10より, 慢性リウマチ性心疾患, 虚血性心疾患, 肺循環疾患およびその他の型の心疾患を原死因とするものと定義した。全心疾患の年齢調整死亡率は, 男女とも全都道府県において1993年から1995年にかけて減少した。男では47都道府県中, 31道府県, 女では39都道府県において, 1993年と比べて1995年には20~39%の範囲内で減少した。さらに, 今回の改正で最も影響を受けた心不全と虚血性心疾患の年齢調整死亡率の変化率を都道府県別にみると, 心不全はほぼ一様に男女とも60~79%の減少がみられた。また, 虚血性心疾患は全ての都道府県において死亡率の増加を認めたが, その変化率は都道府県別に広い分布を示していた。また, 全心疾患と心不全の年齢調整死亡率の変化率について関連をみたところ, 相関係数が男で0.596, 女で0.443と有意な正の相関を認めた。全ての都道府県において全心疾患の年齢調整死亡率は減少しており, その減少は心不全の大幅な減少によりもたらされていると考えられた。我々が実施してきた大分市心疾患死亡調査の成績と照らし合わせた場合に, この死亡率の減少は, およそ同程度のものであった。一方, 虚血性心疾患に関しては, 全都道府県において増加を示した。そして, 改正前後の変化率は各都道府県の変化率に大きな違いがあったが, 全国合計でみた場合は大分市心疾患死亡調査の推計値と近似していた。
著者
安田 正大 古庄 英和 山下 剛 岩成 勇
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

研究代表者は分担者の山下剛氏と共同でWach加群の族の構成しクリスタリン変形環に応用した. また近藤智氏と共同でDrinfeldモジュラー多様体上のゼータ元を整モデルに持ち上げ, またモノイドの表現と関係するトポスの理論を構築した. また杉山祐介氏と共同でpseudo-tameという概念を導入し, 閉体上の任意の代数曲線が射影直線への馴分岐な射を持つことを示した. また高次複シャッフル空間を導入し深さ4の場合にBroadhurst-Kreimer予想の複シャッフル版を示した. また特別な種数2の代数曲線のL関数と関連するヒルベルトモジュラー曲面の適当な商がクンマー曲面となることを見出した.
著者
縫田 光司 山下 剛
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

現代の暗号分野では、数値を秘匿しつつ任意の演算を可能とする「完全準同型暗号」の研究が進み、プライバシー保護やビッグデータ解析など応用面での期待も高まっている。本研究代表者は、同技術の効率的な構成を可能とする新原理を既に提案しているものの、その実現に必要な諸条件を満たす代数構造の具体的構成にまだ成功していない。本研究ではこの問題に対して、群論、代数学、組合せ論など数学の観点および暗号理論的な安全性解析という両面から解決に取り組む。
著者
広田 健一 勝尾 伸一 小島 尚人 大和田 勇人 山下 剛史
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.II_66-II_77, 2015

本研究は, コンクリート表面のひび割れ点検精度の向上を目的として,ビデオカメラを接続したリアルタイム動画視認性評価システム(VISシステム:VISibility evaluation system of feature composite moving image inducing visual illusion)を拡充し,現場適用効果を示したものである.VISシステムは, FC動画(ネガ,ポジ)とそれに対する視認性評価図をリアルタイムでPC(ノート・タブレット型)画面上に表示し,ひび割れ点検支援を担う.ボックスカルバート, トンネル覆工,橋梁床版等の点検を試みた結果,点検対象から10m離れても幅0.2mm(管理境界)のひび割れを探索・発見でき,さらに,高所作業台からのチョークによる描画記録時のひび割れ見落とし対策としても寄与できることが判った.
著者
山下 剛範
出版者
鈴鹿医療科学大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

我々は4.5Gy全身X線照射後のマウス小腸損傷に対するタウリン投与を検討した。タウリンは放射線曝露後の小腸におけるタウリントランスポーター発現の減少を抑制した。さらに、タウリンは放射線誘発による酸化的損傷を抑制した。これらの結果は、タウリンがタウリントランスポーターを介してタウリンの損失を補い、おそらくサイトカインやROSによって引き起こされる炎症を抑制することにより、放射線誘発性の小腸損傷からの回復に寄与することを示唆している。
著者
山下 剛範 加藤 俊宏 磯貝 珠美 具 然和 馬 寧
出版者
国際タウリン研究会
雑誌
タウリンリサーチ (ISSN:21896232)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.32-34, 2018 (Released:2019-11-11)

がん治療や原発事故は放射線被ばくの危険につな がる。電離放射線への曝露は照射された細胞で ROS とフリーラジカルを生成し、フリーラジカル生成は 酸化的ストレスにつながる。電離放射線への曝露は、 放射線誘発細胞傷害を引き起こす可能性がある。放 射線誘発細胞傷害の原因は、サイトカインと ROS に関連した炎症過程が関与しているとの報告がある。 タウリンは、抗酸化活性、抗炎症活性および細胞 内カルシウムレベルの調節を含む、いくつかの重要 な生理学的機能を有する硫黄含有有機酸である。タ ウリンは、放射線防護剤および放射線緩和剤として 使用するための魅力的な候補であるように思われる が、現時点では放射線誘発細胞傷害をどのように保 護するかは知られていない。 今回は、放射線による細胞傷害とタウリンの放射 線防護効果および放射線緩和効果について我々自身 の知見を含めて説明する。
著者
西澤 庸子 馬場 敦志 山下 剛
出版者
日本産科婦人科内視鏡学会
雑誌
日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 (ISSN:18849938)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.209-213, 2017 (Released:2017-06-06)
参考文献数
24

Chylous ascites due to lymphorrhea is one of the complications following abdominal oncologic surgery. Chylous ascites requires long-term treatment and leads to a delay in additional treatment. We tried to detect and prevent chylous ascites. A 46-year-old woman with endometrial cancer and ovarian cancer underwent laparoscopic pelvic lymph node dissection and para-aortic lymph node (b1) dissection. She was fed milk as a high-fat diet 3 hours before the surgery. We could successfully detected chyle leakage after b1 dissection and performed clipping.
著者
野元 友貴 石田 学 稲森 友梨江 本田 英義 山下 剛司 高島 嘉晃
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Cb0491, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 頚部深層屈筋群は頚部痛などにより活動低下し、萎縮、脂肪化のような変化により、機能低下が生じると報告されている。その機能低下は頚部痛発生直後から認められ、神経系運動制御に対する早期リハビリテーションの必要性を示唆している。しかし、急性期の理学療法介入は疼痛が強度でリスクも高い事が多く、敬遠され易い為、より低強度のエクササイズが求められる。現在、水平眼球運動と後頭下筋群の関係は認められているが、眼球運動と頚部深層屈筋群の関連性は、垂直眼球運動において多数の報告があるが、効果を検討している研究は少ない。その為、本研究では眼球運動による頚部深層屈筋群への低強度のエクササイズ考案の為、垂直眼球運動に着目し、超音波画像を用い垂直眼球運動と頚部深層屈筋群である頚長筋の関係を検討した。【方法】 対象は頚部に基礎疾患が無い。成人男性6名、女性6名、年齢25.9±3.9歳、身長167.1±6.5cm、体重59.8±8.8kgとした。頚長筋画像は樋口らの方法を用い、被験者を背臥位とし超音波診断装置(GE横河社製 LOGIQ400MD)のプローブをC5レベルの胸鎖乳突筋上部に位置させ体表面から胸鎖乳突筋、総頸動脈、頚長筋の三層構造をイメージングした。事前に3人の理学療法士(業務にて超音波検査を行っている者、超音波検査を練習中の者、超音波検査初心者)が3人の被検者の頚長筋幅を10回測定し、検者間信頼性を級内相関係数(以下ICC)を用い測定の信頼性を確認した。測定方法はJullの方法を用い、頚部深層屈筋群を収縮させるCranio-Cervical Flexion Test(以下CCFT)を行い、CCFT26mmHg時の胸鎖乳突筋と頚長筋の筋腹幅を垂直眼球運動前後で3回ずつ記録し平均した。垂直眼球運動は荒木の方法を参考にし、30cmの棒の端にマーカーを付け、上のマーカーを水平に置き、下への眼球運動の振り幅が最大になるまで近づける。メトロノームを1秒に1回のリズムに設定し、背臥位のまま水平、下の順番に垂直眼球運動を1分間で往復30回行ってもらった。統計学検討は眼球運動前後のCCFT時の胸鎖乳突筋幅と頚長筋幅の平均を対応のあるt検定により比較検討し、有意水準は1%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】 ヘルシンキ宣言に基づき、事前に被験者に口頭にて実験内容と利益、不利益を十分に説明し同意を得た。【結果】 事前に行った3人の検者間のICC(2,3)は0.93、0.84、0.81となり、各被験者においても高い信頼性を得られた。各値の3回の平均は胸鎖乳突筋幅は眼球運動前6.8±1.8mm、眼球運動後6.5±2.1mm、頚長筋幅は眼球運動前10.4±2.3mm、眼球運動後12.5±2.6mmとなり、胸鎖乳突筋幅は変化が無く(P>0.05)、頚長筋幅と有意に増加した(P<0.01)【考察】 垂直運動後のCCFT時の頚長筋筋腹の幅と比率が増加した。これは垂直眼球運動により頚部深層屈筋群である頚長筋への神経機構が働いたと推察される。垂直眼球運動は視覚と眼球運動による体性感覚の入力が上丘に送られる。伊藤らは上丘より視蓋脊髄路を介し頚髄前角へ投射され、頚部の姿勢制御に関連していると報告しており、小野寺らは上丘よりcajal間質核脊髄路により、小脳片葉、小脳虫部を介し頚部深層屈筋に投射していると報告している。これらの神経機構より、垂直眼球運動によって頚部深層屈筋群への収縮刺激が入る事で、CCFT時に頚長筋優位の収縮に変化し頚長筋筋腹の幅が増加したと考える。【理学療法学研究としての意義】 本研究にて垂直眼球運動が頚部深層屈筋群である頚長筋に対し収縮刺激が入り収縮時の筋腹幅が増加した。この事は頚部痛発生直後から起こる、頚部深層屈筋群の機能低下を予防する低強度のエクササイズになりえると示唆された。今後はエクササイズとして確立する為に対象を検討し研究を進めていく必要があると考える。
著者
山下 剛史
出版者
日本理科教育学会東海支部大会事務局
雑誌
日本理科教育学会東海支部大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
no.60, 2014

本研究は、複数の実験結果を根拠とした結論を導き出すために、可能性のある仮説を複数立てられるようにすることをねらいとし、情報をたくさん書き出す「ジョイントツール」と持ち寄った情報から様々な可能性を考える「ミーティングツール」を用いる。生徒は、二つの「ツール」を利用し、活発な討論を行い、情報を整理し、だ液が良く働くための条件について考える場面で、温度、濃度等のキーワードから、仮説を複数立てることができた。
著者
服部 希世子 宇田 英典 人見 嘉哲 矢野 亮佑 西條 尚男 渡邉 直行 里見 真希 吉田 綾 大石 修 山下 剛 亀之園 明
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.170-178, 2018 (Released:2018-05-03)
参考文献数
24

目的 近年ベトナムは目覚ましい経済成長を遂げ,人々のライフスタイルが変化してきたことに伴い非感染性疾患(NCDs:Non-Communicable Disease)患者が増加している。ベトナムにおけるNCDs対策の現状と課題を明らかにし,ベトナムと日本のNCDs対策について検討する。方法 平成27年度地域保健総合推進事業(国際協力事業)として,11人の公衆衛生医師から成る調査団は平成28年1月11日~15日の日程でベトナムの首都ハノイと近郊を訪れ,WHO現地オフィス,ベトナム保健省をはじめ現地の保健医療機関を訪問し,ベトナムにおけるNCDs対策について調査を行い,意見交換を行った。結果 2014年のデータによると,ベトナムでは全年齢層の死亡原因のうちNCDsが73%を占めており,近年急激にNCDs患者が増加している。その主な行動リスクファクターは,食事,喫煙,飲酒,運動不足,である。NCDs対策を行う上での問題点として,国民のNCDsに対する認知度の低さ,地域格差のある医療,専門的な知識を持った保健医療スタッフの不足,NCDsサーベイランスが行われているものの実態を反映できていない,などが挙げられる。 ベトナムでは2002年に国家運営委員会を立ち上げNCDsプログラムを策定し,各疾患に対するスクリーニング方法や治療ガイドラインが作成されたが3次予防にとどまり,1次予防,2次予防対策が十分ではなかった。現在,WHOの技術的支援を受けながら,NCDsのリスクファクターを減らす取り組みなど予防に重点を置いた対策が始まったばかりである。結論 今後,ベトナムのNCDs予防対策が国民1人1人に行き届くことが求められており,日本の健康日本21のような国民運動,特定健診など全国規模のスクリーニング事業など参考になると思われた。また,日本における地域住民の自主的な地区組織による地域保健活動および保健師による地域への訪問活動と保健指導が地域の保健向上に大きく貢献した経験は,ベトナム国でも応用できると思われた。さらに人材不足などの課題は日本でも共通しており,幅広く健康課題に取り組む保健医療スタッフの確保と能力の強化が求められる。
著者
河邉 真如 秋吉 直樹 山下 剛司
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0535, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】腹横筋は体幹の深部に位置し,腹圧のコントロールに関与するとされている。尿失禁患者や出産経験のある女性は腹横筋や骨盤底筋の機能低下から失禁や臓器脱,腰痛を起こしやすいとされている。腹横筋の促通を行う場合,呼吸を通したアプローチが多いが呼吸時に胸郭の可動性が乏しい患者を目にする。腹横筋が付着するとされる下位胸郭の可動性が低い場合だけでなく,上位胸郭の可動性が低下している場合でも腹横筋の収縮が乏しいことを経験する。先行研究では,腹部・骨盤への口頭指示の違いによる腹横筋の活動が変化することや腹横筋の促通で体幹可動性が向上すると報告されているが,胸郭の可動性と腹横筋の機能については報告されていない。本研究は,胸郭高位の拡張差の違いが腹横筋の収縮と関連があるか調べることを目的とする。【方法】対象は健常成人女性10名(平均年齢35.5±14.21歳)。計測肢位は全て膝関節90度屈曲位の背臥位とした。計測する胸郭高位は腋窩高(以下,上位胸郭)・第10肋骨高(以下,下位胸郭)とした。各レベルで最大吸気・最大呼気の胸郭周径をテープメジャーで3回計測し,平均値を算出した。超音波(SIEMENS社製)にて腹横筋を撮影し,最大吸気時と最大呼気時の腹横筋厚を比較した。腹横筋の測定位置は布施らの方法を参考に,上前腸骨棘と上後腸骨棘間の上前腸骨棘側1/3の点を通り,床と平行な直線上で,肋骨下縁と腸骨稜間の中点とした。統計処理はR(Ver.1.4-8)を使用し,超音波測定の検者内信頼性は級内相関係数(ICC)を算出し,上位胸郭と下位胸郭の拡張差と腹横筋厚の関係はピアソンの積率相関係数を算出した。有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮,説明と同意】本研究にあたり,医療法人社団淳英会倫理委員の承認を得た。また,被験者には本研究の目的・方法について十分に説明を行い同意を得た。【結果】超音波による腹横筋厚測定の検者内信頼性は級内相関係数(ICC(1.1))=0.94となった。最大吸気の値から最大呼気の値を引いた上位胸郭の拡張差は3.13±1.0cm,下位胸郭の拡張差は3.67±2.05cmとなった。上位胸郭・下位胸郭の拡張差と腹横筋厚の相関係数はr=0.65(p<0.05)となり,上位胸郭の可動性が低く下位胸郭の可動性が大きいほど腹横筋厚は増加しやすい結果となった。【考察】上位胸郭と下位胸郭の拡張差の違いと腹横筋厚に有意な相関が認められた。腹横筋は第7肋骨~第10肋骨に付着し肋骨を引き下げ呼気時に胸郭全体を下方へ運動させる。腹横筋は下位胸郭に付着を持つため上位胸郭の可動性が低下している場合でも腹横筋の収縮を十分に行うことができると考える。しかし,上位胸郭の可動性の減少は下位胸郭の体容積を増加させるとの報告があり,これにより胸郭の形状が変化し全体的な可動性の減少を起こすことが考えられる。胸郭の全体的な可動性の低下は腹横筋の収縮を制限すると考えられる。また,今回は女性のみの被験者であったため乳房や普段着用している下着の着用位置や締め付け具合なども影響することが考えられ,胸郭可動性だけでなく形状による評価も必要であると考える。【理学療法学研究としての意義】今回,腹横筋の促通には下位胸郭の可動性が必要なことが示唆された。腹横筋の促通には腹部・骨盤への直接的な介入・運動療法だけでなく,胸郭の柔軟性や形状にも配慮した介入が必要と考える。女性は加齢によっても出産によっても体幹筋の機能低下は起こしやすく,骨盤・腹部への口頭指示や運動療法では腹横筋の促通を十分に誘導できないことは多々ある。今回の研究で胸郭の可動性を確保することで,腹横筋を促通しやすい身体環境に整えることが可能と考える。
著者
山下 剛
出版者
高松大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13427903)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.231-273, 2011-02-28
著者
入江 寿一 山下 剛 竹本 信之
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.112, no.7, pp.623-629, 1992
被引用文献数
14 7

The single-phase converter or rectifier always has a voltage ripple in the output DC voltage, because the instantaneous power of the single-phase AC line varies on the double frequency of the line. In order to obtain a smooth DC voltage, an energy storing element is necessary. The smoothing capacitor is used to reduce the ripple voltage in the DC output. Usually, it has much larger capacitance than that needed to absorb the ripple energy.<br>This paper discusses the required capacitance to absorb the ripple energy, and represents a ripple compensation circuit with a small auxiliary capacitor controlled by a 2-quadrant chopper connected in parallel to the smoothing capacitor. The appended capacitor works under large ripple voltage and efficiently absorbs the ripple energy. The ripple compensation curcuit works as an equivalent capacitor which has a large capacitance.